先日の台風18号によって、茨城県常総市内の鬼怒川の堤防が決壊し、甚大な水害が発生した。
未だに十数名の行方不明者がいる。
私は、自衛隊のヘリによる救助活動の様子を、たまたまスポクラのサウナのTVで見ていたが、あの暴風雨の中で、微動だにせぬホバリング、民家の狭いベランダにするすると降りて行き、スムーズに救助していく自衛隊員の勇敢さには心から感服した。
本日2015年9月13日(日)、被災地現場を見学してきた。
(為念、ボラではなく、見学です。)
大学時代、つくばに住んでいたので、常総市(当時は水海道市と石下町と呼ばれていた)は、よく知っている。国道294号は、夜中バイクでよくパトロールしたりしていた。ある程度は、土地鑑もある。
鬼怒川堤防決壊地点である、三坂町地区へ。
この道路は、既に水は引けているが、大量の泥をかぶっている。
こういう泥は、ショベルでこそげ落としてダンプに積んで撤去していかなくてはならない。かなり手間がかかる。
冠水して全壊した家。
素人目にも、もう住めないだろうことが分かる。
写真右側は、田んぼだったようだ。
まるで土砂崩れのように、舗装が地盤ごと壊れている。
電柱は倒れるまでには至っていないものの、斜めに傾いでいる。
道路が寸断されている。
この道路の反対側の写真は、↓後ほど出てくる。
重機を入れて、民家の庭から泥の搬出作業が進んでいる。
ボランティア活動員の姿もそこかしこで見かけた。
既に復旧フェーズに入っている。
陸上自衛隊と警察が活動している。
手前のカモフラと車輌は陸上自衛隊。
奥の水色+黄色は、警察。
やはり陸上自衛隊が数が多い。
次いで警察。
消防は、数は少ない。
広域農道。
一面の田んぼの中に、唯一存在するガードレールなので、浮遊物が大量に引っかかっている。
玉地区へ。
田んぼは、既に収穫後だった点が不幸中の幸い。
大量に沈泥している。
田植えができるようにするためには、かなり大変だろうな。
玉地区の民家。
床上浸水の跡がくっきり残っている。
コンクリート製の側溝のフタがべっこべこに剥がされている。
石巻市で見かけた側溝も同じだった。
水の流れで、大人一人でも持ち上げられないような側溝のフタがどこかに吹っ飛んでしまう。
若宮戸地区の太陽光発電施設。
朝日新聞 2015/9/11 : 鬼怒川水害「太陽光事業者の掘削が要因では」 住民指摘
↑このソーラーパネル。
これから具体的な検証と責任追及が行われることになるのだろうが、ソーラーパネルと鬼怒川の間のぬたぬた道を歩いてみたが、確かに堤防らしい堤防は何もなかった。
瓦礫を片付けて(今のところは、一箇所に集めるだけ)、復旧作業(築堤作業?具体的に何をやっているのかはよく分からない)
壊れたソーラーパネル。
さすがにもう使えないだろうね?
ちょっとびっくり。
写真中央の道路の左半分のアスファルト舗装がベロンと剥がれて、右側の田んぼに流されている。
水の力って怖いな。
三坂地区に戻る。
冒頭の写真の、道路冠水の部分の反対側の位置。
白い家は、例のヘーベルハウス。
Naverまとめ 2015/9/11 : 茨城県常総市 鬼怒川の堤防が決壊しても流されなかった、ヘーベルハウスの白い家がすごいと話題
前日にここを訪れた方によると、これでも前日と比べるとだいぶ水が引けたらしい。
この大量の水、どうやって排水すればいいんだ?
道路と家の間に深い池が出来てしまっている。
濁流の流れで、庭が侵食されてしまったんだろう。
考察
2015/9/13 FNN(フジテレビ) : 茨城・常総市が決壊場所に最も近い地区に出した避難指示は決壊後
誠に残念なことだが、この度の堤防決壊場所:三坂地区は、常総市役所による避難勧告だか命令だかが遅れた(or 行われなかった)ようだ。
行政は何をやっていたんだ!と非難することも出来るし、これから全ての行方不明者の行方が判明した後で責任追及が行われることになると思うが、数十年あるいは百数十年に一度の大水害で行政も大混乱していたのだからやむ無し、と言うことも出来る。
びっくりしたのは、各種報道を読んだり見たりしていると、「市役所からの行政無線による避難勧告・命令が出ないから家の中で安心していた」という人が結構多かったことだ。
数十年に一度、百数十年に一度の自然災害において、行政を信じてはいけない。
自分でテレビなりインターネットなりで一次情報を集めて、そして自分自身の直感で判断して、自分自身の責任において、自分自身と自分の家族を守らなくてはならない。
無論、行政が無能で何もやっていない、ということではなく、行政には限界があるということだ。
自分と家族の身は自分で守らないと。
もちろんそれは限界があるので、家族で助けあい、地域のみんなで助け合わないと。
あと、
・堤防越水
・堤防決壊
は、全く別物だということを初めて知った。
越水は、あくまでも川の水が堤防の縁までいっぱいになって、ちょろちょろちょろと流れていくこと。
決壊は、ちょろちょろとした越水が、土製の堤防を破壊してしまい、一気にドバっと流れること。
被害の規模が違う。
今回訪れたエリアで言うと、ソーラーパネルがあった若宮戸地区はいち早く越水したが、あくまでも低い自然堤防だったので、決壊するということはなかった。
若宮戸地区の2-3km下流に位置する、三坂地区は、堤防が決壊した。