蕨市からも新型コロナ感染者が出ましたが、皆様、落ち着いて行動を。

先週終盤から昨日にかけて、蕨市立病院の医療従事者(2名、ともに市外居住者)と、蕨市民(1名)からも初の感染者が出ましたが、とにかく落ち着いて行動してください。

この事象によって、皆様の感染リスクが急激に上がるわけではありません。

感染リスクは、今までもありました。
これからもあります。
そして、皆様ご自身が、既に感染していて(かつ、発熱や咳などの臨床症状がない状態で)、誰かを感染させる可能性もあります。

今まで同様、とにかく出来るだけ「お家にいる」ようにしてください。

 

 

 

デマ・憶測に惑わされず、一次情報を探して読みに行く努力を

私は市議会議員なので、マスメディア等での発表よりも若干早く情報が入ってきますが、今後は、私から速報を流すことは一切致しません。

情報は、極力、一次情報を参照してください。

マスメディア・ソーシャルメディアの情報を閲覧する場合は、デマや憶測に惑わされないように、信頼できる情報発信者なのかどうか慎重に見極めてください。

 

冒頭で書いた3例に関して言うと、

埼玉県webサイト:
https://www.pref.saitama.lg.jp/a0701/shingatacoronavirus.html

蕨市webサイト:
https://www.city.warabi.saitama.jp/

蕨市立病院webサイト:
https://www.city.warabi.saitama.jp/hospital/index.html

 

これらの一次情報を直接見に行くように。

役所の文章なので、探しにくく、読みにくいのですが、手間を惜しまないでください。

 

 

屋外だから感染リスクが低く安心だ、と思わないように

この週末は天気が良く、私も彩湖、荒川サイクリングドーロとジョギングをして回りました。

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野外の広い公園、河川敷と言えど、人の動線というのは限定されており、どうしても遊歩道、広場・駐車場の出入り口、トイレの周囲などは人が集中することになります。

特に土曜日(11日)は天気が良く、彩湖にはわしゃわしゃ人がいました。
シートに座ってお弁当を広げてピクニックをしているグループも、そこかしこに見かけました。

屋外だからといって、いわゆる三密を確保しないと、もちろん感染リスクは上がりますので、ご注意を。

 

 

専門家に任せよう、感染者の個人情報を詮索しないようにしよう

新型コロナウイルスに関して、医学的な面で素人に出来ることは、ほとんど何もありません。

出来るのは、

・家にいること。
・手洗い・うがいをしっかりやること。
・マスクをすること。

くらいです。

 

冒頭で説明した蕨市からの感染3例が告知された後、

・どこに住んでるの?
・誰??
・どういうルートで通勤してたのっ???

というようなヒステリックな反応が見受けられました。

感染経路調査は、感染症対策の基本中の基本です。
専門家がしっかり対応していますので、任せましょう。

 

 

また、個人情報を詮索するのもやめましょう。

この新型コロナウイルスには、医療従事者がこれだけ大量に感染しているのです。
誰でも感染するリスクはあります。

感染したからと言って、感染者が悪いわけではありません。
(もちろん、カラオケに行って浮かれ騒いで濃厚接触していた、とかは論外なのですが、それはまた別の話として)

感染者、感染が発生した組織・機関を非難すると、感染者は、感染経路を隠すようになるので、感染経路調査に差し支えるようになり、結果として感染拡大を促進してしまいます。

 

Yahoo!ニュース 2020/4/11: 感染者たたき、感染者の謝罪は自分たちの首を絞める 岩田教授に聞く「誰でも感染する」怖さ

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200411-00010000-ytokushu-life&p=1

岩田健太郎医師の話は傾聴に値するものです。
直接読んでみてください。

 

 

医療従事者へのリスペクトを

ありがとうございます!
心から感謝。


蕨市の小中学校は、4/8(水)に入学式・始業式を行う。4/13(月)から授業再開する。

蕨市の学校の再開の予定

今時点、すなわち、先週末の、令和2年(2020年)4月3日(金)時点では、

 

https://www.city.warabi.saitama.jp/kurashi/anzen/1005558/1005588.html

4月8日(水)入学式・始業式を規模を縮小して実施。
4月9-10日(木金)は休み。

4月13日(月)から授業再開。

 

ということになっております。

 

<新型肺炎>学校の再開…市町村で対応まちまち さいたま、5月6日まで休校 川口は20日から

新型コロナウイルスの感染拡大防止策で県教育委員会が学校再開に向けた方針(13日からの再開目指す)を示したことを受け、県内市町村も3日、所管の小中学校などの再開方針を発表した。県に準じて13日からとす…

埼玉県の県レベルの教育委員会の判断に倣ったものです。

概ね、この手のものは、上位組織の判断に倣って横並びとするのが、組織経営の上では最適な手法です。
どのような批判を受けても、あるいは、何か問題が生じても、エクスキューズしやすいですからね。

この期に及んでも、
・早く授業を再開してくれないと、勉強が遅れてしまうので困る。
・子供が家にいると、仕事や家事に差し支えるので困る。
といった、学校再開待望論がたくさんありますので。

 

 

それにしても、危機におけるリーダーは大変ですね。

危機において求められるリーダーシップは、平時とは異なります。

 

 

 

小中学校再開についての判断する主体

これ、私はちょっと今まで勘違いしていたのですが、市町村の首長ではなくて、それぞれの市町村の教育委員会/教育長なんですね。

つまり、どういうことかと言うと、教育は、政治から独立しているべきものなので、首長も議会も、口を挟むことは避けるべき、ということです。

 

