蕨市消防出初式

本日、令和8年(2026年)1月11日(日)、錦町5丁目の蕨市消防本部におきまして、蕨市消防出初式が行われました。

 

日頃より、火災・救急・その他災害対応の最前線で、市民の命と暮らしを守ってくださっている、消防本部職員・消防団員の皆様に、心より感謝申し上げます。

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本日は曇天ながらも、この時季にしては気温が高めでしたが、風が強く、薄着でじっと立っているとすっかり身体が冷え込んでしまったのではないでしょうか。お疲れ様でした。

 

 

毎年、楽しみにしているのが、消防対応訓練(デモンストレーション)です。

今年は、「火災が発生した家屋の2階に要救助者が取り残され、意識を失っている」という想定のものでした。

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火災現場に到着、現場の様子を確認した上で情報共有し、リーダーがメンバに指示を出しているところです。

 

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火災が発生した家屋の2階に取り残されていた要救助者は、意識を失ってしまいました。

消防職員は、ハシゴをかけて2階に上がりました。

要救助者を、ロープを用いて、1階に下ろしているところです。

 

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ロープから降ろされた要救助者は、あらかじめ待機していた担架に載せられ、救急隊員の手によって運ばれていきます。

 

一つひとつの動きに無駄がなく、緊張感の中にも確かな連携があり、日頃の訓練の積み重ねと、現場に立つ覚悟を強く感じました。

 

 

次に、消防団員による、小型ポンプ放水訓練(デモンストレーション)です。

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蕨市では、消防団員を募集しています。

市内に居住または勤務する18-55歳の方、是非ともご応募ください。

 

 

7万5千人の蕨市民が、毎晩、当たり前のように安心して眠りにつけるのは、消防本部職員、消防団員の皆さんの存在があるからです。

改めて、ありがとうございます。


令和2年7月九州北部豪雨災害 被災地の天ヶ瀬温泉の復興状況

令和2年(2020年)7月は、全国的に豪雨が続きました。特に九州北部には線状降水帯が発生し、あちこちで大規模な水害発生しました。

この時の大きな水害としては、熊本県の球磨川の氾濫が有名ですが、大分県日田市の天ヶ瀬温泉でも、玖珠川が氾濫して、温泉街は壊滅的な被害を被っています。

 

私は、同年12月に妻とこの温泉地を訪れたことがあります。

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(この写真のみ、2020年12月撮影)

 

空中で寸断されたまま垂れ下がった橋など、被災したままの姿が生々しく残る中、復興に向けた地元の方々の力強い動きも感じることができました。

 

このたび、5年ぶりに、現地を視察しました。

結果として、復興状況というよりも、「復興していない状況」を視察することになりました。

 

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玖珠川の両岸に沿って、温泉街が立ち並んでいます。

両岸ともに、後背にはすぐに山が迫っいます。

 

堤防はありません。

川沿いの一段低くなったところに、露天の共同温泉浴場が何箇所か設けられています。これが、天ヶ瀬温泉の名物となっていました。

 

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こんな感じで、見晴らしのいいオープン構造です。

程よいぬるさで、いつまでも入っていられるほどです。

更衣室はないので、その辺の岩の上に服を置いて入浴する仕組みです。

赤色のボックスに、入湯料100円をお支払いします。

 

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露店公衆湯の一つ、薬師の湯。

オープン構造はやはり女性には敷居が高いので、囲いを設けています。

地元の人だけが入って楽しめばいい、ということではなく、ツーリストにも楽しんでもらおうというホスピタリティが伺えます。

 

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益次郎の湯。

 

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新しく建物を建て直して旅館として営業しているところも複数あります。

 

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水の高さによって注意を促すペイントが施してあります。

2020年7月豪雨の際は、「5」を遥かに超えて、橋を押し流してしまいました。

 

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水害から5年が経ちましたが、まだ被害の大きさを物語るモノが残っています。

災害遺構として敢えて撤去せずに残しているのかもしれません。

 

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写真左側奥(左岸側)のクリーム色字に茶色い格子柄の建物は、スイスの山小屋風の外観を特徴とした、ホテル水光園という名で営業してました。

2020年7月の水害の動画投稿を最後に閉館しています。

 

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復興の桜

 

ということで、小さな温泉街を一通り見て回りましたが、建て替えて新たに営業を始めるなど、力強く復興に向けて歩みを進めている旅館・ホテルがある一方で、廃業した旅館・ホテルもあり、廃墟のような建物も多数ありました。

