鬼怒川水害現場を再訪

ただ今開かれている、蕨市議会 平成30年9月定例議会の一般質問において、荒川氾濫による水害対策を取り上げました(私の出番は、昨日終了)。

3年前の平成27年9月の常総市 鬼怒川堤防決壊による水害現場を、2週間前に再訪してきました。

何らかのヒントが得られればと思っていたのですが、東日本大震災のような大規模・広域災害と異なり、鬼怒川水害は局地的なものだったので、既に完全に現場は復旧しており、新たに得られた知見はありませんでしたね。
堤防は完璧に整備され、壊れた道路や民家は元通りになっていました。

 

↓3年前の水害直後に訪れたときの記録

hoya_t blog 2015/9/13 : 台風18号による鬼怒川水害現場

 

 

以下、3年前の写真と比べて記す。

 

常総市 三坂町地区

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2015年9月。
道路は寸断され、電柱は傾き、そこら中が水浸しになっていました。

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2018年9月。(完全に同じ場所ではないが、ほぼ同じエリア)
さすがに3年も経っているので、当たり前ですが、道路、側溝、電柱、全て元通り。
何気なく通り過ぎたら、ここが水害現場だったとは分からないでしょう。
妙に、新しい家ばかりが目立つな?と気づく人はいるかも。

 

 

 

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2015年9月。
流れてきた水で、家のすぐ脇の地面がえぐれてしまっていました。

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2018年9月。
立派な塀に囲まれています。

 

 

 

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2015年9月。
ただ一軒だけ流されなかった、頑丈なヘーベルハウス。

蛇足ですが、旭化成は、この直後に偽装問題が発覚し、一気に評判を落としました。

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2018年9月。
周りには、新しい家々が建っています。

 

 

 

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2018年9月。
かつて寸断されていた道路からは、新たに造られた堤防がすぐ近くに見えます。(写真の右手)

 

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2018年9月。
堤防について説明する看板。

 

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2018年9月。
堤防の上より。
遥か遠くに見ゆるは、筑波山。

 

 

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2018年9月。
決壊の跡の碑。

 

 

 

常総市 若宮戸地区

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2015年9月。
太陽光発電施設の、倒壊したソーラーパネル。

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2018年9月。
すっかり元通りに復旧していました。

 

 

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2018年9月。
ソーラーパネル脇から、下流に向かって目を向けると、ん?なんだろう、あの黄金の変な塔は?

 

 

ナゾのパゴダ

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パゴダを模した、鬼怒川砂丘慰霊塔がありました。

3年前に来た時は知りませんでしたが、案内文によると、平成元年に建てられたそうです。

この辺は、木々に覆われているものの、「鬼怒川砂丘」と呼ばれ、地理学的には砂丘なのだそうです。
そう言えば、先日、ブラタモリで鳥取砂丘回をやっていたのですが、日本国内に砂丘と言われる場所は、何十箇所もあるそうで、ちょっとびっくりしました。

このパゴダは立派な建物ですが、地盤が砂地のためか、傾いていました。

 

 

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ここ、旧石下町から徴された兵の部隊は、インパール作戦に投入されたようです。
弓兵団と通称された、第33師団の歩兵第213連隊でしょうか。

石下からは135名が参戦し、110名が戦死、戦病死したそうです。

 

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パゴダに登って、鬼怒川堤防を望む。

 

 

おまけの写真

バガン慰霊碑

昨年、平成29年6月、ミャンマーのバガンを訪れた折の、弓兵団鎮魂碑。


既設の荒川第一調節池と、今年度から作り始める荒川第二・第三調節池

さて、昨夜から今日にかけても、台風13号が関東地方に接近しております。
上陸の危険性はなく、外房沖を北上しているようですが、昨夜はかなりの暴風雨で、私のビニ傘は骨が折れてしまいました(T_T)

 

hoya_t blog 2018/8/2 : 県南七市治水大会、荒川の第2,3調整池の進捗

先日のエントリで、荒川第二・第三調節池について書きましたが、さらに掘り下げてみましたので、以下にメモ。

 

