戸田競艇組合議会が開かれました。

本日2015年2月13日(金)、戸田競艇組合議会が開会しました。

荒川沿いの戸田市内にある戸田競艇は、戸田市が単独で経営している訳ではなく、蕨市:戸田市:川口市の3市が、出資比率1:2:1で共同で経営しております。
こういう事業体を、一部事務組合と呼びます。
自治体と同じなので、議会が存在し、組合議会には、3市それぞれの市議会議員が出向しております。

私は、蕨市議会から戸田競艇組合議会に出向しております。

このたびの戸田競艇組合議会は、新年度(平成27年度)の予算を決めることとなります。

 

競艇からの、蕨市への配分金は、1億7,500万円

新年度予算においては、最終的な利益を14億と見込んでいます。
内、半分の7億を財政調整基金積立金として内部留保し、残りの半分を、出資している3市へに配分します。 蕨には、出資比率に応じてその内の25%が入ってきます。

蕨市に入ってくる配分金額を直近数年間で見ると、
23年度 4億2,500万円
24年度 3億円
25年度 2億5,000万円
26年度 1億5,250万円(予算ベース)
27年度 1億7,500万円(予算ベース)

ということで、漸減トレンドにあります。

更に、これらの配分金から、5~8%程度の地方公共団体金融機構納付金という上納金を支払わなくてはならいので、真水の収入は、これを差し引いたものになります。

基本的に、地方の公営ギャンブルは、どこも今は儲かっていません。
理由は、以下の2つです。
・景気が悪い
・ファン層が高齢化しており、若者が興味を持たず、新規カスタマ開拓が上手く行っていない

景気は徐々に回復トレンドにありますが、ファン層の高齢化は構造的な問題です。
唯一、公営ギャンブルの中でも、中央競馬だけは、横ばいトレンドで頑張っています。私見ですが、バブル期に、大量の広告宣伝を行って、「馬はかわいい。競馬場に馬を見に行こう」とかカップル席を用意して「デートで競馬に行こう」というマーケティングを行って、当時の若者層を新規ロイヤルカスタマとしてうまく取り込めたことが成功要因かと思います。

今後、東京オリンピックに向けて、カジノ法案が成立し、国内にカジノが開業したら、公営ギャンブルは壊滅的な打撃を受ける可能性が高いと予測します。

参考:
hoya_t blog 2013/12/3 : 【蕨市議会】2013年12月定例会 一般質問の発言通告しました。
この中で、「戸田競艇事業収入等が本市財政に及ぼす影響について」書いています。

戸田競艇は、首都圏近郊に立地するために、これでも全国各地の競艇場の中では成績優秀な方で、中には、「ほぼ利益ゼロ。雇用の維持だけのために事業継続している」というところもあるようです。

 

電話投票(ケータイ、ネット投票を含む)の勝船投票券販売収入には、まだ伸びシロありか?

新年度予算における、本場(場内での販売):電話投票(PCでのネット販売、ケータイ・スマホでのネット販売を含む)の比率は、1:0.52

平成26年度の2月速報値における比率は、1:0.54でした。

これに対して、都市組合営(戸田競艇場を貸して行われている競艇レース)の比率は、1:0.77。

戸田競艇営は、平成26年度において、電話投票の前年度対比成長率は、+6.24%にとどまったのに対して、都市組合営は+87.80%。

この数字だけ見ると、戸田組合営の電話投票の売上は、まだまだ伸びシロがありそうに見えます。

詳しくは、他の競艇場の数字や、もっと過去の数字とかを見てみないと分かりませんが。

 

地方公営企業法の適用に向けての準備

コンサル費・システム改修費として、4,100万円の予算が計上されています。

地方公営企業法が適用されることによって何が変わるかというと、大きくは、会計のルールが変わる。

現在の会計ルールでは、
・BS
・PL
という概念がない。

「BSとPLという概念がない」というのがどういうことなのか、普通にビジネスをやっている人にはまったく理解出来ないと思いますが、競艇のような、大きなハコモノを必要とする事業において困るのは、

・資産計上と減価償却という概念がない。
ということです。
要するに、何か建物を建て替えたり、大きなモノを買ったりした時は、当年度に全て「歳出」として計上されます。
その建物なりモノなりが何年間使われる予定なのか、ということは関係ありません。

上述のように、競艇事業を巡る市場環境は厳しく、現実的に撤退シナリオを描いていく必要に否応なく迫られつつある中で、会計を見えやすくすることは必要です。
今後、地方の公営ギャンブルは、徐々に廃業していくものと思いますが、残存者利益をマキシマイズし、撤退タイミングの意思決定を誤らないためには、設備投資をどの段階で、どの規模でやるのかを適切に判断する材料として、BS、PLは有用だと思います。