ということを踏まえた上で、もし仮に私が蕨市の小中学校の再開の是非について判断するべき立場にいるとしたら、以下のようにしますね。

・入学式は延期。
・授業再開もしない。

(仮に再開時期をGWくらいと設定して、さらなる延期も視野に入れる。入学式は、再開後に実施する。夏になるか、秋になるか、冬になるかもしれないが)

 

オンライン授業ができれば理想ですが、まだ蕨市の小中学校にはそのインフラは整っていないので、現実的には無理でしょう。自宅に環境がある子だけを対象にするわけにもいかないし。

 

授業が何ヶ月もストップしたら、当然勉強は遅れてしまいます。

でも、今の局面は、もはやそんな事を言っている余裕は寸毫もありません。

 

 

 

 

 

種々の情報から判断するに、我が国の医療は崩壊寸前です。

朝起きたら、ニュースサイトを開くのが怖くてたまりません。
新しい情報が入ってくるたびに、気持ちが悪くて吐きそうです。

 

医療が崩壊したら、たとえ新型コロナに感染していなくても、平時においては何でもないようなちょっとした病気やケガでも、適切な医療を受けることができずに命を落とすことになりかねません。

特に、
・お年寄りがいる家庭
・基礎疾患を持った人がいる家庭
は、子供も含めて、全員が気をつけてください。

 

リコメンドするわけではないし、その結果がどうなろうと(内申書が悪くなるとか)責任は取れませんが、「学校が再開しても、子供を学校に通わせない」というのも、一つの判断だと思います。

 

 

 

今、出来ることは、ただ、家にいることだけです。

みんな、家にいましょう。

免疫・体力を高めて、何としても生き延びましょう。

メンタルのケアにも気をつけてください。

 

 

【2020/4/7 10:00 追記】

この記事の後、国による緊急事態宣言の事実上の予告が出され、
・4/8 入学式・始業式
・4/13 授業再開
ともに、延期(期限を設定せず)が決まっております。

状況は刻々と変わっている上に、様々なデマ・フェイクニュースが乱れ飛んでいます。

極力、一次情報を確認してください。


蕨市議会から、市に新型コロナウイルス対策の要望を出しました。

市議会の総意として、市長に対して(行政当局に対して)、令和2年(2020年)4月3日付けで要望書を出しております。

蕨市議会からのお知らせ

当サイトではJavaScriptを使用しています。検索機能を利用するためには、JavaScriptをonにしてください。 本文へ移動 令和2年 4月 3日 蕨市長   英 雄 様                                                  蕨市議会議長 前 川 やすえ                新型コロナウイルス感染症に関する市の対応についての要望書

内容は、↑ こちらのページの通り。

 

大雑把というか、おおまかな、当たり前な感じの内容です。

もちろん、議会内部での議論の過程では、もっと細かく、具体的な話もたくさん出ました。

・全会派の一致を前提として意見を集約した。
・時々刻々と状況が変化するので、じっくり話し合うのではなく、スピード重視でまとめた。

という理由のために、このような内容になっております。

 

 

 

それにしても、私個人的には、新型コロナ、本当に怖くてたまりません。

私は、打たれ弱くて、それほどメンタルは強く無く、ストレスにも弱い方なのですが(と、自己分析しています)、本当に頭がおかしくなりそうです。

戦争ならば、いい。
戦争には、大義がある。
守るべきものを守るための死ならば、受け入れられる。

でも、新型コロナなんかでは死にたくないし、大切な人たちを失いたくはありません。

 

皆様、家にいましょう。

医療従事者以外にできることは、家にいることだけです。


「家にいる」ということの意味

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、「家にいよう」ということが唱えられております。

 

これは、もちろん、

  • 自分が感染しないように。
  • 自分が誰かに感染させないように。
    (本人が気づかないうちに感染していて、かつ、発症していない、という場合があり得る)

というのが目的です。

 

 

しかしながら、これに加えて、

  • 外出した結果、万が一、事故・ケガに遭ってしまい、医療リソースを無駄に消費しないように

という目的もあるんですね。

 

 

「他人と接触しなければいい」、
「密閉空間であるクルマで出かけて、ドライブしてくるだけなら大丈夫」、
「人があまりいない山登りなら、問題なし」

と考えがちです。

実は、私もこう思ってました。

しかしながら、外出する以上、どんなに注意深く行動していても、本人の責任に依らない「もらい事故」のようなものもあり得るわけで、事故・ケガのリスクはゼロではないのです。

 

[Flat Track Friday!!] 眼前に迫る “人類が勝たねばならない総力戦” へ、マシンにカバー被せて立ち向かいましょう。#RidersAtHome – LAWRENCE – Motorcycle x Cars + α = Your Life.

“スロットルを閉じ、マシンを降りることで救える命がある” ・・・去る3月31日にFIM: 国際モーターサイクリズム連盟が掲げた、世界的流行を見せるCOVID-19の病渦に対抗する #RidersAtHome という動きをご存知ですか?不謹慎とか自粛とか、そういった観念的な意味合いを超え、プロ・アマを問わず全てのライダーが冷静に受け入れるべき、”今そこにある課題” について思いを巡らせます。 …

たまたまこの記事を読んでいて、はっと気付かされました。

オートバイにぷらっと乗って、どこにも立ち寄らずに帰ってくるだけなら(ガソリンを入れるにしても、セルフスタンドなら他人と接触することはありませんしね)、感染リスクはゼロだから大丈夫だろうと考えがちです。

