議員のなり手不足問題

1月29日付の東京新聞より、

議員のなり手不足問題について、全国の自治体議長アンケートを行い、その埼玉県内の分について集計してコメントした記事。

 

私も現職の蕨市議会議長なので、回答しました。

 

 

議長として、コメントを求められたり、イベントで発言やスピーチを求められたりする機会は多々あるのですが、

(1)議会の総意、代表者としてのコメント・発言
(2)たまたまそのタイミングで議長を務めている、私の個人的なコメント・発言

どちらを発するべきなのか、びみょうに悩むことは多々あります。

(1)の場合は、「議会の総意」というのは、都度、議会議員みんなの意見を聞いてコンセンサスを取ることは事実上不可能なので、「この程度の内容ならば、おおむね、みんなの考えから外れることはないだろう」、「自分の考えとは違う、と文句が出ることはないだろう」という、無難なコメント・発言をすることになります。

 

今回は、アンケートということなので、(2)のパターンで回答致しました。

 

 

概ね、議員のなり手不足問題は、

・国政、県政よりも、市町村レベルで、より深刻
・大きな自治体・都会よりも、中小の自治体・田舎で、より深刻

ということが言えます。

 

 

それでは、首都圏近郊に位置し、人口7.5万という小規模な市である、蕨市はいかがなものか?

 

 

以下、私見ですが、

 

蕨市でも、すぐ目の前の近い将来、「議員のなり手不足」がやってくるものと推測しします。

蕨市では、今年、令和5年(2023年)、市議会議員選挙が行われます。
今回は、定数:18以上の人が立候補することが見込まれていますが、次回4年後はどうなるか?

かなり難しいところだと思いますね。

 

 

結局のところ、地方議員というジョブは、そこから得られるものと、そのために失うもの・コストを比べると、あまり魅力的なものではないのですよ。

ボランティアの一種のつもりで臨まないと、やっていけるものではありません。

 

 

この記事の中では、「議員報酬の引き上げ」云々が取り上げられていますが、そもそも、単純に何割か引き上げた程度では、まだまだ魅力あるジョブとは言えないでしょうね。

 

「なり手」と言っても、誰でもいいわけではありません。

例えば、30代半ばで年収1,000~1,500万くらい稼いでいる、高学歴で、それなりの企業でそれなりに仕事の上で結果を出していて出世コースを走っている人、もしくは、起業していて成功体験も失敗体験も持っている人、そんな人が、魅力を感じるようなジョブにしていかないと。

 

 

 

この記事の中でも、私のコメントとして紹介されているように、最も大切なものは、

地方議員への敬意の醸成

だと思います。

 

 

今は、地方議会・議員がマスメディアで取り上げられるのは、くだらない不祥事を起こした時だけです。
多くの子ども達の目には、地方議員は、私利私欲を追い求めることしか頭にない唾棄すべき連中としか見えていないんじゃないですかね。
このような状況を変えていくように、地方議員一人ひとりも、社会全体も努力していかないと、地方議員のなり手不足問題はますます深刻化する一方でしょうね。

 

 

そのための解決策の一つとして、私がこのアンケートへの回答の中で示したのが、justアイディアですが、「地方議員が主人公のアニメ・ドラマを作る」というものです。

もちろん、これはあくまでも「地方議員への敬意の醸成」を図る施策案の一つの例に過ぎませんが、

例えば、1986年、映画『トップガン』公開によって世界中の海軍・空軍の志願者が激増しました。

1997~年、TVドラマ・映画『踊る大捜査線』シリーズを見て、刑事志願者が増加しました。

2000年代、漫画原作のTVドラマ・映画『海猿』シリーズによって、海上保安庁の志願者は増加しました。

 

地方議員が主人公のアニメ・ドラマを作れば、子供達が地方議員という職業へ憧れるようになり、地方議員への敬意が醸成されていくのではないでしょうか。

冗談のように聞こえるかもしれませんが、半分以上は本気であります。

 

 

 

それでは、私が地方議員志願者増を目指して、ドラマのシナリオをちょっと考えてみましょう。

(このドラマはフィクションであり、実在の人物・団体とは一切関係ありません)

 

主人公の地方議員たちが、一人ひとりはひ弱で、喋りも演説も下手で、論理的思考力も弱いものの、仲間を作り、力を合わせて、悪の敵対会派と戦う!そんなストーリーです。

 

ひび割れた道路。シャッター通りと化した、寂れゆく商店街。十年前の耐震診断の結果が不合格だった市立病院の建物は、今にも崩れ落ちそうだ。

高齢化率は上がる一方だ。

年老いたご夫婦が相次いで亡くなると、その家は空き家のまま放置されていく。
ひとたび空き家となった建物は、少しずつ朽ちていく。

何も無い、街。

何よりもこの街に無いものは — そう、夢だ。

そんな街を救うために、俺は立ち上がる!私を捨てて!

(選挙の話は、生々しいのでカットして)初当選した、俺。

そんな新人の俺が直面したのは、魑魅魍魎が蠢く、既得権益を守るだけのことしか考えていない闇の議会の世界だった。

そんな中で、一人また一人と志を同じくする仲間を作っていく。

必死で調べ、考え、街を再生するための条例案を作り上げる。
この条例案を可決すれば、街は蘇る!
街を再生するために、この条例案を、何としても可決しなくては!
(実際にはそんな簡単なもんじゃないけどね)

事前の票読みでは賛成多数の見込みだった条例案を、悪の敵対会派の卑劣な手段によって、ひっくり返されそうになってしまう。

卑劣な悪の親玉は、俺の後援会の会長にウソを吹き込んで、後援会長経由で条例案を取り下げるように圧力を掛けてきた。
うぬぬ・・・何と卑劣な。
こんなF○○kな野郎に負ける訳にはいかない。

手に汗握る、ギリギリの攻防。

最後は、もちろん正義が勝つ。

そして、悪の敵対会派は、心を入れ替えて自らの非を悟り、主人公たちと握手をして和解する。

そして、戦いの中で、愛が芽生え、最後に、ハッピーエンド、ちゅっちゅっ。

 

シーズン1は条例案が可決するまでで、シーズン2は、その条例案に基づく新年度予算が動き出してから。

 

 

こんな感じで、リタイアしたら小説でも書いてみようかと思います。

あるいは、どなたか、小説なり漫画なりドラマ・映画の脚本なりを書いてくれる方がいらっしゃいましたら、喜んでネタをご提供致します。


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