蕨市の今後のイベント開催有無

緊急事態宣言の解除を受けての、蕨市における、

・市主催のイベント
・市の公共施設を使っての、様々な団体主催のイベント

の開催有無については、一昨日、令和2年(2020年)5月26日に、

https://www.city.warabi.saitama.jp/kurashi/anzen/1005558/1006111/1005904.html

こちらのように方針が打ち出されております。

 

~6月 7月~8月 9月~
50人まで
51~100人 ×
100人以上 × ×

 

ということで、市主催として予定されていた、100人以上の大規模イベントに関していうと、9月1日で線引きがなされることになります。

 

つまり、

令和2年(2020年)8月23日(日) 市総合防災演習 :中止

令和2年(2020年)9月2日(水) 蕨市戦没者追悼式 :実施
令和2年(2020年)9月12日(土) 蕨市お年寄りを敬う会 :実施 ←2020/7/28修正:中止になりました。

 

但し、開催する場合も、

屋内においては、収容人数の半分以下を目安とし、体温検知用のサーマルカメラや体温計による徹底した体温管理を行い(できる限り、自宅等での事前の体温・体調チェックを要請する。感染の疑いがある者の参加、入場は認めない。)~~(略)~~。

また、屋外においても、人との間隔をできるだけ 2 メートル以上空けるといった密集状態の回避など感染防止の観点を踏まえた上で実施できることとします。

ということです。

 

蕨市お年寄りを敬う会(敬老会)は、大人気のイベントで、蕨市民会館のコンクレレホール(定員700名の大ホール)にて、例年は、午前・午後の二部制で行われております。

今年は、2日間に分けて、それぞれ午前・午後と、四部制でやるのかな?

 

 

 

おまけの写真

先日、5月25日にイオンモール川口前川にお使いに行った折りに、検温マシンが配備されていました。

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拡大すると、

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マスクをしていても、おでこの位置を認識して、赤外線で検温してくれるものです。

 

https://www.japancv.co.jp/news/20200520/

ソフトバンク系の日本コンピュータビジョン株式会社のAI検温ソリューションですね。

個人識別できるので、データベース上の社員マスタ、出退勤データなどとヒモ付ければ、社員ごとの出社時、退社時の体温履歴を保存することも出来るようです。

 

 

【2020/6/23 追記】イベント開催有無の基準の変更

令和2年(2020年)6月23日付けで、

・市主催のイベント
・市の公共施設を使っての、様々な団体主催のイベント

ともに、開催制限が撤廃されました。

すべてのイベントが、原則として開催可能となりました。

 

 

【2020/7/28 追記】9月12日:蕨市お年寄りを敬う会 は、中止

https://www.city.warabi.saitama.jp/kenko/koureisha/oshirase/1006511.html

再度の感染拡大を受けて、中止となりました。

 

尚、9月2日:蕨市戦没者追悼式については、今のところ、やる予定のようです。


蕨市の学校ICT推進状況、コロナ禍をきっかけにGIGAスクール構想が変質

先日、蕨市議会6月定例会に上程される各種議案、補正予算案についての、行政当局からの説明会がございました。

この稿では、学校ICT推進が前倒しされる件を解説致します。

 

 

 

ビフォア・コロナ時代のGIGAスクール構想のざっくり概要

一言でいうと、「全国の小中学校を、コンピュータ1人1台体制にする」という、国の政策です。

昨年度、令和元年度(2019年度)の冬に、新設されたものです。

国が、学校に1人1台パソコンを配ってくれる??

こちらで解説したように、「我が国の教育は如何にあるべきか?」という教育政策の発想から持ち上がってきた政策ではなく、ケインズ的な経済対策として持ち上がってきたものです。

パソコン(デスクトップパソコン、ノートパソコンではなくてタブレットでも構わず、どちらかというとタブレットを導入する自治体の方が多いようです)は、マシンだけ買っても教育の現場では使い物にはならず、

・ハードウェア
・ソフトウェア
・指導体制

をセットで導入する必要があります。

ハードウェアは、生徒児童、一人一台の人数分のコンピュータ端末機器と、学校内のネットワークです。有線LANではなく無線LANが想定されています。

ソフトウェアは、コンピュータ端末で使用するコンテンツ、アプリケーション、デジタル教科書など、狭義のソフトウェアです。

指導体制は、これらのツールを用いて、先生がどうやって教えていくかという方法論、トレーニング・バックアップ体制のことです。

 

もちろん、膨大なお金がかかるし、買って設置したら終わり、というものでもないので、複数年単位での導入期間が必要です。

 

小中学校教育というのは、もちろん市町村の教育委員会が行うものなので、国が全国の市町村に補助金を配って、それを元にして、市町村が独自の考え方に基づいて、推進していく、という流れになります。