 

 

県の玖珠川改修計画と、その進展

大分県では、玖珠川の川底を深く削った上で、川幅を拡張する工事の計画を立てています。

上記に見来てきた通り、川沿いに家々が立ち並んでいるため、移転を迫られる家屋も出てきました。その中には、水害後、家を建て直した方もいます。

立ち退き交渉は、なかなか進んでいないようです。

 

 

この種の、復興計画は、どうしても、土木工事を行う自治体と、地元住民とで、復興に向けての意識の時間軸にズレが生じてしまう傾向があります。

 

自治体は、数十年後を見据えて、今後何世代にも渡って安心して暮らせるよう、防災・減災対策を行おうとします。そのような土木工事は、大規模なものになります。計画を建てるだけでも、数年間かかることもありますし、地域住民の合意形成には更に数年間、工事が始まってから完成するまでにさらに数年間・・・と、年単位での時間がかかります。

他方で、地元住民は、家が壊され、家財道具がだめになってしまった場合は、今すぐに生活を再建しなくてはなりません。宿泊業や、その他の小売・サービス業を営んでいた場合は、災害によって収入がゼロになってしまいますので、何らかの対応を今すぐにしなくてはなりません。
その地域で、すぐに家・店を建て直して商売を再開する方もいるでしょうし、その土地での暮らし・商売の再建を諦めてよその土地に移転する方も出てきます。

 

この時間軸のズレは、どうしても埋められないものがあります。

 

東日本大震災の被災地においても、盛り土、区画整理、高い堤防造りによる大規模な土木工事は完成したものの、地元住民は既にその土地で生活を再建することを諦め、よその土地に移転してしまい、誰も住まない広大な空き地が広がっている・・・という場所がたくさんあります。


大分市 佐賀関の大規模火災現場

令和7年(2025年)11月18日に発生し、鎮火まで一週間以上を要した、大分市の漁村、佐賀関の火災現場を視察して参りました。

 

187棟、5万平米が焼失したとのことです。

 

訪問時(12月21日)は、住民以外の立ち入り規制が続いており、規制線の外側から現地の様子を確認しました。

 

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報道では「木密地区」とされていますが、この「木密地区」という言葉には、法令上の厳密な定義はありません。

 

他方、「地震時等に著しく危険な密集市街地」の指定リストというものがあります。

埼玉県の場合は、川口市芝の一部の地域のみが、指定されています。

 

 

佐賀関は、「地震時等に著しく危険な密集市街地」リストには指定されていませんでした。

 

木造戸建て住宅が多く空き家率も高かったようですが、現地を見る限り、典型的な漁村の風景で、道路事情も極端に悪いわけではありませんでした。

 

「消防車が入れないような狭い路地ばかり」という報道を目にしましたが、これは、漁村ではよくある光景です。

漁村においては、防風・防潮といった理由から、家々を密集して建てる様式が発展したのだと思います。

また、「全く消防車が入れないほど狭い」ということはなく、それなりの背骨に相当するような太い道路も存在していました。

幹線道路である国道217号からも近く、周辺地域からの消防車の応援も駆けつけやすい地理だったと言えると思います。

 

202512 大分市佐賀関 火災現場視察

特異な条件があったとは言い切れず、むしろ全国の地方都市・漁村が抱える普遍的なリスクが露呈した可能性が高いと感じます。

 

202512 大分市佐賀関 火災現場視察

詳細は調査報告を待ちたいと思います。

蕨市内にも、狭い路地に木造住宅が密集した立ち並ぶ地域が点在しており、今回得られる知見は、防災・減災対策に必ず活かします。


香港の高層マンション火災現場

令和7年(2025年)11月26日、香港の郊外住宅地の大埔墟(Tai Po Market)の高層マンションにて、大規模な火災が発生しました。

現時点(12月5日時点)で判明している死者は159名にのぼるとのことで、依然として安否が不明の方もいます。犠牲者のご冥福をお祈り申し上げます。

 

 

驚くべきことに!

