香港の反送中デモを見て来ました。

2019年6月12,13日(水木)の、反送中デモの一つのピークのタイミングで、現地を見に行ってきた。

夕食後にたまたまニュースを見ていたら、明日もデモをやるという報道をやっており、よし今から見に行ってみようと思い立って、25時発のLCCで現地入りして1泊2日(2泊2日か?)という弾丸ツアーだった。

 

 

これは、以下の一連のシリーズの続きとなる。

 

2014/10/9 香港の雨傘革命を見学

香港の雨傘革命

 

2015/1/20 雨傘革命のその後を見学

香港の雨傘革命のその後

 

2016/1/25 銅鑼湾書店を見学

銅鑼湾書店

 

2014年の雨傘との違いは、かなり大きいものがあった。
上の、2014/10/9「香港の雨傘革命」記事の中の写真と比べて見ると、違いがよく分かる。

 

 

6月12日(水)

金鐘の市政府庁舎へ。

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市庁舎・立法院庁舎へ向かう幹線道路は閉鎖されていた。

 

 

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まだ午前中だが、既にかなり殺気立った雰囲気。

2014年の雨傘のときは、午前中はだらだら場所取りの人がいるくらいで、夕方涼しくなってから人が集まってくる、という感じだったのだが。

 

 

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写真右側の高架の車道は、この時点では閉鎖されているが、数時間後、デモの参加者たちがバリケードを撤去して、歩行者天国となった。

 

 

バリケードを撤去していくデモの参加者たち。

 

 

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マイクを握って演説をしている人。

今回は、雨傘のときと異なり、このような演説をしている人はほとんど見かけなかった。

まったく組織化されていない感じ。
参加者は、一人で来たり、友人数名と来ている、といった感じ。カップルもいた。
どこかの団体から動員されてきた人たちではない。
団体名の旗やら幟やらをこれ見よがしに掲げてアピールしている人はいない。

 

マスメディアの報道においては、「学生団体のリーダー」みたいな人たちが出てきてインタビュに応えていたりするが、現地では、「リーダーに率いられた団体・集団」といった雰囲気はまったくなかった。

 

 

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警察当局が道路を閉鎖するために設置したバリケード(パイプ製のフェンスを、結束バンドで結びつけたもの)を、デモ参加者が取り除いていく。

 

 

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抗議の意を示すために、黒い服を着ている人が多い。

香港は、ビジネスのカルチャーはイギリス式なので、夏でもスーツ姿が多いのだが、ここにいたのは普段着姿がほとんど。
仕事を抜け出てきた、といった感じではない。

若い人ばかり。

我が国の国会前デモのようなシニア層の姿は皆無。

催涙ガスに備えて、使い捨てマスクをしている人が多い。

 

 

警察当局と相対している前線に傘を渡していく。

 

 

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このような看板、プラカード、垂れ幕の類は、まったく見かけなかった。
この上の写真が唯一くらい。

皆、準備する間もなく、急いで駆けつけて来た、といった感じだ。

 

 

前述のように、デモは組織化されておらず、烏合の衆といった感じ。

時折、このように掛け声をかけたりする人たちが出てくるが、大きな動きにはならず、尻すぼみになってしまう。

我が国の国会前デモのように、鳴り物を用いてアジテートする運動員はいない。

「何をすればいいか分からないけど、取り敢えず来ないといけないと思ったからここに来た」といった雰囲気。

 

 

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デモ参加者と警察当局が睨み合っている前線を見下ろす。

 

 

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道路を埋め尽くす人たち。

わしゃわしゃ人がいるだけで、動きはないし、暴力的な雰囲気もない。

2014年の雨傘革命のときのような、雨傘マンのようなオブジェや展示物は皆無。

 

 

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別の前線。

緊張感が漂っている。
時折、警官隊が大声を上げて威嚇している。

2014年の雨傘のときは、警察当局はもっとのんびりした雰囲気だった。

 

 

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警官が、放水銃を水平に構えている。

 

 

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一連の運動のシンボルともなっている、雨傘を向けて構える人たち。

 

 

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たまたま集会のようなことをやっている現場に遭遇したが、このようなことをやっているシーンはほとんど見かけなかった。

 

 

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一旦、宿にチェックインして、ご飯を食べてから再び地下鉄で金鐘に戻ってくると、地下鉄の一部の出口は閉鎖されていた。