しかしながら、出かける以上は、事故・ケガに遭う可能性があり、その場合は、医療リソースを無駄に消費してしまうわけですね。

プロのオートバイレースの国際組織である、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)は、

私達は、このグローバルなレースに勝たなくてはならない。

スロットルを戻して、バイクを止め、命を守ろう。

明くる日に、再び一緒に走ろう。

と呼びかけています。

#RidersAtHome


アフター・コロナの時代に向けて

9年前の東日本大震災が、日本人の社会の仕組み、価値観を変えたように、このたびのコロナ禍も、社会の仕組み、価値観を変えるでしょう。

 

何としても、このコロナ禍を生き延びて、次の時代に備えたいところですよね。

 

 

カミュの『ペスト』

参考になるかと、今、爆発的に売れているという、カミュの『ペスト』を読んで見ました。

カミュと言えば、大学生の頃に『異邦人』は読んだことありますが、何が何だかさっぱり理解できず、今となっては粗筋も全く覚えておりません。
自分の将来は可能性に満ち溢れている(と、根拠もなく確信している)大学生くらいが読んでも、何が何だかさっぱり理解できなくて当たり前じゃないんでしょうかね?

 

この小説も、まあ、正直言って、新型コロナウイルス対策としては、あまり役には立ちませんね。

そもそも、1940年代に発表されたこの作品において、カミュが描いたペストは、戦争とか貧困とか悪の象徴なんだそうです。特に、WW2の直後であるという時代背景を考えると、否応なく巻き込まれ、それぞれの立場で立ち向かわざるを得ない不条理そのものである戦争を描いたもの、という解釈が主流のようです。ペストの厄災との戦いそのものを描いたわけではなく、ペストを通じて戦争を喩えたわけです。

 

ということで、あまり参考にならなかったこの本ですが、面白いと感じたのは、

・買い占めが発生していない。

・雇用の問題が全く描かれていない。

・経済政策が全く語られていない。

・人種差別、患者・家族差別がない。
(舞台となっている街は、植民地であり、フランス領アルジェリアにある架空の海外県)

という点です。

これは、作者の想像力を超えた部分だったということではなく、そもそも描く必要がなかったのでしょう。

 

登場人物が、それぞれの立場で、様々な考え方でペスト禍と都市閉鎖という不条理に立ち向かっていく姿とその心理描写が中心となっています。

語り部の医師がまったく感染しないという都合のいい設定から推測するに、おそらく、医学的な考証も厳密には為されていないのではあるまいか。

もちろん、戦争という不条理の比喩としてペスト禍を用いただけなのであれば、経済的・政治的な要素を描く必要はなく、厳密な医学的考証も不要なわけですが。

 

そう言えば、設定された舞台となっている街が、アルジェリアにあるフランス海外県であり、(植民地であるにも関わらず)諸々の物資がほぼ自給できている、独立した生態系を持った都市である、という設定も、不自然ではありますね。

 

 

 

1980年代には、「人類は感染症を克服しつつある」と考えられていたらしい

並行して、公衆衛生学の本を幾つか読んでいるのですが、医学・科学の進歩によって、天然痘、結核などを克服した後、「もはや全ての感染症は克服される」と考えられていた時代があったそうです。

その後の経緯は、説明の必要もありませんが、HIV、エボラ出血熱、SARSなど様々な感染症がたびたび流行することになります。

 

本日付け(令和2年、2020年3月29日)読売新聞朝刊では、

[あすへの考]<文明が生む感染症>コロナ、現代的パンデミック…長崎大熱帯医学研究所教授 山本太郎氏 56 : 医療・健康 : ニュース

No Description

山本太郎 長崎大熱帯医学研究所教授(れいわ新選組の人とは同姓同名の別人)によって、

流行するウイルスを選び出し、パンデミックへと性格づけるのは、その時々の社会のあり方ではないかと。
僕たちの社会にはいつも様々なウイルスが入り込もうとしている。たまたま社会がそれに適した状態になっていると、ウイルスが入り込み、わーっと広がっていく。

という考え方が提示されており、HIVは、アフリカのチンパンジーに寄生していたウイルスを食べた人に感染し、当時の植民地政策と近代医学の拡大という社会状況が、感染拡大を促進した、という例が挙げられています。

 

この考え方が真であるならば、今後も、人類は、定期的に流行する感染症と、戦い続けなくてはならず、そのたびにバタバタと人が死んでいくことになります。

 

 

アフター・コロナの時代はどうなるか?

まあ、そんなの分からないのですけど、非体系的に、幾つか箇条書きで、思いつくままに現時点での予想を書いてみますと、

 

 

・世代間の対立が激化する。

世代間は、元々、利害が対立するものです。それを、感情的なレベルでの対立、世代間闘争というレベルにまで激化しないような緩衝装置を設けるのが、政治の一つの役割だと思います。

新型コロナウイルスは、子供・若者は感染しても発症しずらく、発症しても重篤化しにくい一方で、シニア世代は発症しやすく、重篤化しやすい、という非対称性があります。

このたびのコロナ禍への対応の過程で、小中高校は休校を迫られ、勤労世代は緊急ゆえに不十分なインフラ・制度のままリモートワークを迫られる一方で、シニア世代がマスク・トイレットペーパー類の買い占めのために早朝からドラッグストアをハシゴして列に並んで意図せず濃厚接触を行うなど、世代間の利害の対立が明確に浮き彫りになりました。

様々な緊急対応が迫られたため、緩衝装置を設定する余裕がなかったことが理由です。子供、勤労世代に自粛を求めるのであれば、シニア世代にも自粛を(半ば強制的に)求める仕組みが必要でしたがそれを設定する間がありませんでした。

世代間の不満はマグマのように蓄積し、どこかで爆発する危険性があります。

 

 

