文教委員会視察(2) — 小山市立 絹義務教育学校

文教委員会視察の2箇所目は、小山市立 絹義務教育学校を訪れました。

202511 埼玉県議会文教委員会視察 小山市立絹義務教育学校

この学校は、小山市内の、農業エリアにあります。

 

児童生徒の減少に伴い、複数の小学校と中学校が、それぞれ統廃合の必要性に迫られました。

その際、複数の小学校、複数の中学校をそれぞれ統廃合した上で、さらに小中学校を合併して、「義務教育学校」としました。

 

 

義務教育学校の仕組み

小学校と中学校を一体化した 9年制の学校制度です。

校長も1人で、学びが切れ目なく続くのが大きな特徴です。

 

 

公立 小中一貫校との違い

いわゆる「小中一貫校」は、制度上は小学校と中学校は別々に経営されており、便宜上、あたかも一体的に運営されているかのように連携しているものです。

制度上は別々なので、小学校と中学校のそれぞれに校長が存在します。

 

 

「中1ギャップ」緩和の解決策となり得るか?

中1ギャップという言葉があります。小学校を卒業して、中学校に進学するに当たり、人間関係、勉強内容はガラッと変わるし、初めて制服を着るようになったり、部活が始まったりと環境変化が大きく、これに対応しきれずにメンタル的に不安定になってしまう生徒が出現することを言います。

9年間一貫制の義務教育学校は、中1ギャップ解消策として注目されているのですが、実際のところはどんなもんでしょうか?

 

 

感想を先に書きますが、9年間一貫制にはメリットとデメリットの両方がありますね。個人的には、従来型の小中学校分離型を、敢えて9年間一貫制に変更する必要性は感じません。

 

社会に出たら、人生ってギャップだらけじゃないですか。

就職、転職、結婚、出産、転勤、親の介護など。

成人になる前に、段階的に小さなギャップを経験し、「打たれ強さ」や「変化への適応力」を身につけておくことは、実はとても大切です。

 

絹義務学校においては、一学年当たり一クラスの規模であるために、クラス内の人間関係が固定してしまうことのデメリットも大きいとのことでした。

絹義務学校においては、義務教育学校のメリット・デメリットを踏まえながら、敢えて「節目つくり」、「意図的な小さなギャップづくり」を行い、児童生徒が環境の変化を体験できるよう工夫しているとのことでした。

  • 6学年終了時に「疑似卒業式」
  • 7学年から制服制(6年までは私服)
  • 7学年から、通学手段がスクールバス→自転車へ変化

 

 

義務教育学校の効果はどうか

定量的な評価は難しく、学力・体力・情操面などの分析は行っていないとのこと。

教育学の学界においても、従来型の小中学校別々制と9ヶ年一貫制の良し悪しについて比較分析した研究はないようです。

202511 埼玉県議会文教委員会視察 小山市立絹義務教育学校

児童生徒を対象にアンケート調査を行うと、満足度は高い、との結果が出ています。

 

 

小中学校の統廃合に当たり、地元コミュニティ・保護者・卒業生ネットワークとの合意形成が、最も困難な仕事となります。

地元に小中学校統廃合を納得してもらうために、「義務教育学校という、新しくて素晴らしい仕組みにアップグレードします!だから統廃合を受入れてください!」と、交渉するためのツールとして利用されているだけに過ぎない、という側面が大きいのではないかと思います。

202511 埼玉県議会文教委員会視察 小山市立絹義務教育学校

熊谷市選出の鈴木まさひろ議員(右)と。

養蚕業が盛んなエリアで、学年ごとに養蚕、織物を体験するようになっています。

 

 

202511 埼玉県議会文教委員会視察 小山市立絹義務教育学校

文教委員会一同で記念撮影しました。


文教委員会視察(1) — 栃木県立 学悠館高校

さて、ただ今、私は、県議会において文教常任委員会に所属し、副委員長を務めております。

 

この度、栃木県内の学校を2箇所、視察してまいりました。

 

 

1箇所目は、栃木県立 学悠館高校です。

全日制・定時制・通信制をシームレスに行き来できる「フレックス制」+単位制を採用した学校で、多様な教育ニーズに応える柔軟な体制が特徴です。

定時制、通信制というと、一昔前のイメージだと、「勤労学生が、昼間は働き、夜や休日に勉強している」という感じがしますが、今はそのようなことはありません。

昼間にフルタイム正社員として働いている学生は、ほとんどいないそうです。但し、バイトしている学生はたくさんいます。

全日制、定時制、通信制と、区分はあるのですが、学校と相談の上、変更することが可能です。

 

 

多様な学びのスタイルに対応することで、「学びのセーフティネット」として機能しているとのことです。

 

 

全国的に小・中学校段階の不登校が増加傾向にあります。

かつては「登校させる」ことを目指す教育指導・施策が取られていましたが、今は「不登校も一つの多様性」と捉える価値観へと変わりつつあります。

不登校が、悪いこと、ネガティブなもの、と捉える考え方は、すっかり過去のものになりました。

 

学悠館高校では、初等教育段階で不登校経験のある生徒も多く在籍しております。

柔軟な受け入れ体制の下、学び直し・やり直しの場としての役割を果たしていました。

 

管理教育全盛期に学生生活を過ごした私としては、頭では理解していた「学びのセーフティネット」の、リアルな現場で肌で感じられる貴重な機会でした。

 

