鬼怒川水害現場を再訪

ただ今開かれている、蕨市議会 平成30年9月定例議会の一般質問において、荒川氾濫による水害対策を取り上げました(私の出番は、昨日終了)。

3年前の平成27年9月の常総市 鬼怒川堤防決壊による水害現場を、2週間前に再訪してきました。

何らかのヒントが得られればと思っていたのですが、東日本大震災のような大規模・広域災害と異なり、鬼怒川水害は局地的なものだったので、既に完全に現場は復旧しており、新たに得られた知見はありませんでしたね。
堤防は完璧に整備され、壊れた道路や民家は元通りになっていました。

 

↓3年前の水害直後に訪れたときの記録

hoya_t blog 2015/9/13 : 台風18号による鬼怒川水害現場

 

 

以下、3年前の写真と比べて記す。

 

常総市 三坂町地区

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2015年9月。
道路は寸断され、電柱は傾き、そこら中が水浸しになっていました。

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2018年9月。(完全に同じ場所ではないが、ほぼ同じエリア)
さすがに3年も経っているので、当たり前ですが、道路、側溝、電柱、全て元通り。
何気なく通り過ぎたら、ここが水害現場だったとは分からないでしょう。
妙に、新しい家ばかりが目立つな?と気づく人はいるかも。

 

 

 

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2015年9月。
流れてきた水で、家のすぐ脇の地面がえぐれてしまっていました。

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2018年9月。
立派な塀に囲まれています。

 

 

 

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2015年9月。
ただ一軒だけ流されなかった、頑丈なヘーベルハウス。

蛇足ですが、旭化成は、この直後に偽装問題が発覚し、一気に評判を落としました。

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2018年9月。
周りには、新しい家々が建っています。

 

 

 

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2018年9月。
かつて寸断されていた道路からは、新たに造られた堤防がすぐ近くに見えます。(写真の右手)

 

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2018年9月。
堤防について説明する看板。

 

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2018年9月。
堤防の上より。
遥か遠くに見ゆるは、筑波山。

 

 

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2018年9月。
決壊の跡の碑。

 

 

 

常総市 若宮戸地区

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2015年9月。
太陽光発電施設の、倒壊したソーラーパネル。

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2018年9月。
すっかり元通りに復旧していました。

 

 

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2018年9月。
ソーラーパネル脇から、下流に向かって目を向けると、ん?なんだろう、あの黄金の変な塔は?

 

 

ナゾのパゴダ

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パゴダを模した、鬼怒川砂丘慰霊塔がありました。

3年前に来た時は知りませんでしたが、案内文によると、平成元年に建てられたそうです。

この辺は、木々に覆われているものの、「鬼怒川砂丘」と呼ばれ、地理学的には砂丘なのだそうです。
そう言えば、先日、ブラタモリで鳥取砂丘回をやっていたのですが、日本国内に砂丘と言われる場所は、何十箇所もあるそうで、ちょっとびっくりしました。

このパゴダは立派な建物ですが、地盤が砂地のためか、傾いていました。

 

 

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ここ、旧石下町から徴された兵の部隊は、インパール作戦に投入されたようです。
弓兵団と通称された、第33師団の歩兵第213連隊でしょうか。

石下からは135名が参戦し、110名が戦死、戦病死したそうです。

 

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パゴダに登って、鬼怒川堤防を望む。

 

 

おまけの写真

バガン慰霊碑

昨年、平成29年6月、ミャンマーのバガンを訪れた折の、弓兵団鎮魂碑。


片品村との交流

我が蕨市と、群馬県片品村とは、ふれあい協定、災害時における相互応援協定を結んでいる、友好都市です。

 

この種の協定は、国内、海外の市町村幾つかと結んでおります。

その交流イベントに直接に関わったことがある人以外からは、そんなよその街との交流に何の意味があるの?関係者が税金を使って遊びに行くだけだろ?という批判を受けることもあります。

