高松丸亀町商店街のプロデューサーの講演会

本日、2013年2月19日(火)、蕨商工会議所にて、高松丸亀町商店街振興組合の理事長 古川康造さんの講演会がございました。

この商店街、私は寡聞にして知りませんでしたが、一旦は衰退した商店街を再生させた成功事例として、全国でも有名なのだそうです。

元々、高松市は商都として栄え、天然のコンパクトシティでした。
高松丸亀町商店街は、その高松市の中でも中心に位置しています。

なかなかおもしろい話を聞きました。以下、箇条書きメモ。

2013/2/19 高松丸亀町商店街の古川理事長の講演会

高松丸亀町商店街が衰退した経緯

土地バブル
→ 中心部居住人口の減少
→ 居住者の郊外への移動

瀬戸大橋の開通
元々は、瀬戸内海に遮られて物流未整備 → ナショナルチェーンが流入せず、地場商業が生き永らえていた
→橋開通により、物流が整備される
→大手資本の流入
→地場資本と大手資本との競争激化(売り場面積は倍増)
→郊外モールとして新興独立系ゆめタウンとイオンが激しく出店競争 → オーバーストア
→郊外モールに客を取られ、税収が県外流出

行政の失敗
バブルによる中心空洞化
→副都心を造って、開発 → 街のドーナツ化、スプロール化に拍車
→市街化調整区域の全廃
→都市機能の郊外化
→行政コストの増大

高松丸亀商店街による、商店街再生へ向けてのアプローチ

イベントは無駄
客寄せイベントはいろいろ試した
→客は集まるが、売上に繋がらない
→収益エンジンが昔のままだと無駄撃ちになってしまう

シニア・リタイア世代にターゲティングし、都市居住を誘致
郊外生活をエンジョイ可能な、若者~働き盛り世代(独身クラスタ/ファミリークラスタ、2つのクラスタに分解可能)は切り捨てる
郊外生活では不便が多いシニア・リタイア世代に絞り込み
→シニア・リタイア世代に特化した都市機能を集積し、都市居住を誘致
・駐車場が無いマンション(高松はクルマ社会)
・生活コスト安い
・病院などの近接

街の再開発の障害は「土地問題」という認識
商店街は、多数の地権者が存在する
土地持ち商店主は、そこそこ稼げれば生活していける→経営努力不足
統一した街並みが作れない
個別最適が全体最適に繋がらない

→全体最適のためには、まち全体のプロデュースが必要と認識
→そのためには、土地の所有と経営の分離が必要と認識

「土地の所有と経営の分離」の仕組みとして、民間主導による「まちづくり会社」と「オーナー変動地代家賃制度」による、再開発

地権者に土地を出資してもらう
→「まちづくり会社」をつくり、商業デベ出身のエキスパートを集める
→「まちづくり会社」で、商店街全体を、あたかも一つの大型ショッピングモールであるかのように、テナントの配置、トイレや休憩広場の配置、シニア・リタイア世代向けマンション、病院の配置を、全体最適を目指して行う
→地権者の土地出資比率に応じて、劣後的に収益を分配する


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