この後、地下鉄駅そのものが閉鎖され、列車は止まらずに通過するようになっていた。

 

 

催涙弾が目の前に降ってきた。
逃げ惑う人たち。

 

 

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ペットボトルの水をかけて煙を消す。

 

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催涙ガス初めて吸ったけど、何とも形容しがたい感覚。
酸っぱいような煙いような。

報道によると、ゴム弾とプラスチック弾も使われたようだけど、そのような現場は見かけなかった。

 

 

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催涙銃を持ったチーム。

 

 

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向かい合うデモ参加者たち。

 

 

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警官隊に、上から飲料入りのペットボトルを投げた人がいて、盾を構えているところ。

デモ参加者側からの暴力を見かけたのは、この時が唯一だった。

 

 

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幕を掲げて大声を上げるデモ参加者。

 

 

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怖いので、プレスの後ろに移動して、自分もプレス関係者であるかのようなふりをする。

 

 

警官隊が、前線を押し出してきたところ。

 

 

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地下鉄駅に隣接するショッピングモールのロビー。

ヘルメット、使い捨てマスク、ゴーグルなどを大量に持ち込んで置いていく人がおり、参加者が自由に持って行けるようになっている。
私にもマスクを手渡してくれる人がいて、ありがたく頂戴した。

 

 

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夜になると、仕事帰りの人たちが合流してくるのか、人数が増えていた。

ユニオンジャックを振っている人がいるのだが、これはどういう考え・心理に基づくものなのだろうか?

私も、本来であれば、英国が旧宗主国として関与するべきだし、その責任もあると思うが、内政が大混乱をきたしている今の英国にはその余裕はなさそうだ。

 

 

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中環の路上で、デモ参加者に囲まれて立ち往生しているバス車両。

 

 

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工事現場から資材を勝手に持ち出して、バリケードを補強している。

 

 

雨傘を掲げて、声を上げるところ。

 

 

そして、翌日。
6月13日の朝に行ってみると、

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雨が降っていたこともあり、市庁舎前のデモ隊は散開していた。

 

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道路の閉鎖も解かれて、一応は平常運転に戻ったかのようだった。

 

 

結局、この後、さらに規模の大きなデモが行われ、容疑者引き渡し条例案は審議が延期された。しかしながら、撤回されたわけではなく、まだ行方がどうなるか予断を許さない状況だ。

中共からのじわじわと強化されていく締め付けに対する、香港の若者の危機感、恐怖がよく分かった。
2014年の雨傘の時よりも、事態は逼迫している。

2014年の雨傘は、結局、香港の行政・立法当局にそれほど影響を与える事はできなかった、という点で、失敗だったとも言える。

中共による、香港の行政・立法当局への影響力はますます増している。

一国二制度の下での「自由な香港」の維持は、我が国の国益でもあり、東アジアの安定にも繋がることであるので、我が国政府は、国際社会と協力してより積極的に関与するべきと思料する。

Ich bin ein HongKonger.


QRコード決済って、意外と普及するかも

モバイルFelica(おサーフケータイ)がこれだけ普及した日本国内で、QRコード決済なんて広まるわけないだろ~、と、paypayの100億円キャンペーンを冷ややかな目で見ていたのだが、実際にQRコード決済をあちこちでヘビーに使ってみたら、意外と我が国においてもモバイルFelica決済をひっくり返して普及するかも、と思い始めてきました。

 

QRコード決済といえば、なんと言っても中共が世界最先端だけど、wechat pay、alipayともに、中共の国内銀行口座を持っていないとアカウントを開設できない状況になっています。

 

 

この度、中共に本業の別件で出張したおり、現地の銀行に口座を開設してみました。

銀行口座開設というのは、どこの国でも、マネロン、振込め詐欺のような犯罪対策のために、規制が厳しくなりつつあり、しかもその規制のルールもころころ変わったりします。

上海市内で、招商銀行、中国建設銀行と回りましたが、現地の労働許可番号がないとダメのことで、NG

3行目の中国光大銀行で無事に口座開設出来ました。

ここで、必要だったのは、

・中国国内のモバイルSIM(携帯電話番号)SMSで受信確認するため
・中国国内の住所:これはホテルの住所でOK
・日本国の納税者番号(マイナンバー)
・日本国のパスポート

