わらび学校土曜塾を見学。

2013年6月22日(土)、蕨市立 西小学校に、わらび学校土曜塾を見学して参りました。
(以下、写真はありません)

  • わらび学校土曜塾概要

土曜日の午前中に生徒を学校に集め、自習形式の補修を行う、というもの。
隔週で2時間ずつ。
学期制で、参加者は学期ごとに募集する。(1学期が終われば、一旦解散)
コンセプトとしては、「授業の補助、学習習慣の育成」。つまり、家に帰ったらちゃんと宿題するような学習習慣のある子どもや、バリバリ進学塾に通うような子どもは対象外。
この事業全体の年間予算は2,824千円。
蕨市内の小学校3校(西小、南小、東小)で実施。
小3~6の希望者対象。
西小の場合は、定員30名のところ、参加生徒数は22名。
図書室を会場として行う。
先生は、前校長のN先生で、アシスタントとして、大学生が3人。

 

  • 実際の様子

起立→礼→着席から始まる、挨拶から始まるが、授業ではない。
あくまでも自習形式なので、生徒は各々自分のカバンから漢字ドリルや算数ドリルを取り出して、自分の宿題を勝手に始める。

アシスタントは、生徒22名に対して本来は3名いるものの、この日はたまたま1名お休みであった。2名の方は、ともに大学生で、内1人は教職を取っているそうだ。

生徒は、小3~6だが、たまたま3,4年生が多いようだ。
学年ごとに固まって座っているが、各自机の上に広げているテキストはバラバラだ。
学年によっても異なるが、漢字ドリルや算数ドリルが多い。自分が小学生のころの宿題ってどんなんだったかな?あまりよく覚えていないが、たしかに漢字と算数が中心だったような気もする。
宿題が終わると、先生が他の問題集テキストをコピーして、課題を与えて上げる。
(あれっ?こういうのって知財権的に大丈夫なんだっけ??)
宿題が終われば、図書室内の本を読んで時間を過ごしてもいい。
4年生の女の子たちは、2時間目には楊枝に紙テープを巻き付けて木工用ボンドで固めてコマ作りを始めていた。

生徒は、人なつこく話しかけてくる子もいれば、黙々と目の前の自分のタスクに取り組む子もおり、2時間観察しているだけでも、それなりに個性が見えてくるのでなかなか面白い。
「学習習慣を身につけさせる」がコンセプトということは、対象者は「学習習慣が身についていない」子どもたちであるということであって、目の前の算数ドリルでちょっと分からない問題があると、ぱたっとドリルを閉じて漢字ドリルに取り掛かり始めてしまうような子どもも多い。集中力が続かずに、友達に話しかけてしまう子も多いが、このあたりは厳格に叱ったりせず、ある程度はわいわいがやがやした雰囲気を許容している。

それにしても子どもというのは残酷なもので、ちょっと子どもの練習帳に漢字を書いてあげたら「字ーきたないね!」と言ってみたり、私をチラッと見て友達に対して「あの人、目つきが怖いっんだけど~」と言ってみたり、他の生徒に対してちょっとここには書けないような酷いあだ名で読んでみたり。

この日のクラスは、次回が実習のため、事実上教室で行うのは最後であった。
最後のあいさつの時にN先生が「みんな楽しかったかな~?二学期も通ってみたい人?」と尋ねると、ほぼ全員が手を挙げていた。
この様子だと、2学期はもっと参加者数は増加するものと推測される。

 

  • 考察

定量的な評価はなかなか難しいが(対象者のテストの点を前後で比較するとか?)それほど費用もかかっていないし、良い取り組みだと考える。
今は市内7小学校のうち、3校で実施されているのみだが、全校に広めればいいと思う。

キモは、指導側の人材の確保。
西小では、前校長として定年退職したばかりで、教育に対して情熱を持っているN先生が指導者に就いてくれたので、とても良いスタートを切ることが出来た訳だが、事業を拡大していこうとすると、人材確保に苦労するだろう。
アシスタントの大学生の確保が大変かどうかは不明。以前見学に行った、杉並区立和田中のドテラ(土曜寺子屋)では、アシスタント大学生は区外からも来てもらっているとのことだった。