そもそも調整池ではなく、調節池

☓調
○調

google検索は、ユーザの打ち間違いを推測して検索結果を提示してくれるので、まったく気がつかなかったのですが、正確には「調節池」と言います。
今まで勘違いしてました。

土木・行政用語としては、
調池は、市町村レベルで作り、内水氾濫を防ぐ。
調池は、河川の流量をコントロールし、外水氾濫を防ぐ。
という違いがあるそうです。

 

 

荒川第一調節池は、羽根倉橋から笹目橋まで

既設の荒川第一調節池の広さ・範囲について。

彩湖を中心として、彩湖道満グリーンパーク・荒川彩湖公園を含めて、これらを囲む堤防の範囲、すなわち、笹目橋~幸魂大橋~JR武蔵野線~秋ヶ瀬橋までが範囲だと、勝手に思い込んでいました。

ところが、実際にはもっと広かった!

さらに上流まで遡り、秋ヶ瀬公園を含めて、羽根倉橋までの範囲が、荒川第一調節池なのだそうです。でかっ!

この辺りは、ジョギング、自転車練でよく走るのですが、まさか笹目橋~羽根倉橋までが一体となった広大な一つの調節池なのだとは、想像もしませんでした。

 

ということで、一昨日、2018年8月7日、ジョギングしながら現地を改めて見に行ってみました。

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彩湖。
別名:荒川貯

数日前より水量は増えてました。北からの風が軽く吹いており、湖面東側のジョギング道は、端が波で洗われていました。

 

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秋ヶ瀬公園を抜けて、羽根倉橋へ。

橋の上から、秋ヶ瀬越流堤を見る。
(写真の赤丸部分)

この辺り、工事をしていてダンプが行き交っており、警備員も立っているので、近づくことは今はできなさそうです。
しかし、10年前くらいから延々と工事をやっているような?
何の工事やっているんだろう?

航空写真で見ると↑これ。
堤防の一部が低くなり、コンクリ(?)で固めてあります。
何らかのポンプのようなものがあって水量を人工的にコントロールするわけではなく、荒川の水の高さがこの越流堤の高さを越えたら、自動的に秋ヶ瀬公園に水が流れ込んでくる仕組みのようです。

 

ここは、秋ヶ瀬公園からは繁茂した木々に遮られて直接は見えないため、こんなところにこんなものがあるとは、まったく知りませんでした。

 

羽根倉橋を渡って、荒川右岸へ。
右岸を南下すると、秋ヶ瀬取水堰

(これは、荒川調節池の付随施設ではありません)

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荒川の本流から、水道のために、水を取り入れる。

ここから取り入れた水が、埼玉県営大久保浄水場に流れ、水道水となります。
蕨市が県から買っている、いわゆる「県水」が、これです。
こんなところに、水道水の取り入れ口があるなんて、まったく知らなかった。

尚、この秋ヶ瀬取水堰から取り入れた水は、東京都水道局の浄水場にも流れていきます。
なんと、埼玉県朝霞市内に東京都水道局の浄水場があるんですね。

 

荒川第二・第三調節池の新規事業化

「新規事業化したって言うけど、具体的にどういうことなのか?国の予算がついて、実際に十数年間に渡る土木工事が動き出したの?」というのが、先のエントリに書いた疑問でした。

国の予算書というのがどこのサイトで見られるのかよく分からず、国会の議事録もなんだか検索しづらくて実際にどんな予算審査が行われたのか依然としてよく分からないのですが、諸般の状況から察するに、動き出していることは間違いないようです。

 

荒川第二・第三調節池の広さ・範囲については、↓このページの図が詳しい。
羽根倉橋~上尾の開平橋までという広大なものです。

国交省 荒川上流河川事務所 : 荒川洪水調節池群の整備 荒川第二・三調節池

 

一連のプロジェクト全てについての資料は、

国交省 : 社会資本整備審議会 第10回事業評価小委員会(平成30年3月5日)

このページが最も詳しい。
この審議会の小委員会は、推測だが、国会に予算案を提出する前に、国交省の内部で予算を検討する段階での外部評価のためのものなので、国会での予算審査の段階で修正された可能性もあるのだが、そのへんの経緯は分からない。

