教委改革について

市役所の会派控え室で資料などを読みつつ、TVの国会中継をつけっぱなしにしていたら、維新の会の議員から教育委員会改革についての質問があり、下村博文文部科学大臣が答弁していました。

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教委改革については、自民党が改革案をタタキ台として作り、これをベースに様々な議論が巻き起こっています。

自民党案の方向性をざっくりまとめると、「教育行政における首長の権限強化」ということになります。

産経:教委改革 誰が責任取るのか明確に
朝日: 首長の教育権限強化 教委改革、政権が見直し案

 

教育長?教育委員会委員長?教育部長?それぞれの違い

市の中で、教育に関わる責任者のポストは、3つあります。
正直、未だに違いがよく分かりません。

教育長:教師のライン。校長出身者がなることが多いが、外から連れてくることも可能。形式的には教育委員の中から選ばれる仕組みだが、事実上は人事採用には議会の同意が必要。
教育委員:市内の医者とか名士的な人物がなる。5人。教育長は、教育委員の中から選ばれる仕組み。人事採用には、議会の同意が必要。
蕨市web:蕨市教育委員のリスト
教育委員会の委員長:議長みたいなもので、権限はない?名誉職?
教育部長:行政職員のライン。市役所の中で、市民生活部長とか健康福祉部長とか幾つかある部長ポストのうちの一つ。

 

教育行政における、政治からの中立性の確保

「選挙で選ばれた首長が教育行政を好きなように行えるようにするべき」という考え方があります。現状では、教育委員会が教育行政を司っているために、首長が直接的に教育行政をコントロールすることは出来ません。

教育委員会は、首長が選んで議会が同意することによって人事採用されますが、任期中(4年間)は首長や議会が好き勝手に罷免することは出来ません。
複数人いる教育委員の任期は、それぞれちょっとずつズレるように設定されております。
従って、あるタイミングの選挙で当選した首長(任期:4年間)と、前任の首長が選んだ教育委員の、考え方が異なる状況ということもあり得ます。

この仕組みは、「首長と議会が教育行政を好き勝手に出来ないように」するために、敢えてこのようになっています。

教育行政は、長期的な視点で行われるべきであり、短期的な首長選挙、議会議員選挙の結果に左右されてコロコロ変えるべきではない、という考え方が根底にあります。

 

マスの間違いに対する安全装置

同時に、「民主制は不完全な政治体制であり、マスは間違えることがある」、従って、「衆愚政治に陥る可能性を、可能な限り制度的に排除しなくてはならない」という考え方が、さらにその根底にあります。

選挙によって正当に選ばれた首長なり議員なりが、無茶苦茶な人物で、無茶苦茶なことをやる可能性もある、それを防ぐための安全装置が、現状の教委制度です。

このような安全装置は、どこの民主国家でも多かれ少なかれ設置されています。
例えば、米国は大統領制国家ですが、実は直接選挙ではなく、「大統領選挙人を選ぶ間接選挙」という形式を取っています。今では形式的なものでほとんど意味が無いのですが、マスが間違えて選んだメチャクチャなどうしょもない人物が大統領になることを制度的に防ぐ、最後の安全装置としての役割を潜在的に果たしています。

 

教委改革についての所見

と言うことで、安全装置は必要だと思います。
首長の権限を強化する、行き過ぎた教委改革は好ましいとは思いません。
予算が必要なもの(お金の支出を伴うもの)は、議会の同意が必要ですが、そうでなければ首長が独断でなんでも好き勝手に出来るようになってしまうのは、教育に関しては、好ましくないと考えます。

他方で、地方によっては(大津市とか?)、教育委員が、地域の名士の名誉職みたいになっているところもあるそうで、何としたものか。


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