蕨市議会教育まちづくり常任委員会で大野城市と八女市に視察

先週行って来ました。

  • 福岡県大野城市の図書館、多目的ホール複合施設運営における指定管理者制度の導入
大野城市について
人口9.6万の、一般会計予算310億。福岡市中心部まで15分程度であり、郊外のベッドタウンである。近隣に同規模の市が多く、競い合いつつ行政サービスの向上に努めているとのことである。

JR大野城駅
JR大野城駅

 

大野城市役所

大野城市役所

図書館、多目的ホール複合施設「まどかぴあ」
平成8年にオープンした。
市役所に隣接し、図書館と多目的ホールが一つの建物に同居している。
図書館は、比較的規模が小さく、取り立てて特徴はない。閲覧室を設置していないため、学生の利用は少ない。
多目的ホールは、専門家による設計で、音響に優れている。

大野城市 図書館・多目的ホール複合施設 まどかぴあ

まどかぴあホール

まどかぴあ運営体制の変遷
当初は市直営で、13人の市職員とプロパースタッフによって運営していた。
平成18年に、指定管理者制度を導入し、5年間の随意契約で財団法人大野城市都市施設管理公社に運営委託した。市職員は全員が市本体に引き上げた。公社のスタッフは、市職員OBが多い。
平成23年度に契約更新した。同法人は、現在は公益財団法人大野城まどかぴあとして改組されている。

指定管理者制度導入の効果
市職員が引き上げたことにより、人件費の削減効果が年間750万ほどあった。
事業面、サービス面では市直営当時から変化はない。利用者数についても変化はない。
特に運営体制の移行に伴うトラブルはなかった。

考察
指定管理者制度の導入は、サービス向上を図るためではなく、人件費削減によるリストラが主目的だったようである。その効果は大きいが、随意契約ではなく、入札することにより、より大きなリストラ効果を得つつサービス向上を図ることが出来た可能性もある。
本市においても市民体育館、市民プールの運営において入札制による指定管理者制度の導入を行なっているが、図書館運営においても同様に指定管理者制度の導入検討の余地はあるものと考える。




  • 福岡県八女市における小中一貫教育の導入
八女市について
人口7.0万、一般会計予算319億。福岡県南部に位置し、茶の生産で有名である。平成18年、22年に1市2町2村が合併した。面積が広く、市役所機能は複数の本庁舎、支所に分散している。

八女市役所立花支所

市議会が所在する八女市役所立花支所

八女市の初等、中等教育の状況
市内に県立と私立の中小一貫校が存在し、成績上位の生徒が流出してしまうという悩みを抱えている。

小中一貫校設置の経緯
平成21年度に、元々隣接していた小学校と中学校を統合して、小中一貫校「上陽北?学園」とした。成績上位生徒の流出を抑えるため、公教育の魅力を高めるための施策という位置付けである。

統合への流れ
保護者からは反対の意見、不安の声は多数あったようであるが、学習環境の向上、抱き合わせで導入した独自の「礼節・ことば科」設置によるメリットを訴え、数回に渡る丁寧な説明会を行った上で導入したとのことである。

小中一貫教育による効果
まだ3年目とのことで、評価するには尚早のようで、定量的な効果測定もまだ実施していないようである。

現実的な問題点、デメリット
教育に関わる法制度が対応していない(中高一貫校とは異なる)。中学校の教員の負担が大きくなる、校長が2人いることにより指揮命令系統が二元化するなどの問題がある。
「礼節・ことば科」は、教科書と学習指導要領が存在しないために、独自につくらないとならなかった。


考察
地域において、保護者の間で、「学校が先進的なことに意欲的に取り組んでいる」というイメージを醸成することに成功しており、成績上位生徒の流出という、当初の目的に対しては効果を上げているようである。
しかしながら、小中一貫校の設立は、教育制度の枠を外れた取り組みであり、負担が大きい。負担の大きさの割りにはメリットが少ない、すなわち費用対効果が低い施策であると考える。「学校が先進的なことに意欲的に取り組んでいる」というイメージを打ち出すのであれば、本来は教育の中身や人材の魅力で勝負するべきであると考える。

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