 

無事に、銀行口座開設出来たところで、wechatペイとアリペイのアプリで使えるようにヒモ付け設定しました。

中共のQRコード決済の市場は、この2社で寡占となっています。
だいたいどこの小売でも、2社両方使えるところが多いようですが、小さい店だとどちらかだけ、というところもありました。

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wechatペイの決済画面。

 

 

ということで、出張中はQRコード決済しまくりましたが、これが便利なことこの上ない。もはや現金なんてオワコン過ぎて持ち歩く意味が不明ですな。

結局のところ、QRコード決済というのは、単なるQRコード決済の仕組みというだけではなく、それを含めて、安価かつ簡易に決済ができるという新たなるインフラがイノベートされたということなのです。

物理的な現金決済(更にいうと、物理的なクレジットカード決済も)というインフラが、新たな決済インフラによって生み出されたイノベーションのジレンマによって駆逐されていく状況、とでも言いましょうか。

現金が、というよりも、現金、クレジットカード、モバイルFelicaを含む、物理的なデバイスによって決済する、という概念が駆逐されていくことのインパクトを甘く見ていました。これは、所詮は物理的な制約のあるクレジットカードインフラや、モバイルFelicaインフラには不可能でした。

モバイルFelicaは、端末の個体に紐付いたサービスであり、仕組み的に、他のweb、アプリサービスの決済に使うことができません。モバイルFelicaの物理的制約は、この点に在ります。
他方で、QRコード決済は、サーバサイドで完結しており、端末個体に依存していないので、アプリ上でログインし直せば瞬時に他の端末で使うこともできますし、他のweb、アプリサービスとの連動性も融通無碍です。
この違いは極めて大きい。これは実際にQRコード決済を使いこなしてみるまでは気が付きませんでした。

QRコード決済の、
・安価かつ簡易
・アプリを介して他のアプリサービスの決済にも連動して使いやすい
・スマホ端末がセキュリティ機能を備えているため、決済システムとしてのセキュリティ機能が簡易なもので十分
これらの特徴は、決済インフラとしては、現金決済、クレジットカード決済、モバイルFelica決済とは、本質的根本的に異なります。

 

現金を使わずに決済ができるようになることによって、様々なビジネスが新たにイノベートされている状況を目の当たりにして、素直に感動して身体が震えました。

 

市場の変化は速くて、ここ2年くらいで急激に変わった印象です。

 

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蘇州市内の中国銀行。
建物の外壁に埋め込まれていたATMマシンが取り外されています。

市中からはATMはほとんどなくなっていました。

現金を使わなくなったことによる社会的コストの削減は、かなり大きいはずです。

 

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蘇州市内の小さい個人商店。

webchatペイとアリペイのQRコードが貼ってあります。
買い物をするときは、アプリでこれを読んで、金額を入力してサブミット。店員のスマホ上でチャリーンと音が鳴ったら着金確認して、決済完了。

お店側で、決済端末への新規投資は不要。

 

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上海市内の地下鉄構内の自販機。

いろいろな自販機があり、新しいビジネスが創出されていました。

基本的に、現金は使えません。全てQRコード決済です。

現金を使わないので、現金を定期的に回収しに行ったり、小銭を補充したりする作業は不要ですし、セキュリティ対策も簡易で済みます。

 

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これは、モバイルバッテリのシェアリングマシン。

 

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この自販機は、QRコードを読ませたらロックが外れ、ほしいものを取り出した後に、何を取り出したかをセンサで認識して課金する、という仕組みのようです。

 

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蘇州市内の道観(道教のお寺)の賽銭箱もQRコード決済。

 

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蘇州市内の地下鉄の交通ICカードの販売・補充マシン。
これもQRコード決済。

 

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上海の地下鉄。

従来タイプの交通ICカードも使えますが、アプリによるQRコード決済(自動改札のバーコードリーダにかざす)も可能。

これは、さすがに画面を呼び出すのが面倒そう。
アプリを起動して画面を呼び出すために、自動改札の前で立ち止まってしまっているユーザがたくさんいました。

 

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上海市内のテイクアウト飲み物店の店頭で、商品を受け取るデリバリ便のドライバー。

