【蕨市議会】3月定例会一般質問(4) 待機児童解消に向けた自治体保証型昼間里親保育マッチングサービスの立ち上げについて

通告内容
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待機児童解消に向けた自治体保証型昼間里親保育マッチングサービスの立ち上げについて
(1)直近3年間の保育所サービスの需要数、供給数と今後3年間の見通しについて
(2)直近3年間の待機児童数と今後3年間の見通しについて
(3)待機児童がいる家庭ではどうしているのか
(4)既にリタイアして健康で地域貢献・ボランティア意識の高い方々の中には、保育士・認定ベビーシッター等の資格は持たないながらも、ボランティアベースで子どもの面倒をみてあげてもいいという方もいる。これらの方々と待機児童をマッチングし、自宅あるいは市内公共施設の空き部屋で子どもの面倒をみてもらい、サービス内容の質と代金の支払い・回収を市が保証する自治体保証型昼間里親保育マッチングサービスを立ち上げてはどうか
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保育園の種類

1~3歳の乳幼児を預かってくれる、いわゆる保育園は、ざっくり3種類に分類できます。
(この問題取り上げるまで全然知らなかった。子育てしたことないので、当然興味を持ったこともなかった)

↑  (1)認可保育園
| (2)認証保育園の類(自治体による)
↓ (3)無認可保育園

保育園行政は、基本的には自治体(市町村)レベルのものです。なので、全体的には、質・量には市町村ごとに大きく違いがあります。
乳幼児の保育は、丁寧に面倒を見てあげないとならないので大変です。
ちょっと考えてみると当たり前の話なのですが、5歳児よりも1歳児の世話をする方が遥かに大変です。スタッフ一人当たりが世話できる数も違ってきます。
つまり、年齢が下がるほど、子供一人当たり保育コストは大きくなります。

(1)認可保育園
公営の場合もあるが、民営のものもある。公の(市町村の)補助金がたっぷり投入されている。保育料も安い。
国が定めた制度なので、質は全国的に一定以上のものが保たれている。
なので人気がある。
入るためには、スコアリングモデルによる選考があります。母親が働いているかどうか、同居親族がいるかどうかなどがスコアリング項目となります。
全国どこの認可保育園もだいたい満杯です。

民間保育園が、高い基準をクリアして認可を取れば、補助金が投入されるため、経営は安定します。しかし、後述するように、じゃぶじゃぶに儲かるという訳ではありませんし、種々の規制もあります。

(3)無認可保育園
公的な基準をクリアしたものではない、民間の保育園です。
質は、まさにピンからキリまで。
保育料が高い高級路線のところから、ごちゃごちゃした雑居ビルの一室のロープライス路線まで。

(2)認証保育園の類
認可保育園と無認可保育園の中間に相当するもので、各自治体レベルで設定しています。
認可保育園を維持するのは自治体としては負担が大きく、参入業者も(後述する理由のため)少ないので、認可保育園よりも下のレベルで、公的な規制をかけつつ補助金を投入して、当該自治体における保育定員数を増やしていこう、というものです。
自治体にとっては、認可保育園よりも負担が小さくて済むものです。

但し、このような認証保育園という制度を作って維持するのは、自治体にとってはとても大きな固定費的コストがかかります。
従って、認証保育園制度を作れるのは、現実的には、ある程度以上の体力のある自治体(財政・人口規模が大きな自治体)に限られます。

正直、蕨市くらいの規模だと難しいみたいですね。

 

待機児童問題

待機児童問題は、0~3歳くらいの乳幼児向けの保育施設が、全国的に不足している問題です。
上述のように、児童が認可保育園に入れないと、空くまで待機せねばならず、それまで母親は働きたくても働きに行くことが出来ません。これは社会にとっても損失です。
他方で、無認可保育園はかなり高額で、誰もが気軽に利用できるものではありません。

 

なぜ待機児童問題は解決しないのか?

明らかに目の前に大きな需要(待機児童の存在)があるにもかかわらず、供給が増えないのはなぜか?
これは、私見ですが、要するの商業的に儲かる商内、ウマ味のある商内ではないからだと思います。

(1)初期投資が大きい。
キッチンなど専用施設が必要。送迎のための駐車場も必要。
既存の中古オフィス物件/倉庫物件を改装して使うのは無理。
平場を借りて、建物を新設する必要がある。

(2)利益率が低い。
この4月に蕨市に認可保育園 アートチャイルドケア蕨が新設された。この運営会社の親会社アートコーポレーション(株)のIR資料によると、アートチャイルドケア(株)の売上高営業利益率は4.3%。
この数字は、認可保育園のみならず認証保育園や病院内、企業内保育室も含めてのもので、ざっくりしたものだが、同グループの引越し事業の9.1%という数字と比べると、低い。