当該、火災現場である高層マンション群の写真を、11ヶ月前に山の上からトレイルランニングのレース中に撮影していました。

 

今年、令和7年(2025年)1月18-19日に、Anta Guanjun 香港100という、香港郊外の山の中を100km走るというトレランレースに参加しました。

香港は、意外とたくさん山があって、トレランレースもたくさん開催しているんですよ。

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このHK100に参加したのは、9年ぶり、3回目でした。

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1日目の朝8時にスタートして、2日目の午前10時ころ、大埔墟の裏山であり、香港で最も高い山である、大帽山(Tai Mo Shan)に差し掛かる途中で、たまたま撮影していました。

入江の、海の際に8棟、まとめて建っていて、緑色の防護シートで覆われている高層マンションが、当該火災現場です。

今年の1月には、大規模改修工事は既に始まっていたんですね。

 

 

 

このたび、12月定例会開会直前で、定例会に向けての準備に忙しいタイミングでしたが、11月29日、現地を視察してまいりました。

 

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当地は、郊外住宅街に位置しております。

マスメディア報道によると、リタイアした高齢者が多く居住していたようです。山も海も近いし、買い物は一通り何でも揃うし、市内中心部までも、深圳までも、地下鉄で一本で行けますので、快適そうな住宅街ですね。

 

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11月29日訪問時には既に鎮火しておりました。

 

建物が密集して立ち並んでおります。

隣接棟に次々に飛び火していったようですね。

 

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大規模修繕が行われていたようで、竹の足場、緑色の防護シートで覆われています。

これらが、黒く焼けた状態となっています。

 

しかしながら、見ての通り、竹の足場は、焼けて崩れ落ちてしまったわけでもありません。足場としての原型をかなり留めています。

竹は可燃物ではありますが、自然着火温度は約250℃前後であり、太い竹はすぐには完全燃焼しないという性質を持っているようです。

 

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規制線が張られており、建物に近づくことは出来ませんが、花を持った弔問者が次々に訪れていました。

香港は高層マンションだらけですので、決して他人事ではないのだろうと思います。

あらためて、犠牲者のご冥福をお祈りします。

 

 

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真っ白い防護服を来た、調査のための警察官?消防士?が何十人も建物に近づいていく姿が見て取れました。

 

 

マスメディア報道によると、火災報知器がならなかったとか、建物の素材が可燃性のものだったとか、緑色の工事用防護シートが違法に可燃性のものがつかわれていたとか、複合的な要因によって被害が拡大したと指摘されています。

しかしながら、依然として情報が断片的です。

 

 

また、香港では、返還後、徐々に報道の自由が失われつつあるという状況もあります。

 

 

詳しい調査報告が為されるのを待ちたいと思います。

 

 

蕨市において、蕨駅西口再開発事業によって、2棟目、3頭目の高層マンションが建設中です。

この悲しい火災によって得られる知見を、蕨市の災害対策に活かしてまいります。

 

 

 

ところで、件の、工事現場における竹の足場は、香港ユニークな建築技術です。

 

メインランドチャイナでは、全く見たことがありません。

以下の写真は、今回の香港訪問時(2025年11月)に撮影した、現役のもの。

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竹足場と並んで、夏なんかは、エアコンの室外機からの水がポタポタ歩道上に垂れてくるのもまた、香港の風物詩の一つですよね。

 

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竹の足場が火災の発生・拡大の原因の一つだったのかどうかはまだ分かりません。原因の一つだとして特定された場合、香港の風物詩とされている竹足場は、いずれ規制されていくことになるかもしれません。


【埼玉県議会】令和7年12月定例会が開会

本日、令和7年(2025年)12月1日(月)、埼玉県議会の12月定例会が開会しました。

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会期は、本日12月1日(月)から19日(金)までの19日間です。

 

蕨市を代表して、慎重に審査・審議してまいります。

 

 

12月定例会における知事提出議案のトピックス

20251201 埼玉県議会 令和7年12月定例会開会

カスハラ防止条例案が提出されました。

 

カスハラ防止条例は、全国の都道府県・市町村において、同様のものが作られ始めています。

民間企業のカスタマ対応スタッフだけでなく、公務員、個人事業主、町会・ボランティア団体の役員まで対象を広くカバーしている点が特徴です。

「カスハラ」という概念を、かなり幅広く捉えています。

 

ところで、カスハラって、地域性なんか無いですよね?

全国的な現象ですよね?