この資料によると、

・第二調節池と第三調節池の開発は、同時並行して行う。
・平成30年度にスタートして、13年後の平成42年度に完成する。
・総費用(イニシャル)は、1,670億円。
・総費用に対する、50年間に渡って洪水を防ぐことによって得られる便益は、概ね12倍。(但しこの計算には人命の損耗は含んでいない)

という感じです。

何十年かかかるのかと思ったら、以外と開発期間短いですね。13年間でほんとに出来るのかいな?
上記資料の中のシミュレーションでは、工期が±10%のパターンということで、14年間と12年間のものも出してありますが、せいぜいこの程度のバッファで完成するだろうと見込んでいるということですよね??
早く作って欲しいです。


県南七市治水大会、荒川の第2,3調整池の進捗

先日、2018辺7月25日(水)、県南七市治水大会がございました。

埼玉県南部の7つの市の市議会議員、県議会議員、国会議員と、行政当局の市長・土木関係部署長が全員集合して、この地域に共通する治水の課題について、解決を求めるアピールをするという、毎年恒例のイベントです。

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毎年開催しているものの、マスメディアに取材されてニュースとして掲載されることもなく、正直、どのくらい実効性があるのか心もとないのですが、今回の説明の中で、気になるものがありました。

 

 

平成30年度(今年度)から、荒川第二・第三調整池が新規事業化された?

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これほんと?
「新規事業化された」ということは、つまり、国の予算がついて、事業(調整池を作る、数年度に渡る大きな一連の土木工事のプロジェクト)が動き始めた、ということです。

基本的に、役所はサンクコストを嫌うので、かつての民主党の事業仕分けのようなことがない限りは、一度動き始めた事業は、完成するまで止まることはほぼありません(と、私は認識しています)。

 

 

荒川第一調整池とは、彩湖のことです。


厳密に言うと、彩湖だけではなく、彩湖を含めて、荒川彩湖公園(さいたま市)、彩湖道満グリーンパーク(戸田市)や周囲の堤防を含めたこの辺り全体を指します。

 

ランニング好きの私のホーム練習コースでして、週に数回は走っております。

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2018年5月、夕暮れ時の彩湖。

 

 

湖の水量は、人工的に管理されており、大雨の心配があるこの時期は、水量がかなり下がっております。
実は昨日も酷暑炎天下を走ってきましたが、湖面が生臭くなっていて、珍しくも水を循環させるために噴水が稼働していました。

 

大雨の時は、ここに荒川の水を流し込んで、洪水を防止する機能を果たします。

 

 

「第一調整池」という名の通り、さらに追加の土木計画があり、それが「荒川第二・第三調整池」です。

従来は、あくまでも机上の計画の段階にとどまっていて、予算がつくことがなく、時期未定のまま事実上止まっていました。

国交省 webサイト : 社会資本整備審議会 河川分科会 事業評価小委員会 第10回事業評価小委員会(平成30年3月5日)配布資料、荒川直轄河川改修事業(荒川第二・三調節池)<大規模改良工事>新規事業採択時評価 説明資料

 

ざっくり説明すると、彩湖の上流に、さらに2つの大きな調整池を作る、という計画です。

数百年に一度の確率で、大雨によって荒川が氾濫し、甚大な洪水災害を及ぼす可能性があり、これを防ぐためのものです。

荒川左岸の堤防が決壊したら、蕨市も全域が1mくらい浸水する可能性があり、しかもその場合の被害面積はかなり広範囲に渡ることが予想されるため、自衛隊や他都道府県による迅速な支援は望めません。

 

ということで、この「平成30年度からの荒川第二・第三調整池の新規事業化」は、蕨市民にとって、とても素晴らしいニュースのはずなのですが・・・

これ、ほんと?
ほんとに事業化されたの??
ほんとに調整池を作り始めるプロジェクトが動き始めてるの???

