蕨市議会 3月定例会 23年度補正予算

予算というのは、そもそも単年度制です。

ある年度(4月~翌年3月)の予算は、前年の秋から作り始め、3月定例会(2月下旬~3月下旬)でfixします。
しかしながら、当然、執行しているうちにズレてきたり、税収が少なかったり多かったり、予想外の出費があったり、なんやかやで補正する必要が出てきます。
3ヶ月毎の定例議会では、毎回必ず、補正予算が上程され、審議されます。
年度末の3月定例会では、帳尻合わせをする必要があるために、最も補正のボリュームが大きくなります。
23年度補正予算案の中の目玉は、
市役所第2駐車場の土地買い取り 6.8億(案)
でした。
場所は、ここ↓
昔、移転前の蕨郵便局があったところです。
6.8億円というのは簿価。
昔、バブルの頃に、蕨土地開発公社が買いました。
バブル当時、土地の値段は、無限に上がり続け、下がることはないと考えられていました。
将来何かに使えそうな空き地が出てきたら取り敢えず買っておこう、という考え方で、取り敢えず買ったのがこの土地です。
土地開発公社というのは、要するに、土地保有だけを目的としたシェルでして、頭金ゼロで借入れを起こして、土地を買い集めました。
その後、バブルがはじけ、保有している土地は、簿価の何分の一くらいにまで値下がりしてしまいました。
民間の事業会社と異なり、時価会計による減損処理は必要ないので、塩漬けになっており、毎年少しずつ清算しています。
清算というのは、市のお金(一般会計)で、土地開発公社から買い取る、ということです。
土地開発公社は市の連結決算に入っていますが、土地開発公社は市から受け取ったお金で銀行借入れを返済することが出来る訳です。
尚、民間企業と異なり、減損処理とか損失計上という概念は存在しません。
何故ならば、そもそも損益という概念が存在しないからです。
要するに、市長側は、当初想定していなかったけど、浮いたお金6.8億が出来た(無理やり作った)ので、この金で借金の返済をしよう、という補正予算案を提案してきた訳です。
日本共産党籍を持つ共産主義者の頼高英雄市長は、市長2期目の公約において、「任期4年間で市の借金総額を10億以上削減」を掲げており、この公約にそった施策となります。
私が所属する保守系会派 新生会は、公明党、民主党と共に、補正予算案のこの部分に反対し、否決しました。
少数与党である日共は賛成しました。
借金を返済するよりも、公共施設の耐震化工事など、今はもっと優先順位の高い政策がたくさんあり、そちらにお金を回すべき、というのが私たちの主張です。
しかも、この土地に関しての借入金の金利は、たったの0.36%です。
驚くほど低い金利ですね。
頭金ゼロでこの金利でお金を借りているのなら、返すなんてもったいない、というのが、私のような商人の常識的な感覚ではないかと思います。
この件に関して一般質問をした議員がおり、市側の答弁としては、
①この借入金は、長期借入金ではなく、短期借入金であり、借り換え期限が迫っている。補正案が否決されれれば、金利交渉をする充分な時間が無いので、短プラと同じ程度(1.35%)になってしまう。
②補正前の予算額で執行すると、当該土地のごく一部のみを市が土地開発公社から買い取ることになるため、分筆しなくてはならないし、駐車場として利用するために駐車場運営会社と契約するにあたり、市と土地開発公社と別々に契約せねばならず、契約コストが高くついてしまう。
と述べましたが、
①取り敢えず単プラで一ヶ月間だけ借りて、一ヶ月かけて充分な交渉を行って、今までと同じ条件を引き出せばいい。
②当該土地のみの土地保有法人を立ち上げて、その法人の株式を、市と土地開発公社とで分けて保有すればいい。
というテクニカルなだけの話であり、その道の専門家に対応策を考えてもらえばいいのです。
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2012/4/3 5行削除しました。
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それで、その否決した分の6.8億は、取り敢えず基金(年度を越えて持ち越せる勘定科目です)に繰り入れ、年度が明けてから別途話し合うことになりました。

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