【蕨市議会】決算委員会で2013年度決算認定の審議中です。

さて、本日2014年9月9日(火)は、蕨市議会9月定例会の決算委員会が開かれました。
この委員会は3日間に渡って行われ、本日はその2日目でした。

前年度(2013年度=平成25年度)の決算の認定を行います。

既に出費してしまったものなので、過去に遡って取り消すことは出来ません。
しかしながら、予算が適切に使用されたかどうか、適正に行政がワークしているかどうかを確認することは、議会の役割の一つであります。

 

私もそれなりに細かく資料を調べているのですが、正直、全ての項目を網羅的に深く調べることは、時間的にも、キャパ的にも、私のスキル・経験的にも不可能であります。


例えば、こんな科目があります。

塵芥処理費:3億円。
要するに、ゴミを集めて、ゴミ処理場(=戸田市にある蕨戸田衛生センター)に運ぶための費用。
市が直営で行っている訳ではなく、市内の清掃業者にアウトソーシングしている。
(その先の、焼却やリサイクルの費用は、別途。)
蕨市の人口:7.2万人なので、一人当たりで言うと@4,167円。

この金額が適正なのかどうか?

判断するための方法論は幾つかあって、
取り敢えず、
同じ人口規模のよその市町村幾つかと比べてみればいい。

しかし、面積の広さによっても費用は異なるはずで、
同じ人口7.2万前後の市町村であったとしても、蕨市の100倍の面積のところと比べても意味が無い。

それでは、川口市、戸田市、さいたま市などの隣り近所の市町村と比べてみて、人口一人当たりで比べてみたらどうか。
あるいは、蕨市と同じような首都圏衛星都市と比べてみてはどうか。流山市、柏市、市川市、八王子市、立川市、和光市、新座市とか。

 

あるいは、この業務に必要なお金を、積み上げて計算してみる、という方法もある。

必要な作業は、想像するに、
・収集車を運転するの費かかる費用(車輌のリース代、燃料代、保守費用・・・)
・収集車に乗る人の人件費
が主なはず。
細かいものは除いて。

市内に何ヶ所のごみ収集所があって、どの程度の回収頻度かを調べて、必要な
・収集車の車輌の台数
・必要な人工(人数×時間)

を推測すれば、だいたい幾らくらいの原価が掛かるか、推測出来るかもしれない。

 

あるいは、前年度の決算の数字が適正だったという前提の下で、前年度(2012年度)決算の数字と比べてどう違うか、比較してみるという方法もある。
人口やゴミの収集日・頻度に変更がなければ、ほぼ金額は同じはず。

 

・・・・というようなことを、全ての項目において徹底的に調べていくのが理想なのだが、まあ正直、無理です。

行政側から議会に対して、全ての生データが開示されている訳でもないし。
せめてアウトソーサーからの見積書、納品書、作業ログなどが開示されていれば、もっと調べやすいけど。

私の手元にある資料は、厚さ20mmほどの「蕨市歳入歳出決算書」と、厚さ15mmの「決算概要書」だけで、これ以外の情報は、全てgoogle先生にいちいち尋ねなくてはならないことになります。

 

なので、どうしても決算委員会での質問は、bikeshed discussionになりがち。
あるいは、パーキンソンの凡俗法則ってやつです。


例えば、こんな感じ。
これは、市内の小学校全ての図書購入費なのですが、科目全体の金額:223万に対して、右欄の明細は13万ほど少ないけど、これは何故か?という質問が出たりします。(私から)

正解は、「先生が自分の勉強のために直接本屋なりで買った分」ということなのだけど、

まあ、蕨市の一般会計:226億円の中でいうと、ほんのわずかの金額なので、こんなことを聞くよりも、本来ならば、世の中全体的にエコ化が進みゴミの量が減っている中で、塵芥処理費は昔よりも安く済むようになっているはずで(他方で収集車を動かすためのガソリン代は値上がりしているけど)、3億円を10%でも減らす方法はないか?みたいなことを考えた方が有益なんですけど、とにかく手元にある情報とリソースが少な過ぎて、そこまで手が回らないというのが正直なところです。

 

また、ついでに言うと、私が所属している自民党系会派:新生会で、他の議員と役割分担をすることは一切ありません。
この決算委員会に所属している同一会派内の全議員が、各々ばらばらに、全分野を網羅して調べています。

国会だと、議員数も何百人もいるし、政策調査スタッフを雇う人件費も出るので、細かく役割分担が決まっていて、専門分野を磨く余裕があると思いますが、地方議会はリソースが少ないので、結局、広く浅くやらざるを得ないのが実情であります。