蕨駅をはじめとする、JR首都圏全駅ホームへのホームドア設置について

鉄道駅のホームは危険

昨年2017年1月に、蕨駅において、盲導犬を連れた全盲の方が、誤ってホームから転落し、電車に轢かれて死亡するという、とても痛ましい事故がありました。

毎日新聞 2017/1/15 : 埼玉・JR蕨駅の男性転落 転落の全盲男性死亡 ホームに駅員不在

 

駅のホームはとても危険です。

目が不自由な方のみならず、車イス利用者などのしょうがい者、足腰が弱った高齢者、子供にとっても転落の危険があります。

酔っ払いが落ちたり、自殺志願者が自ら飛び込む可能性もあります。

健常者でも、誤って落ちた時に打ち所が悪ければケガをするでしょう。

 

 

駅のホームドアの安全確保のための対策:ホームドアの設置

この種の、駅のホームの危険を減じて、安全を確保するための対策として、「ホームドアの設置」が有効とされており、世界の鉄道の主流となっています。

駅のホームドア 201601 東海道新幹線 東京駅

2016年1月、東海道新幹線 東京駅。

がっちりしたホームドアで、左右からするすると伸びてきて閉まる仕組みです。
東京駅は、全ての列車がかならず停車するはずなので、全ての車輌が低速でホームに進入してくるはずなのですが、ホームドアはしっかりと設置されています。

他方で、ひかり・やまびこ等がスキップするような新幹線駅においては、高速で車輌が通過するわけですが、未だホームドアが完備されていない駅もあります。

駅のホームドア 201712 那覇モノレール

2017年12月、那覇のモノレール駅。

 

次に海外を見てみましょう。

駅のホームドア 201703 台北 地下鉄

2017年3月、台湾の台北。地下鉄のホームドア。

日本の新幹線、那覇モノレールと同じように、人の胸くらいまでの高さのものです。

駅のホームドア 201606 広州 地下鉄

2016年6月、中共の広州。地下鉄のホーム壁。

駅のホームドア 201604 天津 地下鉄

2016年4月、中共の天津。地下鉄のホーム壁。

駅のホームドア 201603 台湾 高雄 地下鉄

2016年3月、台湾の高雄。地下鉄のホーム壁。

駅のホームドア 201603 ソウル 地下鉄

2016年3月、韓国のソウル。地下鉄のホーム壁。

駅のホームドア 201703 香港のエアポートエクスプレス

2017年3月、香港。エアポートエクスプレスのホーム壁。

駅のホームドア 201612 スペイン バルセロナ

2016年12月、スペインのバルセロナ。地下鉄のホーム壁。

 

以上のように、新しい鉄道路線においては、ホームドアと言うよりも「ホーム壁」が整備されています。車輌が通る線路の部分と、人がいるホームの部分は、完全に隔離されています。これは安全ですね。

クルマが縦に2,3台並べられるくらいの幅の広いホームを、「壁」で線路の部分と隔離するのが、世界の新しい地下鉄駅の設計の主流となっています。

 

尚、古い鉄道は、どこの国でもさっぱりホームドア設置は進んでいません。

根本的に、設計上難しいのだと思われます。

201605 ロンドンの地下鉄ホーム

2016年5月、英国のロンドン。地下鉄のホーム。

東京の地下鉄も同じですが、古い地下鉄は、人の動線設計はメチャクチャだし、駅のホームは狭くて新たにホームドアを設置する余裕がなさそうなところが多いです。

201604 平壌の地下鉄ホーム

参考として、2016年4月、北朝鮮 平壌の地下鉄。

車輌の長さは4輌。
アイランド式のホームは天井が高くて幅広で真っ直ぐなため、見通しがよいです。

201604 平壌の地下鉄ホーム

やる気なさそうな駅係員がホームに常駐して監視しています。
いくらスタッフがいても、人が落ちてすぐに発見することは可能ですが、転落を未然に防ぐことは出来ません。ましてや、車輌が進入してくる直前に人が転落したら、救い出すことは不可能です。