国内の市町村との交流に関して言うと、自然災害に見舞われた時に、お互いに街の事情を知っている市町村同士で助け合う、というのは、意味があることだと思います。
また、一般論的には、トップダウンの関係は(市長同士が仲いい的な)なかなか続けることが難しそうです。草の根の交流は、末永く続くようです。
海外の市町村との交流は、何ともかんとも、個人的な意見を述べるのは、取り敢えずここでは差し控えます。

片品村とは、後者のボトムアップ型のアプローチで、長く続いている関係です。

 

私個人的にも、バイクツーリングで金精峠を越えて走る、行き帰りによく通りますし、このエリアは大好きです。

 

 

片品村収穫祭

9月15日(土)、あいにくの雨模様でしたが、 

7月にサービスインしたばかりの、道の駅 尾瀬かたしな において、片品村収穫祭が行われ、蕨市議会議長の名代として、副議長の私が出席致しました。

片品観光協会 かたしないろ : 2018.09.15 片品村収穫祭が開催されます!!

 

この道の駅、オープンしてわずか2ヶ月、初めて訪問しました。

かなりいい感じです。

「道の駅」の仕組みと言うか、基準がどうなっているのかよく知りませんが、物産品を売ることばかりに力を入れていてトイレの入り口が分かりにくかったり、座って休める場所がないような道の駅がある一方で、ここ、道の駅 尾瀬かたしなは、本当に、気持ちいい、感じのいい、道の駅でした。

特に、私が気に入ったのは、綺麗に刈り整備された、芝生です。

長時間運転していると、脚がむくんで疲れてくるものです。
特にバイクツーの場合は、クルブシまで覆う革ブーツを履いている場合が多く、足が蒸れるのですが、靴を脱いで、靴下も脱いで、ここの芝生に寝転がると、かなり気持ちいいでしょうね。

あいにく、訪れた日は雨でしたけど。

しかも、道の駅の中には、足湯もあります。

 

村役場に隣接しており、駐車場が狭いのが難点であります。

私は、宿泊費を浮かせ、早朝から行動するために、道の駅で車中泊することも多いのですが、かなり車中泊にとっては良い環境だと思います。すぐに、車中泊のクルマで駐車場が溢れかえることになってしまうのではないでしょうか。

 

道の駅 尾瀬かたしな 蕨コーナー

道の駅 尾瀬かたしな の、産直コーナーの一角には、蕨ブランド認定品コーナーが設けられています。
蕨の双子織、河鍋暁斎の絵柄入りコップなど。

 

 

 

上州武尊山スカイビュートレイル

そして9月23-24日(日・月祝)には、川場村、みなかみ町、片品村、沼田市を舞台に開催された、トレイルランニングレースである、上州武尊山スカイビュートレイルに参戦してきました。

累積獲得高度9,200m、距離129km、制限時間35時間という変態レースであります。

今回で出場は3回目です。
ラスト8km地点でコース上に熊が出てレース中断となり、35時間をオーバーしてしまったのですが、完走扱いとなり、ITRAポイントも無事に6ポイントもらえることになりました。

 

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第4エイド、片品高原スキー場。

 

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第5エイド、オグナほたかスキー場のゲレンデを、ヘッドランプを点けて降りてくる選手たち。

このエイドでは、ドロップバッグを受け取れます。
靴下と靴を履き替え、リフレッシュした上で、1時間半仮眠しました。エイドのカレーライスおいしかった!