これはUber Eatsのようなビジネスモデルで、多数のプレーヤが乱立しています。

この決済も、アプリ上でwechatペイ、アリペイにての支払い。

 

 

ということで、QRコード決済は、モバイルFelica決済と並列の関係ではなく、劣化版でもありませんでした。

ソフトバンクが100億も投じてガチで取り組んでいる理由がやっと分かりました。中共の市場と同じように、おそらく2社くらいに収斂されるはずで、今が勝負どころだと思います。


銅鑼湾書店

この週末、所用があって香港を訪れたついでに、例の銅鑼湾書店に立ち寄ってみた。
(昨年に続きVibram HK100に参戦してきたのだけど、ミゾレが降って激寒!何とか昨年タイムを30分縮めて完走したけど)

20160124 銅羅湾書店

銅鑼湾Causeway bayの、そごうの目の前。

そう言えば、昔、この近くにNOKIAの旗艦店があったような。SIMフリーケータイの調達に来たことがある。oviへの参入もちょっと検討してたので。今ググってみたらヒットしないので、さすがに撤退したのかな。

20160124 銅羅湾書店

狭い入り口。

20160124 銅羅湾書店

このビルの2階。

20160124 銅羅湾書店

習近平 中共国家主席の本とかのポスター。

20160124 銅羅湾書店

お休みでした。

20160124 銅羅湾書店

missing impossible

 

産経新聞 2015/11/12 : 香港の“反中書店”に異変、店主ら続々失踪の怪…誰が何の目的で?
日経新聞 2016/1/10 : 香港の書店経営者失踪、広がる波紋 デモ実施・海外から懸念も
日経ビジネス 2016/1/13 : 香港銅鑼湾書店「失踪事件」の暗澹 香港の一国二制度を見殺しにするな
NEWSポストセブン 2016/1/6 : 香港書店関係者4人が中国大陸で行方不明 当局が身柄拘束か

拉致された(可能性が高い)関係者は、すべて華人のようだが、英国籍の人や、スウェーデン籍の人もいる。しかも第三国において、拉致されている(可能性が高い)。

中共は、香港特別行政区への締め付けをじわじわと強化しているわけだが、一昨年の雨傘革命の時から更に一段階進んだことになる。

ここはさすがに、歴史的に香港に対して特別な責任を持つ、英国が出張るべきところかと。英国籍人が拉致されている(可能性が高い)ところでもあるし。

この状況が看過されるならば、もう本当に香港は何でもアリになってしまう。香港からのキャピタルフライトは益々進んでいくだろう。僕個人的のも、HSBCの中環本店に口座をもって、ささやかな資産を置いているのだが(もちろん日本国の税務当局には運用益を申告している)、さすがにちょっと怖くなってきた。

まあ、個人的には、チャイナの将来にはかなり楽観的で、チャイナは本気で米国の覇権に挑戦するつもりで、そのためにはグラスノスチとペレストロイカが必要なことは中共の指導者層は深く理解していると思うのだが・・・これはちょっと別の機会に書くと思います。

 

 

※追記

登山ちゃんねる : 【大帽山】霜見物の80人を救助 山頂はマイナス6℃ 低体温症に…

まさにこの、大帽山、Vibram HK100のコースの最後の山で、当夜の午前2時とか3時ころにガタガタ震えながら越えたんだけど、山の上で数百人以上の若者たちがテントを張って浮かれ騒いでいるので何があるのかと思った。
ミゾレ混じりの雨で、雨が降るそばからシャリシャリ凍っていき、路面は部分的に凍結してツルツルすってん転ぶほどなのに、自転車を押して登ってくる人までいるし。
南国の人には、雪とか霜とか路面凍結とかがどういうことなのか想像できないんだな、ということがリアルに分かった。
人は、自分が体験したこと無いことは、頭では分かっていてもなかなか想像出来ないものなのだな、と。
尚、レースは、僕がフィニッシュした後、中止になった。
あの夜から、今時点で既に48時間近く経ってるけど、まだ背中から腰にかけて寒気が残っている感じがするし、手の指先は軽いシモヤケ。


香港の雨傘革命のその後

さて、作年2014年10月に香港の雨傘革命を見に行ってきたけど、ちょうど先日、Vibram香港100を走りに行ってきたついでに、強制排除されたデモ現場跡地を見学してきた。

hoya_t blog : 2014/10/6 香港の雨傘革命

↑このページ上の写真と比べてみると、変化が分かる。

 

