埼玉県は茶業が盛んであり、県議会にも狭山茶振興議連があります。
議連(議員連盟)というのは、特定のテーマについて、超党派で研究、情報交換、議論する集まりです。話し合う段階までを目的として、具体的な政策案は会派・議員ごとに異なるものがアウトプットされてくる場合もあるでしょうし、共同で政策を練り上げる場合もあると思います。
このたび、狭山茶振興議連にて、鶴ヶ島市内の茶園である、長峰園を視察してまいりました。
狭山茶の特徴は、自園・自製・自販という垂直統合です。
茶畑で生産し、工場で茶葉を加工して製品化し、卸・小売までを一貫して行っていることで、これは、他の産地では行われていません。
これらは、従来は、狭山茶の強みであると語られていたのですが、実は裏返しの弱みもある点は、先日の有志での静岡視察で仕入れた新しい視点でした。
・輸出や付加価値の創造に力を入れる卸・商社が育たなかった。
・業界団体の力が弱い。
という点が、狭山茶のディスアドバンテージです。
長峰園も、自園・自製・自販であり、さらに、カフェ経営にまでバリューチェーンを拡大しています。
長峰園の方より、説明をお聞きする。
茶畑。
畝は長ければ長いほど、作業効率は良いとのこと。
畝が短いと、機械をターンする作業が増えてしまうため、効率が悪くなります。
畝の幅は、機械の大きさに依存して決まるため、全国統一サイズなのだそうです。
九州以外では唯一購入した、茶葉洗浄・虫取りマシン。
まだ試行錯誤している段階だそうです。
収穫前に茶葉を水で洗浄し、虫を吸引して綺麗にします。
そのため、農薬が不要になります。
「農薬未使用」を付加価値として打ち出していくことを狙ったものですが、逆に、「これ以外の農薬使用の茶葉は、大丈夫なのか?」と不安視されることをおそれ、また、業界内の他業者への悪影響をおそれ、まだ本格的にそのようなマーケティングが出来ていない、とのことです。
茶畑を覆うカバー。
社屋内に設けられたカフェにて。
茶畑を眺めながら、抹茶ケーキを食べつつ、お茶が飲める、という趣向です。
茶業界は、消費者の嗜好多様化によるリーフ茶需要減により、長期的には縮小傾向にあります。生産量はピーク時の半分となりました。
この茶園では、
・カフェ進出によるバリューチェーンの延伸
・無農薬化による付加価値の創造の試み
にて、生き残り・成長を図っていこうとしておりました。
最後にみんなで記念撮影。