 

この、ビフォア・コロナの時点で、GIGAスクール構想が想定していた学校ICTの仕組みは、

従来のGIGAスクール構想が想定していたICT教育

学校の教室の中で、ICTを用いて授業を行うというものでした。

従来であれば、教科書、ノート、鉛筆、黒板などを用いていたものを、ICT機器に置き換えていくというものでした。

 

 

 

ビフォア・コロナ時代の、GIGAスクール構想に基づく、蕨市の小中学校へのICT導入計画

蕨市議会 3月定例会が始まります。

以前にこちらの記事にてご説明した通り、今年度、令和2年度(2020年度)当初予算にて、3.2億が計上されました。

体育館も含めて小中学校内にLAN環境が整備され、小学5・6年生、中学1年生、特別支援学級の全員にコンピュータ端末が配備されることになりました。

この時点では、令和2年度(2020年度)から令和5年度(2023年)までの4年間かけて、全ての学年に配備する計画でした。

 

急に決まった国の経済対策の補正予算を受けて、大慌てでざっくりした計画を立てたものです。この時点では、詳細はほとんど決まっていませんでした。

ネットワーク整備については、1/2が国補助。
コンピュータ端末の購入あるいはリースは、1台当たり4.5万円の国補助が出ますが、この当初予算の時点では、詳細は決まっていなかったので、歳出の全体の金額のみを決め、国の補助金は計上していませんでした。

 

 

 

コロナ禍によって、国のGIGAスクール構想が前倒しに

そして、このコロナ禍がやってきて、全国の小中学校が一斉に休校になりました。

諸外国では、zoom等のツールを用いたオンライン授業が行われ、我が国においても、先進的な企業はリモートワークに、大学、私立高校など高等・中等教育機関はリモート授業に移行する中で、我が国の小中学校は、なす術があまりありませんでした。

紙ベースの宿題を課したり、ワークブックを配ったり、試行的に自習用スマホアプリサービスのアカウントを配ったりしてみたものの、授業が開けない以上、学力の衰えは避けることが出来ません。

 

ここで、

オンライン授業をやらなくてはならない!

という需要が、急遽、新たに発生しました。

 

新たにGIGAスクール構想が想定するオンライン教育

 

オンライン授業は、ビフォア・コロナ時代には全く想定していなかったものです。

ビフォア・コロナ時代に想定していたICT教育は、前述の通り、あくまでも、一つの教室の中で、先生も生徒も全員が集まって、その中でICTツールを用いて授業を行う、というものでした。

今、そしてこれからのアフター・コロナ時代に求められるオンライン授業は、先生と各自の自宅にいる生徒・児童をインターネットで繋いで、完全にネット上で授業を行う、というものです。

 

リモートワークにて、Zoomや MS Teamsでオンライン会議を、しかも座長の立場で参加したことがある方であれば、大勢の児童・生徒の集中力を途切れさせることがなく、適切に双方向のコミュニケーションを行いながら、オンライン授業を行うのが、どれほど大変なものであるか、ちょっと考えれば想像がつくでしょう。

これ、本当に大変ですよ、先生は。

 

・ハードウェア
・ソフトウェア
・指導体制

これらのセットのうち、ハードウェア、ソフトウェアについても、ビフォア・コロナ時代に想定された従来型ICT教育とは、異なるものが必要となります。

生徒・児童の各家庭にネットワーク環境が必要になりますし、ソフトウェアもそれ用のものが必要になります。

 

「GIGAスクール構想」前倒し 積極推進の自治体も

政府は新型コロナウイルスへの対応としてまとめた緊急経済対策に、「GIGAスクール構想」の前倒し実施等の施策を盛り込んだ。児童・生徒「1人1台端末」の整備はこれまで令和5(2023)年度の達成を目指していたが、現状を踏まえ、令和元年度補正予算と2年度補正予算に端末整備等に係る予算を計上した。「1人1台端末」や在宅オンライン学習に必要な通信環境の整備等を加速する考え。 …

このように、GIGAスクール構想そのものが、性格を変えながら、前倒しでやることとなって、国の予算が付きました。

 

 

 

蕨市の学校ICT整備も前倒し

国のGIGAスクール構想が前倒しになったのに伴い、蕨市の学校ICT整備も前倒しすることになりました。

これが、6月定例会に1.1億増額の補正予算案として上程されます。

当初予算では、コンピュータ端末を配るのは、小学5・6年生、中学1年生、特別支援学級のみ、1,560台の予定でしたが、3,500台分に拡大します。全ての生徒・児童のうち、約8割に行き渡ることになります。

 

 

詳しいことは、6月定例会の中で、活発に質疑や意見が出てくる中で明らかになるでしょう。


このまま自粛モデルでいくのか、禁止モデル・監視モデルを取り入れるか?