やはり、ホームドアもしくは「ホーム壁」に勝る安全対策はありません。

 

 

蕨駅へホームドア設置を要望していた

行政当局も、市議会も、「ホームドアの設置」を要望していました。

蕨市議会 webサイト : 議員提出議案第2号 蕨駅に早期にホームドアを設置し安全対策を求める意見書

基本的に、駅の安全対策に責任を負うのは、鉄道運営会社であるJR東日本です。
ホームドアを設置する主体も、JR東日本です。

この意見書は、「早期のホームドア設置」を求めるものですが、ホームドア設置はあくまでも手段です。
目的は、「駅の安全対策の確保」です。そのために「ホームドア設置」がベストであろうと考えたからこそ、ホームドア設置を求めたわけです。

 

 

JR東日本:首都圏の全駅にホームドアを設置することを発表した

毎日新聞 2018/3/8 : JR東日本 首都圏全駅にホームドア 32年度末までに

つい先日、JR東日本は、2032年度末までに首都圏の主要24路線の全243駅にホームドアを設置することを発表しました。2032年度というとだいぶ先の話ですが、全ての駅にホームドアを設置するとなると、それだけ規模の大きな案件だ、ということです。

また、合わせて、JR東日本が今後新たに設置するホームドアは、町田駅で試行・実用化実験を行っていた、新しいタイプの「スマートホームドア」とすることを発表しました。

朝日新聞 2018/3/7 : JR東、ホームドア大幅増へ 今後15年で243駅に

朝日の記事によると、従来型と比べると、大幅に軽量化されるため、費用は半額、工期は4割短縮できるとのことです。

ホームドアというものは、素人が想像する以上に重い物であるため、駅ホームの構造によっては構造補強が必要になるため、かなりお金がかかります。また、列車運行を止めて工事を行うわけにはいかないため、工事期間もかなりかかります。
(後述のように、蕨駅の場合は12億円、2年間)

軽量化よる、費用減・工期短縮によって、それだけ首都圏全駅ホームの安全性の確保が早く実現するわけですから、素晴らしいことです。

蕨駅のホームは危険であり、実際に不幸な事故も発生しましたが、危険なのは蕨駅のホームだけではありません。
私は蕨市の議会議員ですが、蕨駅のホームだけが安全になれば他の駅はどうでもいいとは思いません。

一部には、「従来型と比べると、スマートホームドアは簡易な造りに見えるので不安だ」という意見もあるようですが、安全性が確保出来ないわけではありませんし、首都圏全駅の早期の安全性確保を実現するスマートホームドアは歓迎すべきものと考えます。

このJR東日本が開発したスマートホームドアの技術が、他の鉄道会社や、世界中の古い鉄道路線に広まって、一件でも不幸な鉄道事故が少なくなることを望みます。

 

 

蕨駅のホームドア設置:平成30年度から2年間で工事を行い、総工費12億

蕨駅のホームドアは、JR東日本が主体となり、来年度 2018年度から2年間で実施することとなりました。

総工費は12億円とのことです。
え!そんなにかかるの!とビックリした方が多いのではないでしょうか。
蕨駅の場合は、古い構造の駅であるために、構造補強が必要だから規模が大きくなってしまうのだそうです。

この12億円の総工費に対して、2年間で1億20百万円を市・県で補助することになっています。

平成30年度 蕨市当初予算(案)概要書より

来年度 2018年度は、7百万400千円が補助金として、ただ今開会中の3月定例議会に予算案として上程されています。
7百400千円のうち、半分は県が負担します。
(一旦、県が市に支払い、市がまとめてJRに支払う流れを取ります)


高齢者が加害者となる、不幸な交通事故を防ぐために

新年早々、気分が暗くなるような、高齢者が加害者となる交通事故が幾つか発生しております。

毎日新聞 2018/1/9 : 自転車の女子高生2人、はねられ重体 前橋
NHK 2018/1/12 : 1歳女児はねた疑い 男を逮捕

報道だけからは、事故の詳細は分かりませんが、どうも、上記2ケースともかなり悪質なものです。
他にも様々なパターンがありますが、認知症ではなく、身体能力・運動神経などが加齢によって衰え、AT車のアクセルとブレーキを踏み間違えてクルマを急発進させてしまうことによる事故は、近年、多数見受けられます。

