埼玉県議会 公社事業対策特別委員会の視察で、埼玉高速鉄道株式会社を訪れました。
本社は、浦和美園駅の駅舎と一体化しています。
埼玉高速鉄道、通称SRは、蕨市に住んでいると、乗る機会はまったくないでしょう。実は私も乗ったことは一度もありません。
埼玉県が49.3%を出資している第三セクターの鉄道会社です。
東京メトロ南北線と、赤羽岩淵駅で接続して、相互乗り入れ運転をおこなっています。
運行している路線は、この埼玉スタジアム線1本のみで、赤羽岩淵駅から浦和美園駅までの14.6kmを、8駅で結んでいます。
経営再建の経緯
2001年に開業しました。
開業当初より、乗降客数は見込みを大きく下回り、赤字が続いておりました。鉄道ビジネスは初期投資が重く、利払い負担が大きかったためです。
2015年に、事業再生ADRが成立し、経営再建が行われています。
今はまだ経営再建途上ですが、黒字基調に転換し、経営は安定化しています。
一日当たり乗降人員は、コロナ禍においては落ち込みましたが、順調に上昇トレンドを描いています。
浦和美園駅周辺は、現在ではマンションや戸建てが相当数立ち並んでいますが、計画人口約3.2万人に対し、実際の人口は約2万人規模にとどまっています。
まだまだ「街の伸びしろが大きい」と言うことが出来るでしょう。
当初の失敗要因
一般的に、通勤・通学者は、最寄り駅からマンション・戸建てなど住宅までの移動については、近くの方であれば徒歩で移動するでしょうし、それ以上の距離の方であれば、バス路線があればバスを利用することになると思います。
浦和美園駅は、このような駅から周辺へのバス路線網の整備が弱く、自動車で送迎する方が多いようです。この点は、改善余地があります。
また、一般的には、東急、西武といった鉄道会社による私鉄ビジネスの成功モデルは、
・鉄道を敷く
・街の不動産を開発する
を同時並行して進めていく、というものです。
埼玉高速鉄道は、公的な性格を持つ鉄道のみの会社であるため、自ら不動産開発を行う事はできません。不動産開発は、地元であるさいたま市が、土地区画整理事業を行うことによって、進めてきました。
埼玉高速鉄道においては、鉄道ビジネスの開業スケジュールと、さいたま市による土地区画整理事業のスケジュールがズレてしまいました。
鉄道が開業したものの、区画整理が手つかず、という状況が長らく続きました。
これが、当初の埼玉高速鉄道の敗因の一つということができます。
つくばエクスプレス(TX)も、実は同じように、公的な性格を持つ鉄道会社であり、自ら不動産開発を手掛けることは出来ませんでいた。しかしながら、不動産開発を担うUR都市機構(独立行政法人 都市再生機構)との連携がうまくいったため、開業当初からうまく立ち上がっています。
経営基盤強化の試み
現社長は、旧国鉄・現JRにおいて不動産開発に長年携わってきたプロの方です。喜連川や高輪ゲートウェイの開発に携わってきたそうです。
浦和美園駅敷地内にぎょうざの満洲を誘致し、訪問時にはオープンに向けた準備が急ピッチで進められていました。
不二家の新しい業態であるカフェ「ぺこちゃんmilkyタイム」を誘致しました。
なんか安普請な感じがしますが、けっこう美味しくて人気だそうです。
地域住民向けのお祭りを開催したり、様々な工夫をしています。
2020年2月に書いた記事で述べたように、埼玉高速鉄道は、新しいものに挑戦し、フットワーク軽く進取の取り組みを行う企業カルチャーが備わっているのではないかと思います。
尚、2020年当時、ステーションが設置されていた、Wind mobilityのシェアリング電動キックボードも、Hello scooterのシェアリングスクーターも、既に撤去されています。
そもそも、Wind mobilityは、2020年に日本市場から撤退していたみたいです。
岩槻延伸に向けた動き
いよいよ、2041年開業をターゲットに、岩槻延伸に向けて動き始めました。
浦和美園駅の駅舎兼本社ビルの屋上から、岩槻方面を望む。
埼玉スタジアム2002の右側を通って、高架路線が敷設されることになります。
現路線開業の際に、不動産開発との連携に失敗した反省を活かして、岩槻延伸に当たっては、地元の不動産開発と密接に連携して進めていくことが肝要であり、成否のポイントとなります。
車両基地を見学
浦和美園駅は現時点では終端駅となっているため、車両基地が併設されています。
これは萌えますね。
あまりん広告ジャックされています。
皆様、お疲れ様でした。