冒頭で述べたように、「新規事業化された」ということであれば、国の予算がついたはずなのですが、国交省や埼玉県のwebサイトを検索しても一切情報がヒットせず。マスメディアで報道された形跡もありません。
どうなってんの、いったい???

更にいろいろ調べてみます。

 

【追記】続編は↓こちら

hoya_t blog 2018/8/9 : 既設の荒川第一調節池と、今年度から作り始める荒川第二・第三調節池


消防の水難救助訓練

先日、荒川沿いの某所にて、戸田市消防署と合同による、蕨市消防本部の水難訓練があり、見学させていただきました。
なかなか貴重な体験でした。

 

ボートの種類

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この種の、水害時のボート、蕨市消防本部は、3艇持っているそうです。
2挺がゴム製で、1艇がアルミ製。
その他に、荒川左岸水害予防組合のボートで、蕨市内に設置されており、事実上、自由に使えるようなものが2艇あるとのことです。

 

ゴム製とアルミ製と、おそらく、性能はそれぞれ一長一短なのかと。
ゴム製の方が軽くて使い勝手が良さそうですが、泥水の下に隠れたガレキが突き刺さって壊れたら、即使えなくなります。ゴム製と言っても、人が乗る、内側の底の部分にはアルミ板を敷くので、ぐらぐら揺れて乗り心地が不安定なわけではありません。

オールを使っての手漕ぎ式としても、船外エンジンを付けてのエンジン式としても使うことが可能です。
エンジンは、混合式の2stのものと4stのものがありました。

馬力は、2stのものが、4馬力(と言っていたような、たぶん)。
4馬力というと、インジェクション式の最新のスーパーカブ50(4st シングルエンジン)が3.7馬力なので、だいたい同じくらいです。

見るからにしっかりがっしりとした造りで、海に遊びに行ってプカプカ浮かぶようなものとか全く違います。

 

このボート、金額は幾らくらいするのだろうか?

アキレス株式会社 : 水難救助ボート
JOYCRAFT : JEF-425
エンジン無し、6人乗りのもの(エンジンは別売り)が、50~70万円くらいですね。

エンジンは、
ヤマハ発動機株式会社 : F2B
本田技研工業株式会社 : BF2
だいたい12~14万円くらいですね。

合わせて、定価ベースで60~80万といったところです。

 

ボートの訓練

まずは手漕ぎ訓練。

6人が乗り込んで、内2人が、左右ぞれぞれでオールを持って漕ぐ。
理屈の上では、風がなく、水の流れも無いものと仮定すれば、左右まったく同じように漕げばまっすぐ進むはずですが、これがとても難しいようです。
左右に大きく蛇行し、岸から見ていると、「遊んでいるのかな?」、「ふざけているのかな?」と思ってしまうくらい、まったくまっすぐ進めない。

次いで、船外エンジンを設置して、モーターボート訓練。

上記のヤマハとホンダのwebサイトに掲載されいているような形のエンジンを、ボートの後部のアルミ板にクランプで締め付けて固定します。それほど重いものでもないようですが、頭が重くて不安定な形なので、3,4人で持ち上げてセットすることになります。運転はもちろん免許が必要です。

こちらは、私も乗せてもらいました。
6人乗りの小さなゴムボートとは言え、それなりの安定感があり、風も波もないこの日は、静止状態においては、左右にぐらぐら揺れるようなことはありませんでした。

走ると、水面が近いので、若干怖い感じはします。
他のボートの波に当たると、ちょっと揺れます。

 

実際に蕨市内で使う災害時には、大雨・大風の中で使うケースはありうると思いますが、高波が発生するような状況は考えにくいと思います。

船外エンジンは、水面の下に沈み込む部分が、けっこうな高さがあるため、水底に接触しないように使うためには、ある程度の水の深さがあることが前提となります。
ざっくり1mくらいでしょうか。

荒川上流河川事務所 : 明治43年の洪水

明治43年に荒川の堤防が決壊して、蕨市内全域が水没する大災害があり、その時は、地元の古老によると3尺(90cm)の水の深さがあったと聞いたことがあります。

このくらいの2,3百年に1回クラスの水害時にしか、モーターボートとして使うことはでき無さそうです。
しかも、この種の災害時には、泥水の中でどんなガレキが沈んでいるかもわからないので、エンジンを使うことは現実的には難しそうです。

