埼玉県内に5ヶ所、防災基地という施設があります。
(c)埼玉県地域防災計画
災害用の資機材、食べ物・水、薬、その他様々な物資の備蓄倉庫であり、かつ、資機材・物資の受け入れ・検品・仕分け・発送のための物流センタとしても役割りも果たします。
県内には5ヶ所あります。
蕨市を担当するのは、新座防災基地です。
実は、このような施設の存在を全く知りませんでした。
蕨市議会では、一度も話題に上がったことはありません。
デジタルデータ化されている平成12年度(2000年度)以降の蕨市議会の議事録を全て検索してみても、一度も取り上げられたことはありません。
毎年一回行われる、蕨市総合防災演習においても、新座防災基地との資機材・物資の受け渡しに関わる訓練が行われたことはありません。
もしかしたら、蕨市議会だけではなく、行政側の蕨市役所も知らないんじゃないですかね?
ということで、県の危機管理防災部にアテンドしていただいて、見学してきました。
場所は、↑こちら。
陸上自衛隊朝霞駐屯地に隣接した立地ですが、災害時に連携することを想定しているわけではなく、たまたまではないかとのこと。
蕨市からは、クルマで30分くらいですね。
広大な駐車場。
多くのトラックが同時に出入りすることが想定されています。
大型ヘリコプターが、夜間でも発着できるヘリポートが備わっています。
ドクターヘリの発着にも利用されているとのこと。
トラックが背面から接して、荷台にそのまま積み下ろし出来る高さのトラックバースが備えられています。
この防災基地そのものは、運送運搬手段(トラックと運転手)は持っておらず、トラック協会などに委託することになるそうです。
また、スタッフが常駐しているわけではなく、平時においては無人です。
有事においては、近隣の地域振興センターのスタッフがやってきて運営に当たるとのこと。
地域振興センターというのは、県内各地における、県の出先機関です。
蕨市は、川口市、戸田市とともに、南部地域振興センターという機関が管轄しています。
倉庫の中の様子。
(c)埼玉県地域防災計画
備蓄品のリストは、埼玉県地域防災計画に掲載されています。
一通り思いつくものはだいたい揃っている印象。
原則として、市町村からのリクエストに応じて資機材・物資を提供していく、とのことですが、プッシュ型で出すパターンもあり得るとのこと。
パレットごと持ち上げて人力で運搬できる道具。
かなり古そうなボートが1艇、埃をかぶっていました。
個人的には、近年、都市型水害が多発している状況を鑑み、ボートはもっとたくさん装備してもいいような気もしますが、では、「適切なボリュームは幾つなのか?」と問われても、なんとも回答しようがありません。
飲水のろ過装置。
かなり古く、巨大なものなので、最新型でよりコンパクトなものへのリプレースを進めていく予定とのこと。
スノーシューとストックも置いてありました。
かつて県北部で発生した豪雪災害に備えたもの。