蕨市総合防災演習がございました。

本日2018年8月19日(日)、南小学校において、蕨市総合防災演習がございました。
日差しが強く、気温も昼にかけてぐんぐん上がり、酷暑炎天下の演習となりました。

 

市内のすべての町会・自主防災団体、市役所のみならず、関係する陸上自衛隊、埼玉県警といったすべての行政組織、JR東日本蕨駅・NTT東日本・東京ガス・東京電力・水道工事会社などのインフラ系企業が一同に会して行う防災演習です。

 

現状の総合演習形式には、以下のような批判の声もあります。

・広く浅く総合的にやるよりも、地域・分野ごとに個別にディープに訓練をした方が有意義なのではないか?
・すべての町会・自主防災団体、行政組織、インフラ系企業が一箇所に集まることは、現実的に災害時にはあり得ない想定であり、無意味なのではないか?
・現状の、短時間でぱっぱとつまみ食いしていくような総合演習形式は、訓練というよりも単なるセレモニーに堕してしまっているのではないか?

他の市町村では、この種の市内すべての団体を一箇所に集めて行う総合演習をやっているところは、あまりないようです。

 

個人的には、「何もやらないよりは、やった方がまし」程度の効果はあるものかと思います。

仮に、全体的な総合演習と、地域・分野ごとの個別演習のどちらしか出来ないのであれば、後者にリソースをフル配分した方がいいと思いますね。

 

 

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自主防災団体が避難所に到着したことを、防災本部長(=市長)に報告しているところです。

 

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この黄色いメッシュのベスト(ビブ)を来ているのは、WSS(Warabi Supporting Student)という、訓練された中学生の防災団体のメンバです。

消火器を使う訓練をしているところ。

 

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練習用の消火器による、消火訓練。

 

ところで、この種の、練習用の消火器で防災訓練をしたことがある人は多いと思いますが、本物の消火器を実際に使って火を消したことがある方は少ないのでは?

私は、ジョギング中に路上駐輪された自転車が放火されているのに出くわして、消火器で初期消火したことがあります。

練習用の消火器は、あくまでも練習用なので、水が出ます。
上記写真でも、ホースからは水が出ています。
本物の消火器は、白とピンク色の泡が出ます。この泡は、掃除するのが大変なので、訓練において、本物の消火器が使われることは、ありません。

 

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火災発生!(という想定)

屋上に人が取り残されてしまいました。(という想定)

 

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はしご車が到着し、取り残された人を助け出しました。(という想定)

 

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トリアージの訓練。

 

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スタンドパイプ。
消防士が使い方を説明しているところ。

従来、街角にある消火栓は、プロの消防士、高度な訓練を行った消防団員しか使うことができませんでした。

スタンドパイプは、簡易な練習をしただけで、消火栓に繋げて、
・消火活動
・飲料水の給水
を行えるようにした器具です。

蕨市においては、すべての自主防災団体に配置されました。

下部の、黄色く縁取られた黒い箱は、消火栓を模したもの。
上部のアルミの器具は、本物のスタンドパイプです。

それほど複雑な構造のものではありません。
力も要りません。

 

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陸上自衛隊のレクチャーによる、土のう積み訓練。

千鳥に積み上げていくのがポイントです。

 

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NTT東日本による、衛生通信移動無線車。

パラボラアンテナで衛星を追尾して、電話回線(固定電話回線、携帯電話回線の両方)を仮設するもの。

蕨近辺では、浦和に配置されているそうです。

 

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蕨市水道局による、飲料水の給水訓練。

上記写真において、水を汲んだ人が手に持っている、透明ビニール袋が、給水袋だそうです。
これに水を入れて運び、使い切りとするそうです。
この袋は初めて見ました。

 

関係者の皆様、酷暑炎天下の準備・作業・片付けと、お疲れ様でした。


既設の荒川第一調節池と、今年度から作り始める荒川第二・第三調節池

さて、昨夜から今日にかけても、台風13号が関東地方に接近しております。
上陸の危険性はなく、外房沖を北上しているようですが、昨夜はかなりの暴風雨で、私のビニ傘は骨が折れてしまいました(T_T)

 

hoya_t blog 2018/8/2 : 県南七市治水大会、荒川の第2,3調整池の進捗

先日のエントリで、荒川第二・第三調節池について書きましたが、さらに掘り下げてみましたので、以下にメモ。

 