第二波、あるいは次なる未知のパンデミックへの備えが必要

日々報道される、首都圏の新型コロナウイルス新規感染者数は、取り敢えずその絶対値のトレンドだけを見ると、収まりつつあるように見えます。

第一波(武漢株を第一波、欧州株を第二波とカウントする考え方もあるようです)は、取り敢えず、素人目には収束間近と見ていいのではないかと思えます。
専門家の判断が待たれるところです。

 

第一波が抑えることが出来つつある(かのように見える)現状は、必要にして十分な備えをして立ち向かった結果なのか、偶然が積み重なった僥倖なのか、今後の検証が待たれるところです。

 

新型コロナウイルスに関しては、未知の部分が大きいので、感染症の専門家によっても、意見が分かれることが多そうです。

 

しかしながら、「どのような波形・規模でやってくるか分からないが、第二派は、間違いなくやってくる」という意見は、専門家の間ではほぼ共通しており、確実視されているようです。

 

 

ワクチンが開発されていない、このたびの新型コロナウイルスに対しては、「人と人との接触を制限する」というアプローチでしか立ち向かうことは出来ません。

国によって、具体的なモデルは後述のように幾つかのパターンがありますが、基本的な考え方は接触制限アプローチということで共通しています。

具体的には、

・人の外出を制限する
・お店(+その他)の営業を制限する

ということです。

 

人と人との接触を制限しない、ピークカット戦略(集団免疫戦略)は、少なくともこのたびの新型コロナに対しては、有効な戦略ではありませんでした

初期の英国が採用していましたがいち早く失策を認めて接触制限アプローチに転換しました。
スウェーデンは未だにピークカット戦略(集団免疫戦略)を続けていますが、よく言うと「壮大な社会実験」ですが、私には、ごく控えめに言っても「バクチを打っているだけ」にしか見えません。
某ブラ○ルは・・・うーん、何なんですかね?

 

 

 

我が国は、第一波は自粛モデル(詳しくは後述)で乗り切りつつありますが、来る第二派を、そして何十年後か分からないが、次にやってくる未知なるパンデミックを、再びこの自粛モデルで立ち向かうのか?というのを、今、よく考えておくべきだと思います。

 

 

 

パンデミックに備えた、社会・法の制度の分類

以下は、学術的なものではなくて、私がざっくり提示するものですが、

(1)自粛モデル
(2)禁止+罰則モデル
(3)監視モデル(禁止+罰則+監視モデル)

と分類できるかな、と。
よく見るとMECEになっていない点はご容赦を。

 

(1)に行くほど、小さな政府で、自由な社会です。
(3)に行くほど、強権的な、大きな政府で、窮屈な社会です。

(尚、ここでは、補填・補償の有無については触れません。
以下の話の本質とは関係ないからです。)

 

 

 

 

(1)自粛モデル

我が国は、緊急事態宣言を発令しつつも、人々の外出やお店の営業を罰する法的根拠はなく、否応なく自粛モデルで第一波に立ち向かわざるを得ませんでした。

政府は、あくまでも、「外出しないように」、「お店は閉めてください」と自粛を呼びかけるだけであり、法的に罰則を課す事はできませんでした。

しかしながら、我が国独自の重要なポイントは、政府が法的に加罰することは不可能だったものの、社会が加罰したという点です。

陽性が判明したのに高速バスで帰省して郷里にウイルスを撒き散らした人や、コロナ感染疑いがありPCR検査を受けて結果待ちであるにも関わらず県境を越えて整形外科を受診した人のケースなどは論外としても、緊急事態制限下での様々な外出活動、お店の営業活動に対して、バッシングが行われました。

これらは、法に拠らない、マスメディア・ソーシャルメディアによる私的な制裁と言えます。

世間の目が怖くて、多くの人が外出を、お店が営業を自粛したのです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/tachibanaakira/20200518-00176605/

橘玲氏は、伝統的な村八分の考え方に基づく、同調圧力と道徳警察によって社会が統制されたものであり、法に拠らない権力の行使はファシズムであると指摘しています。

 

 

(2)禁止+罰則モデル

米国も欧州各国も、その他多くの国々が、このモデルです。
法律によって、人の外出、お店の営業を禁止しています。
これを破った人、お店に対しては、罰則を課しています。

シンプルで分かりやすいですね。

外出する自由、食い扶持を稼ぐためにお店を営業する権利を制限するというのは、よほどのことです。しかしながら、今が、それほどまでの事をやらなくてはならない非常事態だというコンセンサスがあり、これを背景として、政府が法に基づいて権限を行使しているのです。

 

 