定量的な調査をしたわけではなく、あくまでも印象論ですが、ここ数年、急激にこの種の事故が増えたような気がします。

 

推測ですが、高齢者による事故率が近年急激に増えたわけではなく、高齢化の進展に伴い、高齢者の母数が増えたことによって事故件数が増えたのではないかと思います。
核家族化の進展に伴い、従来ならば、同居家族が面倒をみてくれていたために自ら運転する必要がなかったような高齢者が、自分で運転しなくてはならないケースが増えたことも、一つの理由かもしれません。

高齢化が理由であるならば、益々高齢化が進む今後は、今のままだと、事故件数も更に増え続けていくことは間違いありません。

 

 

昨今、急激に世界中で技術開発が進められている、自動車の自動運転が実用化されれば、ある程度はクリアされるかもしれませんが、高齢者が加害者となる不幸な事故は、毎月のように発生している目の前の課題であり、新しい技術の実用化を気長に待つ余裕はありません。

 

この問題について、市町村レベルでできることも幾つかあり、その一つは、
・高齢者に運転免許証の返納を呼び掛けること。
です。

運転免許証は、有効期限が来る前に、高齢者自らが、「身体能力・運動神経が衰えてきて、危険なので、もうこれからは運転しない!」と宣言し、返納することが出来ます。

埼玉県においては、運転免許証と引き換えに、顔写真付きの運転経歴証明書を発行する仕組みがあります。

埼玉県警:運転免許の自主返納 考えてみませんか(PDF)

免許証は、顔写真付きの公的身分証明書として使える数少ないものなので、なくなると困る、という方も多いでしょう。
(パスポートは毎日持ち歩くには大きいし、保険証は顔写真がついていないし)
免許証を返納しても、運転経歴証明書は、公の身分証明書として認められますし、その後引っ越したとしても、新たな住所で再発行してもらうことが出来ます。

また、市町村によっては、タクシー券、バス券、その他商品券の類などをインセンティブとして付与しているケースもあります。

 

地方都市の場合は、最寄りのスーパー・商店街までクルマで何十分もかかるようなこともあるのかもしれませんが、蕨市は、平地ばかりで坂がなく、市内のどこに住んでいても最寄り駅、最寄りスーパー・商店街まで自転車・徒歩で移動できる範囲内にありますので、クルマがないと生活が成り立たない、ということはあり得ません。

 

行政として、様々な高齢者との接触機会を捉えて、運転免許証の返納を促すようにと、2016年12月定例議会の一般質問で取り上げたところです。

hoya_t blog 2016/12/16 : 蕨市議会 2016年12月定例会が終わりました。

 

 

ところで、つい先日、地元の交通安全に関わるボランティア団体の新年会があったのですが、75歳以上の方が運転免許証を更新する際の、認知機能検査が話題に挙がりました。

警察庁webサイト : 認知機能検査について

この認知機能検査の趣旨は、認知症の疑いがあるかどうかの一次チェックを行い、疑いがある場合は医師の診断を経て、認知症であると診断された場合には、聴聞等の手続きの上で運転免許を取消または停止する、というものです。
身体能力・運動神経の加齢による衰えをチェックするものではありません。あくまでも、認知症の方の免許更新を防ぐためのものです。これは、交通事故を防ぐためであり、被害者を出さないため、本人が加害者になることを防ぐためのものです。

件の新年会の参加者のお一人が、75歳を過ぎて2回目の免許更新で、2回目の認知機能検査を無事クリアできてよかった!というエピソードを冗談めかして紹介されていたのですが、2回目なので、やり方も仕組みも理解しているので、緊張もせずに簡単にクリアできた、とおっしゃっていました。

その方は、高齢になってもなお、心身の健康を維持できているわけで、素晴らしいことだと思います。

 