そもそも調整池ではなく、調節池

☓調
○調

google検索は、ユーザの打ち間違いを推測して検索結果を提示してくれるので、まったく気がつかなかったのですが、正確には「調節池」と言います。
今まで勘違いしてました。

土木・行政用語としては、
調池は、市町村レベルで作り、内水氾濫を防ぐ。
調池は、河川の流量をコントロールし、外水氾濫を防ぐ。
という違いがあるそうです。

 

 

荒川第一調節池は、羽根倉橋から笹目橋まで

既設の荒川第一調節池の広さ・範囲について。

彩湖を中心として、彩湖道満グリーンパーク・荒川彩湖公園を含めて、これらを囲む堤防の範囲、すなわち、笹目橋~幸魂大橋~JR武蔵野線~秋ヶ瀬橋までが範囲だと、勝手に思い込んでいました。

ところが、実際にはもっと広かった!

さらに上流まで遡り、秋ヶ瀬公園を含めて、羽根倉橋までの範囲が、荒川第一調節池なのだそうです。でかっ!

この辺りは、ジョギング、自転車練でよく走るのですが、まさか笹目橋~羽根倉橋までが一体となった広大な一つの調節池なのだとは、想像もしませんでした。

 

ということで、一昨日、2018年8月7日、ジョギングしながら現地を改めて見に行ってみました。

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彩湖。
別名:荒川貯

数日前より水量は増えてました。北からの風が軽く吹いており、湖面東側のジョギング道は、端が波で洗われていました。

 

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秋ヶ瀬公園を抜けて、羽根倉橋へ。

橋の上から、秋ヶ瀬越流堤を見る。
(写真の赤丸部分)

この辺り、工事をしていてダンプが行き交っており、警備員も立っているので、近づくことは今はできなさそうです。
しかし、10年前くらいから延々と工事をやっているような?
何の工事やっているんだろう?

航空写真で見ると↑これ。
堤防の一部が低くなり、コンクリ(?)で固めてあります。
何らかのポンプのようなものがあって水量を人工的にコントロールするわけではなく、荒川の水の高さがこの越流堤の高さを越えたら、自動的に秋ヶ瀬公園に水が流れ込んでくる仕組みのようです。

 

ここは、秋ヶ瀬公園からは繁茂した木々に遮られて直接は見えないため、こんなところにこんなものがあるとは、まったく知りませんでした。

 

羽根倉橋を渡って、荒川右岸へ。
右岸を南下すると、秋ヶ瀬取水堰

(これは、荒川調節池の付随施設ではありません)

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荒川の本流から、水道のために、水を取り入れる。

ここから取り入れた水が、埼玉県営大久保浄水場に流れ、水道水となります。
蕨市が県から買っている、いわゆる「県水」が、これです。
こんなところに、水道水の取り入れ口があるなんて、まったく知らなかった。

尚、この秋ヶ瀬取水堰から取り入れた水は、東京都水道局の浄水場にも流れていきます。
なんと、埼玉県朝霞市内に東京都水道局の浄水場があるんですね。

 

荒川第二・第三調節池の新規事業化

「新規事業化したって言うけど、具体的にどういうことなのか?国の予算がついて、実際に十数年間に渡る土木工事が動き出したの?」というのが、先のエントリに書いた疑問でした。

国の予算書というのがどこのサイトで見られるのかよく分からず、国会の議事録もなんだか検索しづらくて実際にどんな予算審査が行われたのか依然としてよく分からないのですが、諸般の状況から察するに、動き出していることは間違いないようです。

 

荒川第二・第三調節池の広さ・範囲については、↓このページの図が詳しい。
羽根倉橋~上尾の開平橋までという広大なものです。

国交省 荒川上流河川事務所 : 荒川洪水調節池群の整備 荒川第二・三調節池

 

一連のプロジェクト全てについての資料は、

国交省 : 社会資本整備審議会 第10回事業評価小委員会(平成30年3月5日)

