最近、仕事関連では水道橋のオフィスに常駐しているのだが、近くに後楽園の場外馬券場がある。普段は閑散としているが、どこかの地方競馬やらのイベントがある日だけは、どこからか人がわらわらとたくさん涌いてきて、とても混雑している。場外馬券場に集うヤツらというのは、まぁ、イメージ通りで、競馬新聞、赤鉛筆のショボくれたオヤジどもが中心だ。はっきり言って、この手のイベントがある日の水道橋の雰囲気は悪い。コきたないオヤジどもがうろついており、負けた馬券やら競馬新聞やらがゴミとして路上に散乱してる。
僕自身は、馬券はまったく買ったことないが、最近では、インターネット経由でも馬券が買えるみたいだし、よく知らないけど、モバイルでも買えるのだろう、多分。
で、なんでこのオヤジ達は、わざわざ場外馬券場に集まってくるのだろうか?
競馬場そのものに行くのであれば、まだ理解できる。
実物の馬が見れる訳だし、それはそれでとても楽しい体験だろう。しかしながら、場外馬券場で見れるのはショボくれたオヤジ達だけだし、競馬オヤジ同士で話したりとかの交流をしている訳でもない。少なくとも、楽しそうには見えない。
なんで、インターネット版で馬券購入しないのだろう。
さっぱり理解できない。
(まぁ、いわゆるITリテラシは低そうだけど、それはおいといて。)
そこで考察したのですが、
臨場体験というものは、それがポジティブなものであれネガティブなものであれ、一度はまってしまって、カラダがそれに慣れてしまうと、それから離れられなくなってしまうものなのではないか。
場外馬券場に集うショボオヤジどもは、「場外馬券場での臨場体験」に慣れ過ぎてしまい、インターネット版での馬券購入に移行出来なくなってしまっているのではないか。
便利さと引き換えであれ、これを手放すのは容易ではない。
これを代替できるものは、ない。
もし、あるとすれば、それは100%完璧な同一体験のみである。
そのために、バーチャル・リアリティという概念が生まれてきた訳だが(10年くらい前?)、いつの間にかこの言葉も聞かなくなってしまった。あれって、どこに行っちゃったんだろう?
その理由を考察すると、以下のような感じなのではないか。
結局、もろもろの技術的な制約が大き過ぎて、完璧で100%なバーチャル・リアリティの実現は不可能であることが明確になり、かつ、ユーザはこの分野に関しては「完璧で100%」な状態でないと満足しないことが分かってしまったため、すっかり雲散霧消してしまった、と。
個人的には、コマースがどこまでE化し得るのかというテーマに興味を持っておるのだが、エンタテイメントとしてのショッピング体験を完全にelectonic化するのはやっぱ無理なのかも。
【以下、追記。2004/6/16 0:55 JST】
「エンタメとしてのショッピング体験」を完全にE化出来ないのは当たり前。
女の子とぶらぶらと街を歩いたり、ちょっとした臨時収入が入って何買おうかとワクワクしながら店をうろうろしたりする体験は、インターネットに置き換えるのは不可能。当たり前。
インターネットの黎明期に、インターネット上に架空の街を作って、ユーザ自身がその街の中を回遊しながら、いろいろな店に出たり入ったりするようなことが出来るようなサイトというか仕組みがよくあった。ドットシティとか、凸版印刷がやってたサイバーモール何とかとか。
あれらは、リアルの「エンタメとしてのショッピング体験」をE化しようとした愚かな試みの例であり、当然のこととして失敗に終わった。
バーチャル・リアリティという概念も、これらの延長線上にある。たぶん。なので、失敗して当然。
では、インターネットの世界で「エンタメとしてのショッピング体験」を作ることは無理なのかといったら、そんなことはない。
リアルの「エンタメとしてのショッピング体験」の置き換えではなく、インターネットの世界独自の「エンタメとしてのショッピング体験」を新しく作り上げればよい。
最後の三行に同感です。
逆に、ECサイトでお客様に完全に満足していただければ、「(かつての営業文句)リアル店舗への誘導」は不要!みたいなこともいえるかも、とか。
ECとリアルの属性の完全一致は難しい。。。
ああ、ちょっと舌足らずだった。
記事の追記します。
前提として、ITリテラシーの高い低いはさておいて。馬券に投資する、無形の夢・期待を消費しているのではなく、あの人達は「時間を消費」しているのでしょう。平たく言うと、ある意味で暇つぶしだし、あの行き帰りの時間が好きなのでしょう。あと、予想屋。これはネット上よりもリアリティー(情報を買う・教えを請う)があるのだと思う。で、言いたかったのは、「ブレーンストーム」というSF映画見たことありますか?もう20年以上前の作品ですが、世に喧伝される前にVRを描いた大傑作であります。まだであれば一度どうぞ。私はその昔、スプーン曲げ少年と呼ばれたKさんから、「絶対観てね。この監督かなりワカッテルよ」と教えられて観ました。
おお、「ブレーンストーム」ですか、見たことありません。
なかなか面白そうですね。今度見てみます。
通貨と換金
リンデンドルとは、セカンドライフの世界の「リンデンドル(L$)」という通貨が存在します。これで土地や服を買ったりすのには現実の世界と同じようにお金が必要なのです。リンデンドルの価値は、相場の変動は1ドル=270リンデンドル=120円「100リンデンドル…