・宗教の重要性が増す。

ローマ教皇、聖職者らに外出して新型コロナ患者と会うよう呼び掛け

【3月10日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇( Pope Francis )は10日、聖職者らに対し、新型コロナウイルスによって病気になった人々に「会いに行く勇気を持つ」よう呼び掛けた。 【関連記事】バチカン、新型ウイルス初感染発表(3月6日) …

私が今回のコロナ禍の中で、震えるほど感動したのは、ローマ教皇の、カトリック聖職者に対する、「患者に会いに行く勇気を持つように」というお言葉でした。

イタリアは、医療が崩壊して、全ての患者が適切な医療を受けられず、放置されたまま座して死を待つしかない人がたくさんいる状況のようですが、そのような患者にも会いに行き、抱きしめて最後の慰めを与えてあげなさい、ということです。

その結果として、イタリアのカトリック聖職者の新型コロナ感染者数、死者数は激増しているそうです。

私は仏教徒ですので、キリスト教には宗教的な興味はありません。
しかしながら、感染したり、死ぬことを恐れずに宗教家としての使命を全うしようという、ローマ教皇の呼びかけには、危機における宗教の役割を教えられました。

翻って我が国の仏教を省みるに、このコロナ禍において、何か心の慰めとなるようなメッセージを発信したお坊さんがいたでしょうか。
まあ、いないこともないと思いますし、真面目に道を歩んでおられるお坊さんもたくさんいると思いますけど、我が国の堕落した葬式仏教は残念です。

今回のコロナ禍、東日本大震災のようなときに、心の支えになるものは、愛する人の存在や、宗教、あるいは宗教のようなものしかないでしょう。

 

 

・仕事のやり方が劇的に変わる。

一気にリモートワークが進んでいます。
システムインフラも、社内の制度も不十分なまま、必要に迫られてリモートワーク体制に突入した会社も多いでしょう。

しかしながら、意外といけるじゃん?まったく問題なくね?という会社が多いようです。

この流れは、コロナ禍が去った後に、後戻りすることはありません。

リモートワークが進展する結果、会社による従業員への拘束は弱くなり、従来からの流れである、副業・兼業促進がますます進むことでしょう。

 

コロナ対応でのリモートワーク化の流れの中では、大企業と中小零細の違いもはっきりと別れました。

大企業は、人材のレベルも高く、ITインフラも整っていて、リモートワークの実現は容易ですが、中小零細は大変ですよ。

私も零細企業の経営者ですが(今は実質、休眠状態ですが。そして、経営者としての器の小ささを棚に上げて申し上げますが)、社員にリモートワークしてもらうなんて、怖くてできないですよ。

 

ついでにいうと、私は市議会議員なので、市の行政の現場を日々じっくり観察しておりますが、市役所の中というものは、リモートワークの類は全く行われておりません。
このコロナ禍が去った後、この業界にも、リモートワークによる「働き方改革」は大胆に取り入れられていくようになるでしょう。

役所は、窓口業務が多い上に、文書主義のカルチャーがありますが、実は、ネット上の様々なサービスに置換していくことは、意外とカンタンなはずです。
窓口業務の大部分はchatbotに置換できるし、文書主義だって、文書主義のスピリットを変えずにクラウド化する手法は既に幾らでも実現されてますよ。

 

 

・米中対立が激化する。

覇権循環論的に言うと、古いパワーの米国から、新しいパワーのチャイナへと覇権が移りつつあるのが20世紀後半~21世紀前半の今のタイミングで、対立するのは当たり前なのだが、それが今回のコロナ禍への対応で、先鋭化した。

これは、卒論が書けるくらいの大きなテーマなので、細かく書くのは別の機会においいとくとして、我が国は、米国の同盟国であると同時に、チャイナ文明を祖としている面もあるので、覇権の移行において、果たすべき特別な役割があるはず。

できるだけ血が流れる量を少なくするように、我が国にしかできない役割をいかに果たすべきか、我が国の国政レベルの政治家にはしっかり考えてもらいたい。

 

従来の覇権理論では、覇権を握る国家は、

・民主的であること
・オープンであること
・尊敬され、憧れられる存在であること
・強大な経済力を持っていること
・強大な軍事力を持っていること
・ソフトパワーを持っていること(=米国においては、ハリウッド映画、コカコーラ、ディズニーランド、マクドナルド)

が必須の条件とされていた。

 

現今の中共は、

・民主的であること
・オープンであること

を否定したまま、覇権を握る方法を模索するという、歴史上初めての挑戦を試みているわけだが、これは、個人的には、今の時点では、成功する可能性は低いと思う。これが成功してしまうと、人類が営々として築き上げてきた文明の根底が崩れてしまう。予測というよりも、願望ですけど。

 

・東京オリンピック・パラリンピックは大成功する。

まー、楽観的に考えて(根拠はないけど)、今年中にはコロナ禍は収まるのでは?

来年行われる(時期は、今時点では未定だ)では、人類が新型コロナウイルスを克服した象徴として大盛り上がりを見せることだろう。

 

 

・フェイクニュースはなくならない。

ガキの頃(1980年代)の教科書には、オイルショックの時に、トイレットペーパーを買い占めるバカな人たちがたくさんいましたwwwwと書いてあって、授業で大笑いしたものだった。

でも、その頃の世代を笑えない。

マスクがないのは、まあやむなしとしても、トイレペや米が何でなくなるのか?