 

救命索発射銃による救難訓練

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ロープを発射する銃式の投擲マシンです。
川の中洲や、湖の中央部などに取り残された人までロープを投げ、ロープを伝って助ける、という仕組みです。

Navarまとめ : 【1999年】神奈川県山北町・玄倉川水難事故(DQNの川流れ)まとめ

台風で増水した中洲に取り残されたファミリーが、必死で救助しようとする消防、警察、地元の方々に向かって、暴言を吐き続ける映像で有名なこの事故で用いられたのが、この道具です。

尚、戸田市のものは圧縮ガス式で、蕨市のものは火薬式とのことでした。

この映像の2:00以降に出てきますが、このマシンで細いロープを投げ渡し、その後で、救助用の太いロープをセットして助ける、という使い方をするようです。

実際のところ、蕨市内であれば、ほとんど出動の機会はなさそうですね。

 

この他、戸田市は市域に荒川を含んでいるため、潜水チームも持っているそうで、その道具も見せてもらいました。

 

 

考察

・小さな2~4人乗りくらいの遊び用ゴムボートは、救助には向いていない。6人乗りの救助用ボートが、高くても必要。

前述のような、2~3百年に1度クラスの荒川決壊が発災した場合には、市内全域が短時間に水没する可能性がある。
この時に、自宅などに取り残された人を、避難所にどうやって運ぶかが重要。

市内全域が同時に発災し、しかもこの場合には、埼玉県南部の市町村は同時に被害に遭うので、市外からの応援が来てくれることも期待しにくい。

そこで、各消防団、町会などに、大量に安いゴムボートを備えさせればいいのではないか?と考えていた。

 

このくらいの、レジャー用のものならば、4万円くらいで売っている。

 

しかし、このクラスのレジャー用ボートは、よほど良い条件が揃わないと、救助に使うのは難しいかもしれない。
救助中にボートが転覆してしまったりしたら、二次災害の原因にもなりかねない。

6人乗りクラスの救助用のボートですら揺れるとちょっと怖く感じたくらいなので、大雨・大風の中、子供・高齢者・障害者などを運ばなくてはならない状況を想定したら、6人乗りクラスの救助用の、床がアルミ板で作られているような安定した作りのものが、たとえ50~70万円くらいしたとしても、必要かも。

 

・蕨市内ならば、ボート用の船外エンジンはあまり使い道がない。

荒川決壊における想定される水深を1mくらいと仮定すると、ボートの船外エンジンを使えるのは、そのくらいの水深のワーストケースに限られるようだ。
この場合も、水は濁った泥水で、流木やがぷかぷか浮かび、水の中にはどんなガレキがあるかもわからないような状況で、エンジンを使うのはためらわれる。

大雨・大風が止んだ後で、1m以上浸水した道路上で、既にガレキがないことが確認済みの状況など、好条件が揃ったケースしか、船外エンジンは使い道はないかもしれない。

消防本部で想定している使い方は、内水災害(ゲリラ豪雨による都市型水害)や外水氾濫の初期において、消防士はボートに乗らず、ロープでボートを引っ張って濡れながら水の中を歩き、要救助者をボートに乗せて避難所まで連れて行く、というもののようだ。

 

 

・救助用ボートの数を増やせばいいというものでもないかも。

6人乗りの救難ボートであれば、消防士は2,3人が乗り込んで(あるいは濡れながらロープで引っ張って)、一回で3.4人を運ぶ、という使い方になろうかと思う。
この場合、ボートに乗る地点(要避難者の自宅など)で、要避難者が乗るのをサポートするスタッフが2,3人、ボートを降りる地点でも同様にサポートスタッフが2,3人必要である。
バックアップを入れると、一つのボートを運営するのに15人程度は必要かと思う。

