教育政策を考え中(1)目標設定をどうするか

さて、蕨市の現行の教育政策についていろいろ調べつつ、今後取るべき教育政策について考え中です。
次回6月定例市議会の一般質問では、教育関連をメインに取り上げるつもりです。
(3ヶ月毎の定例議会では、各議員が各々自由に発言する機会があり、これを一般質問と呼びます。自らの政策案を発表したり、行政に何かを問い質したり、持ち時間35分の中で、テーマフリーで発言出来ます。)

 

教育政策を語る上では、以下のような幾つかの難しさがあります。
(長くなりそうなので、幾つかのエントリに分けて書きます)

 

1.目標設定をどうするか。

(1)子供全体の平均的な底上げを目指すのか?
(2)上位層のエリート育成を目指すのか?
(3)いじめや学級崩壊などの問題の排除を目指すのか?

概ね、(1)と(2)は両立しない。
(2)は、公教育の役割ではないかもしれない。

あるいは、

(1)学力向上を目指すのか?
(2)進学成績(いわゆるイイ学校への進学率)向上を目指すのか?
(3)人間力的なモノの向上を目指すのか?
(4)スポーツの結果、体力の向上を目指すのか?
(5)社会人としての成功を目指すのか?

そもそも学力って何だろう?
テストの成績?偏差値?それ以外の何かか?
社会人なら誰でも知っていることだけど、学校の成績が必ずしも社会で役に立つ訳ではない。かなり比例するけど。
社会で必要な力は、プレゼン力、コミュニケーション力、外国語力、課題発見力、組織マネジメント力、マーケティング力、ビジネス設計力、インターフェース設計力、オペレーション力など。もちろん、これらの全部が必要な訳でもない。仕事内容や立場によって、必要な力は異なる。

イイ学校に進学しても、ロクでもない人、人を傷つけたり社会に害を為す人はたくさんいる。

人間力って何だ?
何となく分かったような分からないようなワードで、こんな曖昧な言葉を、定義せずに使う人は、インチキな政治家くらいだと思っていいだろう。
優しさとか?
美しいモノに感動する心とか?
よく分からない。

スポーツといってもいろいろあるけど、僕はボール(球体)が大嫌いなので(何となく顔に向かって飛んできそうな気がする一種の球体恐怖症)、学校でやらされた野球とかサッカーとかドッヂボールの時間が苦痛でたまらなかった。
人と合わせるのが苦手なので、人と一緒に何かをやる団体競技も嫌いだ。
ランとかバイクとかスイムとか山登りとか、自分と向き合って、自分の身体と対話しながら、自分の限界に挑戦する系は好きだ。
学校のスポーツというと、団体競技が中心になりがちだけど、好き嫌い、向き不向きもあるので、誰にでも野球やサッカーやドッヂボールをやらせるのがいいことだとは個人的には思えない。
あるいは、逆に考えると、もっと子供の頃に団体スポーツを毛嫌いせずにちゃんとやっていれば、僕ももっとまともな社会人になれて、今頃は年収1億くらい稼げるようになっていたかもしれない。

ついでに書くと、小中学校で、例えば宿題を忘れたときに「校庭1周」みたいな罰が昔は存在した。
(体罰に関してうるさくなったので、今は行われていないのかな?)

アレは今でも腹が立つし、間違った教育手法だと思う。
本来、「走ること」は楽しいことである、だからこそ、幼稚園児くらいの子供を広い野原に放り出すと、いつまでも笑い転げながら走り回っていたりする。子供は、ただ走っているだけで楽しいのだ(嫌いな子ももちろんいるだろうけど)。それを罰にするのは間違っている。罰は、全員が必ず嫌がることを設定しないと、意味が無い。

社会人としての成功って何だ?
僕は、社会人としての人の価値は、自分が属するコミュニティにどれだけ貢献できるかによって決まると考えるが、他方で、これは比較論的に他人と比較しても意味はないと思っている。
自分が属するコミュニティに貢献したくても貢献できない立場の人に、人としての価値が無い訳では断じて無い。

年に100万円の所得税を納めている人よりも、年1億円の高額納税者の方がエラいかもしれないが、100倍エラいかというと、そうとも言い切れない。

社会人としての成功って、結局、何だろう?

 

蕨市の現状の目標設定

手元にある、つい先日策定された「コンパクトシティ蕨 将来ビジョン」によると、

第3編 実現計画 第2部 分野別計画 テーマ7 学校教育において、

生涯にわたって自己実現を目指す自立した人間としての力を育むために、家庭や学校、地域の連携を深めながら、蕨市ならではの魅力ある教育活動を展開し、「知・徳・体」の調和のとれた、児童・生徒の育成を目指します。

その下の、施策15 教育内容の充実 として、

1.自ら学び自ら考える児童・生徒の育成
蕨市の学校教育としての目標及び各学校における目標を設定し、その確実な実現を通じて児童・生徒の生きる力を育成します。
(中略)
3.豊かな心と体を育む教育の展開
豊かな心を育む道徳教育や福祉教育、ボランティア体験などを推進します。
(中略)
豊かで健やかな心と体を育む学校部活動の充実に努めます。
(以下略)

となっている。
細かい目標は、もっと下のレイヤないしは学校単位で設定されているようだ。

上記の赤文字は、僕が強調するために色を付けた。
この部分が、重要なキーワードということになるだろう。

少なくとも、
・試験の成績、偏差値、学力重視ではない。
・進学成績重視ではない。

 

この、教育政策の目標設定については、私見を書くのは今のところ差し控える。

(続く)


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