国全体でインバウンド観光業に力を入れています。
埼玉県も、東京に近いという地の利を活かした観光業の振興に力を入れております。
今のところ、県内で観光業の振興に成功しているのは、川越と秩父です。
そして、観光業の振興に成功している街はどこでも、多かれ少なかれ、オーバーツーリズム(観光公害)に悩んでいます。
川越市は、国の「先駆モデル地域」に選定され、国庫補助を得て、オーバーツーリズム対策を行うことになりました。
これらの補正予算案が、川越市議会6月定例会で成立しております。
自民党埼玉県議団の一期生の有志にて、川越市のオーバーツーリズム対策を視察してまいりました。
川越市選出の自民党県議会議員で、川後市議会議員OBである須賀昭夫議員にアレンジしてもらいました。
川越市役所。
昭和四十年代築の古い建物を耐震補強して使っています。
川越市役所敷地内に立つ、太田道灌像。
川越城は、室町時代に太田道灌が築城しました。
須賀昭夫議員が挨拶しているところ。
川越市のオーバーツーリズムの現状
第一には、観光地の受け入れキャパシティを越えた大人数が訪れることによる混雑です。
歩行者の車道へのはみ出し、車両の渋滞、道路上の行列といったものです。
第二には、ゴミのポイ捨てです。
川越市のオーバーツーリズム対策
基本的には、来訪者数を抑制するという方法ではなく、来訪者を分散するという方法で、解決を図ろうとしています。
・お店の順番待ち発券機の導入
・お店の順番待ち列の、店内への誘導
・駐車場の空き状況のweb・アプリ配信
・パーク&ライドによる、郊外への駐車の誘導(中心部への流入抑制)
といったものです。
いずれも、少なからず効果は見込めるものと思いますが、重要なのは、コスパですね。
それぞれの施策が、どれほどのコスパを示すのか、慎重に結果を見守りたいと思います。
根本的な、観光地の観光客受け入れキャパ拡大というのは、なかなか出来るものではありません。
この考え方に基づく施策としては、
・無電柱化の促進
を行う予定です。
電柱を廃することによって、歩道が多少は広くなります。
平成23年には、一番街(観光地のメインストリートで、車両は両側通行、歩道は狭い)の終日一方通行・休日の歩行者天国化を進めよう、という提言が検討委員会から出されています。
これに対する反対運動もありました。
市は、提言をそのまま受け入れず、事実上棚上げしています。
100%観光業の街であるならばともかく、観光業とは無縁の住民・事業者もたくさんいるわけですから、生活・商いの不便・不利益につながることに対して反対運動が出るのは当然のことです。
私の問題意識としては、
これから埼玉県が、(川越・秩父以外の)観光地振興を進めていく中で、観光地として盛り上がる前に、あらかじめオーバーツーリズム対策を組み込んで行くことは出来ないものだろうか、というものでした。
実際には、どのような施策を行うにしても、お金がかかるし、現実的な住民の不便・不利益を伴うものですので、事前に対策を行うのは極めて困難です。
川越市に次いで、秩父市もオーバーツーリズムの先駆モデル地域に指定され、対策を進めていくことになりました。
私としては、川越と秩父の施策の成果・費用対効果を見極め、これから発生するオーバーツーリズムに苦しむ県内観光地に対して横展開していくモデルをいかにして作っていくか、を考えてまいりたいと存じます。
アメヤ横丁を歩きました。
一番街。
圧倒的に観光客があふれるのは、土日祝日のみであり、平日はそれほどでもないようです。