さて、私は実はチャリがけっこう好きでして、昨日は、彩湖で行われたTOKYOエンデューロRiver Stage 2014 in 彩湖・道満グリーンパークの4時間チームエンデューロに参戦してきました。
晴天に恵まれたものの、風が強くて寒く、フラれて落車する選手が続出、救急車まで出動していました。
ロードバイクが流行っている
近年、ロードバイクが流行っている。
細いフレームに細い車輪をつけて、くねっと曲がったドロップハンドルをつけて、ピタピタのタイツとジャージを着てシャーッと走る、アレです。
この種の趣味のジャンルが流行ると、ファン人口が増えて市場が拡大するので、パーツの技術革新は進むし、値段も安くなるしで、いいことだらけなので、個人的には嬉しい。
荒川河川敷は、ロードバイクのメッカ
シャーッと走るロードバイクは、街中で走っても楽しくない。
趣味性が高い分野なので、好みの楽しみ方によって別れるのだが、概ね、↓こんな場所を普段走って練習したりしている。
ロードレース、トライアスロン好き→平地を止まることなく高速巡航したい。
ヒルクライム好き→峠の上りを走りたい。
ということで、往復で100km以上距離が取れる河川敷沿いのサイクリングロードというと、首都圏近郊ならば、荒川と多摩川しかないので、荒川サイクリングロードは、ロードバイク乗りのメッカみたい感じになっている。
(荒川サイクリングロード 東京都北区の戸田橋ゴルフ練習場の辺り。戸田橋と新荒川大橋の間。)
荒川は一級河川なので国が管理しているのだが、笹目橋を境にして上流と下流で管理事務所が違うらしい。
wikipedia:荒川サイクリングロード
たしかに、体感では笹目橋を境に、河川敷の景色は劇的に異なる。
下流域では、サイクリングロードの道幅は広くなる(クルマ3台分くらい)。野球場、サッカー場、テニスコート、ゴルフ場・ゴルフ練習場(打ちっぱなし)が連なっている。
上流域では、道幅は狭くなり、自転車がすれ違えるくらい(クルマ1台分くらい)。夏には草刈りの頻度が下流よりも低く、草ぼうぼうになっていることも多い。大きなゴルフ場は幾つかあるが、それ以外は荒れ地や田んぼになっている。鴻巣辺りまで足を伸ばすと、川幅は数キロに及び、川と堤防の間に集落が幾つもある。
荒川サイクリングロードの危険性と自転車規制
下流域では、野球、サッカー、テニス、ゴルフの愛好者やウォーキング愛好者が多いので、ときどき衝突事故が起こっている。死亡事故が起こったこともあるそうだ。
流行って愛好者人口が増えたので、当然、マナーが悪い人も増えたようだ。
追い抜きざま「邪魔だよ、バーカ!」みたいに怒鳴るような人もいるらしい。
そこで、下流域において、衝突事故防止の観点から、自転車が規制されている。
河川敷のクルマの駐車場の出入口を中心に、自転車が通れないようにわざと鉄パイプを設置された。
数年前から、下流域のみ、「時速20km以下で」という標識も設置された。
参考:
Cycle Sports:オレ達の”走り場”が危うい(2010年)
Cycle Sports:荒サイからサイクリストが締め出されるってホント!?(2013年)
ということなんだけど、自転車で20km/hというと、ほとんどママチャリでちょっと頑張ってこぐくらいのスピードなので、まったくもって非現実的。
ロードバイクの速度は、例えば昨日の彩湖エンデューロだと、かなりの強風の中を数人で交代しながら4時間走って、優勝チームが平均39.52km/h、私のチームが平均33.50km/h。追い風区間では巡行40km/h以上は普通に出る。トライアスロンの大会だとドラフティング(=スリップストリーム)禁止なのでもっと遅くて、私の昨年の彩湖道満トライアスロンATCカップの記録が、最高気温37度の中を熱中症寸前で寒気を感じながら走って(ラン途中で時間切れDNF)、平均28.4km/h。
この荒川サイクリングロード(下流域)の「時速20km制限」は、まったく非現実的なものだし、罰則があるわけでもないので、畢竟、誰も守っていない。
また、前述の彩湖道満トライアスロンATCカップは、私はここ7年ほど毎年出ているミドル距離の大会なのだけど、昨年歩行者と衝突事故が起きたために今年は使用許可が下りなかったそうで、バイクパート無しのアクアスロンとなってしまった。
(アクアスロンだったら、敢えてあんな臭くて汚い水の中を泳ぎたくないので、今年は出ませぬ)
他方で、危険でマナーが悪いのは自転車ばかりではない。
野球チームのボールが飛んできて私の自転車に当たったことがあるし、目の前で野球のボールが飛んできて、ロードバイクの女性の頭(ヘルメット)に当たって落車するのを見たこともある。
サイクリングロード上で野球チームのちびっ子たちがキャッチボールをしたり、あるいは数人で横一列になっておしゃべりしたりして道を塞いでいるところを、指導者らしい大人が近くにいながら注意もせず、やむを得ずかき分けて走ることもある。
どっちが悪いということではない、マナーが悪い人はどこにでもいる。
同じ場所で、別の分野の人達が共存している訳だから、フリクションが生まれるのは当たり前だ。
荒川河川敷で、自転車だけが規制される理由に関する考察
私が知る限り、規制されているのは自転車だけのようだ。
この理由は、個人的な考えだけど、少年野球チーム、少年サッカーチームの政治的発言力が強く、自転車愛好家のそれが弱い、ということに尽きるのではないかと思う。
少年野球、サッカーチームは、地域密着で、指導者層が概ね、地元で力を持つ自営業者だったり、名士だったりすることが多いように思う。そして、地域の政治家がバックに付いていることも多い。
何を隠そう、私も某中学生野球チームの副会長を仰せつかったりしている。
私は何の力も権限もないし、野球なんてさっぱりやったこと無いにもかかわらず、チームリーグ戦の始球式でボール投げさせてもらったり、飲み会でご挨拶するくらいのことしかしてないけど。
そして、この種の団体スポーツは競技の性格上、チーム内の結束力が強いし、チーム同士で戦う競技であるためにチーム間の横の繋がりも強い。
自転車愛好家は、基本的には個人プレイだし、趣味サークルを作っている場合も、関東全域の仲間が集まっている、というような広域団体が多いため、政治的意志が集約されにくい。
今後について
個人的には、荒サイの今後の自転車規制がどうなるかについては大いに利害があるが、何か働き掛けなり陳情とか請願とかその類を、自ら動いてやろうとは今のところは思わない。蕨市政とは無関係だし。
しかし、誰か中心になってやる人がいれば、応援する。
また、埼玉県はじてんしゃ王国 埼玉を目指しているそうだけが、何を目指したいのかさっぱり分からない。
王国を名乗るのであれば、河川敷の他スポーツ団体とのフリクション問題を解決して欲しい。
埼玉県:「じてんしゃ王国 埼玉」の確立を目指して
埼玉県公聴広報課:ポタ日和