旺角


HSBC(写真右奥)とシティバンク(写真左奥)がある交差点。
普通。

旺角はもうすっかり跡形なし。

 

金鐘の香港市政府庁舎前


市庁舎前の横断歩道から。
普通。


あらゆる言語の応援メッセージが付箋で貼ってあった、市庁舎の外壁。
「No posting」の貼り紙。


雨傘マンのオブジェが置いてあった場所。


車道上を占拠していたテントは全て排除されたが、市庁舎正門前の歩道上に、2,30のテントが残っていた。
寂しい雰囲気。
夜は寒いと思う。


市庁舎正門。


市庁舎正門。
一応、形ばかりの警備はしている。


付箋のメッセージボード。


付箋のメッセージボード。


植木鉢を並べて作った雨傘。

 

リーダーと共通のゴールイメージが存在しなかった市民運動・学生運動は、中共の強硬姿勢を前に雲散霧消してしまった。

中共は、人民解放軍を動かさずに解決してしまったことになる。
普通選挙後退の流れは止まらないだろう。

 


尚、HK100は、無事に22:04’で完走出来た。


山をかき分け、砂浜を蹴散らし走る、香港のトレイル。


夜中なので綺麗に写ってないけど、大東亜戦争中のコンクリ製の塹壕。
おそらく我が帝国陸海軍を迎え撃つために英国軍が築造したもの。


香港の雨傘革命

さて、香港で、学生団体が普通選挙を求めて中心部を占拠しているというので、仕事を作って現場を見に来た。


まずは定食屋(お粥と麺の店)でメシ。
「歓迎使用 人民幣1:1」と書いてある。
大概の店では人民幣が使えるようになった。レートは悪いけど。
返還当初は、「香港経済が中共を呑み込むかも」と言われていたが、結局、そのようなことは起こらなかった。
今はまさに、香港は中共に静かに呑み込まれようとしている。この現状認識が、香港市民に潜在的な恐怖を呼び起こしているのだと思う。
中共がすっかり社会主義計画経済を捨てて自由主義市場経済に移行しつつあると考えると、ある意味、「香港経済が中共を呑み込む」が実現したとも言えるか。


バスでたまたま通り掛かった香港理工大学の隣りの人民解放軍の施設(?詳細不明。google mapでは軍施設とは書いていない場所)では、空身の兵がたくさんいた。

 

旺角


旺角の彌敦道は、広範囲に渡ってデモ隊に占拠されている。
多くの貼り紙が、ピーク時にはもっとたくさんの人で溢れていたことを伺わせるが、今は100~200人規模に縮小している。


寝具を持ち込んで交差点を占拠する人たち。


一人でちくちくとスマホをいじっているような人が多い。


通り沿いのビル壁に貼られたチラシを見入る人たち。


物見遊山な人たちも多い。


けっこう掃除が大変そうだ。


5人一組くらいの警官の姿もちらほら見えるが、武装はしておらず、手持ち無沙汰な印象。


バス停の表示板や工事用の囲いなどを持ってきてバリケードを作っている。

 

金鐘の香港市政府庁舎前 ~ 中環


写真右側のガラスでピカピカの建物が、市庁舎。

ここも金鐘から中環までの大通りが後半に占拠されているが、人の姿はまばらだ。


ピカピカの市庁舎は、前日くらいまでデモ隊によって完全に包囲されていて人が入れる状態ではなかったようだが、今はすべてのフロアに照明が付いていて、平常運転しているようだ。


物資ステーション。

バンコクや台北のデモ現場を訪れた際には、主義主張はなく、友だちもおらず資産もなく、ただタダ飯にありつくことだけを目的にやってきたような「寂しい老人たち」がたくさんいたものだが、ここにはそれらの姿は皆無。


テントの数は少ない。


廃材で作った、雨傘をさした人のオブジェ。

ジャーナリストやツーリストがぱちぱちと写真を撮っている。
大衆動員のためには、この種のアーティステックな象徴物や、ポスターなどが有効であることが分かる。


市庁舎の敷地内には、非武装の警官の姿が見えた。


付箋による、様々な言語での応援メッセージ。


会場は閑散としている。


中環のHSBC本店。
僕もここに口座を持っている。香港の銀行口座は、中国株取引が出来る。日本の証券口座と異なり、けっこう高額なカストディアンフィーが掛かるけど。
営業中だが、グラウンドフロアのオープンスペースはゲートが閉まっていて、デモ隊が入りにくいようになっている。


