英国のEU離脱

先日の英国におけるEU残留か離脱かを求める国民投票において、英国がEUを離脱することが確実な状況になりました。

個人的には、まさか離脱派が勝つことはないだろう、と腹の中ではたかをくくっていたので、かなりびっくりです。

これが何を意味するかというと、単純に、欧州における国家間の戦争の危機が高まる、ということです。

 

 

EU、というか、EEC設立以来の欧州統合の本質は、非軍事的な集団安全保障体制です。
(集団安全保障体制は、集団的自衛権とは全く異なる概念です)

欧州は、わずか数十年前まで、お互いに血で血を洗う戦争を繰り広げてきました。

欧州の国家間の戦争を防ぐために編み出された方法が、「統合し続けること」でした。

欧州統合の本質は、経済同盟ではありません。経済同盟は、あくまでも欧州統合の一要素に過ぎません。

 

現下の、欧州における社会不安の最大の要因は、移民問題です。
移民問題に関する詳しい分析はしませんが、現下の移民問題のほとんどは、シェンゲン協定を破棄ないし一時停止すれば、解決するものです。

欧州の多くの人は、「人の移動の自由」が欧州統合に絶対不可欠なものだと思い込んでいるようですが、そんなことはないのではないでしょうか。

「人の移動の自由」は、欧州統合の一側面の、更にその一要素に過ぎません。

 

ということで、英国のEU離脱は、個人的にはかなり残念です。
欧州における戦争は見たくありませんね。

 

 

 

2016年5月のGWに、国民投票直前の英国を初めて見てきましたが、ナチスドイツと戦った遺跡だらけですね。

ロンドン市内は想像以上に多民族なのも驚きました。

P5026327.jpg

セントポール大聖堂前のブリッツにおける消防士記念碑。

セントポール大聖堂は、救国の偉大なネルソン海軍提督(我が国における東郷平八郎大元帥のような存在)の遺骸が地下の中心部に安置してある。靖国神社みたいな感じ。

空襲に備えて消防団が24時間態勢で聖堂内で待機したそうです。

ブリッツとは、ナチスドイツによるロンドン空襲のこと。米軍による東京大空襲のような組織的な大虐殺ではなく、場当たり的なものだったみたいだけど。

 DSCN3234.jpg

首相官邸の目の前の大通りの中央分離帯にある記念碑。

銃後で戦った女性の記念碑、ということだと思う。

 DSC_0834

ロンドン市内のバッキンガム宮殿近くの公園内にある、爆撃機隊の記念碑。

P5056670.jpg

ロンドンから特急電車で4時間の軍都バロー・イン・ファーネスの駅もブリッツの攻撃を受けたようだ。不幸にも命を落とした駅職員の慰霊碑。

バロー・イン・ファーネスは、ヴィッカース社のドックがあった街。
海軍が拠点を置いていたわけではないみたいだけど、佐世保みたいな感じかな。

P5056685.jpg

バロー・イン・ファーネスのドック跡。

そのものではないけど、ほぼこの近くにあったヴィッカース社の別のドックで、戦艦三笠や戦艦金剛が建造された。

P5056703.jpg

こんかうちゃんの模型。
prpr

初訪問の英国では、チャタムとかポーツマスとか海軍のいろいろな遺跡を巡ってきたので、別の機会に写真アップします。


参院選も中盤になりました。

ちょうど一週間前の2016年6月22日(水)に公示された参院選も、中盤に差し掛かってまいりました。
投開票日は7月10日(日)です。

我が自民党からは、関口まさかず候補(現職)が3期目の挑戦をしており、私も応援しております。

自公連立の圧倒的勝利を勝ち取り、アベノミクスを更に推し進めていきましょう(^o^)v

DSC_1073

公示日に、一番乗りで近所のポスター貼りを行いました。

関口まさかず候補は、7月7日(木)に蕨市に入ってくる予定です。

関口まさかずwebサイト : 関口まさかず 参議院選挙 最新スケジュール

 

また、このたび、自民党では、友党 公明党の西田まこと候補(現職)にも推薦を出せていただいており、私も応援しております。

昨日、西田まこと候補と、応援の田中良生 自民党経産部会長・代議士と石井啓一 国交大臣(公明党)が演説を行った折には、私も駆けつけました。

 

それにしてもこの度の参院選、本当に残念なのは、民進党が日共と選挙協力したことです。
民進党には、政界再編して左派を放逐した後に二大政党制の一翼を担い得る存在として、個人的には期待していました。

皇室の存在を否定し(すなわち我が国の歴史と伝統の中心に位置する最も大切なものを根底から破壊し)、自衛隊と日米安全保障体制の破棄を目指す(すなわち我が国の破壊と解体を目論む)日共と手を組むのは、民進党にとっては最悪の選択肢だったと思います。もはや後戻り出来ないところまで行ってしまいました。

 

【討議資料】


蕨市議会 2016年6月定例会 一般質問の内容

さて、先週2016年6月23日(木)に、蕨市議会 6月定例会が終わりました。

国レベルの上位の法律が改正されたことに伴う、下位の市レベルの条例の改正、家庭的保育事業の設備・運営基準を暫定的に緩和する条例、錦町区画整理地区の雨水排水管工事の発注先が入札によって決まったことによる承認などが行われました。

 

また、私からは、以下3題の一般質問を行っております。
一般質問とは、議員が、好きなテーマで自由に意見を主張したり、行政に対して質問・確認したりすることが出来る機会です。

 

錦町雨水管渠築造工事(28-1工区)について

工事内容は。
工事期間は。
期待される効果は。
近隣住民・通行車両への影響と対策は。
来年度以降の計画は。
工事が行われる、錦町2丁目の富士見公園北側、12メートル道路の郷南公園から西側へ錦町富士見線の交差点までの区間は、抜け道利用を含めた交通量が多い上に、トラックなどの大型車両も多く走っており、振動の被害を訴える近隣住民がいる。当局の認識はどうか。今後の対策の計画はどうか。

 

【解説】 

工事する場所は、ここです。

ここは、大雨の時に水が出やすい場所です。
道路冠水は未だに年に数回あります。ここ数年は発生していませんが、以前は床下浸水もしばしばあったようです。

1276352_10201872315070859_1265338757_o

これは数年前の写真ですが、今回の道路工事区間に面した事務所物件の入り口です。
大雨による浸水に備えて、土のうを積んでいます。

他にも、数年前に道路が冠水した時に撮った写真がPCの中に入っているはずで、さっきからずっと探しているのですが、見つからず。

平成18年度から、幹線道路の下に、大径の雨水排水管を通す工事を行っていて、だいぶ状況は改善しました。今回の工事によって、更に雨水排水能力は向上しますので、効果に期待したいと思います。

 

さて、問題は、この道路区間、この地域の街並みを設計した時に、本来は、大型トラックが通ることを想定していなかったようなのですが、現状では、抜け道利用も含めて、想定外にトラックも含めた交通量が多く、近隣に振動被害を訴える声があります。

振動や騒音というのは、クルマが通る以上はゼロには出来ず、多かれ少なかれ絶対に発生するものなので、なかなか100%完璧な対策を施すのは難しいのです。

行政としては、一連の雨水排水管埋め込み工事完了後に、道路舗装などで改善を図るという答弁がありました。

 

 

 

原付のご当地ナンバー導入について

まちの連帯感の強化、地域への愛着の醸成のために、原付のご当地ナンバーを導入してはどうか。
原付の既存登録台数・年間新規登録台数は。

 

【解説】

ご当地ナンバーは、
・クルマのご当地ナンバー(例えば、この辺だと、大宮陸運局のエリア内で、川口市だけが川口ナンバーというものを発行しています)
・原付のご当地ナンバー
の2種類があり、全く別の法制度に基づくものです。

クルマのご当地ナンバーは国レベルのものなのですが、原付に関わる税金である軽自動車税は地方税なので、市町村の管轄なので、実は、市町村の裁量でかなり自由なデザインのご当地ナンバーを作ることが出来るのです。

無機質な白地に文字だけのデザインではなく、お城などの名所旧跡、果物などの名産品、ご当地のゆるキャラなどの絵柄をプレート面に入れることが出来ます。
また、プレートの形についても、通常は、横長の長方形ですが、クモ型にしたり、プレート面の絵柄が長方形からはみ出ているような形にすることも出来ます。

バイク速報 2014/2/21 : 【バイク】箱根町ご当地ナンバーに「エヴァ」

↑第3新東京市の原付ナンバーは、なんとエヴァの初号機です。
しかも390枚限定。あちら方面はたまに行きますが、未だに実物は見たことありません。

費用については、プレートメーカにヒアリングすると、

・従来型の一般的な長方形のナンバープレート:@100円程度
・ご当地ナンバー:@300~500円程度(発注ロットや印刷方法によって異なる)
独自の形のプレートにした場合は、金型を作る必要があり、これが30~100万円くらい。

ということでした。

 

既に全国409市町村でご当地原付ナンバーは導入されていて、今さら感もありますが、デザインを公募制にして、お祭りなどのイベントで発表するなど仕掛けを作って盛り上げると、
・まちの連帯感の強化
・地域への愛着の醸成
の効果があるようです。

 

 

 

蕨市避難行動要支援者制度について

想定される対象者母数は。
現在の登録申請した要支援者数と不同意者数は。それぞれの地域別・性別・年齢別・避難支援を必要とする事由別の内訳は。
支援希望者の応募状況と人数、内訳は。
登録申請した要支援者に対する、支援希望者のマッチング率は。
個別計画作成の進捗は。
要支援者一人当たりの個別計画作成の作業工数は。
要支援者名簿・個別計画の公開範囲と、情報の管理体制はどのようか。
情報の更新頻度は。
自主防災団体・社協・民生委員等の諸団体との連携・協力体制はどのようか。
本制度を用いた避難訓練の実施状況は。
本制度がカバーしていない外国人等のその他の要支援者に対する今後の支援計画は。
今後の課題は何か。

 

【解説】

いざ災害が起こった時に、自力あるいは同居家族の力だけでは避難所に避難できない、多くの高齢者・障害者が、東日本大震災の時に犠牲になりました。

避難行動要支援者制度というのは、その反省を活かして作られた、新しい仕組みです。
国レベルの法律である、災害対策基本法が平成25年に改正され、市町村に義務付けられました。

主な内容は、

(1)自力あるいは同居家族の力だけで避難所に避難できない、高齢者・障害者をリストアップする。
(2)対象者に対して、オプトイン形式で、関係機関に情報を流していいかどうか確認する。
(3)情報を流していいというパーミッションを得た対象者の情報を、自主防災団体(町会)、民生委員、社協などの関係機関に伝達する。

というものです。

同時に内閣府によって示された、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針において、更に加えて、

(4)対象者一人ひとりに対して、ご近所の誰がベストエフォートで助けに行くのかを予め決めて、逃げるルートなどの取り決めをしておくこと(=行動計画を立てる)

が、望ましいとされています。

この法改正を受けて、蕨市においては、平成27年3月に蕨市避難行動要支援者支援制度全体計画を作りました。
この中で、(1)~(4)全部をやることと定めました。

 

この要支援者支援制度についての講演会が先日、蕨市内で行われたのですが、この制度、実際の運用がすごく難しいそうです。

日本人は、人を手助けするのは好きなのですが、人に手助けしてもらうのを嫌う人が多く、身内に自力で逃げられないような人がいることを恥ずかしく思い、何とか無理を承知で自分たちでなんとかしようとする人が多いとのことです。
まあ、確かにそうかもしれませんね。

そこで、蕨市における、この制度の現状について確認しました。

行政側の認識では、ほぼ100%、(4)の段階まで完了しているとのことです。

私が、近所の3つの町会の町会長・防災部長などにヒアリングしたところ、
1町会:(4)まで完了している
2町会:(3)情報は受領したが、(4)段階に取り掛かれずに事実上放置してしまっている
という認識でした。

どうも認識ギャップがあるようで、この辺をしっかり把握した上で進めてくれるように依頼をしました。


国交省の空き家DB一括検索サイト(?)

日経 2016/6/6 : 全国の空き家情報集約 国交省、検索・売買簡単に

今朝(2016年6月6日)の日経の一面記事。

全国で空き家が増えている状況を受けて、国交省が、全国の地方自治体が独自に運営している空き家バンクDBの一括検索サイト(?)を立ち上げるとのこと。

うーむ、なんかちょっとズレているような。

 

 

蕨市でも空き家は増えていて、既に問題になりつつある。
おそらく、これから益々増えていく。

hoya_t blog (2015/6/15) : 市内に空き家が増えている。

hoya_t blog (2015/12/8) : 蕨市議会 2015年12月定例会の一般質問 #キレイな空き家対策について

 

空き家には、
・老朽空き家
・キレイな空き家
の2種類がある。

老朽空き家については、国レベルでも自治体レベルでも、対策のメドが立ちつつある。
放置すると損するように税制は改正され、自治体政府がある程度の強制力をもって解体を促すことが出来るようになった。

問題なのは、キレイな空き家で、これについては、対策の本質的な成功事例は未だ出てきていない。

特に過疎地を中心とする全国の自治体で、空き家DBを提供したり、データ登録や、貸借・売買取引に対してインセンティブを付与したりしているが、本質的な解決には至っていないケースが多いと思う。

 

ところで、キレイな空き家も、都市部と過疎地では、全く事情が異なる。

過疎地の場合は、そもそも不動産マーケットが存在しない。物件の数も少なく、単価も低いので、不動産会社が儲からないから。マーケットが機能していない領域なので、行政が空き家DBを提供することには、それなりに意味がある。

都市部では、不動産マーケットが存在するので、行政が空き家DBを提供すると、単純に民業圧迫になってしまうので、やるべきではない。
そもそも本質的な問題は、空き家が、賃貸・売買マーケットに出てこないこと。
住んでいた老夫婦がともにお亡くなりになり、相続した若夫婦が既にマンションなどを買って別の場所に住んでいたりして、遺品が未整理だし、生まれ育った家だから思い出があるし、何よりメンドウだし・・・ということで何となく放置しているケースが多いものと推測する。

 

過疎地の空き家DBには意義があるし、それを一括検索出来るサービスがあればそれなりに便利だが、それは民間のビジネスが提供するべき領域で、政府がやるべき仕事ではないと思う。

本質的な問題は、過疎地には雇用がないこと。

政府の仕事は、過疎地の雇用を増やすことだと思う。

過疎地に雇用が増えれば、過疎地の空き家への需要も増えるので、自ずと空き家の賃貸・売買も活発になっていくだろうし、それこそネクストやリクルートやカカクコムのような会社が、黙ってても勝手に空き家DB一括検索のようなサービスを立ち上げていくだろう。

 

都市部のキレイな空き家対策は、なんとしたものか。
前述のように、物件が不動産マーケットに出てこないのが問題なので、ここにインセンティブないしペナルティを付与するしか無いと思うのだが。あちこちでやり出したら、合成の誤謬は不可避だけど。
何か、海外にでもいい成功事例はないですかね?