(3)監視モデル(禁止+罰則+監視モデル)

既にビフォア・コロナの時点から高度な監視社会が実現していた中共においては、政府による国民の監視によって、綿密な感染経路調査を行いました。

外出する人には、必ずスマホに追跡アプリをインストールさせ、地下鉄に乗る際はどこの車両のどこら辺に乗車したのかQRコードを読み取らせて登録し、街中に張り巡らした監視カメラで顔認証して人物を特定しています。
ここまでやれば、一人新たに感染者が発生したとしても、その人の行動履歴を100%完璧にトラッキングし、全ての接触者をリストアップすることが可能になります。

韓国もこのモデルです。5月1日に梨泰院のゲイクラブでクラスタが発生した際は、クレジットカードの使用履歴(韓国はかなり早い時期からクレカ社会なので、コンビニで数十円程度買い物した時でもだいたいクレカを使います)、携帯電話のGPS行動履歴、街中防犯カメラ撮影記録を元に、ゲイクラブに出入りしていた事実がアウティングされてしまうことも構わず、警察が8.5千人体制の人海戦術で感染経路調査を行っています。

 

ちょっと私達、日本人の感覚では、「ありえない」ですね。

蕨市では、平成30年度(2018年度)に140台の防犯カメラを市内に防犯目的で設置しました。純粋に防犯目的であり、しかも、どこかでリアルタイムにモニタリング出来るわけではなく、スタンドアロン型であるにもかからわず、多くのプライバシー侵害への懸念の声があったことが思い起こされます。

 

しかしながら、中共、韓国は、いち早くコロナ感染の第一波を乗り切り、グリーン国となりました。

 

「そこまでやるのかよ!」という、この監視モデルですが、ここまでやれば、第二波や次なる未知のパンデミックに対しては、中共や韓国を見れば分かるように、かなり強力に対抗することが出来ます。

 

(尚、単純に「禁止+罰則」を伴わない、シンプルに監視のみの「監視モデル」というのは、なかなか成立しないのではないかと思います。)

 

 

 

今後も自粛モデルを続けることは、危険

我が国は、今後も、第二波に対して、そして次なる未知のパンデミックに対して、この不安定な自粛モデルで戦うのか?

私には、これは、綱渡りのバクチに見えますね。

第一波はうまく乗り切りつつあります。
次もうまくいくかどうかは分かりません。

詳しくは、疫学的な専門家の分析を拝見したいとも思いますが、少なくとも言えることは、「人と人との接触8割減」という非常事態宣言における目標数値は、達成出来ていませんでした。

 

 

 

我が国のconstitutionをどうデザインするか?

このテーマは、畢竟、我が国のconstitution論なのです。

狭義の憲法論に留まらず、この国の広義のconstitution(=国体)を、どのようにデザインていくか?という話なのです。

 

この国のconstitutionは、今のままでいいのだろうか?
新型コロナウイルス第二波、次なる未知のパンデミックに対して、引き続き自粛モデルで戦っていくべきなのかどうか?

 

 

私の考え

この稿では問題提起に留め、私の考えを詳しく書くのは次の機会に。

私の考えをご参考までに一言だけ述べておきますと、私はもちろん、先のエントリで書いたように、禁止モデルに移行すべきだと思います。

なぜパチンコ屋ばかりが槍玉に挙げられるのか?

監視モデルは嫌ですね。生理的に気持ち悪い。政府に監視されるくらいなら野垂れ死んた方がいいです。あ、でも、家族が死んだり、自分が原因で誰かに感染させてしまうのは嫌ですね。それならば仕方ないと受け入れられるかも。

・・・と、まあ、このように、constitution論というのは、個人的な好き嫌い、感覚で語るべきものです。緻密に理屈を積み上げて考えるべきものではありません。


自殺は減少、生活保護は増加、倒産は減少?

新型コロナウイルス関連での人々の生活、経済への影響を観測する上で、注目すべき数字は、

・自殺
・生活保護
・倒産

のトレンドです。

 

直近の4月の数字が、各ニュースサイトにて報道されていました。

これらの数字は、継続的に目を光らせておくべきと思います。

また、目先の数字の上下に一喜一憂するのではなく、トレンドの変化と、背景についても分析する必要があります。

 

 

 

自殺は減少

4月の自殺者数が前年比で約2割減 「職場や学校に追い込む何かが…」という声も

4月の自殺者数が前年比でおよそ2割減っていることが、厚労省や警察庁のまとめで分かった。 警察庁が ウェブサイトで公開した2020年4月の自殺者数は1455人で、2019年4月の1814人から19.8%減。同庁などによる まとめ によると、少なくとも2015年以降、4月の自殺者数としては最も少なかった。 …

