これらのエントリで記述した、彩湖(荒川貯水池)の流入堤の復旧工事ですが、先月、令和3年(2021年)5月に完了しております。
湖周回コースの北側一部が閉鎖されておりましたが、これも既に終了して、コースは開放されております。
一昨日の様子。
中央の真新しい、白いコンクリ部分が、復旧工事が完了した流入堤。
周回道路。左側の白いコンクリが、流入堤。
くにゅっと水の流れによって折れ曲がっていたフェンスは撤去され、新調されました。
流入堤。
以前の堤は、表面は黒々としたアスファルト(コンクリ?)でしたが、今回のものは、コンクリブロックを敷き詰めたような仕組みとなっております。
以前のものと比べると、弱そうな印象も受けますが、大規模水害を受けて破壊された時に、被害を局所的にとどめ、復旧工事をしやすくするための工夫ではないかと思料します。
ということで、一連の、仮工事~本工事という二段階の復旧工事は完了しました。
ところで余談ですが、この流入堤が実際に役に立ち、破壊されたのは、2年前の令和元年(2019年)台風19号ですが、この台風による爪痕は、未だに、全国各地に残っています。
たとえば、こんな風に。
2021年6月、秩父武甲山のメインルートである、生川ルート。
トレイルが崩壊したまま放置されています。写真右側に迂回ルートが作られ、実用上の問題はないため、おそらく復旧工事等が行われることはなく、半永久的にこのままでいくことになるのではないでしょうか。
彩湖流入堤のようなクリティカルなものは、優先順が高いため、早期に復旧工事が行われました(それでも2年間もかかってしまったのですが)。
他方で、山の中の交通量が少ない林道や、登山道の土砂崩れなどは、手つかずで放置されてしまっている箇所も多いのです。
2年間経っても手つかずで、かつ、(おそらく)いつ復旧工事のための予算がつくのか見込みも立たない、といったところでしょう。
人口減少時代で、日本が貧しい国になりつつある、という現状からの、必然的な結果です。
山の中には、高度経済成長期に、ケインジアン的な発想から、たいして交通量も見込めないのに造ったスーパー林道の類が、それこそ山ほどあります。
これから人口減少が本格化していくに当たり、これらを順次廃道にしていく、「インフラのダウンサイジング」が必要と思います。
これってけっこう大変なことですよ、その地方にとっては。
たいして交通量がないとしても、そこに道路が存在する以上、保守作業が発生します。田舎に行くと、公共事業で食っている土建屋+周辺産業がたくさんあります。これらの人たちの食い扶持がなくなっちゃうということですから。
どうやって「人口減少に合わせた、国家のダウンサイジング」を行っていくか?