陳情の内容
蕨市議会の、この12月定例会に、以下のリンク先のような陳情が出されております。
陳情の詳細情報
陳情第5号 日本政府に「核兵器禁止条約」の署名・批准を求める議会決議意見書採択に関する陳情 【陳情趣旨】 …
陳情団体は、県内の原爆被爆者団体です。
内容は、核兵器禁止条約の署名・批准を求める意見書を国に対して出してほしい、というものです。
総務委員会の結論
この種の陳情に限らず、あらゆる議案は、
(1)テーマごとに割り振られた委員会で話し合う、結論を出す
(2)本会議で、委員会の結論を追認するかどうか話し合う、結論を出す
という2段階を経ることになります。
昨日、令和3年(2021年)12月1日に(1)に相当する総務委員会が開かれたところです。
蕨市議会(定数:18)の総務委員会の現メンバは、6人おり、会派構成は、
令政クラブ(自民系):2
公明党:1
日本共産党:1
日本維新の会・無所属連合(いわゆる、見なし会派):1
リベラル系無所属:1
となっています。
このうち、委員長は採決に加わることが出来ず、今は令政クラブから出しております。
昨日の結論は、反対は、令政クラブ:1、公明党:1の計 2名のみであったため、賛成多数ということで、賛成という結論になりました。
これは、蕨市議会全体では、保守系・国政与党系比率が過半数を占めているものの、総務委員会の構成メンバはリベラル系・国政野党系比率が高いために、このような結論に至ったものです。
(国政与党とは、自公を指しますが、蕨市議会においては、市長は共産党であるため、自公は野党になります。)
本会議での結論の見込み
令和3年(2021年)12月16日に話し合われることになりますが、総務委員会での結論をひっくり返して、反対という結論に至る見込みです。
核兵器禁止条約について私見
私の、戦略核兵器+その運搬手段と核戦略論に関する歴史観は、5年前のエントリで述べた通りで、今日においても変更はありません。
戦略核兵器(戦術核兵器を含まず、戦略核兵器のみ)が、国際法に違反し、残虐で極悪非道なものであることは同意しますが、そうであるがゆえに、戦略的な価値があります。
戦略核兵器+その運搬手段と核戦略論があるからこそ、世界の安定が維持され、大国間の戦争が起こらず、平和が保たれているのです。
この構図は、冷戦期から米中対立・覇権移行期の今日に至るも変化はありません。
今の時点で、特に米中が核廃絶をした場合は、米中対立が戦争にエスカレーションする可能性が極めて高いものと考えます。
戦略兵器を廃棄することではなく、戦略兵器を持ち続けて安定を維持することこそが、戦争を防ぐ唯一の方法です。
従って、我が国が核兵器禁止条約に参加することは、戦争が起こる可能性を高めることに他ならないものと考えますので、反対します。
核廃絶の実現への道
戦略核兵器+その運搬手段、核戦略論に変わる、次の世代の戦略兵器と戦略理論が出現すれば、世界中の戦略核兵器は一瞬のうちに効力がゼロになります。この保有コストが極めて高い兵器を維持し続ける理由がなくなりますので、瞬時に核廃絶(戦略核の廃棄)が達成されることになります。
但し、個人的な予想ですが、そのような状況になった場合も、当面は戦術核は維持されるのではないかと思います。