取り敢えず、直近の自殺件数は減っています。

「自殺の原因の多くが人間関係によるストレスであり、職場や学校での他人との接触機会が減った結果、自殺も減った」という背景の分析には、個人的にはかなり納得感があります(笑)。

今後、増加トレンドに転じる可能性は多々あります。

 

新型コロナの感染拡大によって、なぜ自殺が増えるかというと、その理由の1つは、短期的には、

(1)経済の縮小 → 企業の廃業・倒産、失業、資産の毀損

ということなのですが、これに加えて、中長期的には、

(2)ニュー・ノーマルへの移行に対応出来ない人達が出てくるから

というのも、2つ目の理由として挙げられます。

 

政策的な努力によって、自ら死を選ぶ人が一人でも少なくするようにしなくてはならない。

これは、国~都道府県~市町村、それぞれのレベルで、出来ることは色々あると思います。

(1)については、市レベルでは、最後のセーフティネットである、生活保護が、漏れなく、確実に機能するようにすること。
これについては、次項にて。

(2)については、うーん。なんだろう?職業訓練の強化とか?ITリテラシ教育の強化とか?
そもそも、市場に委ねるべきであって、政府が介入するべきではないのか?
これについては、これから考えます。

 

 

 

生活保護は増加

<新型コロナ>生活保護受給 急増の兆し 申請リーマン上回る可能性 電話相談2日で5000件

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で解雇や雇い止め、休業が相次ぎ、生活保護受給者が急速に増加する兆しが出ていることが分かった。支援団体が四月中旬に行った電話相談会には事業主などから二日間で五千件超が寄せられた。福祉関係者の間では「リーマン・ショックを超える申請数増加になる可能性もある」との観測が広がる。自殺者が増える懸念もあり、一時的に審査を簡素化するなど、困窮者への早急な支援が急務だ。 …

具体的な被保護世帯数については、まだ統計データは上がってきていません。蕨市の数字もまだ不明です。

上の記事では、支援団体への相談件数が増加している状況から、「急増するだろう」、「リーマン・ショックを超えるかもしれない」という見立てを紹介しています。

 

 

 

市議会レベルで、今考えるべきテーマなど

こちらのエントリで、生活保護の増加に備えるべきという課題認識を提示して、

 

【蕨市議会】会派:令政クラブにて、市長宛て新型コロナ対策提言書を出しました。

こちらのエントリにて説明したように、私が所属している蕨市議会の保守系・自民党系の議会会派:令政クラブでは、市長宛てに生活保護の増大に備えて、

・ケースワーカーの緊急増員
・制度利用促進の広報

を提言したところです。

私たちの会派は、従来は、「共産党員の市長の下で生活保護が増え続けている」という蕨市の現状に不満を持ち、不正受給を防ぐための厳格な調査、個別外部監査の導入、低家賃の築古アパートの建て替え促進など、生活保護を減らすための施策を訴えてきたところです。

しかしながら、現下の状況ではそうも言っておられず、生活保護が本当に必要な人が、自ら死を選ぶことがないように、漏れなく確実にこの制度を使ってもらえるように、「制度利用促進の広報」を提言したところです。

 

 

 

倒産は減少?

https://www.tdb.co.jp/tosan/covid19/index.html

帝国データバンクによると、新型コロナ関連倒産は、147件。
たったの?
そんなに少ないの?

倒産阻む司法の旧弊

新型コロナウイルス感染拡大に伴う国の緊急事態宣言を受けた休業などの影響で、苦境に陥る企業が増えている。にもかかわらず、4月の都内の倒産件数は前年同月比で1割減となった。政府の支援策が効いているのか。事情はそれほど単純ではない。 5月上旬、都内の弁護士は悩んでいた。複数の中小経営者から破産についての相談が寄せられているが「どの案件で破産手続きを裁判所に申し立てるか」精査する必要があるからだ。 …

日経では「4月の都内の倒産件数は前年同月比で1割減」という数字を取り上げつつ、裁判所が感染拡大防止のために業務を縮小しているので、破産手続きが出来ないケースが増えているという背景を分析し、緊急事態宣言解除後に倒産ラッシュが起こるだろう、という法曹界における見立てを紹介しています。

米国、韓国、シンガポールでは、オンラインで破産手続きの申請が出来るようですが、我が国は紙ベースでの手続きが必要、とのこと。

 

アフター・コロナの世界では、人と人とのコミュニケーションのやり方、あらゆる仕事の流れ(民間セクタ、公的セクタの両方とも)、行政手続き、司法手続き、教育、医療において、一気にDXが進みます。