 

その話を聞いて、私自身が、75歳を過ぎて、認知機能検査を受ける立場になったら、どうだろうか?と考えたのですが、何としても検査をクリアできるように、念入りに準備をして臨むだろうし、万が一、検査に落ちてしまったら、まるで今までの人生を否定されたかのようにガックリと落ち込むだろうな、と。

自分と同い年の○☓君や、年上の★△さんは合格したのに、自分は落ちてしまった!となったら、本当に悲しくなるだろうし、「いや、この検査はやり方がそもそもおかしいんだ!」と、検査の結果を受け入れられないかもしれません。

検査に合格したとしても、身体能力・運動神経の衰えを理由に免許の返納はしたくない!と考えるかもしれません。

「生まれたときから加齢が始まる」、「二十歳を過ぎたら身体能力は少しずつ衰えていく」というような言い方をすることもありますが、人は誰しも、加齢による衰えは認めたくないものです。

私も最近、白髪が少しずつ目立ってきたのですが、やはりショッキングであります。

 

 

かように考えると、自主的な免許返納は、難しいかも。
認知症でなくとも、身体能力・運動神経の検査、あるいは、一律に年齢での線引きによる、何らかの強制力を伴った返納制度(取消制度)を検討することも必要かもしれません。

産経新聞 2018/1/13 : 【主張】高齢者の運転免許 強制返納の仕組み検討を

 

交通至便な蕨市の場合は問題になりませんが、地方都市においては、クルマがないと生活が成り立たない!という場合もあるかと思います。
だからといって、毎月のように発生する、高齢者が加害者となる不幸な交通事故を、社会的コストの一つとして許容し続けることは、もはや不可能だと考えます。


蕨市内で、眼鏡店にクルマ突っ込む

先日、2017年10月28日(土)、驚くべきニュースがありました。

朝6時台に、蕨市内の眼鏡店に、クルマが突っ込んだとのこと。

FNN 2017/10/28 : 眼鏡店に車突っ込む ドライバーが逃走中
テレビ朝日 2017/10/28 : メガネ店に車突っ込む 運転手どこに? 埼玉・蕨市

上記リンク先ページの動画を見ると分かりますが、蕨市塚越のメガネフラワーです。
グレーのクルマは、2000年台初頭の型のトヨタ セルシオかクラウンのようで、川口ナンバーです。
お店に突き刺さっている向きから想像するに、南側から北向きに走っていて、右側にハンドルを切ってお店に突っ込んだのでしょうか。

土曜日で、時間帯が早かったこともあり、けが人がいなかったのが幸いです。

不思議なのは、ドライバーがそのままクルマを置いて立ち去ったという点です。クルマなんて、すぐに所有者が誰かバレてしまうはずなのに。

 

このニュース、その後の続報がありませんが、犯人は見つかったのかな?
まったくのナゾであります。

昨日10月31日(火)に現地を視察しました。
(週末に足首を捻挫してしまい、今、歩行困難なため、現地を訪れるのが遅くなってしまいました)

お店は、ベニヤ板を貼って応急処置を施した上で、平常営業中でした。

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ところで、この並びにはぎょうざの満洲があり、私も好きでよく行きます。
たまたま小腹がすいたので塩ラーメンと餃子をいただいたのですが、隣りに座った方が「塩豚丼を、豚抜きで」というオーダーをなさっていて、とてもビックリしました。
工工エエェェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェエエエ工工


春の交通安全運動出発式がございました。

昨日2017年4月6日(木)、イトーヨーカ堂錦町店におきまして、春の全国交通安全運動 出発式がございました。

私は、交通安全協会の一員として参加致しました。

20170406_春の交通安全運動出発式

皆様、交通事故に気をつけて、安全運転の励行をお願いします。

関係者の皆様、お疲れ様でした。


蕨市錦町6丁目地内の、県道朝霞蕨線の付け替え工事

以前より工事が進められていた、この箇所、2016年3月7日(月)に付け替え工事を行うということで、日付がfixしたそうです。

マップ上の北側の道が、現在の(古い)道。
南側の道が、新しい道。

現在の(古い)道は、歩道が狭い上に、くねっっと曲がって見通しが悪い道路でした。

新しい道は、クルマにとっては走りやすくなるはずなので、交通量は増えるかもしれません。
交通量が増えること自体は、良い面も悪い面もあります。

 

