この本読んだ 『アマゾンの秘密』

松本晃一, 2005年, アマゾンの秘密, ダイヤモンド社

アマゾン日本法人の立上げに関わった方の体験談。


「曝露本」という程の秘密は書いてないのだが、とかく秘密主義的なアマゾン・ジャパンの草創期の内幕を垣間見れた感じがして、面白かった。

USアマゾンも同様だが、組織や考え方が、かなりシステム・オリエンティッドだ。
某草創期のCA系の「スケジュールは、なるはやで」、「リソース不足は、気合いで補おう」、「ベンチャーなんで、寝ない」というカルチャーで仕事をしてきた身としては、若干羨ましくもある。

読みながらオモロくて付箋を貼った箇所をいくつか。

(1)
amazonのリコメン・エンジンには、ユーザのデモグラフィック・データ、サイコグラフィック・データは一切プロファイリングされていない! プロファイリングされているのは、購買履歴のみ(と書いてあったけど、閲覧履歴もだよね?)。

結果としてamazonのリコメン・エンジンは成功している。コマースの商いをやっている人ならば、amazonのリコメン・エンジンは誰もが憧れるものだ。
でも、単純に考えて、最低限、ユーザのデモグラも分析対象にした方が精度が上がると思うけど・・・?
コマースサイトで、リコメンデーションの仕組みが成功しているのは、おそらくamazonくらいな訳だが、デモグラを無視するというアプローチが、amazonリコメン・エンジンの成功要因なのか????
誰か分析してください。

(2)
エディトリアル・コンテンツ(amazonのコンテンツ編集スタッフが人手で書いた特集コンテンツ)は、リアルタイムに閲覧数、当該コンテンツ経由でのコンバージョン数などの記録が取られている。この結果は、編集スタッフの人事考課に反映されている。

すごい!
やっぱ、ユーザからのフィードバックを活用しないとね~。
ユーザからのフィードバック(ウケてるか否か)は、担当者は、肌で感じて分かっているものだ。しかしながら、これを全社的に共有する仕組みは、作りにくい。せいぜい、年に数回、ユーザアンケートを実施して「このコンテンツは面白いですか?」と尋ねて集計するくらいしか定量的に評価する手段はなかったりする。

(3)
アマゾンジャパン立上げ当初、カスタマレビュキャンペーンを実施した。
実施前の目標レビュ獲得件数は、3ヶ月以内、5,000件というものだった。
(ドイチェ・アマゾンでは、一切キャンペーンはせず、立上げ当初のレビュ投稿件数は、10~20件/日だった。)
実際に獲得出来たレビュ件数は、一週間で1,000件程度。目標値の5,000件は、三週間目でクリアした。

ふむ。

なお、この本の著者の松本氏は、(こう言ってしまってはアレだが)アマゾン社内の派閥力学に負けて会社を去った方なので、その点は差し引いて読まれるとよいでしょう。

ところで、amazonジャパン初代社長の長谷川純一さんて、僕にとっては、ニチメンの先輩なのね。今は何をやってらっしゃるのだろ?


この本読んだ 『アマゾンの秘密』” への3件のコメント

  1. しかーし、肝心のAmazonのコメント内容自体はほとんど役に立たない。内容に踏み込むわけでもなく、付加的な情報もない。討議に晒されて揉まれていないせいか。つまらぬ事を書いて恥をかくということがない。逆にそれが、荒れることなく、発言への敷居を低くしているのかもしれない。
    例えば「この本を買った人はこんな本も買っています」を工夫できないか。優れた本屋は客に独自の"眺め"を提供している。それに匹敵するしかけを作れないものか。少なくとも僕はamazonをvirtual bookstoreとは見ていない(そうなるよう望んでもいない)。

  2. レビュの質は、確かに低いと思う。
    amazon自身は、質を高めることよりも、量を増やすことに重点を置いているからだ。
    要は、質と量のそれぞれをどの程度追求するか、というバランスの問題で、どこかのタイミングで質を高めていくように方針を転換することになると思う。

    ユーザレビュと、「この本を買った人はこんな本も買っています」と、エディトリアル・コンテンツのそれぞれは、全く別モノであり、コンテンツの対ユーザ見せ方的にも決して混同させるようにしてはならない。

  3. アマゾン(amazon)の秘密

    アマゾンって面白い会社だねー。 日本企業のように社員を子供見たいに規制するので…

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