 

そうであるならば、地方自治体レベルで条例という形で定めるのではなく、国レベルで法律(カスハラ防止法)として定めるべきではないか、という意見もあります。

この意見には、合理性があります。

 

 

他方で、カスハラ問題は、海外ではあまり見られない、我が国ユニークの現象でもあります。

背景には、以下のような理由があります。

  • 慢性的な人手不足
  • SNSによる「晒し」文化の拡大
  • 過度な顧客重視志向
  • 30年続いたデフレが生んだ「顧客側の強大化」

 

県としての役割、国に求めるべき制度の在り方、現場への実効性を、しっかり議論してまいります。

 

 

大久保浄水場に建設中の高度浄水処理プラントのサービス開始が1年遅れる見込み

20251201 埼玉県議会 令和7年12月定例会開会

蕨市は、荒川から取水し、大久保浄水場で作った水(=県水と呼んでいます)と、蕨市内で掘った井戸水をブレンドして、水道水として使っています。

 

大久保浄水場では、ただ今、高度浄水処理プラントを建設中です。

従来の浄水処理工程を通した水と比べると、高度浄水処理を行った水は、遥かに品質が高いものとなります。

県水の品質が、家庭用の浄水器を通したものを同じくらい美味しくなる予定です。

高度浄水処理プラント建設中の様子については、2024年5月に視察した際の様子を上記の記事でレポートした通りです。

この時点では、「令和10年度にはサービス開始する予定」でした。

 

建設現場において、土壌からヒ素が出てきて、この処理を行うため、追加予算と工事期間が必要になり、「令和11年度にサービス開始」と変更になります。

「土壌からヒ素が出てきた」と聞くと、ちょっとびっくりしてしまいますが、これは、自然由来のヒ素だとのことです。

関東地方では、土壌の性質上、珍しいことではありません。

適切に処理を行えば、特段の危険があるわけではありません。

 

 

県議会の防災訓練

閉会後、議会棟において火災が発生したという想定での、防災訓練が行われました。

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階段と各フロアを接続する場所の防火シャッターが下ろされています。

 

 

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ホースによる消火訓練。

 

 

20251201 埼玉県議会 防災訓練

つい先日は、香港で高層マンション火災が発生しました。私も一昨日、現地を視察してきました。後ほどレポートを書きます。

壁面緑化の植物が火災の原因になりうるかも?という議論は、従来はあまり聞いたことはありませんが、検討した方がいいかもしれません。

 

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さいたま市消防局の消防車。

荷台に載っている大きな扇風機(ブロワー)は、火災現場において、煙を排出するために用います。

総務省から貸与されているもので、この装備がついている消防車は、県内に一つしかないそうです。

(可搬型ブロアーを備えているところはある、とのこと)


荒川左岸水害予防組合の水防演習

本日、令和7年(2025年)6月21日、川口市内の荒川河川敷 三領運動場において、荒川左岸水害予防組合水防演習が行われました。

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荒川左岸水害予防組合

蕨市、戸田市、川口市の3市によって組成されています。

それぞれの消防本部、消防団、市長部局(土木系の部署など)が参加しています。

水害には、外水氾濫(大きな河川が氾濫すること)と内水氾濫(街の中が冠水・浸水する都市型水害)の2種類がありますが、この組合は、荒川の氾濫に備えたものです。

 

 

 

水防演習

埼玉県防災航空隊や、国土交通省 関東地方整備局 荒川下流河川事務所なども参加しての、大規模な公開練習です。

3市持ち回りで開催しており、今年は川口市の当番回でした。

 

 

伝統的な3つの水防工法

本演習の中心となったのは、江戸時代から伝承され、今なお実効性の高い三種の水防工法の実地訓練です。科学的で、最小限のコストで最大限の効果を狙った工法です。

 

今回は炎天下での演習となりましたが、実際の現場では、大雨が降る中で行われることになるでしょう。横殴りの風が吹いていたり、夜間の場合もあり得ます。

どの工法も、基本的には文字通りの人海戦術であり、3市の消防本部職員、消防団員によって行われました。

 

 

土のうを作る

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土のう作りが、全ての水防工法の基本です。

土のう袋に土砂を入れて、袋の口を縛ります。

 

 

(1)越水防止工法

川の水が市街地へ流れ込むのを防ぎます。

浸水被害の“第一防衛線”であり、堤防の機能を補完するものです。

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こちらは、せき板工

板に沿って土のうを積んでいきます。

 

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これが完成形。積んだ土のうの上から土をふりかけて、隙間を塞いでいます。