マスは愚かであって、これからも愚かであり続ける。多くの人が買い占めて、現実的に店頭在庫が払底になってしまい、明日にも困る状況になれば、私もまた、トイレペや米を買うために店頭に並ばなくてはならない。これは誠に悲しい、愚かなパラドクスだ。


昨年の台風15号の被災地千葉と、台風19号で被害を受けた彩湖流入堤のその後

昨年の日本列島は、幾つもの大型の台風の被害に見舞われました。

 

台風15号

令和元年(2019年)9月9日の台風15号は、房総半島を直撃し、長く断水、停電が続くなどの被害をもたらしました。

千葉県の台風被災地

房総半島の被災地を、台風上陸の一週間後に巡回したときのレポート。

 

先週末、令和2年(2020年)2月8日に、バイクに火を入れて、その後の現地の様子を見に行ってきました。
被災から5ヶ月後ということになります。

以下、昨年9月時点と今年2月時点の写真を並べて載せます。

 

 

 

まだまだそこかしこに、ブルーシートで屋根や壁を覆ったままの家があるのに驚きました。
1軒や2軒という数ではありません。
さすがにかなり寒いのではないかな?

何故だろう?

お金がないのか。
建築業界のリソースが足りないのか。

 

 

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2019/9/15、鋸南町、保田漁港前。

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2020/2/8
修理し終わった家もありますが、半分くらいはブルーシートのままですね。

何でかな?

 

 

 

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2019/9/15
同じく、鋸南町の保田漁港地域。

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2020/2/8

 

 

 

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2019/9/15
保田漁協直営の海鮮食堂・直売所「ばんや」
ガレキに埋もれていました。

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2020/2/15
営業は再開し、かなり賑わっておりました。満席のため、待ち時間15分。
海鮮丼とともに、クジラのスタミナ焼き。
身が固くてあんまおいしくないかも。

 

 

 

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2019/9/15
風で飛ばされ、横倒しになったトラックの荷台を転用した倉庫。

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2020/2/8
元通りに立て直され、無事に倉庫としての役割に復帰しておりました。

 

 

 

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2019/9/15、南房総市の富浦新港。
漁船が横倒しになっていました。

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2019/9/15 同じく、南房総市の富浦新港。
簡易な造りの倉庫は、屋根が剥がれ、ガレキが散乱していました。

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2020/9/15

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2020/9/15、ガレキは撤去され、元通りになっており、趣味の魚釣りの人達で賑わっていました。

 

というような状況で、まだまだ「元通り」とは言い難い状況です。

壊れた屋根・壁なんか最優先で直すべき箇所のような気もしますが、復旧が遅れている理由については、不明。
これから調べます。

 

 

 

 

 

 

 

台風19号

令和元年(2019年)10月12日の台風19号は、荒川上中流域に大量の降雨をもたらし、荒川の水位は、堤防の天端ぎりぎりにまで迫るという状況でした。越水にまで至らなくて、本当に良かったと思います。

 

10月12日に東日本に上陸した台風19号ハギビスとその対応を振り返る

当時の考察レポート。

 

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これは、2019年11月時点に撮影したもの。
荒川第一調節池の中の、彩湖の流入堤の部分。
写真の、左側から右側に向けて水が流れてきました。
平時においては、この堤は、立入禁止になっており、水が流れることはまったくありません。

台風19号の折には、この流入堤は、左側から右側に向けて、大量の水が流れたはずです。
流入堤の右側(下流側)部分は、コンクリがぼこぼこになっています。

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この辺りは、私のジョギング練習コースなので、週3ペースで走っております。
しばらく放置されていましたが、先週くらいから、この流入堤の修復工事が始まりました。

この写真は、2020/2/11撮影。以下、同日。

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流入堤の下流側。彩湖側から。

この日は、紀元節であり、祭日であるにもかからず、複数の重機が稼働して、修復作業が進められていました。

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流入堤の上流側。ランニング・サイクリングドーロになっている部分。
重い重機・ダンプが出入りするために、踏み固めた仮設道路が造られています。

 

【2020/2/25 追記】

房総半島で、まだたくさん屋根や壁が壊れたままの家が多い件について、建築リフォーム業界の方にお聞きしたところ、圧倒的に千葉県内の業界リソースが不足していることが理由だ、とのことでした。

頼んでも業者の順番待ちとなっており、なかなか直してもらえない、ということです。

私が話をお聞きした方も、埼玉県南地域から、市原まで仕事に出向いていったことがあるとのことでした。


10月12日に東日本に上陸した台風19号ハギビスとその対応を振り返る

本年、令和元年(2019年)10月12日(土)に伊豆半島-首都圏-東北へと上陸して通り抜けていった台風19号ハギビスは、甚大な被害をもたらした。被災された方々には衷心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

 

以下、メモとして、台風の様子と、その対応を振り返りつつ、考察を記す。
議会の役割の一つが「行政のチェック」であるが、この稿では、関係諸機関・担当者の対応を批判的に取り上げることが目的ではなく、あくまでも今後の政策立案に活かすためのメモとして。

 

私自身は、12日(土)は、終日、お家にいました。
法人の決算が8月なので、書類の整理と仕訳作業に追われていたタイミングだったのですが、さっぱり手がつかず。
ひたすら、twitterと、各河川の水位情報サイトをリロードし続けていましたw
13日(土)の午前2時台になって初めて外に出ました(後述)。

 

 

規模が大きく、未曾有の被害をもたらす可能性が高いことが、予報されていた

近年、天気予報の確度が上がっていて、ほとんど外れることがないことは、みんな既に知っている。

数日以上前から、天気予報で警告され続けていたため、誰もが、事前に入念な準備をすることが出来たはず。

それでも、物的被害はともかく、これだけ大きな人的被害が出てしまったのは残念な限り。

 

 

地元の祭りは、11日(金)時点で中止を決定

蕨市内では、ほぼ全ての地域で祭りが行われる予定で、今年は、2年に1回の和楽備神社への宮入り(各地域のお神輿が、勢揃いする)するはずだった。

私が住む、郷町会の祭りは、11日(金)時点で中止を決定。
基本的には、決行するか中止するかは、祭りを主催する団体単位(ベースは町会)で意思決定されわけだが、ほとんど中止になったようだ。

まあ、妥当な判断。

 

 

蕨市役所の対応

時系列に記すと、

10/12(土)
12:00 災害対策本部を設置した
14:00 避難所を開設した
20:00 避難勧告を出した

10/13(日)
09:00 避難勧告を解除、避難所を閉鎖、災害対策本部を解散

 

避難勧告が早過ぎなんじゃね?
あるいは、逆に、日没後に避難勧告を出すなんて遅過ぎ、日没前に出すべきだったんじゃね?
そもそも、オーバーリアクション過ぎたんじゃね?

