10万円くらいの選挙情勢のクイックサーベイ

さて、衆議院議員総選挙の選挙の投票日2014年12月14日(日)を2日前にして、情勢分析、新聞・TV報道を賑わしている。

マスメディアの分析は、
・出口調査(期日前投票所から出てきた人に、直接聞く調査)
・電話などによって無作為抽出した有権者に聞く調査
の2つによって為されるもので、これはかなりお金がかかる。
集計するのにある程度(おそらく数日間)の時間もかかる。

おそらく、各政党ともに、政党本部レベルでは、重点地区だけに絞ってこの種の調査をやっているものと思うが、各選挙区レベルでは、このようなお金のかかる調査はやっていない。

 

本音の情勢分析と、建前の情勢分析

選挙において、ある陣営が、自らの選挙区の情勢分析を語るときは、本音の情勢分析と建前の情勢分析の2種類がある。

本音の情勢分析は、
上記で述べたように、お金を掛けたサーベイはやっていないので、経験者によるカンによるものだ。駅でパンフレットを受け取ってくれる割合、街頭宣伝に集まってくる人数、人々の表情などから、過去の経験に照らし合わせて「票を読む」というもの。
私は、ここ3年半に、何度か、選挙事務所の内側で選挙運動に関わってきたが、負けた選挙を未だに一度も経験していないので、このような「票を読む」ことは、出来ない。
しかしながら、近年は、無党派層・浮動票の比率が高く、以下の読売の記事によると、投票日2日前の今時点ですら無党派層の4割がどこに投票するか決めていない、ということなので、昔と比べると、このような経験とカンで「票を読む」ことは、やりづらくなっている。
読売新聞 : 無党派層、自・民・維が争奪…比例選の終盤情勢(2014/12/12)

建前の情勢分析は、
とにかく「厳しい」、「苦戦している」、「接戦だ」、「激戦区である」、「ぎりぎり負けている」と叫び続ける、というもの。
「うちは勝っている」という情勢分析が出ると、油断をしてしまい、選挙ボランティアは「それなら、忙しいから選挙の手伝いするの止めようかな~」と思ってしまうし、熱心な支持者も、周辺の支持層も、「それなら、忙しいから投票に行かなくてもいいかな~」という気持ちになってしまう。
それを防ぐために、たとえ、本音の情勢分析が「圧勝」と出ていたとしても、とにかく「厳しい」と言い続けなくてはならない。

 

 

 

 

 

(ちょっと忙しいので、書き途中だけどここまで。)

ついでに言うと、ほとんど固定票で、浮動票をそもそも狙っていない、公明党や日本共産党は、選挙のやり方が違うので、上記のようなサーベイはまったくやっていないと思う。


 

(忙しくて書き途中のまま放置プレイしていました。
ここから先は、総選挙の投開票後、自公が圧勝してから書いております。)

 

とういことで、選挙の情勢分析というのはなかなか難しいし、今後もし仮に、無党派層・浮動票の比率が益々高くなっていくとするならば、益々難しくなっていくだろう。

10万円くらいで、半日~1日間くらいで、ある程度ざっくりと選挙情勢分析をアウトプットしてくれるようなクイックサーベイに対して、かなり需要があると思う。

これをネットパネルリサーチで実現することは、ネットを利用する世代クラスタ、(そしておそらくは職業クラスタ)が偏っているので、多分ムリだろう。
PDCAのサイクルとしては、せいぜい1~3日間くらいの時間間隔で捉えるのが適正のような気がする。あまり根拠はないけど。
そもそも、パネルリサーチで出来るのかどうかも分からないが、リサーチ業界の方、検討してみてはどうでしょうか。

 

利用シーンとしては、例えば、
さいたま市南区の無党派層・浮動票の取り込みを狙って、2日間、折り込み広告をバラ撒き、朝夕の駅立ちと桃太郎に人的リソースを集中投下した。
さて、どのくらい効果があったか?
半日後にサーベイの結果が出たので、効果検証をして、
結果:
満足できるレベルまで上がった→他のクラスタのテコ入れへ
効果なし→無党派層・浮動票を更に細かくセグメンテーションして、効果があったところとなかったところを分けた上で、次なる施策を考える。

とか。