大量にボートを買い揃えたからと言って、スタッフの数が揃わなかったら意味がない。

また、消防本部としては、消防団員にはボートに乗り込むのではなく、ボートの乗り降りのサポートなどの行程をお願いしたい、という考えを持っているようだが、これは理に適っていると思う。

(※ 消防士は、プロのいわゆる消防士さんのこと。消防団は、ボランティアです。)

 

 

 

今後は、ちょっと他市の事例を調べてみたいですね。


堤防を崩さないようにしよう。

ジョギング好きなので、よく荒川サイクリングドーロや、彩湖に走りに行きます。
今日は、たまたま午前中空いたので、彩湖に走りに行ってきたのです。
(為念、時間が空いたというのは、暇という意味ではなく、未完了のタスクは山盛りであるものの、アポや会議の予定がないという意味です)

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この時季は、空気が澄んでいるので、富士山がよく見えますねー。
北風が吹く日が多いのですが、今日は気温高めで、まったく風が冷たくありませんでした。

 

 

写真の場所は、彩湖のさいたま市側(上流側)の、荒川に対して垂直に接している堤防のところ。
写真の富士山からちょっと左側、堤防の斜面上に白い土嚢が並べられております。
おそらく、今週中に設置したものかと。

201702_彩湖

近づいてみると、こんな感じ。

よくガキんちょどもが遊ぶ通り道となっており、芝生と表土が禿げ、えぐり取られてしまっています。
この箇所は、季節によっては、ダンボールを尻に敷いて滑ったりしているガキんちょもよく見かけます。

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看板を拡大。

 

たかだか芝生や表土が剥げて、数cm程度えぐられただけですが、堤防の損傷というのは、本当に大変なことなのです。

いざ大雨のときに、この部分を、ちょろちょろと流れる水が、さらに深くえぐっていき、土の中に浸水し、堤防を壊す可能性があります。

 

参考:

hoya_t blog 2015/12/8 : 蕨市議会 2015年12月定例会の一般質問 # 荒川氾濫に関わる水害対策について

hoya_t blog 2015/11/2 : 消防特別点検

hoya_t blog 2015/9/13 : 台風18号による鬼怒川水害現場

 

尚、どうでもいい豆知識ですが、彩湖は南北に長く、あたかも一つの公園のようになっていますが、さいたま市と戸田市にまたがっているため、実は公園の運営自治体も、さいたま市と戸田市に別れています。
・北側が、さいたま市で、公園名:荒川彩湖公園
・南側が、戸田市で、公園名:彩湖道満グリーンパーク

駐車場も、
・さいたま市:砂利敷だけど無料
・戸田市:舗装してあるけど有料
となっています。

それぞれの駐車場の営業時間も違います。

 

ジョギングやロードバイクのトレーニングをするには最高の環境です。
都内に住んでて日頃狭くてごちゃごちゃした駒沢公園辺りでトレーニングしているラン友を連れてくると、
「こんなに素晴らしい練習環境が家の近くにあるなんて、いいな~」
と、羨ましがられます。

蕨市民としては、よその自治体が費用負担して管理してくれている公園をフリーライド出来るので、こんなに素晴らしいことはありませんw


台風被害など

今週は、台風が幾つか近づいてきました。
そのうちの一つの台風9号は関東に上陸しましたが、関東上陸は11年ぶりだそうですね。

ラジオ報道の中でたまたま耳にしたのですが、台風のサイズが小さい方が、雨が集中して降るそうです。

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2016年8月20日(土)の台風11号のとき。
富士見球場横。
ここは、いつも道路冠水が起こりやすい場所です。

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2016年8月22日(月)の台風9号のとき。
同じく富士見球場横。
(上の写真と同じ場所を、逆向きに走っている)

一面冠水していて、マンホールの穴からぼこぼこと水が吹き出していました。

この後、この場所は、警察と市役所(道路公園課?)がスタッフを配置して進入禁止にしていました。

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国道17号が旧中山道と別れるところ。シェルのガソリンスタンドがある場所。
ここもよく道路冠水するところ。
2~30cmくらい冠水していて、通るのを諦めて引き返す車両もいました。このくらいの水の深さがあると、クルマがゆっくりでも走るときに波が発生し、その波が対向車にぶつかったらフロントガラス一面にばしゃっと水がかかって視界が見えなくなるくらいになります。