 

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こちらは、シート張り式の改良積み土のう工

ただ土のうを積み上げるだけではなく、シートを張った上から積み上げることによって、隙間が生じるのを防ぐものです。

 

 

(2)漏水防止工法

堤防は、土を固めて作ってあります。土なので、中に水が染み込みます。

堤防の中に水が浸み込んで空洞化・崩壊を招くのを防がなくてはなりません。

チョロチョロと堤防の横腹から水が漏れ出てきた時に、このような漏水防止工法を用いて、水圧を逃がし、土砂が流出するのを防ぎます。

堤防が決壊するまでの時間稼ぎをするものです。

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こちらは釜段工の、作業途中の様子。

ただ円形に積み上げているわけではなく、高度な技術と経験を要するものです。積み上げの指示と作業は、川口市消防局の消防士が行っていました。

 

20250621 荒川左岸水害予防組合 水防演習

こちらは、月の輪工の完成形。

 

ところで、「そもそも、堤防が土で出来ているから漏水が起きるのでは? 堤防をコンクリートでがちがちに固めてしまえば漏水しないんじゃね?」と思う方もいるかもしれません。

しかしながら、コンクリート製堤防は、

・お金がかかる。

・コンクリートで固めたところで、水の力はとても強く、漏水は完全には防げない。

・環境や生態系に悪影響を及ぼす。

・地震や地盤沈下・隆起に対して、剛構造のコンクリートは弱く、柔構造の土砂の方が対応しやすい。

という理由から、堤防をコンクリートで固めることは好ましくありません。

 

 

(3)洗掘防止工法

越水した水が堤防を削り取る「洗掘(せんくつ)」を防止するものです。

堤防は土で出来ているので、大きな水の流れに晒されると、やがて表面が削り取られてしまい、やがて決壊に至ってしまいます。

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これは、シート張り工の完成形。

ブルーシートを貼り、竹の棒、ロープ、土のうを上に配置してあります。最小限の道具と労力で、最大限の効果を狙った工法だと思います。

 

 

このような3種類の伝統的な水防工法に加えて、

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国土交通省 関東地方整備局の排水ポンプ車、などを用いて、堤防を守ります。

 

 

水難救助訓練

あわせて、川口市消防本部と埼玉県防災航空隊によって、溺れた人を助ける、水難救助訓練も行われました。

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埼玉県防災航空隊のヘリコプターが下降してきました。

 

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溺れた人を、懸垂上昇して救出しました。

 

 

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溺れた人。

「助けてー!」

実際には、ウェットスーツを着込んだ、よく日焼けした屈強な消防士さんです。

本当に溺れてしまった時には、手を振ると身体が沈み込んでしまいます。既に発見されているならば、それ以上は合図をする必要はありませんので、救助隊を信じてください。じっと動かずに体力を温存するのが良いでしょう。とにかく、落ち着いて、冷静に行動しましょう。

 

20250621 荒川左岸水害予防組合 水防演習

川口市消防局が運用するジェットスキーによって救出しました。

 

 

演習を通じ、技術の継承、防災意識の啓発、組織間連携の強化と、複合的な成果が得られました。

現場で活動されたすべての関係者の皆様に、深く敬意と感謝を申し上げます。


埼玉県防災航空隊 あらかわ1号 墜落事故殉職者慰霊碑

GWが終わりました。

今年のGWは、参院選前の応援準備やらで忙しくしつつも、山のように溜まっている書類を整理したり、積ん読のままとなっていた本を読んだりして過ごしました。

 

 

先日、川島町の埼玉県防災航空センターを訪れ、新しく導入された埼玉県防災航空隊のヘリコプターあらかわ2号などを視察してきたところですが、GWに一日だけ遠くへ出かけ、あらかわ1号墜落事故殉職者慰霊碑に参拝してまいりました。

秩父市内です。

 

20250506 埼玉県防災航空隊 あらかわ1号 墜落事故殉職者慰霊碑

雁坂トンネルの埼玉県側入口の手前に設置されています。

石碑の後方にあるのは、ヘリポートです。

 

20250506 埼玉県防災航空隊 あらかわ1号 墜落事故殉職者慰霊碑

平成22年(2010年)7月、山岳遭難者の救助活動中にあらかわ1号は墜落し、5名の隊員が殉職しました。

ご冥福をお祈り申し上げます。