新型コロナによって、必要に迫られてしまったので、やるしかない。
必要に迫られれば、物事は一気に動きます。

前述の話に戻りますが、ニュー・ノーマルへの移行に対応出来ない人たちは、気の毒ですが、今後は淘汰されていかざるを得ない。
(※追記 淘汰というのは、文字通り死ぬとか解雇されるとかという意味ではなく、組織の中で出世できなかったり、権限がなくなったり、情報が回ってくるのが遅くなったり、といった意味で。)
残念ながら格差は拡大しますが、悪いことばかりではなく、世代交代が一気に進むという良い面もあります。

個人や企業だけの話ではなく、地方自治体もまた同じく、ニュー・ノーマルに必死で対応していかないと淘汰されてしまいます。


【蕨市議会】会派:令政クラブにて、市長宛て新型コロナ対策提言書を出しました。

先日、令和2年(2020年)5月7日、私が所属している、蕨市議会の保守系・自民党系会派である令政クラブにて、新型コロナ関連の諸政策についての提言書を出しました。

提言の範囲は、感染拡大防止という観点のもののみにとどまらず、生活支援、経済対策、小中学校教育など、多岐に渡るものです。

 

こうして眺めてみると、「そんなの、当たり前やん!」というような項目も多いのですが、網羅的に項目を並べた結果、このようになりました。

それぞれの項目は、関連する団体などにヒアリングを重ね、会派の中で議論をして決めたものです。

 

 

市内及び、二次医療圏内の医療の現場の状況についても、幾つかヒアリングを行った結果、行政が主導してアクションを起こすのではなく、医師会を支援する形がベターだろうという結論に落ち着いたものです。

オンライン教育については、当初は具体的なアクションプランを提言書に盛り込む方向で議論をしていたのですが、教育関連部署が、いつになく強い危機感を持ち、スピード重視で動いている状況が確認できましたので、アクションプランを提示するのではなく、当面は、教育委員会・教育関連部署を支援する方向で動いていくことにしたものです。

DV、児童・高齢者虐待については、市内で具体的に件数が増えたという統計データが上がってきているわけではありませんが、逆に、相談電話の受話件数が激減しているそうです。
家族が一日中、家にいるため、助けを求める電話を発信することすら出来ない状況が予想できます。LINE、電子メールなどのテキストで(トイレの中からなど)助けを求められるような仕組みが今すぐ必要だ、という提言をしました。


なぜパチンコ屋ばかりが槍玉に挙げられるのか?

これ、ほんとによく分からないんですよね。私には。

千葉県、休業要請応じない松戸と野田のパチンコ店2店に休業指示 : 国内 : ニュース

千葉県は3日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための休業要請に応じなかった同県松戸市と野田市のパチンコ店2店に、改正新型インフルエンザ対策特別措置法に基づく休業指示を出した。 県によると、2店は県の要請に対し、「本部

 

為念申し上げますが、私個人的にはパチンコ嫌いです。
あんな業界は滅ぼすべきだと思いますけどね。

パチンコ屋の肩を持つわけでもないし、ましてや業界団体からの政治献金なんてもらってませんよ。そもそも、選挙の時の慣習である「陣中見舞い」以外に、ふだん、政治献金・寄附・カンパなんてもらったことありません。法人からも個人からも。ゼロですゼロ。市町村の議員レベルだとそんなもんです。

 

 

蕨市内のパチンコ屋の営業自粛状況は?

ご支援者の方に、「蕨市内のパチンコ屋は、ちゃんと営業自粛しているのか?」
と聞かれたこともありますが、

「そんなの知りませんよ」
としかお応えできません。

パチンコ屋の風俗営業許可は警察の管轄なので、市がどうこうできるものではなくて、県マターだし。

(実際のところは、既に全店舗が営業自粛したとのことです)

 

 

 

パチンコ屋は三密だけど、三密の業界は他にもある

たしかに、パチンコ屋の店内は、台が密接して設置されているし、よく出る台を求めて客が狭い通路をひっきりなしに歩き回るので、いわゆる三密環境であることは間違いありません。

しかしながら、恒常的に三密状態で、かつ、今でも営業を続けている業界は他にもたくさんありますよね。

飲食店、飲み屋、理美容店、日帰り温泉施設、キャバ類、風俗、など。

 

蕨、戸田界わいの飲食店でも、営業を続けているところと自粛を続けているところはまちまちです。

大手資本のチェーンの中でも、スタバのように自粛しているところもあれば、未だにほぼ平常営業を続けているファミレスもあります。

個人資本の小さなレストランでも、緊急事態宣言発令前後から一ヶ月以上閉めている店もあれば、注意を払った上で営業を継続している店もあります。

 

ふだんのパチンコ屋は確かに三密状態ですが、通路に対面して置かれている台の片方を閉鎖するとか、客を2mおきに座らせるとか、全ての入り口・窓を開け放しておくとかして、三密を防ぐ努力をしようと思えば出来ないことでもありません。

 

 

パチンコ屋が嫌われているからか?

