ケータイでPC用webサイトを見るようになるか。

C|netの記事によると、jigブラウザの有料会員が4千人を突破したとのこと。

すご。


このサービスどういうものかと言うと、
PC用webサイトを画像も含めてフルサイズにケータイで見れるようにする、というものだ。
あらかじめjavaアプリをケータイ端末に入れておき、このアプリでjigブラウザサービス用のサーバに接続する。サーバ側では、ケータイ端末でブラウジングできるようにソースを変換するとともに、パケット料を節約するようにケータイで表示するために不必要な無駄タグなどを省略する。また、各キャリア、端末ごとに、受信可能バイト数の上限が決まっているので、上限値に合わせて複数回に分けてデータを自動的に送出するようにしている。

私もデモ版を使ってみたが、ユーザインターフェースは自然で、PCを使い慣れた人にとって違和感は無い。

かなり便利だ。
ニュース/天気予報/映画スケジュールなど、PC用webサイトでは無料であるにもかかわらず、モバイル上では有料の情報系サービスというのが多々存在するが、jigブラウザを使うと、この手の情報系サービスをケータイからPC用webサイトを見に行くことによって、無料で入手できるようになる訳だ。

正式にサービス開始してわずか一ヶ月で有料会員を4千人も集め、このままのペースだと年内に1万人に達することは確実だと言う。

ユーザ属性をみると、男女比率では95%が男性、年齢分布では、20代後半から30代前半が圧倒的に多いそうだ。いわゆるイノベータ層、アーリーアダプタ層のヲタクと言われる人たちが中心であることが想像出来る。

他方、キャリア自身によって、ケータイ端末そのものに、Operaブラウザをプリインストールしてしまい、PC用webサイトを見れるようにさせる、という方向性も見られる。
Air H”に引き続いて、auも今年末商戦にそのような端末製品を投入してくるらしい。
パケ代定額制コースに入っていた場合でも、Operaによるwebブラウジングは別途従量制になるようなので、ユーザ的にはあまり意味がないが。

このような流れは、従来からあるユーザ課金型モバイルCPにとっては、脅威のはず。PC用webサイト上では無料のコンテンツを、キャリアと組んで、敢えてモバイル上では有料としてユーザに対して課金してきたのがモバイルCPの商売だからだ(但し、着メロ、着うたなどコンテンツの仕入れそのものに従量制でコストが発生するものは除く)。

では、このような流れは、どのくらいの速さで一般ユーザ間に定着していくのだろうか。

私の見解としては、当分の間(1年くらいの間)はないのではないかと思う。

このような、現実的なケータイの主要ユーザ層のニーズから生まれたものではなく、サプライサイドから「取り敢えず作ってみますた」的にリリースされたサービスは、ケータイ世界ではあまり広まった事例がない。
jigブラウザと同様のものとしてjigアプリのようなパケ代節約サービスが存在するが、利用しているのはヲタのみで、なかなかマジョリティ層にまで広まっていないと思われる。

また、キャリア自身にとっても、このような流れは、歓迎できるものではない。「公式サイト←→勝手サイト」という概念がなくなってしまう上に、コンテンツ課金回収代行の収益モデルが崩壊してしまう可能性があるからだ。また、現実的な問題として、パケ代を完全フリーにしてPC用webブラウジングを出来るようにしていくと、ネットワークインフラがボリューム的に耐えられない。
キャリア自身による、Opera搭載端末のリリースは、あくまでも「ツバ付け」的なニュアンスが強いのではないかと思われる。


ケータイでPC用webサイトを見るようになるか。」への5件のフィードバック

  1. ケータイWeb

    ケータイでPC用webサイトを見るようになるか。
    関連記事:http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20075406,00.htm

    たしかにPCで無料で読めるテキストは携帯でも読みたい。しかし、自分が加入したとして利用するようなサイトの情報は、概ね無料で入手で

  2. あいまいでスマートなニッポンの携帯

     スマートフォンについてのふにゃらけた論旨のエントリに、早速奥さんとmgkillerさんからTBをもらった。答え書かなきゃ~と思ってるうちに切込ブログにレスして

  3. Googleのimode版の検索結果からリンクすると、リンク先はモバイル・ブラウザ用に変換されてるみたいだね。パケットとバッテリが保たないのであんまり試してない。

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