など、市民の方々からは、いろいろな意見をお伺いした。
まあ、結果として、市内ではそれほど被害は出なかったわけだが、後から批判・批評することはたやすいが、概ね妥当な判断だったのではないかと思う。

 

 

議会・議員の対応

市議会は、権限もリソース(自由に使える予算、人員、物資)も持っているわけではないので、災害時に出来ることは何もない。

市民の方々からは、「避難所に何で見学に来なかったんだ!」的に怒る意見もお聞きしたが、筋違いです。

私見だが、
議会・議員は、有事においては、行政のジャマをしない」ことが肝要と思う。

議員が、避難所などの現場に行けば、「毛布がほしい」だの「食べ物が足りない」だの様々な要望をダイレクトに受けることは必定で、そうなれば、政治家の心情としては、行政当局の現場に要望を伝えざるを得ない。「頑張ってるアピール」をしやすい機会でもある。そして、行政当局としても、議員から要望を受ければ、重視して、優先順位を曲げて対応せざるを得ない。
結果として、全体最適の実現を妨げることになる。
公平性が確保できないばかりか、下らない要望を叶えることにリソースを割くかたわらで、助けられたはずの人命が失われてしまうような事態を招く可能性すらある。

ということで、「議員は、できるだけ、有事においては、現場に行ってはいけない」というのが大原則だと思料。

電話一本かけて、様子を尋ねるのも厳禁。たったの1,2分の電話応対であったとしても、災害対応の現場にとっては、無駄でしかない。

 

しかしながら、今回も、避難所を回ったりした議員各位もいたようだが、考え方が違うだけですので、これらの方々を批判するつもりは、取り敢えず今のところは、全くございません。

 

 

情報配信・収集手段 — 防災無線が聞こえないのは仕方ない

市民の方々からは、「防災無線がさっぱり聞こえない、何とかしろ!」という非難の声を多数聞いた。これは、今に始まったことではないのだが、特に雨風が強いときは、聞こえにくい。

防災無線は、100%完璧な情報配信・収集手段ではない。
全市民の耳にはっきり聞こえるような防災無線システムなどというものは、物理的に作ることは不可能だ。

この点について、多くの方は勘違いしている。
「防災無線は、100%完璧に、自分にとって聞こえるべきだ」と思い込んでいる方が多い。

防災無線のクライアント側(電柱+受信装置+スピーカ・アンプ)を増設したり、音量を大きくしても、聞こえないものは聞こえない。現状以上の改善は、ほぼ不可能と考えていいだろう。

尚、隣りの市の防災無線の方がよく聞こえた、という方も多い。
これも当たり前の話で、市内の防災無線は、四方八方から聞こえるから、反響して聞き取りにくくなってしまうものだ。隣りの市の防災無線は、片方向のみから聞こえるので、聞き取りやすいのだ。

 

そもそも、100%完璧な情報配信・収集手段は存在しない。
だからこそ、テレビ、ラジオ、音声電話、防災無線、インターネット、その他と、情報の受け手の側で、情報収集手段を多重化しなくてはならない。

極めて高い冗長性を持つ、インターネットですら、100%完璧ではない。
端末が壊れてしまえば終わりだし、本年9月9日 台風15号のときは、停電のために基地局側が機能を喪失して、ネットに繋がらないという事態が発生していた。

 

 

情報配信・収集手段 — 個人的に役に立ったもの

twitterで、#荒川、#多摩川、#二瀬ダム などとハッシュタグをつけてサーチするのが、最も速かった。

「川を直接見に行くのは危険!」なのだが、怖いもの知らず、あるいは単なる無謀な人が、川の縁まで見に行って、撮影した写真・動画が、最も生な情報として有用だった。

但し、素人メディアならではの注意点もたくさんあり、情報を選り分ける最低限のリテラシは必要。

素人ならではの専門用語の誤用が多い。
例えば、「堤防の決壊」と「堤防の越水」は、異なり、それがもたらす被害の速さ、規模はまったく違うわけだが、素人は誤用してしまいがち。場合によっては、ツイートした人物のプロフィール、過去のツイートなどを見て、その人物が正確な知識を持っているのかどうか類推する作業も必要。

また、古い情報が、時間が経ってからもリツイートされて広まってしまうこともある。
例えば、今回は、「緊急放流をする可能性がある」→「やっぱり大丈夫なので緊急放流しない」というダムがあったのだが、第2段階の情報が発信された以降も、第1段階の情報がリツイートされて拡散され続けていたケースがあった。

 

