地方には健全な批判的ジャーナリズムが存在しない。

健全な批判的ジャーナリズムの必要性

ここでいう健全な批判的ジャーナリズムというのは、誠に正しい意味での、理想的な、世のため人のため、権力とは距離を置き、権力を監視し、市井の声無き声を取り上げ・・・というもので、そもそもそんなものが存在するのかどうか分からないが、中央と比べると、地方にはこれが存在しない。

権力から距離を置き、権力を監視する健全な批判的ジャーナリズムが存在が、権力の暴走、不正、腐敗を防ぐことになる。

歴史を振り返ってみると、権力というものは、必ず腐敗するものなので(100%絶対に!これは歴史の必然だ、歴史を学べば中学生でも知っていることだよ!)、健全な批判的ジャーナリズムの存在は、フェアで公正な社会、正義の実現のためには必要不可欠だ。

中央というのは、国全体という意味で、中央には、健全な批判的ジャーナリズムは存在すると思う。
少なくとも、そのように信じたい。
徳洲会から5,000万円を借りた問題で都知事を辞任することになった猪瀬直樹氏は、作家時代には少なくともこの健全な批判的ジャーナリストであったと思う。

 

健全でないジャーナリズム

ところで、健全ではない、批判的でないジャーナリズムは、何かというと、権力におもねったり、取り込まれたり、あるいはマスに迎合したり、自らの利益を極大化することを目指すもの。

ミス・インターナショナルグランプリ受賞者の吉松育美さんが、大手芸能プロダクションの幹部から脅迫を受けていることを発表した事件について、国内のメディアが一切報道せずに沈黙を保っている。
これは権力におもねっているわけだ。

RBB Today : 茂木健一郎氏、脅迫被害のミス世界一・吉松育美さんの支援呼びかけ
2ch式ニュース : 【話題】現役ミス世界一吉松育美さんがストーカー被害訴える…自殺した川田亜子さんの名前出し「娘さんが彼女のようになることを心配しています」脅迫も

また、「今でしょ!」で有名になった予備校教師の林修さんがキャバクラ通いしていることを面白おかしく報道している。
個人のプライバシに関わる、他人にとってはどうでもいいことを報じる類のものは、マスへの迎合でしかない。
livedoor news : 林先生がキャバクラで実践した『今でしょ!』の応用術

 

これらの類は、すべて、不健全なジャーナリズムと言えるだろう。
市場があるから存在するわけで、別に悪いものではない。

 

地方における健全な批判的ジャーナリズムの不在

これは、まさに、地方には無い。
地方誌は、残念ながらそれほど強力な取材力はないので当り障りのないことしか書かない。唯一、反骨の批判的ジャーナリズムが存在するのは、沖縄の琉球新報と沖縄タイムスだが、彼らの強烈で極端なイデオロギーへのカウンターパートが存在しないので、個人的には、あまり好ましい状況ではないと思う。つまり、琉球新報、沖縄タイムスともに左翼・反米イデオロギーに染まっているが、この反対側の方針(右翼・親米)を掲げるメディアが沖縄に存在しない状況というのは、ジャーナリズム市場としては健全ではない。

地方に多々存在するCATV放送も、だいたい3セクだったりするし、行政から広報予算をもらっていたりする。

ブラックジャーナリズムは多少はあるね。

 

何でそもそも地方に健全な批判的ジャーナリズムが存在しないのかというと、ずばり、市場が存在しないからでしょう。

たんねんに調べて記事を書いても、商売にならないってこと。
新聞、雑誌、テレビ、ラジオといった既存マス4媒体を使った健全な批判的ジャーナリスムは、地方ベースでは商売にならない。

自分のことを振り返ってみると、市議会議員になる前は、中央政治には興味があっても、地元の地方政治はあまり興味なかったからね。

 

しかし、インターネットには可能性がある。
ネットを使って、たとえ少数でも興味関心を持つ人に配信するプラットフォームを作れば、商売としてはそれほど大きなものにはならないと思うが、社会へ与えるインパクトは大きい。
イメージとしては、ハフィントン・ポストとかBLOGOSの地方版みたいな感じのプラットフォームサービスは、成立し得るかもしれない。