国内接種2000万回超す 新型コロナワクチン(写真=共同)
日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら 首相官邸によると、新型コロナウイルスワクチンの国内での接種が9日時点で2000万回を超えた。高齢者向けの接種が本格化し、ファイザー製に続いて5月に承認されたモデルナ製の接種回数も増えている。 …
新型コロナウイルスワクチンの接種回数が、2,000万回を超えたそうです。
内訳として、1回目接種のみの人が1,500万人、2回目接種も終えた人が500万人だそうです。
結構いいペースですね。
順調にペースアップして、進んでいる感じがします。
ワクチン証明書、日本は今夏発行 経済正常化を後押し(写真=AP)
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先日6月7日のニュースで、ワクチン接種証明が今夏発行イメージで「検討中」とのことです。
「検討中」って、何やねん、そんなの、必要なことは最初から容易に想像がつくんだから、とっくに準備進めておいて、ワクチン接種開始と同時にローンチしないとあかんやん!
とツッコミを入れたくなる方が多いようですが、事はそんなに簡単じゃないのです。
ワクチン証明書、みたいな仕組みを作るのは、けっこう大変なんですよ。
接種会場で、「証明書」と書いたペラペラの紙を配るくらいなら簡単にできますが、コピーして偽造することも簡単で、公的に国内外で使えるわけではないそのようなものを受け取ったところで、あまり意味はありません。
ワクチン証明書を「ワクチンパスポート」と表記するマスメディアもありますが、まさに、パスポートと同じように、
・偽造できない。
・公的に国内外で通用する。
・ユニークなIDが採番してある。
・その情報が真であるか検証可能な仕組みが用意されている。
ものでないと、意味がありません。
諸外国・国際機関との調整も必要ですが、そもそも、住民基本台帳データ・戸籍データは、地方自治体が持っていて、国は持っていないのです。
ワクチン接種記録システム(VRS)について
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個々人の新型コロナワクチンの接種履歴は、国のワクチン接種記録システム(VRS)で管理されています。
自治体のデータベース(住民基本台帳と接種券番号台帳)とのヒモ付けのためのユニークキーは、
・自治体番号
・接種券番号
となっています。
接種券番号は、自治体ごとに独自のルールで採番されたものです。
私の理解では、国は、各自治体が採番する接種券番号から、それが誰なのか調べることは仕組み的・法的に不可能なはずです。
自治体番号と接種券番号だけしか分からないのであれば、匿名と同じです。
つまり、国は、個々の国民の誰が接種したか、していないか、というデータを見ることはできません。
政府が何らかの個人情報を持っていたとしても、それは、定められた目的外に使用できるものではありません。
これは、組織が縦割りだから、ということではなく、情報の取り扱いの原則とは、そうであるべきものです。
ワクチン接種記録という、極めて高度な個人情報は、もちろん厳格に取り扱われるべきで、その取り扱いのルールは、為政者の恣意的な運用が許されるべきではなく、法によって定められたものである必要があります。
そして、我が国は、この種の個人データを国や自治体の政府が管理することについて、極めて厳しい世論があります。
マイナンバーカードの普及率がまだ3割に満たないという事実が、これを端的に表しています。
マイナンバーとワクチン接種記録システムが(システム的な話ではなく、制度的・法的に)ヒモ付けられたら、マイナンバーカード= ワクチン証明書となりますので、簡単です。
マイナンバーカードの読み取りは、NFC搭載スマホ + Android/iOSアプリ で簡単にできます。
政府が国民の個人情報を持つことについて、もっと寛容になった方が、いろいろと便利になるんですけどね。
世論が許さないので、現状では極めて困難です。
マイナンバーカード、便利ですよ。
この種の仕組みは、ネットワーク外部性が働くので、普及率が高くなれば高くなるほど、利便性は増します。
マイナンバーカードを未だに持っていない人は、ワクチン証明書できるのが遅い!などと文句を言う前に、マイナンバーカードを作った方がいいと思いますよ。