結局のところ、この業界がグレーな業界だと思われていて(そうではなく三店方式は適法であるという反対意見もあります)、密かに忌み嫌われている業界だから、というところではないかと。

いつコロナ禍が収束するのか先が見えない中での、巣ごもり生活のストレス、生活の不安のはけ口として、不幸にもスケープゴートにされてしまったのがパチンコ業界なのだと思います。

 

個人的に嫌うのはもちろん勝手なのですが、マスメディア、ソーシャルメディアでバッシングして吊るし上げ、法を超越して何かを求めるのはいかがなものか。それはスジが違う。

 

 

 

法を改正するべき

このたびのコロナ禍で、欧州諸国と比べても米国と比べても、我が国においては政府の権限が、驚くほど小さいことが明確になりました。

政府が、強制力を持ってお店の営業を中止させたり、個人の外出を制限したりする権限はないし、守らないお店・個人に対しては罰則を与えることも出来ない、ということです。

 

もちろん、お店・個人の自主的な協力によって社会が円滑に回っていくのであれば、これは素晴らしいことです。政府の権限は小さければ小さいほどいい。

でも、今は、現実的に、うまく回っていないわけです。
緊急事態宣言下での一つの目標数値とされている「人と人との接触8割減」は達成できていません。

法を超越して、お店・個人に何かを求めるよりも、法を改正して、政府の権限を強くするのが本筋ではないかと思います。

 

 

休業期間中の営業補償・外出制限時の生活支援の要否は、また別の話です。

 

※追記

「法の改正」と分かりにくく書きましたけど、社会規範は人為的に変えることが出来るものではないので、要するに、憲法と法律を改正すべき、ということです。

法には、
・社会規範、道徳
・憲法、法律、条例、外国との条約、政令、省令、何とか規則・・・等。成文法も不文法も両方含む
があり、社会規範、道徳に頼ることが出来ない以上、成文法を改正するしかないよね、ということです。


【蕨市議会】新型コロナ対策の臨時議会がございました。

先日、令和2年5月1日(金)、蕨市議会の臨時議会が開かれました。

会期はわずか1日間だけという異例のもので、新型コロナ禍のために急いで設けられる緊急対策の予算案、条例案を通すための臨時議会でした。

 

緊急対策の、お金の出どころ別の分類

まず、

(1)国の一律10万円給付金
(2)市単独事業

この2つに分類出来ます。

 

 

(1)国の一律10万円給付金

すったもんだした挙げ句に決まった、国の一律10万円の給付金は、給付に伴う諸々の事務作業(案内書類を発送したり、返送を受け付けて確認したり、振り込んだりといった作業)は、市町村が下請けします。

 

蕨市の人口は、75,654人(4月1日時点)なので、

75,654人 ☓ 10万円 = (ちょっと余裕を持って多めに)76億円

が予算として計上されました。

よく理解していませんでしたが、これって、市内在住の外国人にも給付するんですね。

 

一連の事務作業の費用として、9,357万7千円も計上されております。
印刷代、送料、銀行振込手数料といったものに加えて、職員の人件費も含みます。
職員は、6人から成るプロジェクトチームが既に動き始めているとのことです(専任か兼任か、正規職員か会計年度任用職員かは不明)。

これらの原資は、全て国費です。
国のお金で、市が下請けをする、ということです。

 

(2)市単独事業

市が、基金(会計年度をまたいで貯めたり使ったり出来る、言わば貯金箱のようなもの)を原資として、独自に行うものです。

各自治体ごとに、首長の腕の見せ所とも言えます。

 

(1)国の給付金の財源は、全額が国債の新規発行です。日銀は令和2年4月27日の金融政策決定会合にて国債の買いオペの上限を撤廃しておりますので、要するにこれって、ヘリコプターマネーですよね。「お金を刷って配る」ということです。

(2)市単独事業の財源は、(私の理解によると、国と異なり、地方政府は、新型コロナ対策のための起債は出来ないはずなので、)基金を取り崩すしかありません。基金は、過去に貯めてきたお金であり、将来何かに使うはずだったお金です。当然に、将来何かをやるための原資が減ることになります。

財源は、国の経済対策と、市単独事業の経済対策の大きな違いです。

 

 

緊急対策の、対象別・お金の出し方別の分類

(1)経済対策
(2)生活支援

この2つに分けられます。

 

(1)経済対策というのは、企業の廃業・倒産を防ぐ、失業の発生を防ぐ、マクロの地域経済の疲弊を防ぐ、経済を回す(お金を使わせる)ことを目的とするものです。
対象は、営利を目的とした民間企業・個人事業主・フリーランスです。
市町村が行う経済対策は、主に、その地域に本店を置く中小零細企業、個人事業主、フリーランスを対象とし、いわゆる大手企業は対象とはしません。

