本日2014年8月22日(金)、蕨市と総合地所(株)様とが、
「コンパクトシティ蕨」将来ビジョンの推進に関する官民連携協定
というものを締結しました。
Exciteニュース:蕨市と総合地所、「ルネ蕨ガーデンシティ」に関して官民連携協定を締結
(2014/8/21)
http://www.excite.co.jp/News/economy_clm/20140820/Suumo_67831.html
(この記事本文はリクルートのSuumoから提供受けたものですが、今時点ではSuumo上では原文は見当たらず。)
総合地所(株)様の概要
ルネシリーズのマンションデベロッパーです。
元安宅産業(住友系)の建設部門で、非上場。
現在の社長は、元住友銀行。
株主構成は不明ですが、以下の記事によると、2006年時点でモルガン・スタンレーの不動産ファンドが30%保有して筆頭株主の模様。30%で50億だから、当時の時価総額は167億。
http://www.kachitas.com/service/news/200606/post-2594.html
この度、蕨市北町の旧日本車輌社宅跡地に12階建て、164戸の大規模マンションを建設中で、今週末から販売を始めるようです。
ルネ蕨ガーデンシティ
http://www.sgr-sumai.jp/mansion/w-164plus/
hoya_t blog : 2013/8/22 蕨市北町1丁目26番地の日本車輌製造(株)寮・社宅跡地の売却の件
協定の内容
これが、正直言って、よく分からない。
「連携協定」なので、要するに連携することの協定なのだが、何を連携するのかよく分からない。
リリースにおける内容としては、
・防災・防犯
・子育て支援
・住環境向上・緑化
・地域コミュニティ活性化
の4分野ということで、
蕨市のリクエストに応じて、総合地所様が
・非常用マンホールトイレを設置
・防災用備蓄倉庫を設置
・防災用井戸を設置
・敷地内に認可保育園を設置
・緑化します
・
・
等を受け入れて実施します、
ということなのだが、このような、マンションデベ側・マンション住民側にも、周辺住民・行政側にも双方にメリットがあることを、行政側がリクエストをするだけなら、わざわざ協定を結ぶ必要ってないのじゃないかな?
唯一、蕨市が引き出した
・マンションデベ側・マンション住民側にデメリット
・周辺住民・行政側にメリット
がある点は、
・マンション住民全戸に町会への加入義務付け
というものくらいかと思料します。
他方で、総合地所様側には、この協定の存在が、営業上のアピールポイントになるので、メリットは大きいものと思います。
個人的な所見
まあ、逆に言うと、この協定を結ぶことによって、周辺住民・行政側へのデメリットは何もないので、まあいいか、という気もします。
しかし、他に数多くの不動産・建設事業者が、市内にマンション、アパート、建売住宅を建てて販売している中で、規模が大きいとはいえ、今回の総合地所様との間でのみ特別な協定を結ぶことについては、公正性に疑義があります。
とは言え、今回、蕨市が民間企業と協定を結ぶのは、私が知る限りでは初めてのケースなので、正直、ちょっとどう解釈すべきかよく分かりません。
これから他市事例も含めて調べてみます。
また、本件については、議会の一部で、議会に対する説明に先立ってプレスリリースを打ったことに対して、議会軽視だ、誰よりも先に議会に対して説明すべきだ(=市民に対して説明すべきだ)、と非難する声が上がっているようです。
個人的には、この種の協定締結は議会同意案件ではなく、首長の専権事項のはずなので、どうでもいいと思います。
議会が行うべきなのは、事後的なチェックだと思います。