本日、現地を見に行ったところ、急ピッチで工事が進められていました。

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マップ上の西南端の角の交差点。
交通信号を新設するたの杭打ち工事がまさに行われんとしておりました。

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舗装をしています。

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幅の広い歩道が確保されています。


蕨のコミュニティバス

さて、昨日2015年6月17日(水)より、蕨市議会2015年6月定例会が始まっております。
初日は単なるセレモニーみたいなものなので(但し、市長演説の中に重要な初出のインフォメーションが含まれる場合もある)、あっさりと30分くらいで終了。

ということで、今回の定例議会で何を一般質問のテーマとして取り上げるか諸々調べ中です。

 

市長・日共がコミュニティバスの1台増設を目指している

蕨市webサイト : 頼高市長3期目のマニフェスト(PDFファイル)

日本共産党籍を持つ共産主義者の頼高英雄市長は、3期目の公約の一つして、
・ぷらっとわらびのルート拡充(4台運行、逆回りなど)(4年以内)
を掲げている。

今までの議会の中で日共議員が主張してきたことでもあるし、他の日共議員が、この度2015年5月の市議選において署名集めを行っていたことでもある。

現在のコミュニティバスに関わる予算(市の出費)は年間4,000万で、1台増設すると+1,500万らしい(後述)。

おそらく、市長は、来年2016年度か、2017年度か2018年度の予算案に、前年比1,500万円増を盛り込んでるものと思われる。

個人的には、小さな政府が好きだし、市長の思惑をそのまま通すのも癪に障るので、何らか反対・批判のロジックが組めないかどうか調べてみた。
この時点では、正直、「反対のための反対」みたいなもんです。
ちなみに、私はこの蕨のコミュニティバス、使い勝手が悪いので、一度も乗ったことがない。

そういえば、私も、市議会議員1期目の選挙の時の政策案として、
・戸田市のコミュニティバスとの共同運行
みたいなことを唱えていたような気もするが、それは取り敢えず棚に上げておきますw

 

蕨のコミュニティバスの現状

2002年にサービスインした。当時、どういう経緯でどのような議論を経て導入が決まったのかは知らない(そこまでは調べてない)。
ブランド名は、ぷらっとわらび。

車輌は3台で、3路線。

基本的にコミュニティバスのモデルは、単体で収支均衡をそもそも想定しておらず、市の一般会計で赤字補填をしている。
2015年度年間予算(赤字補填総額)は、40,784,000円。
7.2万蕨市民の一人当たりで言うと、せいぜい550円とかそのくらい。

1台増車すると、+1,500万かかるらしい(内訳不明だが、人件や車輌リース代など一式だと思う)。
対して、売上(運賃収入)は、800万。

年間乗客数は、
2008年 162,770人
2009年 166,672人
2010年 164,334人
2011年 165,831人
2012年 184,193人
2013年 198,255人

75歳以上の人に無料パスが発行されている。

 

コミュニティバスの歴史的背景

バス、電車、飛行機、船などの公共交通は、本来ならば市場に委ねるべきなのだが、市場がカバーできない場合、あるいは資源の再配分の一環として、行政が赤字補填し続けることを前提に直営でバス経営を行うことがある。
その目的は、過疎地や、街中の道路狭隘地区などの交通空白地域や、病院への通院ルートの確保、高齢者・障がい者などの交通弱者対策など。

このモデルは北欧あたりから始まったものかと勝手に考えていたのだが、どうやら1995年にスタートした武蔵野市のムーバスが初らしい。ここは、1998年には早くもEBITDAベースで(車輌の減価償却を除いて)黒転している。