このページが最も詳しい。
この審議会の小委員会は、推測だが、国会に予算案を提出する前に、国交省の内部で予算を検討する段階での外部評価のためのものなので、国会での予算審査の段階で修正された可能性もあるのだが、そのへんの経緯は分からない。

この資料によると、

・第二調節池と第三調節池の開発は、同時並行して行う。
・平成30年度にスタートして、13年後の平成42年度に完成する。
・総費用(イニシャル)は、1,670億円。
・総費用に対する、50年間に渡って洪水を防ぐことによって得られる便益は、概ね12倍。(但しこの計算には人命の損耗は含んでいない)

という感じです。

何十年かかかるのかと思ったら、以外と開発期間短いですね。13年間でほんとに出来るのかいな?
上記資料の中のシミュレーションでは、工期が±10%のパターンということで、14年間と12年間のものも出してありますが、せいぜいこの程度のバッファで完成するだろうと見込んでいるということですよね??
早く作って欲しいです。


県南七市治水大会、荒川の第2,3調整池の進捗

先日、2018辺7月25日(水)、県南七市治水大会がございました。

埼玉県南部の7つの市の市議会議員、県議会議員、国会議員と、行政当局の市長・土木関係部署長が全員集合して、この地域に共通する治水の課題について、解決を求めるアピールをするという、毎年恒例のイベントです。

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毎年開催しているものの、マスメディアに取材されてニュースとして掲載されることもなく、正直、どのくらい実効性があるのか心もとないのですが、今回の説明の中で、気になるものがありました。

 

 

平成30年度(今年度)から、荒川第二・第三調整池が新規事業化された?

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これほんと?
「新規事業化された」ということは、つまり、国の予算がついて、事業(調整池を作る、数年度に渡る大きな一連の土木工事のプロジェクト)が動き始めた、ということです。

基本的に、役所はサンクコストを嫌うので、かつての民主党の事業仕分けのようなことがない限りは、一度動き始めた事業は、完成するまで止まることはほぼありません(と、私は認識しています)。

 

 

荒川第一調整池とは、彩湖のことです。


厳密に言うと、彩湖だけではなく、彩湖を含めて、荒川彩湖公園(さいたま市)、彩湖道満グリーンパーク(戸田市)や周囲の堤防を含めたこの辺り全体を指します。

 

ランニング好きの私のホーム練習コースでして、週に数回は走っております。

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2018年5月、夕暮れ時の彩湖。

 

 

湖の水量は、人工的に管理されており、大雨の心配があるこの時期は、水量がかなり下がっております。
実は昨日も酷暑炎天下を走ってきましたが、湖面が生臭くなっていて、珍しくも水を循環させるために噴水が稼働していました。

 

大雨の時は、ここに荒川の水を流し込んで、洪水を防止する機能を果たします。

 

 

「第一調整池」という名の通り、さらに追加の土木計画があり、それが「荒川第二・第三調整池」です。

従来は、あくまでも机上の計画の段階にとどまっていて、予算がつくことがなく、時期未定のまま事実上止まっていました。

国交省 webサイト : 社会資本整備審議会 河川分科会 事業評価小委員会 第10回事業評価小委員会(平成30年3月5日)配布資料、荒川直轄河川改修事業(荒川第二・三調節池)<大規模改良工事>新規事業採択時評価 説明資料

 

ざっくり説明すると、彩湖の上流に、さらに2つの大きな調整池を作る、という計画です。

数百年に一度の確率で、大雨によって荒川が氾濫し、甚大な洪水災害を及ぼす可能性があり、これを防ぐためのものです。

荒川左岸の堤防が決壊したら、蕨市も全域が1mくらい浸水する可能性があり、しかもその場合の被害面積はかなり広範囲に渡ることが予想されるため、自衛隊や他都道府県による迅速な支援は望めません。

 

ということで、この「平成30年度からの荒川第二・第三調整池の新規事業化」は、蕨市民にとって、とても素晴らしいニュースのはずなのですが・・・

これ、ほんと?
ほんとに事業化されたの??
ほんとに調整池を作り始めるプロジェクトが動き始めてるの???