荒川の水位情報

水位

荒川上流河川事務所・国土交通省 関東地方整備局・水位

国交省 荒川上流河川事務所のwebサイトは、サーバとネットワークが貧弱なのだろう。繋がらないことが多かった。

https://typhoon.yahoo.co.jp/weather/river/8303040001/

ヤフー!は、システムの冗長性は高いが、更新タイミングが遅い。正確にはわからないが、30分くらいズレがあったような気がする。

国交省の治水橋テレメータ水位のwebサイト

↑ いろいろ探した上で、最終的にはここにたどり着いた。
今どき懐かしい、「i.」のサブドメインが付いているので、国交省 荒川上流河川事務所のwebサイトの中の、おそらく大昔に作った(15年くらい前か?)、ガラケー向けのサイト。推測だが、サーバが切り出してあって、軽い。

蕨、戸田辺りで荒川の氾濫の可能性を推測するためには、治水橋の水位を見るのがベストで、ここのwebサイトでは、情報は10分ごとに更新されていた。だいたい1分ディレイくらいだった。

 

テレビジョンは、ネット配信のものを一応見ていたけど、結局のところ、オリジナルのコンテンツはほとんどなく、単なる「まとめサイト」的なポジションでしかない、という印象。twitterでトレンド入りしていた映像そのものを、かなり遅れて配信していたりして、情報がとにかく遅い。同じ素材を何度もリピートして流すために、無駄が多い。但し、網羅的に取り上げているので、見逃した情報を入手するためには有用だった。

 

 

情報配信・収集手段 — お年寄りのデジタルデバイド対策をどうするか?

ということで、インターネットが100%完璧ではないものの、冗長性が高くて有用。

しかしながら、お年寄りからは、「自分たちは使い方が分からない。防災無線インフラを強化するなど、お年寄り向けに、何とかすべきだ」という意見が、依然として多い。

今どきのお年寄りには、スマホもそこそこ普及しているし、そうでなくても、古いガラケーも含めれば、ほとんどの人が携帯電話端末を持っている。しかし、webブラウジングはやらない方が多い。「やりたいけど、やり方が分からないから、出来ない」ということではなく、「そもそも必要性を感じないので、やらない」という感じの方が多い。

こういったお年寄りの方々に、既に手元に持っている携帯電話端末を使って、災害情報を収集することの必要性を認識してもらい、使い方をお教えしていくことは、これからの防災対策としては必要だと思料。

 

 

避難所 — 避難した人の感想

後から聞くと、けっこう楽しかった、という人が多かった。

台風という非日常的な状況に高揚し、久しぶりのご近所さん・仲間と邂逅してはしゃいでしまったような感じかと思う。

これも、市内では大きな被害がなかったからこそですな。

 

 

伝聞だが、避難所では、毛布の類や、フルコースの食事が支給されるものだと思い込んで、手ぶらで避難してきた人もいたらしい。

今回は、地震などの突然の災害ではなく、事前に予報されていた災害だったので、当然、各自で毛布類や食料類、飲み水を準備して持ち込むべきところ。
ちょっと想像力があれば当たり前のことなのだが、まあ、こういうのは、避難訓練を日頃から繰り返しやっておくことが大切だ、ということですな。

 

 

避難所 — 避難所からの退出タイミングの判断

24時ころには、蕨市内では、雨は上がり、風もやみ、路面は乾き始めていた。
ここで、「ああ助かった、もう大丈夫だ」と、避難所を出て、家に帰ってしまった人が多かったらしい。(全員が帰ったわけではなく、避難所で朝まで過ごした人もいたようだ)

タイミング的に、この時間を過ぎれば、不便な避難所で夜を明かすことになるし、それよりは、安心な家に帰ってお風呂に入ってから温かいお布団で寝たい、という気持ちは当然のことと思う。

 

しかしながら、荒川の水位は、蕨近辺で雨が上がった後も、更に上がり続けていた。
上流に降った雨が川を流れてくるのには、長い時間がかかる。
川の水位は、時間が経ってから、上がってくる。
雨がやんだ後もなお、上がり続ける。
ちょっと考えてみれば、当たり前のことなのだが、「ああもう安心だ」と気が緩んでしまった方が多かったらしい。

私は、上記で引用した、国交省の治水橋テレメータ水位のwebサイトをリロードし続けて見ていたのだが、翌10月13日(日)午前2時台が、水位のピークだった。

10分ごとに1分ディレイで情報が更新されるわけだが、10分ごとに水位が13cmずつ上がっていた。10分ごとに13cm!! はん濫危険水位:12.6 mを、見る間に越えていき、本当に手に汗握る状況だった。ギリギリで持ちこたえたが、もし仮に水位が堤防の天端を越えて、荒川が氾濫していたら、午前2時台という時間帯、しかも、「もう大丈夫だ」と安心して寝入ってしまった人が多いであろう状況で、大きな人的被害が発生していた可能性が高いと思う。

 

ということで、避難所からの退出の判断は、蕨市内で雨風がやんだタイミングではなく、治水橋の水位の上昇が止まったタイミングで行うべきだったと思料。

 

内水災害と外水災害は、まったく別モノだという認識がない方が多いので、この点は、今後の防災教育の課題だと思料。

 

 

避難所  — 広域避難計画の必要性を再認識した

蕨市内で開設された避難所は、公民館、小中学校など。

洪水ハザードマップで示されているように、万が一、荒川が氾濫したら、蕨市内はほぼ全域が水没する。

それぞれの避難所の建物は、2,3階建て以上なので、万が一、床上浸水が発生しても、2階以上に逃げることは可能だが、こうなったら、電気・水道は止まる可能性が高いし、トイレは使えなくなる。

と、考えると、荒川が氾濫しても、確実に「浸水しない」、蕨市外にある、高台の避難所に逃げた方がいい。

市外の避難所に組織的に避難することを広域避難という。

蕨市の場合であれば、平成4年に川口市、草加市、戸田市と避難場所の相互利用に関する協定を結んでいるし、平成13年には川口市、鴻巣市、上尾市、戸田市、桶川市、北本市、さいたま市、伊奈町と災害時の相互応援に関する覚書を結んでいるので、これらの市町の避難所が、蕨市民を受け入れてくれることになっている。