今後もますます不登校児童・生徒が増えていくのであれば、フレックス制への教育需要も増えていくことになります。

 

 

202511 埼玉県議会文教委員会視察 栃木県立学悠館高校

校長、教育委員会から説明をお聞きしました。

 

202511 埼玉県議会文教委員会視察 栃木県立学悠館高校

校舎の様子。

 

 

202511 埼玉県議会文教委員会視察 栃木県立学悠館高校

廊下にて。

 

 

202511 埼玉県議会文教委員会視察 栃木県立学悠館高校

文教委員会一同で、記念撮影しました。


蕨市総合防災演習

令和7年(2025年)11月16日(日)に、中央小学校において開催されました。

 

 

「毎年同じことやっているんだな」と感じる方もいるかもしれませんが、少しずつ変化・進化している部分もあります。

 

私は、市議会議員時代から、この14年間、毎年参加しております。

毎年参加しているからこそ、少しずつ変化している様子もよく分かります。

 

他方で、十年一日の惰性の如く、無駄で無意味なことを繰り返している部分もあります。

各方面から繰り返し批判して改善提案をしても変わりませんね。

 

20251116 蕨市総合防災演習

市内の各自主防災団体(事実上、=町会です)が、会場に避難してくるという訓練。

これが無駄の最たるものです。

 

地震、火災、水害などの災害時に、自主防災団体ごとに集合した上で、市内に一箇所しかない避難場所に集団で移動して避難する、という状況は、あり得ません。

そもそもそのような状況は、全く想定されていません。

避難場所は、市内各地区に存在し、それぞれ個人ごと、家族ごとに、任意の避難場所(その場の状況に応じて、自分たちが行きたい避難場所)に避難することになっています。

 

訓練の中では、すべての自主防災団体が、演台に立つ市長に向かって敬礼をして、「●◯自主防災会、◯名、無事に避難しました―っ!」と報告するという趣向になっています。

クッソくだらないですね。

災害に備えることではなく、市長に向かって挨拶させることが目的となっております。

長年に渡り「くだらないので、止めましょう」という改善提案がなされていますが、一向に改まる気配がありません。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

中央1丁目旭町町会長の須賀敬史 前県議。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

校舎にて火災が発生したという想定で、蕨市消防本部の消防車が登場しました。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

指揮本部が設置されます。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

燃え盛る校舎内に、要救助者が取り残されています(という想定)。

ハシゴを設置して、消防士が建物の二階に乗り込んでいきます。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

消防士がロープからぶら下がっています。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

放水が始まりました。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

消化器による初期消火訓練。

プロの消防士がレクチャーしてくれます。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

初期消火訓練を行うのは、市内の中学生有志による災害対策チーム、WSS(蕨supporting students)の皆さんです。

 

「消火器の使い方なんて知ってるよ」という人も多いかもしれませんが、繰り返し何度も訓練を行い、いざという時に慌てずに自ずと身体が動くようにしておくことが肝要です。

 

私も、市内の南町において、放火された自転車に出くわして、初期消火したことがあります。

マンション玄関前の歩道に止めたママチャリのサドルが燃え始めていました。

マンションロビー内の消火器が設置されていたため、それを用いて火を消し止めました。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

地震によって倒れた家具の下敷きになってしまった人がいます(という想定)。

クルマのジャッキを利用して、家具をジャッキアップし、救い出します。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

陸上自衛隊第32普通科連隊(大宮駐屯地)による土のう構築訓練です。

 

「こんなの簡単だよ!」と思う人もいるかもしれませんが、いざという時に備えて、訓練をしておきましょう。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

東京ガス、東京電力パワーグリッド、市内各水道工事会社などのインフラ系事業者も参加しています。

 

上記写真に写っているのは、東京ガスのエンジニアです。

 

地面に鉄の棒を挿します。この鉄棒は、パイプ状になっております。

ガス検知器をこのパイプに装着して、地中に漏れているガスを調べます。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

偵察用ドローン。

2022年の回から導入された偵察用ドローンは、今年も富士測地(株)さんへの外部委託体制で運用されていました。

一方で、蕨市消防本部はドローン内製化を進めており、今年度、機体を購入し、操縦士を訓練中です。

 

来年、2026年の蕨市総合防災演習においては初登場することと思います。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

消防団による放水訓練。

 

 

今回、登場しなかったものの、市内消防団において進められているのが、水害対応ボートの導入です。

今年度、消防団に救助用ボート4艇が新規導入されました。

現場の消防団員の方からは、

「分団倉庫にボートを入れるスペースが足りない。」という切実な話も聞きました。

 

尚、この水害救助ボートの市内配備は、私が平成27年(2015年)12月定例会の一般質問で要望していたもので、“10年越しの実現”となりました。

 

 

20251116 蕨市総合防災演習

関係者の皆様、お疲れ様でした。

 

 

【追記】

追加でもう一点、この「蕨市総合防災演習」の課題を記します。

 

このイベントには、在住外国人が参加していません。

蕨市内の在住外国人比率は14%に達せんとする勢いです。その良し悪し、我が国全体の今後の在住外国人受入方針をどうするかといった議論はさておき、現実的に市内在住者の14%が外国人であり、災害時には彼らも等しく被災します。

在住外国人にも演習への参加を求めるべきでしょうし、災害時に、言語コミュニティケーションが不可能な方々を相手にコミュニケーションを行う訓練を行っておくべきでしょう。