毎年この時期に実施している、市民意識調査(アンケート調査)のレポートが公開されました。
蕨市 webサイト : 市民意識調査
(今これを書いている2017/11/28 15時時点ではweb上には昨年度版までしかアップされていませんが、紙ベースで公開されています。)
ざっと見ましたが、個人的には、特に注意を引くような点、トレンド変化はありませんでした。
ところで、毎年このレポートを目にするたびに疑問に思っていることなのですが、この、サンプル数1,000のアンケート調査における、統計的な有意差というのは、どのくらい以上なのだろうか?
蕨市の頼高市長(及び行政当局)が、最も重視している項目が「まちへの愛着」らしいのですが、
↑このグラフのように、毎年、けっこうな変動があります。
「感じている」を取り上げてみると、
平成25年度 72.1%
平成26年度 72.4%(0.3%増加した)
平成27年度 69.0%(3.4%減少した)
平成28年度 77.2%(8.2%増加した)
平成29年度 68.7%(8.5%減少した)
ということで、今年度 平成29年度は、昨年度と比べて8.5%も減少している。
この差は、統計的に有意なのだろうか?
毎年の12月定例議会の開会日における市長報告において、毎回ふれており、
蕨市 webサイト : 市長報告・施政方針
平成29年度(8.5%減少したとき)
「まちへの愛着」につきましては、「感じている」と答えた方の割合が68.7%と、7割近い結果となりました。
平成28年度(8.2%増加したとき)
「まちへの愛着」につきましては、「感じている」と答えた方の割合が、昨年度より8.2ポイント増の77.2%、~~~(途中略)~~この20年間で、最高の結果となりました。
平成27年度(3.4%減少したとき)
「まちへの愛着」につきましては、「感じている」と答えた方の割合が、69%と、引き続き7割近い高い水準となりました。
平成26年度(0.3%増加した)
「まちへの愛着」については、愛着を「感じている」と答えた人の割合が、72.4%となり、ここ5年間で最も高い結果となりました。
というように、減少した時はさらっと流し、増加した時はこれぞ我の成果なりとばかりに誇らしげに数字を強調するのだが、それは別にどうでもいい。何故ならば、私自身も、同じ立場だとしたら、同じように自分に都合のいいように数字を解釈して人に説明するだろうから。
他の項目で、変動が大きいものを見てみると、例えば、
「大型店(スーパー、デパート)に買い物に行く頻度」
「ほとんど毎日」+「週3~4日」が、
平成25年度 43.7%
平成26年度 51.1%(7.4%増加した)
平成27年度 45.9%(5.2%減少した)
平成28年度 47.0%(1.1%増加した)
平成29年度 40.4%(6.6%減少した)
と、なっています。
買い物先として、大型店に行くか、地場の商店街に行くか、ネットで買うかといったトレンドは、中期的に増えたり減ったり変化することはあり得たとしても、短期的に年ごとに大きく変動するものとは考えにくく、同様に違和感があります。
この種の調査結果は、目先の小さな数字の上下に一喜一憂しても意味はなく、中長期的なトレンドを読み解いて、戦略立案の資料とするべきものです。
恥ずかしながら私は統計学の知識はほとんどないのですが、この市民意識調査、統計学的にどう読み解いていけばいいのか、どなたか詳しい人に評価していただきたいです。