台湾の反服貿ひまわり学生運動(写真レポート3)

その1その2からの続き。

学生運動は、高度に組織化されており、ロジスティクスが充実していた。
どこかの報道で民進党からお金が出ているという記事を読んだ気もするけど(今探したけど、記事が見当たらない)、どこからお金が出ているかは不明。資金力は大きい。

(全ての写真はクリックすると拡大する)


物資ステーション。
食べ物、飲み物、地べたに座るときに敷くマットを配っている。


糧食は豊かである。

ご飯がタダで食べられるので、寂しい老人がたくさん紛れ込んでいた。
たいした稼ぎも蓄えもなく、家族や友人も少なそうな、寂しい生活をしているであろう老人たちで、主義主張があるわけではなく、タダ飯が食えるからというだけの理由でこのエリアに出入りしている人達。
先日見に行った、バンコクのデモ会場でもこの種の寂しい老人はたくさんいた。


コーヒーを沸かしている。
Democracy cafe。


無料の電源とwifiコーナー。


モバイルキャリアである遠伝電信(Fareastone)のwifi車。
これは無料サービスではなく、単純に、人が多いところで輻輳が起こらないようにするためのものと思われるが、詳細不明。


医療コーナー。


ゴミ捨て場。
分別収集されている。


ゴミ捨て場。


移動式トイレ車。


大量の仮設トイレ。
尚、シャワーはない。


ゴミ拾いをする学生たち。


交通整理をする学生たち。
占拠エリア内には、写真のようにセブンイレブンが2軒あるほか、飲食店やオフィスビルもあり、普通に営業しているので、クルマの出入りもある。

 

急進的な台独派、反核団体も紛れ込んでいる。

タイミングを捉えて学生運動の大きなうねりを上手く利用しようと思って接近しているのだろうが、学生運動側とは明確な断絶がある。
出入りしているのは老人が多い。
占拠しているエリアも違うし、人の交流はまったくなさそう。


立法院の敷地内の別の建物?
掲げられている緑と白の二色のフォルモサの旗は、台湾独立運動のシンボル。
建物の入口は警官隊によって固められている。
建物の上部には、「売台院」という風刺が掲げられている。


立法院の敷地に、道路を挟んで接する、監察院の建物。
監察院は、五院制の五院の一つで、監査を担当する。
「台湾独立」、「台湾独立建国」の旗が多数掲げられていた。

そもそも「反服貿」=「台湾独立」ではない。

これに対して、学生運動の中には、「台湾独立」を主張する掲示はまったく見られなかった。


派手なかっこうのおっさん。
この人も急進的な台独派。
中華民国は邪悪な外来政権であり、台湾を台湾人に返せと主張している。
「NO NUKES」というシールも貼ってある。
反服貿の主張とはまったく相容れないものなので、真面目に聞いている人は少なかった。

 

以上で写真レポートは終わり。
続いて、考察編へ。


台湾の反服貿ひまわり学生運動(写真レポート2)

その1からの続き。
(全ての写真はクリックすると拡大する)

以下、立法院近くの路上の様子。


写真付きの「拒服貿」、「反黒箱」メッセージ。
服は、服務=サービス、
貿は、貿易
つまり、台湾中国サービス貿易協定を拒む、というメッセージ。
黒箱は、ブラックボックス。審議プロセスが不明朗であることを批判している。


立法院に道路を挟んで接する、公平交易委員会(我が国における公正取引委員会に相当する)の建物。
敷地内には警官(これは警備員かな?)が控えている。


「亜大」というのは、台中にある亜洲大学のことだろうか。
このような、各大学の学生のメッセージボードがそこかしこに掲出してあった。


待機する警官隊。
学生側に暴力的な動きは皆無なので、緊張感はまったくない。
立法院から道路を挟んで隣り(写真左側)のセブンイレブンは、普通に営業している。


政治黒牢。


萌え絵。
ヒマワリは、反服貿運動のシンボル。
3月30日の大集会を呼び掛けるもの。
黒衣凱道 → 運動のシンボルである黒い服を着て、凱道(道の名前)に集まろう、ということ。


国民党の馬英九総統(総統は、大統領に相当する)は、名前の連想から馬面に描かれることが多いようだ。


「反対黒箱」→反対ブラックボックス
台湾中国サービス貿易協定の審議プロセスが不明朗であることを批判している。


周辺の路上に溢れる、報道各社のクルマ。
現地のTVでは、ほとんど一日中どこかのチャンネルで報道されている。

また、立法院の議場の中の様子は、学生グループによって、ニコ動でリアルタイム配信されている。

ドワンゴ ニコニコ動画:台湾立法院(国会)を学生らが占拠 生中継


学生たち。


学生たち。
後ろの掲示には、
「天佑台湾、守護台湾」
「反独裁救民主」
「天滅中共」
「我不要内陸人の$」
「我不要売掉台湾」← 売掉 = 売り払う
などの文字が見える。


