教育センターの日本語特別支援教育を見学。

本年度2017年度より、蕨市の新規事業として、日本語特別支援教育支援員が設置されました。

先日、ご担当のご好意により、教室の様子を見学してきました。

 

日本語特別支援教育について

市内に在住外国人が増えており、小中学校においても、外国人の児童・生徒が増えています。

日本語スキルはまちまちであり、まったく読み書き・会話が出来ない子供もいます。
体調が悪くても訴えられなかったりするそうです。

また、保護者を呼んで話をしようとしても、保護者とも日本語でのコミュニケーションが成り立たないケースがあるそうです。

従来は、小中学校の現場において、学校の先生の頑張りによってどうにかやり繰りしてきたようです。

 

そこで、特に日本語スキルの低い児童・生徒を集めて、集中的に日本語教育を施そう、ということで、本年度2017年度から新たに設けられたのが、本制度です。

DSC_0757

(平成29年度 蕨市当初予算案概要資料より)

教育センターの充実として、総額で5,489千円が計上されています。

DSC_0758

(平成29年度 蕨市予算書より)

5,489千円の内、

2,340千円 日本語特別支援教育支援員
2,980千円 統括相談員
169千円 備品購入費

となっています。

 

 

見学におけるファインディングス

以下、箇条書きにて。

 

開講期間:
毎週 月~水の午前中に開講。

受講生:
市内全小中学校の、日本語スキルの低い児童生徒。
地域・学年はまちまちで、それこそ小1から中3まで一緒に受講する。
国籍もまちまち。日本国籍者もいる(母語が日本語ではない)。

受講生の家庭環境・背景:
中長期的な定住者(定住希望者)なのか、2~3年の短期的な滞在者なのかは不明。体系的な調査はやっていない。

受講期間:
入学・卒業時期は、蕨市への転入時期・日本語スキルの上達度合いに応じて、随時。
基本的には、授業についていける最低レベルが身に付いたら、できるだけ早く学校に戻してやる、という考え方。

教育メソッド・内容:
この日の授業内容は、あいさつ、食べ物・料理の単語とそれを用いた会話、すごろく、五十音など。
起立・礼から始まる、昔ながらの日本の学校のスタイルで、規律正しさ、集団意識、ルールを守る感覚、授業中と休み時間を区別して時間を守る感覚なども身に付けさせる。
机やイスを自分達で揃え、挨拶をしっかりやり、先生の言うことをちゃんと聞く、悪いことをしたらごめんなさいと謝る。
日本語以外は使用禁止。
ハンバーガー、スパゲティなど、外来語についても、日本語チックな平板なアクセントでしゃべれるようにする。(パーリーピーポォではなく、ぱーてぃーぴーぷる。)
これらは、一般的・汎用的な教育メソッド・教材があってそれを使っているわけではなく、手探りでやっている、とのこと。

授業の雰囲気:
子供はまじめで、楽しみながらよくやっている印象。
主の先生に加えて、副の先生もいて、とてもサポートは手厚い。

 

 

所見

単なる語学教室ではなく、日本人のモノの考え方、生活習慣、道徳観も自ずと学べるような仕組みになっているのは好もしい。
先生は優秀な方です。

やはり、短期的な滞在者なのか、中長期的な定住者(定住希望者)なのかは、体系的に調査して欲しい。

この件は、本年2017年3月定例会において、私が一般質問した通り。

hoya_t blog 2017/3/20 : 【蕨市議会】2017年3月定例会一般質問(2) 定住外国人実態調査について

短期的な滞在者と、中長期的な定住者(定住希望者)とでは、必要とする日本語スキルレベルも、必要とする小中学校教育の方法論も、異なってくるものと思う。

短期的な滞在者であれば、留学生として遇するべきと考える。
正しき良き日本人としての価値観に従ってもらう必要はないが、これを学び、母国に持ち帰って伝えてもらいたい。

中長期的な定住者(定住希望者)であれば、好むと好まざるとに関わらず、我が国の生活習慣、モノの考え方に従ってもらう必要がある。
日本国籍者であるならば、愛国心の涵養も小中学校教育の役割である。

他の自治体での事例や、米国のような移民の国での事例についても調べてみたいところ。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください