拉致問題、条例制定の熱意と予算の温度差。50万円で何ができるのか?

昨年、令和6年(2024年)12月定例議会にて、埼玉県では、埼玉県拉致問題等の早期解決に向けた施策の推進に関する条例が制定されました。

自民党県議団の中に設置されたプロジェクトチーム(私も事務局メンバの一人として参加していました)が、他自治体の先行事例を調べたり、救う会埼玉・家族会からヒアリングしたり、拉致被害現場を視察したりといった準備を重ね、執行部(県の行政当局)との調整を行った上で提案し、可決されたものです。

 

 

既に長期間に渡り行政当局とは調整を重ねておりましたので、昨年12月定例会の条例制定以前から、行政当局はこれらの動きを分かっていたはずであります。令和7年度 埼玉県一般会計予算において、どの程度、拉致問題解決への取り組みが強化されるか?という点が、気になるところでした。

 

 

 

令和7年度予算案は、ただ今、開かれている令和7年度(2025年度)2月定例会において、執行部により提案され、審議されております。

令和7年度埼玉県一般会計予算案福祉部資料

令和7年度埼玉県一般会計予算案 福祉部関連説明書(c)埼玉県

 

拉致関連予算額は、何とまさかの、50万円でした。

 

 

もちろん、金額が多ければいいものではありません。

「北朝鮮によるすべての拉致被害者の身柄の奪還」が唯一最大の目的であり、これが実現されるのであれば、金額は小さかろうが構いません。

しかしながら、 この金額の小ささは、残念に思います。

 

県市区における拉致関係予算について

予算特別委員会資料(c)白土幸仁 自民党政調会長(春日部市選出)

3月17日、予算特別委員会においても、自民党議員から本件に関して「金額が少なすぎるのではないか、もっと力を入れるべきではないか」という指摘がなされました。

 

白土 自民政調会長の調べによると、埼玉県の50万円は、川口市の65万円よりも金額が少ないとのことです。

 

令和7年度埼玉県一般会計予算案_福祉部_拉致問題解決関連

また、予算見積調書(c)埼玉県(これは、公開資料です) を見てみると、「戦没者異例諸費」事業という、あたかもおまけのような「その他全部」みたいな科目にまとめられてしまっていることが分かります。

 

 

繰り返しますが、金額の多寡が問題なのではなく、求められているのは、「北朝鮮によるすべての拉致被害者の身柄の奪還」という目的に対する実効性です。

しかしながら、そのためには、私達日本国民が、心を一つにして「ワンチームで」同胞の身柄奪還に向けて力を合わせて取り組んでいる、という姿勢を、北朝鮮や国際社会に対して示すことが必要です。

どれほど力を入れて頑張って取り組んでいるか、の象徴が、関連予算額の多寡である、ということは言えると思います。

 

 

北朝鮮や、我が国における北朝鮮の出先機関である朝鮮総連は、私たちの動きをウォッチしています。

北朝鮮と、朝鮮総連に対して、徹底的に圧力をかけていきましょう。


埼玉県拉致問題早期解決推進条例が成立

令和6年(2024年)12月20日、県議会12月定例会閉会日において、埼玉県拉致問題等の早期解決に向けた施策の推進に関する条例が、自民党県議団によって議員提案され、賛成多数で可決され、成立しました。

 

 

江戸川区、足立区、新潟市、川口市など、市区では既に同種の条例は存在するものの、都道府県では全国初となります。

 

 

この条例が、我が国政府を後押しし、一刻も早く、全ての北朝鮮による拉致被害者の身柄の奪還するべく引き続き活動してまいります。

 

 

自民党県議団では、プロジェクトチームを立ち上げ、1年間に渡り、救う会埼玉、江戸川区、足立区、新潟市、川口市の関係者ヒアリング、拉致現場の視察などを重ねてまいりました。

私は、プロジェクトチームの事務局として関わってまいりました。

 

20241216 埼玉県議会 福祉保健医療常任委員会

本条例案が付託された福祉保健医療委員会に、提案者として出席しました。

柿沼貴志議員(行田市選出)の補助を行いました。

 

20241220 埼玉県拉致条例が制定

条例可決後、傍聴にお越しいただいた救う会埼玉(北朝鮮に拉致された日本人を救出する埼玉の会)のみなさんと記念撮影をしました。

 

 

蕨市にも2名の特定失踪者がいる

決して他人事ではありません。

お隣りの川口市には、さらにもっと多くの拉致被害者・特定失踪者がいます。

 

 

北朝鮮に圧力をかけるために、蕨市一般会計:外国人園児・児童生徒保護者補助金を廃止しよう!

蕨市議会議員時代に、本会議、委員会で再三に渡り取り上げ、廃止を求めてきた、この補助金を廃止しましょう!

朝鮮学校に通う子どもがいる保護者向けの補助金という、ナゾのものです。

朝鮮学校は、朝鮮総連の傘下にあります。朝鮮総連は、我が国における北朝鮮の出先機関です。

この補助金制度は、経緯も根拠も不明で、公益性も正当性も無く、「国際社会の協力を得ながら北朝鮮に対して圧力をかけよう」という国の方針に反しており、国益を害するものです。


県議会拉致議連の街頭署名活動

令和6年(2024年)12月8日、浦和駅西口におきまして、埼玉県議会 拉致議連有志にて、北朝鮮による全ての拉致被害者の身柄の奪還に向けて、街頭署名活動を行いました。

20241208 埼玉県議会拉致議連街頭署名活動

救う会埼玉(北朝鮮に拉致された日本人を救出する埼玉の会)、大野知事、清水さいたま市長と共同で活動しました。

 

20241208 埼玉県議会拉致議連街頭署名活動

この日、蕨市内ではイベントが多数開催されておりましたが、間を縫って浦和に駆けつけました。

 

20241208 蕨市民合唱祭

終了後、地元にとんぼ返りして、蕨市民合唱祭に出席しました。

 

関係者の皆様、お疲れ様でした。


拉致国民大集会2025、拉致問題は国家主権の問題

令和6年(2024年)11月23日、永田町の砂防会館におきまして、全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会がございました。

埼玉県議会からは、拉致議連の多くの有志メンバが出席致しました。

 

石破茂総理など、すべての国政政党の代表者、多くの国会議員、地方政府の首長、議員が出席しました。

このようなイベントを開催することが、拉致問題に取り組む政府を後押しし、北朝鮮に対する圧力となります。

20241123 全国拉致被害者の即時一括帰国を求める国民集会

拉致被害者家族としてご挨拶する横田早紀江さん。

お嬢さんの横田めぐみさんは新潟の海岸から北朝鮮に拉致されました。

 

 

拉致問題は人権問題にあらず、国家主権の問題である

↑上記報道の通り、石破茂総理からは、「拉致問題を国家主権の問題として取り組む」旨の発言がありました。

 

従来、拉致問題は、人権問題という枠組みで捉えられる事が多かったのです。

例えば、拉致問題に関する我が国の法律は2つありますが、その一つは、正式名称が「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」であり、略して北朝鮮人権法と呼ばれます。

この法律によって定められた毎年12月10-16日の啓発週間は、「北朝鮮人権侵害問題啓発週間」と名付けられています。

 

人権問題であれば、加害者が被害者の人権を侵害した、という枠組みで解釈されることになります。

この場合、人権を侵害される被害者は、あくまでも個人とその家族、あるいは特定の集団ということになります。日本国という国家が被害者、という解釈が為されることはありません。

つまり、拉致問題を人権問題として捉える、ということは、「北朝鮮という加害者が、拉致被害者とその家族の人権を侵害した」という認識に基づいていることになります。

 

私は、このような「拉致問題を人権問題として捉える」枠組みにかねてより不満を持っていました。

2018年3月5日付の私のブログ記事では、

人権問題などと矮小化せず、国家安全保障のフレームワークで捉えるべき問題だと考えています。

 

我が国の国内において、我が国の国民が、外国政府の手によって誘拐・拉致され、強制的に使役され、あまつさえその事実を認めておきながら、「既に死んだ」などと強弁して未だにその身柄を返していません。

これは、当事者とその家族の人権を侵害しているだけではなく、我が国全体にとっての脅威です。

 

国家安全保障の問題であるならば、我が国政府・国会においては、国家の保有するあらゆるパワーを用いて、回復に尽くして欲しいと願います。

このように述べたところです。

 

このたびの石破茂総理の発言は、私の考えの通り、拉致問題を「北朝鮮によって我が国の主権が侵害されている問題」すなわち国家安全保障問題の枠組みとして捉える、という趣旨のものでした。

我が国の国家主権が侵害されて続けている以上、我が国政府は、外交的・経済的・軍事的手段すべてを用いて、国家主権を回復するべく努力を払うことになります。国家主権の問題は、政府にとっては最優先事項です。論理的帰結として、総理大臣は、あらゆる政策課題に優先してこのテーマに取り組んでいくことになります。

石破茂総理が、この発言の通りに行動していくか、今後を見守ってまいります。

 

 

北朝鮮との対話は無意味

石破茂首相は、拉致問題解決に向けて、日朝連絡事務所を相互に開設するなどして対話を進める考えを持っているとのことです。

古屋圭司衆議院議員・拉致議連(国会の議連)会長は、「時間稼ぎだけで全く解決の効果はない」と反対を表明しました。

私も、対話路線にはまったく意味がないと思います。

必要なのは、国際社会の連帯と協力を得た上での、徹底的な圧力であります。

 

 

日朝議連は解散を

国会に日朝議連というものがあります。

その考え方は、私には全く理解できないのですが、拉致問題をはじめ、核・弾道ミサイル開発問題などの様々な問題をすべて棚上げして、早期の日朝国交正常化を目指そう、というものです。

このような国益に反する主張をどのような経緯で持つに至ったのか、私にとっては謎でしかありません。その存在自体が謎ですし、極めて腹立たしく、不愉快です。

多数の自民党国会議員も含め、超党派の国会議員で構成されておりまして、会長は自民党議員が務めています。

国会の議連というのは、名簿が一切公開されていません。wikipediaによると石破茂総理も所属しているようですが、確認の取りようがないので、真偽は不明です。

 

 

日本保守党の百田尚樹代表からは、「日朝議連は解散すべきだ」という発言があり、会場のあちこちから拍手が挙がっていました。

 

 

20241123 全国拉致被害者の即時一括帰国を求める国民集会

蕨市にも2名の特定失踪者がいます。

日本国民が一丸となって、すべての拉致被害者を取り戻そう!


県議会12月定例会が閉会、埼玉県拉致問題早期解決推進条例が成立

本日、令和6年(2024年)12月20日、埼玉県議会 12月定例会が閉会しました。

いや~ここしばらく、ほんとにいそがしかったですね~。

あまり忙しい自慢と、寝てない自慢はしたくないのですが、なんかもうほんとに忙しかったですw

10月に総選挙があり、並行して11月にかけて決算特別委員会の閉会中審査があり、さらにそれに並行して12月定例会の一般質問に向けての準備がありました。

盆と正月とクリスマスが同時にやってきたかのような忙しさでした。

年内にやらねばならない積み残し案件はまだまだありますが、今日で一段落です。

この活動報告ブログも、気がつくと1ヶ月間更新していませんでしたが、ゆるゆると過去に遡って更新していきます。

このブログは速報性は重視せず、詳しい解説、深堀りした分析を目指しております。

リアルタイムに更新していく速報版活動報告は、こちらのfacebookページをご覧ください。

 

 

埼玉県議会 令和6年12月定例会の概要

12月2日に開会し、本日 20日に閉会しました。

令和6年度一般会計の補正予算案、令和5年度決算の認定などが可決されました。
知事提出議案は、38件を可決、2件を認定、14件に同意しました。

 

自民党県議団からは、

  • 埼玉県拉致問題等の早期解決に向けた施策の推進に関する条例
  • 埼玉県中小企業制度融資の損失補償契約に係る回収納付金を受け取る権利の放棄に関する条例

の2つを議員提案し、可決されました。

 

また、12月10日には、私は一般質問を行いました。

202412 埼玉県議会一般質問

一般質問の詳しい内容については、別の記事にて解説致します。

 

 

埼玉県拉致問題早期解決推進条例が成立し、拉致問題解決に向けて政府を後押し

前者の埼玉県拉致問題早期解決推進条例については、市・区の同種の条例は既にあるものの、都道府県のものとしては埼玉県が初となります。

自民党県議団の内部にプロジェクトチームを設け、1年間かけて準備を進めてきました。

私はプロジェクトチームの事務局メンバとして関わっておりましたので、まずは条例制定を喜びたいと思いますが、もちろんのこと、全ての北朝鮮による拉致被害者を救出し、このような条例が不要になる状態を目指していることは言うまでもありません。

20241220 埼玉県拉致条例が制定

閉会後、竹本博光代表をはじめとする救う会埼玉 (北朝鮮に拉致された日本人を救出する埼玉の会)の皆様と記念撮影を行いました。

埼玉県拉致条例についても、別の記事で解説致します。

 

 

無事に閉会

20241220 県議会12月定例会が閉会

定例会閉会後は、知事、副知事などの幹部が各会派を挨拶して回る慣習となっております。

このような慣習は、蕨市議会でもありました。

お疲れ様でした。


拉致問題を考える埼玉県民の集い

自民党 埼玉県議団では、ただ今、北朝鮮による拉致被害者救出のための条例制定に向けた準備を進めております。

 

