令和6年(2024年)7月11-12日、自民党埼玉県連青年局メンバ13人ほどにて、本年元日に発災した能登半島地震被災地である七尾市を訪問し、視察してまいりました。
七尾市を含め、能登半島には、本年5月後半に個人にて視察を行ったところで、1ヶ月半ぶりの訪問となりました。
自民党埼玉県連青年局は、当該任期の当選時点で50歳以下である、自民党埼玉県議団の県議会議員が所属しております。
新高岡駅からレンタカーに分乗して、七尾市へ。
七尾市では、自民党石川県議団所属の清水真一路 県議会議員にアテンドしていただきました。
倒壊家屋の解体は進んでおらず
市内中心部の商店街です。
多くの倒壊家屋が、倒壊したまま残っております。
公費解体は進んでおりません。
申請済みで解体未着手の棟数は2,000件に及びます。
何か一つのボトルネックがあるわけではなく、
・コンサル不足
・解体業者不足
・ガレキ置き場不足
などの複数の要因があるとのことでした。
未だに被災者が避難生活を送る避難所
七尾市中心部に位置している、矢田郷コミュニティセンターです。
七尾市は、市直営の公民館を廃止し、コミュニティセンターに移行しています。市内15箇所のコミュニティセンターは、それぞれの地域のまちづくり協議会が指定管理者として運営しています。
責任者の方から詳しい説明を伺いました。
この地域のまちづくり協議会の役員(ごく低額の有償ボランティア)さんです。
この方の地域愛と属人的な努力によって、元日の発災直後からこの避難所は運営されてきました。
「行政も被災した。行政は頼れなかった。
よく、自助・共助・公助と言うが、公助なんて存在しない」
という趣旨の発言が印象的でした。
未だに47名の方々が避難生活を送っています。
段ボールで居住区画を区切ってあります。
既に仮設住宅の供給も始まっている今のタイミングで、未だに避難所生活を送っている方々は、自宅が断水・トイレが使えない状態で、昼間は自宅で過ごし、夜に避難所に寝泊まりに帰って来る、というパターンが多いとのことでした。
元日の発災直後には、600-700名の方々が館内に避難し、車中泊を含めると1,000人以上の方々がこのコミュニティセンターで避難生活を送っていたそうです。
避難所運営のセオリーとしては、「避難所を開設したらすぐに、受け付け所を設け、避難者の名簿を作る」というのがマニュアル通りのやり方です。
しかしながら、初日はそれどころではなく、名簿を作り始めたのは1月2日からだったとのことでした。
私も、これまでに全国各地の様々な災害現場を視察して来ましたが、現役で稼働している避難所の居住区画を見学したのは初めてです。
当初は、段ボール壁の高さは、上の写真の1段目までの高さしかありませんでした。
プライバシの確保よりも、大きなストレス、肉体的な疲労を抱えた被災者の方々の心身の健康状態をすぐに見守れるように壁を低く設定したとのことでした。
徐々に段ボール壁を高くしてきた、とのことでした。
既に居住者が退去した区画。
床面に段ボールを敷き詰めて、小上がりのような高さとし、畳を敷いてあります。
共有区画。
ごみ置き場や、スマホの充電が出来る区画。
全国から寄せられた救援物資の倉庫として用いられている部屋。
1月半ばまでは、能登半島の先端部は道路が寸断して救援物資の運び入れが困難だったため、中継地点としてここで受け入れたそうです。
24時間体制で受け入れを行ったとのこと。
夜中に4tトラックがやってきて、避難者に声がけをしてみんなで荷物の積み下ろしをしたこともあったそうです。
電気、ネット接続環境、水道は使えますが、未だに館内のトイレは使えません。
この地域は、七尾市内の中心部ながらも下水道が通っておらず、浄化槽を用いているのですが、浄化槽が壊れたままだからです。
下水道の普及が進む今日、浄化槽は取扱業者も少なくなり、修理に時間がかかる、ということなのでしょう。
救援物資の塩おにぎりをいただきました。
長期保存ができ、封を開けたら、水も火も使わずに食べられる、というものです。
申し訳ないけど、くそまずい。米の味も食感も無い。
1/3も食べられませんでした。ほんとごめんなさい。
仮設住宅
入居前の仮設住宅を訪れました。
この部屋は、バリアフリー仕様の部屋です。
天井は少し低めに感じましたが、サッシは二重だし、明るいし、それなりに快適そうに見えます。
仮設住宅にて、みんなで記念撮影。
商工会議所の市内事業者支援体制をヒアリング
七尾商工会議所を訪れ、市内事業者の支援体制についてお聞きしました。
商工会議所の建物も被災し、断水が続いていたそうです。
他地域の商工会議所職員の応援を得ながら努力している様子に感銘を受けました。
和倉温泉に投宿
七尾市内の和倉温泉へ。
ここは高級旅館ばかりが立ち並ぶ、きれいな温泉街です。ほぼすべての建物が、ヒビが入ったり外壁が崩れるなどして、営業再開できていません。
復興のためのインフラ系エンジニア、ボランティアのために素泊まり・風呂無しで部屋のみを提供している(もちろん有償で)旅館に泊まりました。
電気、トイレ、ネット接続環境は使えます。
水道も使えますが、飲用には適していないとのことでした。
宿のお風呂には入れないので、和倉温泉の総湯(温泉街の中心にある公衆湯を、この地方ではこう呼びます)に入りました。
(以下の記事に続く)