しかしながら、蕨市民全員の広域避難というのは、これは大変なもので、事前に計画を練って、シミュレートしておかないと、大混乱することは必定だ。

先日、たまたまテレビジョンを見ていたら、今回の台風の折り、利根川が氾濫したら全域が水没する可能性が高い、茨城県境町は、隣りの自治体への広域避難を実施したそうだ。道路が渋滞してなかなか避難所にたどり付けなかったり、キャパを越えてぎゅうぎゅう詰めの避難所もあれば、ガラガラの避難所もあったといように、偏りが生じてしまったりしていたらしい。
(この件は、後日、別途調べることにする)

私は、平成30年9月定例議会の一般質問で、広域避難計画を立てることと、訓練の必要性を訴えたところ。

 

 

二瀬ダムがぎりぎりだった

荒川の上流域、秩父にある二瀬ダムが、もしかしたら緊急放流(異常洪水時防災操作)するかも、という通知を流したものの、持ちこたえて、結局、緊急放流しなかった。

時系列で言うと、

19:00 緊急放流する可能性があるという通知 1回目
21:00 緊急放流する可能性があるという通知 2回目
23:40 通知の解除

緊急放流というのは、降水して流入した雨水と同じ量を放水するという操作のこと。

 

どんなダムなのかと、11月4日(月)、見に行ってみた。

201911_二瀬ダム

二瀬ダム。

小さなダムだ。

201911_二瀬ダム

既に水量はかなり下がっていたけど、水の色は灰色だった。

 

秩父市内でも、かなり山奥に位置している。三峰神社の登り口にある。
蕨市からは、関越道を通ってバイクで行くと、4時間もかかる(途中の道の駅で、味噌田楽とわらじカツ丼を食べる時間を含めて)。

ここから治水橋まで水が流れてくるのには、丸一日くらいかかるとのこと。但し、大雨のときはもっと速いとのこと。
緊急放流をしていた場合、治水橋当たりの水位にどのくらいの時間差で、どのくらいのインパクトがあったかどうかというのは、単純に予測はできないとのこと。

まあ、かなりの上流域だし、小さなダムということは、このダムがカバーするエリアもそれほど広くはないということなので、緊急放流していたとしても、それほどインパクトはなかったのかな?よく分からない。

 

 

台風一過の13日(日)午前2時の市内の様子

治水橋の水位が上げ止まったことを確認して、市内の散策にでかけた。

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錦町2丁目の、居酒屋じゃじゃ馬のある丁字路。

ここは、かつては頻繁に道路冠水・床下浸水が発生したエリアであり、近年は、毎年のように工事を行い(まさに今日も工事を行っている)、雨水排水機能を拡充している。

ピーク時には、道路冠水して、市の委託業者のトラックを横に並べて道路閉鎖をしていたが、床下浸水は免れた。

既に、午前2時には、路面が乾き始めていた。

河川の水位と異なり、内水は、雨が止んだら、あっという間に水位が下がる。

 

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植木が倒れた家。

 

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錦町2丁目の富士見球場の丁字路。既に路面は乾いている。

ここも、よく大雨の時に道路冠水するところ。

今回の台風のピーク時にどうだったのかは、分からない。

 

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避難所となった、社会福祉センタ。

受付に、市スタッフがぽつんと座っていた。

 

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社会福祉センタの正面玄関には土のうが積んであった。

 

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避難所となった二中には、照明が灯っていた。

 

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避難所の西小体育館。

照明が消えているけど、もうみんな眠ったのか、あるいは、みんな帰ってしまったのか? 眠っていたら迷惑なので、中には入らなかった。
この時間帯も、職員室は照明が点いていた。

 

 

台風一過の13日(日)昼、荒川の様子、市内・近隣市の被害

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錦町4丁目の錦町雨水調整池。

水がほぼ満水。

尚、この池の上に設けられた構造物は、都市計画道路錦町富士見線の雨水排水管工事のための資材置き場となっている。

 

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北戸田駅近くの笹目川。

だいぶ水位は下がっていた。相変わらず汚い川だな。

 

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荒川の幸魂大橋。

いつものジョギングコースが、すっかり泥水の下。

 

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秋ヶ瀬公園。

 

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朝霞市内へ。荒川と新河岸川に挟まれた、内間木の辺り。

泥水ぷかぷか。

マフラーの位置が高いトラックは構わず通り抜けていくが、バイクだと無理。足が泥水で濡れてしまった。普通乗用車もちょっと厳しいかな。

 

 

その後の彩湖の様子

週に2,3回は走っている、いつものジョギングコースなので、水が上がってからもよく走っている。

ここを会場とする、11月17日開催予定だった戸田彩湖ハーフマラソンは、台風直後に早くも開催中止を決定していた。

泥の堆積がひどいので、トラ仲間が誘い合わせて泥の掻き出しボランティアをやったのだが、私は盛岡マラソンに出走していた日だったので、ボラは参加できず。

 

以下の写真は、台風から3週間後の11月2日(土)にまとめて撮影したもの。

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周回コース上には、まだ泥が堆積している。

粒子が細かい泥で、未だに乾燥していない。
やはり、ちょっと臭い。

 

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駐車場も全面が泥で覆われている。

 

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野球場も泥。

 

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野球場ネットの支柱が傾いている。

 

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湖の北側(浦和側)の流入堤。

フェンスが根本から傾いている。堤のコンクリも、一部がめくれ上がっていた。

 

 

以上