 

先日、令和6年(2024年)9月21日(土)、埼玉会館におきまして、拉致問題を考える埼玉県民の集いがあり、出席してまいりました。

救う会埼玉(北朝鮮に拉致された日本人を救出する埼玉の会)、埼玉県の共催によるイベントです。

20240921 拉致問題を考える埼玉県民の集い

北朝鮮による拉致被害者全員の身柄の奪還に向けて、あらためて強い決意を共有しました。

 

講演では、コリア研究の学者であり、特定失踪者問題調査会の代表を務める荒木和博氏から、北朝鮮の現状と拉致問題解決に向けての今後の方向性について、興味深い話がありました。

 

・北朝鮮内部は、経済危機が進み、社会は混乱。

拉致に関する記録はもはや散逸しており、北朝鮮政府による把握も困難。

 

・韓国からの韓流ドラマ、K-POPなどの情報の流入は止まらない。

北朝鮮政府による統制、見せしめ的な処分をおこなっても流れは変わらない。

金正恩自身が、演説の中で、韓国(南コリア)で使われる単語をついうっかり用いてしまっていることから、韓流ドラマを閲覧していることがうかがえる。
(韓国と北朝鮮とでは、同じ言語ながらも、長い分断を経たため、同じ事象・物に対して異なる単語を用いるケースが少なからずある)

 

・国力の低下、軍の規律の乱れ

本年7月の大水害によって人々の暮らし、内政は混乱したまま。
軍が人々を助けず、食料略奪をする。

 

・ポスト金正恩の後継者争いが激化

推定年齢40歳ながらも肥満体の最高指導者は、長生きできそうもない。
後継者候補+その取り巻きの宮廷内後継者争いが激化しており、体制はもはや一枚岩とは言えない。
後継者争いの間隙に、例えば政敵排除を目的として、拉致問題に関する情報が公開される可能性がある。

 

・荒木氏の認識では、「今までも、今も、日本国政府は本気で拉致問題に取り組んでいない」

今まで:
日朝国交正常化を目指す国会議員勢力があり、拉致問題が障害になると考えて、ウヤムヤにしようとした。

今:
今に至っても、警察が正確な情報を出さなかったり、虚偽の説明を行ったりするのは、上記のような政界からの不当な圧力を受けてきた経緯があるから。

政府が、今持っている全ての情報を公開すれば、世論は一気に盛り上がり、拉致問題解決へ向けての圧力になるはず。

 

 

個人的な所感

「表には出てこないが、真実は◯✕である」といった裏事情的な話は、聞いている分には面白いが、検証が不可能であり、そのまま鵜呑みにすることは出来ません。

しかしながら、専門家の分析から、拉致問題解決へ向けての新たな可能性について、新しい視点を得ることが出来ました。

 

 

 

20240921 拉致問題を考える埼玉県民の集い

先のエントリにてご案内した通り、

本年10月5日に、北朝鮮に囚われた拉致被害者向け日本語ラジオ放送「ふるさとの風」、「しおかぜ」公開収録が蕨市にて行われます。


蕨市にて、北朝鮮に囚われた拉致被害者向け日本語ラジオ放送「ふるさとの風」、「しおかぜ」公開収録

掲題の件、令和6年(2024年)10月5日(土)に蕨市民会館にて行われる予定です。

ご参加いただきますようお願い致します。

 

 

参加するためには、事前申し込みが必要です。

 

ふるさとの風は、政府 拉致問題対策本部が運営しています。

しおかぜは、特定失踪者問題調査会(民間団体)が運営しています。

ともに、未だに北朝鮮に囚われている、拉致被害者の方々に向けて、我が国のニュース、家族の近況を伝え、今すぐに助けに行くよ、と呼びかけるための短波ラジオ放送です。

北朝鮮に対して圧力をかける目的もあり、この点でも効果を発揮しており、北朝鮮からジャミングを流されたこともあります。

 

 

2012年9月に、特定失踪者問題調査会の現地調査に参加した折りの、しおかぜ公開収録の様子。

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拉致被害者の田口八重子さんがかつて住んでいた池袋のアパート「メゾン青葉」前で。

お兄さんの飯塚繁雄さん(故人)が「必ず助けてあげるから、もう少し我慢しておくれ」と、ラジオ番組を通じて呼び掛けました。