埼玉県は、埼玉県防災航空隊という、ヘリコプター部隊を運用しています。
災害救助、山岳救助、情報収集、空中消火、ドクターヘリとしての運用など、多岐に渡る活動を担い、必要に応じて県外への応援派遣も行っています。
総務省から無償貸与を受けた1機を含む3機体制となっており、機体の長期整備期間(クルマにおける車検のようなもの。2ヶ月間もかかる)も見据え、常時2機が稼働可能な体制が整えられています。
埼玉県防災航空隊は、
・埼玉県危機管理防災部による所管
・県内各地の市・一部事務組合の消防本部から選抜された消防職員の出向
・本田航空への運航委託
という、三者連携による埼玉県独自の体制で運営されています。
埼玉県防災航空センターは、荒川沿い、川島町のホンダエアポート内に設置されています。
荒川サイクリングロードがすぐ脇を走っているので、私も自転車トレーニングでよく通ります。蕨からだと荒サイを自転車で往復60kmくらいですかね。
現 蕨市議会議員(保守系会派:新翔会)で、元 戸田市消防長の栃本由兼 議員は、平成6年から3年間、戸田市消防本部から埼玉県防災航空隊に出向しており、その際は蕨から自転車で通っていたそうです。
令和5年(2023年)6月に退役した旧「あらかわ2号」に代わり、この4月より新「あらかわ2号」が運航を開始しました。
伊レオナルド社製のAW139です。
我が国における代理店は、三井物産エアロスペースです。
このたび、県議会向け説明会が行われ、埼玉県防災航空センターに見学に行ってまいりました。
機体右側のホイスト装置。
ワイヤーを動かして、人や物資を上げ下ろしします。
山火事消火のための、水を運ぶバケツ。
手前の、オレンジ色の蛇腹を折ったバケツ状のモノは、ヘリコプターの下部にぶら下げて使用する、文字通りのバケツです。
奥の、赤いプレート状のものは、ヘリコプターの底面に装着し、より大量の水を運び放出することができます。
人命救助用の各種道具。
体験搭乗しました。
時速200kmほどで、大宮駅付近までグルっと回って飛行しました。
操縦席にいるお二人は、前述のように、業務委託先である本田航空に所属している民間人です。
右側運転席の後部に、膝を立てて座っている方は、県内消防本部から出向してきている精鋭隊員です。
機内は、防音の仕組みはまったくないので、とてもうるさいです。キーンという高周波音が常に鳴り響いています。
機内での会話は、写真のようなヘッドセットを通じて行います。
また、4点シートベルトにて座席に身体を固定しています。
今回の体験搭乗を通じて、現場の職員の士気と高い技術力を間近に感じ、県民の安全を守る強力な体制に改めて心強さを覚えました。