自民党 埼玉県議団では、ただ今、北朝鮮による拉致被害者救出のための条例制定に向けた準備を進めております。
先日、令和6年(2024年)9月21日(土)、埼玉会館におきまして、拉致問題を考える埼玉県民の集いがあり、出席してまいりました。
救う会埼玉(北朝鮮に拉致された日本人を救出する埼玉の会)、埼玉県の共催によるイベントです。
北朝鮮による拉致被害者全員の身柄の奪還に向けて、あらためて強い決意を共有しました。
講演では、コリア研究の学者であり、特定失踪者問題調査会の代表を務める荒木和博氏から、北朝鮮の現状と拉致問題解決に向けての今後の方向性について、興味深い話がありました。
・北朝鮮内部は、経済危機が進み、社会は混乱。
拉致に関する記録はもはや散逸しており、北朝鮮政府による把握も困難。
・韓国からの韓流ドラマ、K-POPなどの情報の流入は止まらない。
北朝鮮政府による統制、見せしめ的な処分をおこなっても流れは変わらない。
金正恩自身が、演説の中で、韓国(南コリア)で使われる単語をついうっかり用いてしまっていることから、韓流ドラマを閲覧していることがうかがえる。
(韓国と北朝鮮とでは、同じ言語ながらも、長い分断を経たため、同じ事象・物に対して異なる単語を用いるケースが少なからずある)
・国力の低下、軍の規律の乱れ
本年7月の大水害によって人々の暮らし、内政は混乱したまま。
軍が人々を助けず、食料略奪をする。
・ポスト金正恩の後継者争いが激化
推定年齢40歳ながらも肥満体の最高指導者は、長生きできそうもない。
後継者候補+その取り巻きの宮廷内後継者争いが激化しており、体制はもはや一枚岩とは言えない。
後継者争いの間隙に、例えば政敵排除を目的として、拉致問題に関する情報が公開される可能性がある。
・荒木氏の認識では、「今までも、今も、日本国政府は本気で拉致問題に取り組んでいない」
今まで:
日朝国交正常化を目指す国会議員勢力があり、拉致問題が障害になると考えて、ウヤムヤにしようとした。
今:
今に至っても、警察が正確な情報を出さなかったり、虚偽の説明を行ったりするのは、上記のような政界からの不当な圧力を受けてきた経緯があるから。
政府が、今持っている全ての情報を公開すれば、世論は一気に盛り上がり、拉致問題解決へ向けての圧力になるはず。
個人的な所感
「表には出てこないが、真実は◯✕である」といった裏事情的な話は、聞いている分には面白いが、検証が不可能であり、そのまま鵜呑みにすることは出来ません。
しかしながら、専門家の分析から、拉致問題解決へ向けての新たな可能性について、新しい視点を得ることが出来ました。
先のエントリにてご案内した通り、
本年10月5日に、北朝鮮に囚われた拉致被害者向け日本語ラジオ放送「ふるさとの風」、「しおかぜ」公開収録が蕨市にて行われます。