そして、市庁舎前に再び夜にやってくると、人の数がわんさか増えていた。
仕事や学校が終わってからやってくるのかな。
昼間は暑いしね。


そこかしこで演説をしていた。


普段着姿の若者がほとんどで、リーマン、OL風も多い。


地べたに座って友だちとだらだら談笑している人もいれば、一人でスマホをちくちくいじっているような人も多い。


ハンスト中のナイスガイ。
手を振ってカメラを向けたら、爽やかな笑顔。


だらだら過ごして、終電の時間までには家に帰るのだろう。


演説と、それを聞く人たち。


wired : ネットのいらないチャットアプリ「FireChat」、香港のデモで利用急増中
ということで、P2PのメッシュネットワークアプリであるFirechatを起動してみたが、誰も使ってないやん。

 

考察

10万人規模が集結したという ピークは過ぎてしまったが、仕事や学業に差支えのない、現実的なやり方でデモに参加していることが分かった。
おそらく、週末になったら再び参加者数が膨れ上がるのだと思う。

この種の大衆動員を効率よく行うためには、何らかのシンボルが必要だ。
今回は、たまたま催涙弾に対向するために雨傘を掲げた姿がマスメディアで特徴的に取り上げられたこともあって、自然発生的に雨傘がデモのシンボルとして使われるようになりつつあるが、こういったものがあると効率が良い。あるいは、シンボルカラーやキャラクター、ロゴ類があるといいかもしれない。

今回の学生デモは、マスメディアでの解説やインタビュ記事によると、P2Pで自然発生的に動員されたもののようで、それがまた今風でもあるのだが、やはり中心がない組織運動は弱い。
当局側は、学生デモ側との団体交渉受け入れを決めたようだが、そもそも、今のままでは、学生デモ側で誰を代表に立てるか決めようがないのではないか。
伝統的に金儲けにしか興味がなくノンポリが多いと言われ、市民運動・労働運動の歴史がない香港の限界だとも言える。


中共の「抗日戦争」歴史教育

先週のタフな北京出張の合間に、前から行きたかった、盧溝橋と、その近くにある抗日戦争記念館に行ってきた。

市内からちょっと離れているので、今まで行く機会がなかったけど、いつの間にか地下鉄14号線という新路線が開業していて(5月に出来たらしい)、電車で行けるようになったので。

 

(以下、すべての写真はクリックすると拡大します)

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入場無料。
日本語の音声ガイドを有料で借りられる。
展示物の説明には、中文の他、英語と日本語も付いている。

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ロビーではなんかTVドラマの撮影やってた。

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「偉大な勝利
中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争の勝利を記念する大型テーマ展覧」
と書いてある。

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中共においては、「抗日戦争」は、「世界反ファシズム戦争」の一部として含まれている、と定義されている。

中華思想臭がしますね。

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「七七事変」というのは、盧溝橋事件のこと。

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「南京大虐殺」、「死者30万人」だって。

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「韓国だけじゃない、うちもいわゆる日本軍従軍慰安婦の被害者です」

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我が帝国海軍航空隊による真珠湾攻撃により、「太平洋戦争」勃発。

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連合国 = 「世界反ファシズム統一戦線」と定義されている。

当時、連合国の一員だったのは国民党政権(現:台湾の一政党)であって、中国共産党は政権を握っていなかった訳だが、この前の部分で、国共合作について解説してあり、何となく「国民党政権と中国共産党は当時は仲間だった」的な雰囲気になっている。

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「抗日戦争の勝利」 = 「中華民族による反ファシズム戦争への大きな貢献」と解釈されている。

「自らがより大きなものに含まれることとなり、その大きなもの=自らとなる」という考え方は中華思想そのものです。

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「日本投降」。

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靖国神社に合祀されている、いわゆるA級戦犯についての解説。

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柱にパネルを後からくっつけて作ってある。
日本語音声ガイドの説明によると、2001年 小泉純一郎元首相による靖国参拝のときに作ったようだ。

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ニュルンベルク裁判、東京裁判について「正義の審判」である、としています。

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村山富市は「いい人」扱いされている。

 

 

そして、記念館を出て、すぐ近くの盧溝橋へ。

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今は、交通路としては使われておらず、観光の公園となっている。
入場料を払って中に入る。

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綺麗な橋。
20年前に改修したらしい。

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敷石に刻まれた溝がすごい。
馬車とか戦車がたくさんこの上を走ったのかな?

