伊奈学園総合のキャンパスの近く。
この学校は、80年代に団塊ジュニアが高校進学する頃に創立されたマンモス校です。この辺り一面は、おそらく当時田んぼだったところをつぶして、このような施設・学校や住宅地として造成したのではあるまいか。
埼玉ニューシャトル内宿駅から1.1kmに位置し、クルマで行くにしろ電車で行くにしろ、決して便利な場所ではありません。
ゆったりした作りの建物。
右側の建物は宿泊棟となっている。レストランもある。
後述のように、連続して数日間に渡って行われる講習会もある上に、周囲は新興住宅地で、ホテル類も飲食店もないので、設けられたもののようです。
独自のレンタ自転車サービスを提供しています。
敷地内には、伊奈町の窓口業務の出張所も設けられていました。
建物に入ると、広大な吹き抜け。
県民活動総合センター、って、何をやっているのか、名前だけ聞いてもよく分からないですね。
ハード的には、会議室・教室がメインです。
センター内に、埼玉未来大学が設けられています。
シニア向けの教育機関なのですが、学位が取得できる、学校教育法上の本物の「大学」ではありません。
その点では、いわゆる、公民館でやっているようなカルチャースクールとかわりはないのですが、入学式があったり、年間カリキュラムがあったりと、かなり本格的です。
近年流行りの「リスキリング」というほど、具体的な技術・技能の習得を目指すコース・講座があるわけでもないのですが、社会貢献のためのボランティア団体・NPO立ち上げ・運営コース、ソーシャルビジネス立ち上げコースなんかもあります。
カルチャースクールと放送大学の中間のようなポジショニングでしょうか。
個人的には中途半端感が否めないのですが、こういうシニア向け教育機関のニーズって、これから増えていくものなのでしょうか。
逆に、ニーズと意義があるのならば、県内各地に増やしていけばいいんじゃないですかね。
吹き抜けに面した教室では、授業が行われていました。
石綿作業主任者技能講習、とのこと。
かなり具体的な、プロ向けの講習です。
・足場の組み立て等作業主任者能力向上教育
・丸のこ等取り扱い作業従事者教育
・フルハーネス型安全帯使用作業特別教育
など、かなり専門的な職の講習会が有償で行われています。
中には、連続して2, 3日間に渡って行われるものもあります。
だから、宿泊等が必要になるわけですね。
これらの講習会は、県民活動総合センターが自ら提供しているサービスではなく、外部の団体が行っているものです。
つまり、貸し会議室業ですね。
彩の国市民活動サポートセンターという名前の、図書館がありました。
ボランティア団体やNPOの立ち上げ・運営に関した本が中心のようでした。
ということで、一言で強引にまとめると、
・巨大な公民館
という感じでしょうか。
いわゆる公民館が、市内の狭い地域の住民(例えば、蕨市錦町と北町の一部など)のみを主にターゲットとしているのに対して、この施設は、県民すべてをターゲットとしてる点が違いです。
しかし、遠くからわざわざ時間をかけて通うほど特別なサービスを提供しているわけでもなさそうなので、結果として、近隣住民のみに利用者が絞られてしまっている、という感じでしょうか。