冒頭で述べたように、「新規事業化された」ということであれば、国の予算がついたはずなのですが、国交省や埼玉県のwebサイトを検索しても一切情報がヒットせず。マスメディアで報道された形跡もありません。
どうなってんの、いったい???

更にいろいろ調べてみます。

 

【追記】続編は↓こちら

hoya_t blog 2018/8/9 : 既設の荒川第一調節池と、今年度から作り始める荒川第二・第三調節池


管路オリエンテーリングに参加しました。

先日、2017年8月23日(水)、蕨市管路オリエンテーリングというイベントに参加してまいりました。

災害時トイレ下水道を考える会が主催するイベントで、災害時には、飲み水や食べ物の確保と同等以上に、トイレの確保が大切だ、という問題意識の下、下水道の管路について勉強して知識を身に付けることで、問題意識を共有しつつ、日頃からの備えをしていこう、というものです。

蕨市塚越の東公民館での座学の後、この建物から出る下水の管路を辿って、塚越ポンプ場まで歩きました。

管路オリエンテーリング

 

昨年度も8月に、蕨市内の中央~南町で開催されたのですが、別件があって行けませんでした。

昨年度のレポートは、↓こちらで見ることが出来ます。
公益社団法人日本下水道管路管理業協会webサイト : 蕨市管路オリエンテーリング報告書(PDF)

 

蕨市の下水道には、合流式と分流式がある

日頃はあまり意識することはありませんが、下水道には、
合流式
分流式
の2種類があります。

そもそも下水には、
汚水(家庭、建物のトイレ、台所、洗面台から流れる水)
雨水(文字通り雨水)
の2種類があります。汚さが違うので、処理するレベルが異なります。汚水はより高度な処理をしてから川に流す必要があります。

・汚水と雨水を一緒にまとめて流していくのが合流式
・汚水と雨水を別々の管で流していくのが分流式
ということです。

ざっくりこの違いは、
合流式:古いやり方。  安上がり。
分流式:新しいやり方。 高くつく。
という感じでしょうか。

昔は、合流式で汚水も雨水も一緒くたに処理していました。
しかし、大雨で、下水道の処理能力を越えた場合は、汚水(それこそ、トイレから出てきた汚物を含む)をそのまま川に流さなくてはならず、汚いので、最近は、分流式が主流なのです。

古い合流式も、分流式に作り変えた方が環境対策的には好ましいのですが、膨大な投資が必要なので、そのままになっています。

蕨市内においては、
合流式:錦町以外
分流式:錦町
となっています。
要するに、錦町は、市内でも最も遅く下水道が整備されてきているのでこうなったわけです。錦町の区画整理地域内には、下水道未整備のエリアもありますが、ここにこれから敷く下水道も、当然ながら分流式になります。

 

 

いざ、管路を探検

東公民館の外へ。

前述のように、この塚越地域の下水道は、合流式です。
汚水と雨水は、まとめて処理されます。

合流式下水道概念図

概念図としては、こんな感じ。

合流式下水道の宅内排水設備最終枡

上図の①:宅内排水設備最終枡。

これは、各家屋・建物の敷地には、必ず存在します。小さなサイズのマンホールです。

写真でV字に見えますが、
・左上から下に向かって流れるのが、汚水
・右上から下に向かって流れるのが、雨水
です。

この日は晴れていたので、雨水は流れていません。
ちょうど、誰かが手を洗ったのか、トイレを流したのか、ちょうど汚水が流れていました。
それこそ、タイミングが悪ければ、うんちや、お尻を拭いた紙がそのまま流れてきます。

左:公共汚水桝、右:雨水桝(合流式下水道)