(3)撤退リスクが高い。
足元の数字では需要は増えているが、中期的には子供が減っていくことは確実。
一たび開設すると、社会的責任という観点からも、対自治体との関係という観点からも、撤退しにくい。

現下の制度では、認可保育園を増やすことは、自治体にとってはなかなか難しいものと思います。

 

自治体保証型昼間里親保育マッチングサービス(保育ママ/家庭的保育事業)立ち上げについて

↑  (1)認可保育園
| (2)認証保育園の類(自治体による)
| (2′)昼間里親
↓ (3)無認可保育園

認証保育園と無認可保育園の中間に位置するものとして、昼間里親という制度を作ってはどうかと考えました。

健康で、生活に余裕があって、子供を育てるのが好きだ、という家庭の方(主に、既に自分の子育てが終わった女性)が、ご自宅に子供を引き取って、有償で面倒をみてあげる、というもの。
お金儲けではなく、純粋に子供が好きで、自分に出来る範囲で社会の役に立ちたいと思っている方々の善意を頼りにするものです。

個人対個人の取引ですので、預かる方/預ける方ともに不安があります。

預かる方(保育ママ)の不安
・保育料をちゃんと払ってもらえるかしら?
・事故を起こしたらどうしよう?
・モンスターペアレントが些細な事にハードクレームを付けてきたらどうしよう?

預ける方(子供のママ)不安
・他人に子供を預けるのはとにかく不安。
・ちゃんと育ててくれるかしら?
・ニコニコしてていい人そうだけど、虐待されないかしら?

このような双方の不安を解消するために、間に行政が介在し、
・双方のマッチング
・保育料の一部を補助
・サービスの質を保証
・保育料の支払・回収保証

を行えばいい、と考えました。

自治体のメリットとしては、
・認可保育園増設と異なり、自治体の初期投資、ランニング費用は抑えられる。
・供給量の調整がしやすい。
(2,3人単位で供給量を増やせる)

同種の事例は全国に多々あります。
・横浜/川崎/厚木   家庭保育福祉員
・仙台   家庭保育福祉員
・京都   昼間里親(昭和二十年代から)

いずれも政令指定都市規模のところですね。やはりこの種の独自の制度を作って運用するのは体力がある自治体でないと難しいのでしょうかね。認証保育園制度よりももう少し手軽に出来そうに思いますけど。


【蕨市議会】3月定例会一般質問(4) 待機児童解消に向けた自治体保証型昼間里親保育マッチングサービスの立ち上げについて” への2件のコメント

  1. 蕨市在住 5ヶ月の娘がいます。現在認可外の保育園に週に2回預けております。(週に3回は両親に預けています)
    認可保育園に入れられない理由
    ①3月生まれのため認可申し込み時期に間に合わず
    ②空きがない
    ③実家が近いため入れる確率が低い
    ④実家が自営業の為入れる確率が低い
    ⑤旦那はシフト勤務、私は火曜水曜休み
     月~土保育で保育料約57000円ではコスパが非常に悪い
    ⑥空きが無いにもかかわらず、自治体による改善策がない

    私達のように土日働いている人もたくさんいますが、日曜に預かってくれるところはどこもありません。
    認可の数を増やせないなら、せめてさいたま市のように
    共働き世帯に保育料の補助があれば…と思ってしまいます。
    弱者に優しくするのは結構ですが、私達のような中間層は損するばかりです。(共働きということは納税額も少なくありません)
    空きが0にもかかわらず何も変わらない蕨市に不満を持ちます。

  2. >あやこ様

    こんにちは、コメントいただきまして誠にありがとうございます。

    待機児童対策は全国的な課題ですが、蕨市は遅れている方です。
    議会においても行政においても、誰も現状で十分だとは思っていないのですが、つまるところはお金の問題で、改善が出来ていません。(認可保育所は、市内塚越に新しく100名規模のものを一つ建設する予定です。)

    最近では、待機児童をゼロにした横浜市の事例が有名ですが、あれはやはり膨大なお金がかかっており、裕福な横浜市だからこそ出来た、という側面もあります。

    また、あやこ様には気の毒ですが、定数が少なくて希望者全員を認可保育園に入れられない以上、何らかの基準を設けねばならず、実家が近くて自営業、共働きの方が、後回しになってしまっています。

    以下は、個人的には以下のように考えています。
    ・認可保育所は設備も運営体制も充実しているが、お金がかかる。
    ・設備と運営体制のレベルを落とした、市独自の認証保育園を作れればいいのだが、蕨市くらいの規模だと制度を維持する体力がない。
    ・そこで、上記記事のような「昼間里親保育(保育ママ/家庭的保育事業)」制度を作ればいい。

    いずれにしても、すぐには出来なさそうです。

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