・給付金
一定の条件に従って、差し上げるもの(返済を求めない)

・制度融資
一定の条件に従って、有利な条件で貸付をおこなうもの(返済を求める)

があります。

 

(2)生活支援は、市民個人を対象とするものです。
条件に従っての給付金(お金を差し上げる)、何らかの金券類の配布など様々なパターンがあろうかと思います。

生活を支援することが目的であって、経済を回すこと(お金を使ってもらうこと)が目的ではないので、配ったお金は、市外で使われてしまっても、貯金されてしまっても構いません。

 

 

 

蕨市の緊急経済対策を、川口市、戸田市と比較

3市の経済対策を比較できるように一覧にしてみました。

 

  • 川口市の経済対策

埼玉・川口市 小規模事業者に10万円給付 総額35億円の緊急経済対策

埼玉県川口市は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、総額35億円超の緊急経済対策を実施する。売り上げが減少するなど影響を受けた小規模事業者に、10万円程度を一律給付する支援策などを盛り込む。補償の財源は市の財政調整基金の一部を活用する。 …

まず、4月9日に川口市がいちはやく経済対策を発表しました。
売上が減った小規模事業者に、条件付きで一律10万円を配るという、異例の給付金には、度肝を抜かれました。

川口市は中小零細企業が多いので、想定対象数は15,000件ということで、給付総額は15億。

しかも、これを議会を通さずに市長が専決処分(事後的に議会の承認を得る仕組み)で決めた点にもびっくりしました。

尚、給付金の総額が15億、これを含めてパッケージ総額が35億とのことですが、残りの20億の内訳は不明です。
従って、真水で何億かも不明。
川口市のwebサイトをじっくり探してみたのですが、さっぱり見つかりませんでした。余計なお世話ですけど、川口市のwebサイトはちょっと見にくいですね。

 

 

  • 戸田市の経済対策

4月22日に発表されております。
戸田市も、川口市と同じく、市単独事業については、市長による専決処分。
(後、国の10万円給付関連の予算を通すために臨時議会を開くことになりました)

https://www.city.toda.saitama.jp/site/press/hisyo-press2020-kisyakaikenkinkyuusien.html

戸田市は、菅原市長の下で広報がすごく上手ですね。
資料がとても分かりやすい。

総額12億とのことですが、内、8億は制度融資です。
制度融資は、一部は貸し倒れることでしょうが、いずれは返済されるべきお金です。
(利子補給と信用保証料は、供与するもの)

この制度融資の分を除いて、真水は4億というところですね。

 

川口市と同じく、小規模事業者・個人事業主向けの10万円給付を行います。
川口市と比べると対象者数が少なく、総額は2億48百万となっています。

ひとり親世帯、生活困窮者向けの生活支援として、3万円も給付します。これは独自のものです(この時点では)。

 

 

  • 蕨市の経済対策

これらを参考にして、蕨市は4月28日に、総額2.7億からなる経済対策を発表しました。

https://www.city.warabi.saitama.jp/shisei/kouhou/1006028/1006029.html

詳細はこちらをご覧ください。

蕨市は、川口市、戸田市と異なり、市長による専決処分ではなく、臨時議会を開くことになりました。

 

川口市・戸田市と同じく、小規模事業者向けに10万円給付を行うほか、家賃補助として一社当たり5万円。総額2億4千万。

戸田市はひとり親世帯・生活困窮世帯に一律3万円、総額3千8百万を給付しますが、蕨市は、ひとり親家庭のみ一律3万円、総額9百万を給付。
その他、妊婦さんに1万円分の交通ICカードを配布。

 

ということで、先に発表された川口市、戸田市の政策パッケージと遜色が無いようにコピーした上で、独自性を醸し出すためのプラスαを付け加えたという努力の跡が見られます。

戸田市の真水が4億であることと比べると、蕨市2.7億はかなり頑張った大判振る舞いと言えます。

もちろん、前述の通り、多ければいいというものではありません。基金を取り崩して原資とするわけですから、将来何かをやるためのお金が減ってしまうということになります。

 

コロナ禍の長期化に伴い、祭りの類のイベントは軒並み中止になっています。この種のイベントへの市からの補助金は不要となります。
市の当初予算の中で、他にも、執行出来ないものがたくさんあるでしょう。
オリンピック・パラリンピック関連のように、翌年度に繰り越さざるを得ないものもあるでしょう。

今後は、それらを精査した上で、経済対策パッケージ2.7億の原資の一部に充てる補正予算が組まれることになると思います。