「我読海大、我反服貿」
と書いてある。
読む = ~で学ぶ
海大は、基隆にある国立台湾海洋大学かと思う。


学生だけではなく、おっさんもいた。
ストライキ中。
「反服貿独裁」
「開放陸資台湾将死」→陸資(メインランドチャイナの資本)を開放すると台湾は将に死なんとす。


このスーツ姿のおっさんは、なんと「支持服貿」。
台湾中国サービス貿易協定支持派。


Tシャツやパーカーにスローガンをプリントしてくれるサービスを無償でやっている人。


夜の様子。
この日は、夕方に雨が降ったのでちょっと寒かった。
南国の人は寒さに弱いので、私は長T一枚で平気なくらいでも、ダウンを着て震えている学生もいた。


夜になると、大学生だけではなく、いろいろな人が集まってくる。
写真ではちょっとテントの柱の影に隠れてしまったけど、水色ジャージは中学生くらいかと思う。


学生のテント。


学生を支援して、無料で腸詰めを配る屋台のおっさん。
弁当は無料配布されているけど、それだけだと味気ないので、長蛇の列が出来ていた。


ストローを加工して、シンボルであるヒマワリを作る技法を教える、屋台のおっさん。

 

その3に続く。


台湾の反服貿ひまわり学生運動(写真レポート1)

台湾において、馬英九総統率いる国民党政権が、中共との間で、台中サービス貿易協定を結んだことに抗議して、学生グループが立法院を占拠している。

台湾(現行の中華民国)は五院制かつ大統領制で、立法院は我が国の国会に相当するので、国会議事堂が学生グループに占拠されてしまったという異常な状態だ。

彼の地に(本業の)仕事を作って出張したついでに見学してきた。
(全ての写真はクリックすると拡大する)


占領 立法院 16日。
学生のテント。
この時期の台北は、昼間はTシャツ、短パンで十分なくらいだけど、夜にちょっと雨が降ったりしたら肌寒いくらい。


警官隊と向き合う。


警官がずらっと並んでいる。
威圧的な雰囲気はまったくない。


警官隊と向き合う学生たち。
ちょうど、立法院議員だか行政機関の高官だかの出勤時間帯だったようで、時々スモークガラスに黒塗りの高級車が中に入っていく。そのたびに、学生がダンボール製のプラカードを掲げて、抗議の声を上げていた。


何やら揉め事のようで、学生と警官が揉み合っているようだ。
詳細は不明。


同じ場所の夜。
夜中も警備していたのかな?


ダンボール製のプラカードを警官隊に掲げてみせる学生。


立法院の建物。


立法院の正面玄関。
「入っていい?」と聞いたら、「ごめん、だめ」とのことだった。
立法院を占拠している学生を、警官が守っている。


立法院正面玄関脇の回廊。
テントなしでシュラフで野宿しているようだ。


後ろ姿だけど、TVカメラに追い回されて、カーキ色のM65ジャケットを着ているのが、台湾大学大学院生で、学生のリーダーの林飛帆さん。
このM65は無印の製品で、楽天台湾の無印のECサイトでは品切れ御礼だとか。
今なら内地で仕入れてオクで売ればせどり出来る。


学生側と警官隊。
緊張感はない。
学生は、まったりと横になりながらスマホやノートPCをぴこぴこ。
(電源は、無料の充電コーナがある)


集会の様子。
入れ替わり立ち代わり、いろいろな人が演説をしていた。
学生だけではなく、いろいろな人がしゃべっていた。


学生同士でグループディスカッションをやっている。


集会の様子。


夜の集会。
夜の方が過ごしやすいので、人がたくさん集まってきている。


そこかしこで、マイクを片手にミニ演説をやっている。


夜の集会。
女の子が手に持っているヒマワリが、学生運動のシンボル。
みなそれぞれ、ヒマワリを手に持ったり、ヒマワリのバッヂやパッチワークを帽子やカバンに貼り付けたりしている。


こちらは、行政院。
一時的に、一部の過激なグループが侵入を試みたが、警官隊に排除された。
今は厳戒な警備が敷かれている。

その2その3に続く。


戦艦大和の非理法権天

さて、みんなが大好きな艦これにおいて、試みに初めて大型艦建造を回してみたところ、なんと、出現率10.0%の戦艦レシピであるにもかかわらず一発で大和が出た!