行政サービスのモデルには、ビジネスモデルのように知的財産権はないので、どこかで成功事例が生まれたら、他の自治体も競うようにパクりまくる。
今では、全国津々浦々にコミュニティバスが走り回っている。

武蔵野市のように黒字化しているところは例外的で、ほとんどの自治体のコミュニティバスが、自治体の財政から赤字補填を受け続けている。

利用者にとっては、市場原理を無視した激安のプライシングなので、当然、「ありがたい」、「バス路線があって良かった」という高評価になりやすい。
運営経費は、市の財政から赤字補填しているわけだが、広く薄く負担しているわけだから、そんなに大した金額ではない。批判の声が高まることはほとんどない。
いったん運営を始めると、財政難などの特別な理由がない限り、途中で辞めることは政治的に難しい。

 

結論

民間のバス事業者、タクシー事業者への民業圧迫という視点などで攻めてみようかと思ったが、正直、ロジック的にかなり無理がある。

金額はわずか4,000万円ほど、1台増車しても5,500万円ほどで、蕨市の一般会計226億の中では、ごくごくわずかに過ぎない。

市民が得られている効用を定量化することは難しいし(というか面倒なのでそこまではやってない)、現状の路線・台数・ダイヤが最適化されたものなのかどうかは分からないが、取り立てて問題視して廃止・縮小・増車の反対を唱えることは、難しい。

高齢者、障がい者などの交通弱者に対する資源の再配分という視点から見れば、しっかり役割を果たしている、とも言える。

ということで、今回取り上げて「反対のための反対」をやることは止めましたw
1台増設の予算案が出てきても、賛成することになると思います。


柏市に、交通政策の視察に行きました。

2014年1月23日(木)、埼玉県南都市問題協議会の視察ツアーとして、千葉県柏市に交通政策の視察に行ってきました。

県南都市問題協議会は、蕨市、戸田市、川口市の市議会議員から構成される組織です。

柏市の交通問題概要

新卒で入社したニチメン(当時の社名。今は双日)の独身寮が流山市(最寄り駅は南柏)にあって、2年間住んでいました。寮の裏手の雑木林を抜けるとすぐ柏市という位置にあり、よく雑木林を抜けてカレーを食べに行ったり、バイクでぶらぶらパトロールしたりしておりましたので、柏市についてはかなり土地鑑があります。しかし、つくばエクスプレスが開業し、東大柏の葉キャンパスが開業して、今まで何もなかった場所に人工的に新しい街が出来上がり、当時と比べるとかなり変わった部分もあります。

柏市の交通問題の特徴は、幾つかの問題が、すべて市内で完結している点です。

例えば、蕨市であれば、埼京線のラッシュ時増発・終電の延長などの交通政策を考えるに当たり、蕨市単体で考えて実行することは出来ません。沿線各自治体との調整が必須となります。
柏市も蕨市と同じようにベッドタウンであり、常磐線・千代田線に関わる沿線各自治体と共同で当たらねばならない問題もあるのですが、以下のような大きな交通政策上の課題は、全て市内で完結するものとなっています。

  • 柏駅中心の商業エリアの駐車場へのクルマの誘導・渋滞回避
  • 人口流入が続く柏の葉住人(今後、東大生が大幅に増える)の利便性向上
  • 農村地帯である旧沼南町エリアの公共交通を維持しつつの低コスト化

 

柏市の交通政策の体制

これが大きな特徴で、柏市と東京大学の都市工学系研究室とが全面的に提携して、様々な社会実験が出来る体制が出来上がっています。
これは真似するのは無理。

 

柏市の具体的交通政策・実験

  • 柏駅中心の商業エリアの駐車場へのクルマの誘導・渋滞回避

柏辺りは、まさに蕨市と同じく、中途半端なクルマ社会なので、保有率も高く、週末はクルマで出かける人が多い地域です。柏駅中心には十分な駐車場の量は供給されているものの、高島屋などの一部の商業施設に需要が偏ってしまっており、交通渋滞を招いている点が問題となっています。