建物の敷地の外、道路の脇の部分。
よくある形の、四角型のコンクリふたが2つ並んでいます。

写真の、
左:②汚水桝(①から流れてきたもので、雨水を含む)
右:③雨水桝(道路上に降った雨を吸い込む穴。)
となります。

②汚水桝は、分流式の地域の場合は、道路上ではなく、家屋敷地内に配置されるそうです。

 

では、中を覗いてみましょう。

合流式下水道の公共汚水桝

②汚水桝

もっとゴミが詰まっているのかと思っていたので、意外と綺麗だなという印象でした。しかし、汚いことは間違いない。ここが詰まったら大変ですわ。

 

雨水桝

③雨水桝

ここには、道路上に降った雨水と一緒に、道路上のゴミ(落ち葉、砂、タバコの吸殻など)が溜まってきます。
写真でも、かなり大量の砂と落ち葉が溜まっています。

これらの道路上のゴミを溜められるように、深く掘ってあり、上澄みの水だけを流せるような構造になっています。

 

②汚水桝と③雨水桝は、この先ですぐに合流します。

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道路の中央部にある、④いわゆる普通のマンホール。

この地点は、管路の上流に位置するために、太さは350mmです。

 

 

さて、管路マップに従って、管路を辿っていきます。
もちろん、道路上からは見えないのですが、ときどき、マンホールのふたを開けて中を覗いてみます。

だんだん太くなっていき、350mm → 1,000m → 1,350mm → 1,500mm →1,650mm → 2,200mm →

最終的に、ポンプ場の手前では、管路は断面が四角になり、
2,160mm × 2,700mmになりました。
このくらいの太さになると、人が中に入れるようになります。
(長靴を用意していったのですが、中には入りませんでした。)

重要な点としては、地中にある管路の傾斜は、地上の道路の傾斜とはまったく無関係に設計されているということです。

管路マップを見なければ、素人には、下水道がどちらの向きに流れているのか、地上から推測することは不可能です。

 

 

塚越ポンプ場

塚越ポンプ場

管路は、多数の枝線が合流してどんどん太くなっていき、最終的には塚越ポンプ場に辿り着きました。

合流式下水道のエリア内のポンプ場なので、平時においては、汚水と雨水は一つの管路でまとめて流れてきて、一緒くたに処理されていきます。

しかしながら、大雨の時は、処理能力を越えてしまうので、

汚水(雨水を含む)の、上澄みだけを、便宜的に雨水とみなして、雨水系統という特別なラインに流して、そのまま川に放出します。
いくら上澄みだけと言っても汚いことは汚いです。

 

塚越ポンプ場 汚水除塵機

汚水系統の、汚水除塵機。
大きなゴミを取り除くマシン。

どうやら、常時稼働している訳ではなく、ある程度溜まったら動かすようでした。
今回は、特別にマシンを動かしてデモしてくれました。

塚越ポンプ場 汚水除塵機の中

除塵機が、溜まったゴミがクレーンで組み上げられてきます。
ネズミの死骸やらが出てきたらどうしようと思っていたのですが、幸いそういうのはありませんでした。しかしまあ、汚いです。

 

塚越ポンプ場 雨水ポンプ

こちらは、大雨が降って、汚水系統が処理能力を越えてしまったときに特別に稼働する、雨水系統のポンプ。

塚越ポンプ場 雨水ポンプのエンジン

雨水系統のヤンマー社製エンジン。

塚越ポンプ場 し渣・沈砂ホッパー

し渣、沈砂のホッパ。
溜まってきたら、トラックに乗せて産業廃棄物として処理するそうです。

 

 

ということで、今まで知識としてだけ知っていたことを、実地に見て確認し、理解することが出来ました。


災害時における市議会議員の役割

先日、蕨市議会において、掲題の講演会があった。
(正確に言うと、議会改革特別委員会において、外部講師をお呼びした講演会・勉強会)

講師は、鍵屋一氏で、元 板橋区の行政マン。現在は大学教授かつ、複数の防災系の非営利団体の役員などを務めている方。

 

なかなか面白い話を聞いたので、幾つか、ファインディングスと、私なりの所見を以下にメモ。

 

・大災害時の地方自治体では、行政の現場は、とても忙しい(当たり前だが)。
本来の行政サービスの原則である、公平性が守れないケースもある。

これを、公平ではなくても止むを得ないと考えるか?何が何でも公平でなくてはならないと考えるか?

