私 蕨市議会議員 ほやたけし (保谷武)は、蕨市と戸田市が、ゴミ・し尿処理のために共同で組成している一部事務組合、蕨戸田衛生センター組合の議員でございます。
蕨市議は、蕨戸田衛生センター組合か、
戸田競艇組合のどちらかに所属することになっています。
本日は、蕨戸田衛生センター組合議員全員と事務局スタッフとで、
久喜宮代衛生組合に視察に行って参りました。
視察の目的は、
・生ゴミ減容化及びHDM堆肥化処理施設
・剪定枝資源化設備 (剪定枝:要するに、切った木の枝のこと)
の見学です。
この2つは、それぞれ、生ゴミと剪定枝を堆肥にするものです。
堆肥として有効利用を図るとともに、その分は焼却しないで済みます。
蕨戸田衛生センター組合に限らず、多くの自治体では、ゴミを燃やす量をいかに減らすか、に苦心しています。
ゴミを燃やす量を減らせば、その分、運営コストが抑えられるし、焼却炉が長持ちするからです。
蕨戸田衛生センターの焼却炉は、延命化工事を施したばかりでありますが、いずれ寿命がやってきます。
新しい焼却炉を作るためにはお金もかかるし、新たな建設する土地も確保しなくてはなりません。
(同じ場所に作り直すのであれば、焼却炉を使えない期間が出来てしまう。ゴミは毎日出続けるので、それは無理です。)
久喜宮代衛生組合オフィス棟
久喜市は、平成の大合併で旧久喜市、菖蒲町、栗橋町、鷲宮町が合併して出来た市で、人口15.7万。
宮代町は、人口3.3万。
駅周辺は郊外ベッドタウンでありつつ、駅から離れるとのどかな田園風景が広がっています。
敷地のすぐ裏には、高架の圏央道が建設工事中でした。
敷地はかなり広く、ゆったりしています。
周りは、田んぼに囲まれています。
要するに、
生ゴミを投入 → 量を減らす → 堆肥にする
という施設です。
HDMシステムといっても、たいして最先端技術ぽいものではなく、要するに、菌を加えて発酵させる、というもの。
特殊な設備があるわけでもありませんでした。
左奥が施設の建物。
元々別の用途に使っていたものを、転用したそうです。
ただの倉庫みたいな建物で、特殊な建物ではありません。
投入前の生ゴミ。
普通の生ゴミですね。
袋は、生ゴミ専用として配布されているものです。
各家庭においては、「燃えるゴミ」と「生ゴミ」を分別して、別の日にゴミ出しする必要があります。
破袋分離器
要するに、
袋入り生ゴミを投入 → 袋と生ゴミに分ける
というマシンです。
左のシルバーのマシンに投入して、グリーンのコンテナそれぞれに袋と生ゴミを分けて出力します。
堆肥化中の生ゴミ。
これが生ゴミをHDM堆肥化処理しているものです。
生ゴミと菌を混ぜて、24時間放置しておくと、肥料になる、という仕組み。
そこそこ臭いけど、ツーンとくる生臭さというほどではない。
出来上がる肥料も、水を加えると臭いが出てくるタイプではなく、水を加えても臭い的にはOKなのが特徴だそうです。
尚、コストはトン当たり5万円とのこと。
けっこう高いですね。
剪定枝というのは、切った木の枝。
木の枝を投入 → 堆肥にする
というものです。
剪定枝は、蕨戸田衛生センター組合では、普通に燃えるゴミとして燃やしていますね。
尚、剪定枝は、持ち込み限定としており、回収は行なっていないそうです。
一般家庭で、ちょっと庭の木を切った・・・というものではなく、敷地の広い農家がバッサリ木を切って軽トラで運んでくる、という状況がメインなのだと思います。
建物は普通の倉庫みたいな感じですね。
剪定枝の受け入れ条件。
あまり大きいものは、以下写真のマシンに入らないので、無理です。
剪定枝破砕機。
ベルトコンベアに木の枝を載せます。
ここまで細かく砕きます。
切ったばかりの、半分生の枝が多いため、青臭いニオイがします。
一ヶ月かけて 右 → 左へ。
肥料にします。
それぞれの2つの設備から出力された堆肥は、販売は一切しておらず、地域の人に無料で配っているとのこと。
農家が多いために堆肥の需要が多いのでしょうが、蕨市、戸田市の場合はそれほど農家もないので、消費し切るのは難しいかもしれません。
という訳で、農業地帯ならではの方法かもしれませんが、蕨戸田衛生センター組合においては、導入は現実的ではないように思いました。