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同じ場所。

一番酷いときは写真撮れませんでした。

 

市内では、北町地区に数軒の床上浸水があったとのことです。


消防特別点検

昨日2015年11月1日(日)、彩湖道満グリーンパークにおきまして、埼玉県消防協会蕨戸田支部特別点検が行われました。
要するに、蕨市と戸田市合同の、消防団の観閲式のようなイベントです。
空気が冷たく澄み渡り、風もほとんどなく、晴天に恵まれました。

 

20151101_埼玉県消防協会蕨戸田支部特別点検 

整列して開会の挨拶。

20151101_埼玉県消防協会蕨戸田支部特別点検

消防車で現場に到着して、ホースを伸ばして放水するまでの一連の作業のデモ。

20151101_埼玉県消防協会蕨戸田支部特別点検

放水デモ。

 

消防団は、あくまでもボランティア組織です。
ボランテイアとはいえ、いざ火災の際には現場に飛び込んで命を危険にさらすために、定期的に激しい訓練を行い、練度と規律の高さを大切にしているようです。
例えば、「ホースを持って走る」というだけの動作にも、掛け声を掛けて確認しながら右肩に担いで走る、といったように、定められたルールがあります。いざというときにはその場の判断による臨機応変の対応も必要ですが、それらは必ず定められた基本動作の積み重ねでなくてはならず、基本動作から外れた動作は、事故・怪我に直結する可能性があります。

消防団の活動分野が消火活動だけならば、もちろん高い規律の維持、激しい訓練による練度の維持は必要不可欠です。

しかし、最近、蕨市内の古参の消防団員の方にお話を聞いたのですが、最近は、消防団が消火活動に出動して前線で活動する機会はほとんどないらしい。
建物の難燃化はどんどん進んでいるので、火事の件数自体が減っているし、発生してもプロの消防署員だけで対応出来てしまうケースがほとんどらしい。
消防団員も含めた、多大な人的リソースが現場で必要になるケースは殆ど無いらしい。

その話を聞いた消防団員の意見であり、私も同感なのですが、
今後の蕨市(戸田市も)の消防団の活動は、消火ではなく、水防にシフトしていくべきではないか、と。

蕨市(戸田市も)において、現実的に最も可能性が高い大規模災害は、大地震と荒川の決壊です。
川は、堤防が決壊すると、一瞬のうちにどばっと流れていきます。チョロチョロではありません。
荒川の戸田市部分の堤防が決壊したら、一瞬のうちに戸田市、蕨市は、市内全土が水浸しになるシナリオが現実的に想定されます。
「市内の一部にチョロチョロ床上浸水が始まって、道を挟んで隣りの街区は、これから土のうを積んでいこう」というような状況ではなく、一気に一瞬のうちにドバっと市内全域が水浸しになる可能性が現実的にあります。

現在の消防団は、どうやら、このような荒川の決壊への対策はあまりやっていないらしい。ボートなどの道具もあまり整っていないらしい。

そして、市内全域が一気に水浸しになるような状況であれば、被害エリアは首都圏の極めて広範囲に渡るはずで、つい先日の鬼怒川決壊の時のように、陸上自衛隊のヘリがすぐに助けに来てくれる、ということも期待しにくい。

まずは、自分たちでボートなりを手配して、自分たちの生命と財産を極力守らないとならない。

市内全域が一気に一瞬のうちに水浸しになるならば、対応には膨大な人的リソースが必要で、練度も規律も低くてもいいので、消防団員を千人規模に増設した方がいいかもしれない(今の蕨市の消防団員数は約100人)。

但し、荒川の堤防決壊は、何の前触れもなく当然起こるわけではなく、数時間以上に渡る大雨の結果として起こるわけだから、数時間~数日間の準備時間はある。
そのような時は、蕨市に住んで都内に通っている「埼玉都民」の人たちも会社を休んで家にいるだろうから、こういう層にもどんどん入団してもらった方がいい。