祭りなどで地元周りをしていると、
「蕨駅西口地区再開発の進捗は、どうなってるの?」
「既存の建物の取り壊しが終わった後、更地のまま動きがないみたいだけど?」
といったお問い合わせを多数いただきます。
また、この私のblogのアクセスログ解析を見ても、ここしばらくの間は、蕨駅西口地区再開発に関するページへの流入が多く見られます。
ということで、知りうる限りの、令和5年(2023年)8月時点での現況を以下にまとめます。
特定業務代行者の戸田建設が、離脱した
戸田建設(株)は、東証プライム上場の準大手ゼネコンです。
戸田建設が、再開発事業の特定業務代行者となっていました。
特定業務代行者については、↑こちらのページが詳しく解説しています。
保留床の処分について責任を持つことを条件に建築等の工事施工を含めて代行する
業務代行の主な業務
次の業務から、地区の実情にあわせて選択し、契約していただきます。[1] 組合等事務局業務(事務局員の派遣、事務局事務等)
[2] コーディネーター業務(組合設立・解散等業務、事業推進活動、資金計画、
管理運営計画、権利者対応業務、権利変換計画等)
[3] 調査設計計画業務(調査・測量、基本計画、施設建築物・公共施設等設計、商業等施設設計等)
[4] 工事監理業務
[5] 工事施工業務(特定業務代行の場合のみ)(解体・整地、仮設店舗建設、施設建築物・公共施設工事等)
業務代行者の責務
業務代行者は、権利者の皆さまからの要請に基づき、次の対応を行います。[1] 保留床の処分先の確保(特定業務代行の場合、最終的な取得義務があります。)
[2] 事業推進に必要な資金確保(資金の斡旋・債務保証、資金の立替え等)
[3] 地区外転出者等への対応(代替地の提供・斡旋、資金確保の援助等)
つまり、単なる建築施工にとどまらず、全体コーディネート・再開発組合事務局機能を担う上に、マンション販売において売れ残ってしまった場合のリスクを背負うのが、特定業務代行者です。
戸田建設が、特定業務代行者を下りました。
私が聞いている範囲の説明によると、
物価高騰により、組合と戸田建設との間で、金額面での条件が折り合わず、契約解除に至った、とのことです。
新たに入札を行い、建築施工業者を決めた
本年、令和5年(2023年)8月21日付、日刊建設工業新聞webニュース記事によると、指名競争入札の結果、前田建設を選定し、契約済みとのことです。
前田建設工業(株)は、東証プライム上場の持株会社であるインフロニア・ホールディングス(株)傘下の準大手ゼネコンです。
(上記webニュース記事は、当初は無料で全文が公開されていたのですが、今時点では、見出し以外は有料コーナーになってしまいました)
私が聞いている範囲の説明によると、
前田建設との契約は、特定業務代行者ではなく、建築施工のみとのことです。
つまり、
・全体コーディネート・再開発組合事務局機能
・マンション販売における売れ残りリスク
は、組合が負うことになります。
上記webニュース記事によると、契約までが完了したとのことですので、更地のまま放置されている再開発現場は、これから建築工事が再開されることと予想します。
詳細は不明
ということで、本件については、私もあまり詳しくありません。
蕨市・再開発組合からは、蕨市議会議員に対しても説明が行われていません。
蕨市・再開発組合は、情報公開を適切に行なっているとは言い難く、地域住民に対する説明責任を果たしていただくよう望みたいところです。
よその地域の再開発組合においては、自らwebサイトを開設して、進捗状況が誰でも見られるようにしているところもあります。
スケジュールは、更に遅れるか?
令和5年(2023年)8月、現時点でのオフィシャルなスケジュールとしては、
令和8年(2026年)8月竣工予定
とのことです。
これは、昨年、令和4年(2022年)7月のエントリにて書いた通りです。
しかしながら、以上のような状況を鑑みると、年単位で遅れるのではないでしょうか。
引き直したスケジュールが発表されるのを待ちたいと思います。