戦艦大和(c)DMM.com

これは超嬉しいです。

戦艦大和といえば、Lv60で改造すると、左足のニーハイに「非理法権天」の文字が入ることが知られている。これは、大東亜戦争末期の菊水作戦において沖縄に海上特攻に向かう戦艦大和に「非理法権天」の幟が掲げられていたという史実に基づいている。

 

「権力・権威が法に優越する」っておかしくない?

私は、この「非理法権天」という言葉の意味がよく分からなかった。

wikipediaの解説によると、

非理法権天:
「無理(非)は道理(理)に劣位し、道理は法式(法)に劣位し、法式は権威(権)に劣位し、権威は天道(天)に劣位する」と、非理法権天の意味が端的に述べられている。非とは道理の通らぬことを指し、理とは人々がおよそ是認する道義的規範を指し、法とは明文化された法令を指し、権とは権力者の威光を指し、天とは全てに超越する「抽象的な天」の意思を指す。

ということなんだけど、
「法よりも権が上」っておかしくないかな?

少なくとも、明治以来の近代的法観念に反する。

 

非理法権天というコピーの起源

ところで、この言葉、楠公が掲げたものだという伝説を私も信じていたのだけど、wikipediaを改めて読んでみると、どうやら楠木正成が唱えたというのは江戸時代の作り話らしい。
四書五経に起源を持つ言葉ではないみたいだ。
いつ頃、何の目的ででっち上げられた言葉なのかも分からない。

大和に掲げられた幟は、結局のところ、「天が見方をする、正義の側に立つ我々が負けるはずがない」という、国内向けのプロパガンダのキャッチコピーと考えるのが妥当のようだ。
(※ プロパガンダが悪い訳ではない。何らかの政治目的遂行の為の手段としてプロパガンダを用いるのはいつの時代も有効である)

 

非理法権天の現代的解釈

しかし、このコピー、改めて噛み締めてみると、なかなかに含蓄がある。

近代的法観念が出来上がる前は、三権分立は成立していなかったし、法は権力者が好き勝手に変えることが出来るものだった。
その点において、たしかに「法より権が上」だった、とも言える。

明治維新後に近代的法観念が成立すると、建前上は「権よりも法が上」になった。
「権」を政治権力と解釈するならば、権力が道理に反することは出来ないという点で、「権よりも理が上」になった、とも言える。→つまり、非権理法天。
あるいは、「権」を権威すなはち立憲君主制下の天皇と解釈するならば、明治憲法下では依然として「法より権が上」であったものの、昭和憲法下になって「権より法が上」になった、という言い方も出来るかもしれない。

 

翻って現代の我が国を眺め回すと、「多数決は正しい」という民主制の意思決定方法の一つを根拠に、時の権力が、徹底的な議論、少数意見の尊重をせずに、自らの意見を強引に通すこと(=国会における強行採決)もしばしば起きている。
先日の、自公連立政権における特定秘密保護法の強行採決は、まさにそれだった。
参考:hoya_t blog : 秘密保護法案の強行採決に考える。(2013/11/26)

その点において、「民主的で正統な手続きに基づく権」が法を自由に作り替えられる、つまり部分的には「法よりも権が上」というのも、現実である。

 

天が最上位。この世に悪が栄えた試しはない

しかしながら、あくまでも最上位は天である。

日本人は、万物に神が宿るという、原始的なアニミズムをベースとする神道と仏教をごちゃごちゃに信仰し、結果として他者の価値観に対して極めて寛容な考え方を持っているが、それでもなお、天(=一神教的な絶対的な価値、絶対的な正義)がどこかに存在すると信じている。

我が国においては、神武以来2674年の歴史の中で一度も悪が栄えたことはなかった。
我が国以外の世界史においても、悪が栄えたことは一度もない。
「栄えたことはない」というのは言い過ぎかもしれないが、少なくとも後に淘汰されて、歴史の裁きを受けている。

「お天道様(=太陽、すなはち絶対的な価値、絶対的な正義)が見ている」という考え方は、時代や政治制度が変わっても、我が国に通底する考え方である。


【蕨市】郷町会、春日町会の桜まつり(花見)がございました。

本日2014年4月6日(日)、郷町会と春日町会それぞれの桜まつり(花見)がございました。

既に当地のサクラはピークを過ぎ、若干葉桜気味でありますが、穏やかに風が立つとともにハラハラと花びらが舞い踊る様もまた趣き深いものです。
つまるところ、サクラは咲き始めだろうが、ピークだろうが、葉桜だろうが、いつでもそれなりにあはれなんですよね。


郷南公園で開催された郷町会の桜まつり(花見)の様子。

朝方まで雨が降り続きましたが、イベント開催中は日焼け止めが必要なほどの日差しとなりました。
関係者の皆様、お疲れ様でした。