大災害発災時に、公平にデリバリすることが不可能であるが故に、せっかく届いた救援物資が受け取ったまま放置されていた、なんてケースをどこかで聞いたことがある。このような場合、遠くの避難所に行き渡らないとしても、目の前の避難所に取り敢えず配布することを良しとするかどうか?

 

・地方自治体における、地方議員は、どこの政党・会派の人も、多かれ少なかれ、出身地域の利益代表としての性格を持っている(これも当たり前)。

「よその避難所には◯×は届いているのに、うちの避難所には届いていない!」というケースがあれば、その地域の議員の立場としては、行政に対してクレームをつけざるを得ない。

このような場合、現場の行政マンとしては、その議員からのクレームへの対応のプライオリティを上げざるを得ない。

個別の議員としては、このような状況下では、「言ったもの勝ち」なので、とにかく自分の地盤とする地域に利益誘導するしかない。
(個別の議員の立場としては、それ以外の選択肢はない。)

結果として、無駄なコミュニケーションコストが発生し、全体最適も実現しない、ということにもなりかねない。

 

・大災害時においては、とにかく行政の人的リソースが足りない。

無駄な作業は、できるだけ少しでも省きたい状況。
例えば、議員からの電話を一本受けるだけでも、5分なり10分なり時間がかかり、その分、他の作業ができなくなってしまうことになる。(当たり前だ)
それを必ずしも無駄とは言えないが、現実的には、全体最適の実現を阻んでしまうことも少なからずあるだろう。

 

・大災害時においては、現場の行政マンのメンタルヘルスケアがぼろぼろ。

例えば、自治体のBCP計画(有事の役割分担を定めたもの)において、ご遺体処理とか遺族対応の役割を割り振られている部署があったりする。もちろん現場の行政マンは一所懸命に目の前の仕事をこなすだろうが、そんな仕事なんて経験したことも訓練したこともない。

組織論的に言えば、行政組織のトップ・上司が守るしかないのだろうが、議会としても、現場の行政マンのメンタル面をいかに守るか、という視点が必要。

 

・大災害時における、議会・議員の役割は、最小限に留めるべき。

行政の邪魔をしない、自らの地域への「過度の」利益誘導を図って全体最適の実現を阻まない。
「適度な利益誘導」は、必要なものであり、議員の本分でもあるのだが、線引きは難しい。

今回の講演者である、鍵屋氏からは、先行自治体事例を挙げつつ、
「議会で災害対策会議のような有事の組織を設け、行政に対して情報を取りに行ったり、逆に情報を提供したり、何らかの要望を投げかける際は、この組織を通じて一元的に行うのがよい」
という提言があった。

私も、議員が地域の利益代表としての役割を果たしつつ、行政の現場の邪魔をして全体最適の実現を阻むのを防ぐやり方としては、このくらいが妥当かと思う。

 

 

 

また、元 行政マンならではの、行政マン的な視点・立場の本音話みたいなものの片鱗も聞くことが出来て、そちらも面白く感じました。

なかなかそういう話を聞く機会はないものですから。

市役所の建物の中で、市の行政マンと日々接する機会はありますが、お互いに立場が違うので、なかなか本音の話はしません。友達じゃないし。それでも、ふっとした会話の中で、ポロッと本音を漏らしてくれる人もたまにいたりして、それはそれで嬉しく思いますが、特定の議員と仲良くすることは、その行政マンにとってもキャリア上のリスクになるはずですし、一線を越えずにw お付き合いするように心がけておりますwww