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「七七事変の英雄の橋!」と書いてある。


中共の少数民族政策

先週、(議員業ではなく、本業の)出張で、8ヶ月ぶりに北京に行ってきた。
仕事の合間に、ちょうど3週間前にウイグル人過激派がテロった天安門を見てきた。

APF BBNews : イスラム武装組織、「天安門広場の車突入は聖戦」 追加攻撃も予告
大艦巨砲主義! : イスラム武装組織 「中国・天安門広場の車突入は聖戦」 追加攻撃も予告

ここらの記事中の写真を見ると、クルマが突っ込んで炎上したのは、毛沢東の絵の右側の「世界人民大団結万歳」の前辺りらしい。

2013/11 北京

今はもう炎上した跡形もない。
観光客も普通。

2013/11 北京

警備も普通。
特に厳しくなってるわけではない感じ。
手荷物を開けての目視検査+X線検査は、元々行われていたものだし、北京では地下鉄の入り口でも必ずやってる程度のよくあるもの。

2013/11 北京

警備の警察官の数も普通。
むしろ、以前より少なくなったかも?

2013/11 北京

中国語分からないけど、「大気汚染は、一人ひとりみんなに責任がある」って感じでしょうか。
笑ちゃいますね。

2013/11 北京

早朝の王府井。

2013/11 北京

それにしても北京の街中は、昔と比べると驚くほど綺麗になった。
大通りはゴミなんて落ちてない。

同じように、「道路が綺麗になった」というのと同じ意味合いで、女性も綺麗になった。

2013/11 北京

PM2.5を体験するのを楽しみにしていたのだが、今回も空気は澄んだ冬の青い空で、遭遇できず。

 

中共の少数民族政策を継続ウォッチすることにより見えてくるもの

漢民族が圧倒的多数を占める多民族国家:China・中国・シナにおいて、 今現状の中共政権は、少数民族居住地域を言うならば、「国内植民地」のように扱っている。
その統治方法は、昔ながらのコロニアリズムそのもので、建前上は民族自治を認めつつも、漢民族の入植を進めて、政治と経済の要所を抑え続けるというもの。
同化政策は取っていない。
独立や自治拡大の動きは暴力で抑える。

China・中国・シナは、いずれ長期的には、共産主義を放棄して民主的な連邦制にソフトランディングする可能性がある。
(そのとき中共政権がどうなるのかは分からないが、一党独裁を放棄して多党制となり、数多く在る政党の一つとして生き残る、というシナリオが順当かと思う。国号も変更することになるだろうね。)

そうなったら、我が国としては、現今の同盟国との同盟関係を見直すシナリオすら視野に入れなくてはならない可能性も出てこざるを得ない。

そのためにはおそらく新しい民主的な教育を受けた世代が主流を占める、世代交代が必要で、たぶん50年とか100年かかると思うけど。
私が生きてるうちはあり得ないと思うけど。

いずれにしても、ソフトランディングするためには少数民族政策を穏やかなものに移行していかなくてはならないはず。
少数民族政策は、経済政策や政界人事と異なり、利権がまったく絡んでいない。
なので、中共政権の変化をウォッチするためには、少数民族政策を注視し続けることが最適なのです。

 

(おまけの写真)
2009年7月 ウイグル騒乱の9ヶ月後の2010年4月に新疆ウイグル自治区を訪れた時のもの。

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カシュガル市内を低速で示威パトロールする軍のトラック。
荷台には防護盾を立てた兵士が見える。
ぐるぐる市内を走り回ってた。

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ウルムチ市内のウイグル人街を隊列を組んでパトロールする兵士。
練度は低そう。

ウルムチ解放南路(ウイグル人街)の路上市場

ウルムチ市内の解放南路というウイグル人街の夜。
漢民族はまったく歩いていなかった。