対策としては、このエリアにやってくる全てのクルマ(運転手)のスマホアプリからGPS情報を吸い上げ、全駐車場のリアルタイムな空き情報を吸い上げた上で、駐車場を探しているクルマに最適な駐車場に誘導するような仕組みを作りたい、そしてユーザのデモグラフィックデータと購買トランザクションデータを結びつけてビッグデータ分析系ビジネスを作りたいという構想があるようですが、暗礁に乗り上げているとのことです。

まあ難しいでしょう。少なくとも行政が主導でやることではないでしょう。地元の商業界が音頭を取ってやればうまくいく可能性はあります。それも、政治力を持っているだけで集客力も駐車場供給力も小さい小さな商店主ではなく、集客力が大きく大口駐車場サプライヤである高島屋が音頭を取る必要があります。もしくは、駐車場誘導に関しては、タイムズのような既に会員システム・ポイントシステムを保有している駐車場運営管理会社に、この地域の全駐車場のアグリゲーションを委託する、というやり方もアリかと思います。
その際の課題は、
・ユーザにアプリをインストールさせ、会員登録させ、GPS情報を吸い取らせるパーミッションを取るためのインセンティブ設計。おそらくポイント制度を作ることになるのだろうが、もちろんそのためにはポイント付与原資が必要。
・西口の高島屋にやってきたクルマ(ユーザ)を、東口の空いている駐車場に誘導した場合の、双方でのお金のやり取りをどうするかという制度設計。
ビッグデータ分析系ビジネスとかは先走り過ぎです。

  • 人口流入が続く柏の葉住人(今後、東大生が大幅に増える)の利便性向上

人工的に出来た街で、言うならば私が大学時代に住んでいたつくばみたいな街なので、住人はかなり不便な状況だと思います。例えば大学生であれば、イオンなどの郊外型ショッピングモールにちょっとした買い物に出かけたり、バイトに出かけたりするために数kmの移動が必要で、こういう場合にエンジン付きの乗り物が必要となります。この政策問題のターゲットは、大学生と新住民で、これらのユーザがクルマを所有すれば不便は解決するのだが、環境問題を考えると、出来るだけクルマを所有しなくても不便を感じなくて済むようしよう、というのが課題です。

対策として、電気自動車、電動バイクと電動自転車のカーシェアリングをサービス提供しています。

面白いのですが、ビジネス的にはペイしていないとのこと。
乗り捨てを許す仕組みとしているために、運営者が、車輌を溜まってしまった車庫から空いてしまった車庫に移動する管理の手間がかかる上に、車庫を大量に確保しなくてはならないので、賃借料がたくさんかかるとのこと。

欧州では、クルマの路上駐車が違法でない場合があり、そういう場所では20万規模の都市でもカーシェアリングがビジネス的にペイするものの、我が国では無理だろうとのこと。

そういえば、タイムズのカーシェアリングって利益出ているのかな?
IR資料見てみよう。私も何気に会員登録しているのだけど、一度も使ったことありません。放送大学の学籍を持っているゆえに学生会員なので、月会費がタダなんですよねw


スマートの電気自動車


電動バイク


駐車場に設置された、管理ボックス。
乗るときはここでカードをかざしてボックスを開け、鍵を取り出す。
返却するときも同じ。

 

  • 農村地帯である旧沼南町エリアの公共交通を維持しつつの低コスト化

民間のバスが撤退し、市営のコミュニティバスを運営していたものの、それもコストがかかりすぎて大変なので、オンデマンドタクシーのシステムを作りました。

市営コミュニティバスというのは蕨市でも運営していますが、民間バス事業者がビジネス的にペイしないにも関わらず、市民の利便性を増すために行政が敢えて経営しているバス事業なので、当然赤字となっています。(逆に、そのバス路線が黒字になるのであれば、行政が直営するのは民業圧迫となりますので、行政は撤退して民間に任せるべきです。)

旧沼南町エリアのコミュニティバスは、乗客一人当たり1,907円のコスト(=行政からの赤字補填)がかかっていたところ、オンデマンドタクシーにしたことで、893円に半減することが出来たとのことです。これは素晴らしい。