来週より、さいたま市岩槻区にて、岩槻高齢者講習センターがオープンします。
本日、令和6年(2024年)5月21日、県議会向け内覧会がございまして、見学してきました。
運転免許更新の手続きにあたり、70歳以上の高齢者の場合は、
- 75歳以上 かつ 一定の違反歴がない場合
→認知機能検査を受検して合格する
→高齢者講習を受講する
- 75歳以上 かつ 一定の違反歴がある場合
→運転技能検査を受検して合格する
→認知機能検査を受検して合格する
→高齢者講習を受講する
という手続きが必要になります。
従来は、最寄りの教習所で受けるべきものだったのですが、開設されているコマ数が少なく、なかなか予約が取れない、といった問題がありました。
高齢化の更なる進展に伴い、高齢者で運転免許更新手続きを行う人はこれからますます増えていきます。
そこで、埼玉県警では、独自の施設として、高齢者講習専用施設を開設することになりました。
運転免許センターの中に高齢者講習施設を解説している都道府県は既にあるようですが、専用施設として設けるのは埼玉県が全国初です。
高齢者講習室。
少人数制ですね。
認知機能検査の仕組み。
ヘッドフォンを繋いで、音声で質問を聞き、タブレットへのペンによる書き込みで質問に回答する仕組みです。
イラストを見た後にこれを隠し、「何のイラストが有りましたか?」と尋ねる質問のためのパネル。
運転適性検査。
動体視力、暗いところから明るいところに出た時に視力が回復するまでの時間、視野の広さなどを測定することができます。
安全運転相談コーナー。
ハンドル操作、アクセル・ブレーキ・クラッチペダルの微細な操作が指示通りにできるかどうかをチェックすることができます。
料金の支払いは、完全キャッシュレスです。
(鴻巣の運転免許センターと同じ)
クレジットカードも、QRコード決済やFelica決済の手段も持っていない人は、最寄りのセブンイレブンにnanacoカードを買いに行くことになります。
埼玉県は、キャッシュレス、ペーパーレスを強力に推進しています。
「誰一人取り残さないDX」などと口当たりのいい言葉を掲げておためごかしの例外規定は設けるような下らないことは致しません。
この姿勢は素晴らしいですね。
屋外の講習コース。
講習用の車両は、様々な改造が施されています。
エンジン車よりもEVの方が多いようでした。
上記写真に映っているのは、日産の車両です。(旧式のリーフ?)
助手席にもブレーキペダルが増設されています。
下肢障がい者が運転できるように、アクセル・ブレーキが手で操作できるようなスイッチが設けられています。
高齢者の運転免許返納を促進しよう!
依然として、高齢者が加害者となる不幸な交通事故は、後を絶ちません。
アクセルとブレーキの踏み間違いにより、建物や歩行者の列に突っ込んでしまう、といった交通事故は、なかなか無くなりません。
道路の逆走の報道も決して減ることはありません。
お年寄りが加害者となる不幸な交通事故を一件でも防ぐために、お年寄りの方は、運転免許の返納を前向きにご検討ください。
蕨市におきましては、一般質問等において、運転免許返納に対するインセンティブ施策の導入を強く訴え続けた結果、65歳以上の運転免許返納者が申請すると、バス回数券(7,700円分)またはタクシー券(初乗り14回分)を交付する仕組みができました。
団塊の世代以上の方々は、
- クルマの運転は大人になった証
- クルマの運転が上手い人は、エラい
- いつかはクラウン
(所有するクルマの車種・グレードは、その人の社会的地位や資産・収入の多寡を示す)
といった価値観をお持ちの方が多くいます。
その裏返しとして、
といった発想になりがちです。
このような価値観を転換していくべきと思います。
家族のため、社会のため、運転免許返納は、カッコいい!
みんながこう思うようになれば良いと思います。