デジタル教科書導入に関する、文科省有識者会議の中間まとめ

文部科学省の有識者会議にて、次期学習指導要領における、デジタル教科書導入の方向性が固まったらしい。
次期学習指導要領は、小学校においては2020年度から、中学校においては2021年度から適用されるとのこと。

 

日経 2016/6/2 : デジタル教科書、20年度導入 文科省会議中間まとめ案

ZDnet 2016/6/3 : 文科省の有識者会議「2020年度からのデジタル教科書導入は各自治体の判断」

 

全国一斉に強制導入ということではなく、各地方自治体の判断で、学校単位あるいは科目単位で任意で導入しても構わない、ということになるらしい。

 

そして、デジタル教科書の定義だが、要するに、紙ベースの教科書を単にデジタル化しただけ、というものらしい。
すなわち、ネット接続しているわけではなく、外国語の発音が聞けたり、動画の解説が参照出来たりといったリッチコンテンツとシームレスに繋ぐことは不可能であり、要するに、単なるスタンドアロンの電子ブックリーダ+テキストコンテンツ+静止画像コンテンツになるらしい。

ネットに繋いだり、リッチコンテンツを添えたりすることは、教科書プロバイダとしては不可能らしい。
教材は、教科書+副読本・副教材という2階層構造となっている。
リッチコンテンツを提供するのは、教科書ではなく、副読本・副教材がカバーするべき領域、という整理がなされている。

 

正直、このレベルの「デジタル教科書」であれば、全くもって導入は不要だと考える。

 

電子ブックは、私自身は2012年夏から楽天のkoboを使っている。この分野では比較的アーリーアダプタの後期くらいかと思う。つい先日、2012年に買ったハードウェアが壊れたので、最新型に買い換えたばかりなので、この4年間の技術進化もそれなりに把握している。

hoya_t blog 2012/7/23 : koboインプレ

hoya_t blog 2012/7/29 : koboインプレ その2

hoya_t blog 2009/11/29 : 電子ブックリーダー市場の仕組み

 

電子ブックリーダ+テキストコンテンツは、小説のように、1ページずつ前から後ろへとめくっていくような読み方には適している。

教科書のように、線を引いたり、マーカーで印をつけたり、思いついたことを書き込みしたり、付箋を貼ったり、歴史上の偉人の顔にイタズラ書きしたりするのには向いていない。端末上にその種の機能はついているが、インターフェースははるかに紙に劣っていて使いにくい。

電子ペーパをめくる時のもっさり感は、2012年から2016年の間で、体感では全く進化しておらず、紙のインターフェースには遥かに及ばない。
教科書であれば、辞書のようにパラパラめくって必要な情報を調べたり、あっちこっちのページをひっくり返して参照したりするような使い方をするはずだが、そのような使い方は電子ペーパではほとんど不可能に近い。
(まあこれは、電子ペーパではなく液晶を使えばいいのだが)

この4年間で、画面の解像度が上がったり、バックライトがついたり防水機能がついたりといったようなハードウェア上の進化は見られるが、ソフトウェア的なインターフェースは全く進化していない。

推測だが、楽天自身が、kobo事業がおそらくあまりうまく行っておらず、ハードウェア開発にあまりリソースを投資できないという事情もあるのかもしれない。

 

 

とは言え、これらは少なくとも2016年夏の今時点の話であって、技術進化すれば、紙よりも使いやすくなるかもしれない。

普及して市場が拡大すれば、一気に技術は進化するはず。
また、紙ベースの現時点で存在する「教科書 + 副読本・副教材」という2階層構造は、デジタル教科書の領域では不便なものでしかない。2階層構造を見直す必要が出てくるだろう。

 

少なくとも、現時点では、2020-2021年の次期学習指導要領がスタートする時点での「デジタル教科書」の導入は、不要であるばかりか、百害あって一利なしであると考える。


蕨市議会 2016年6月定例会が始まりました。

本日2016年6月3日(金)、蕨市議会の2016年6月定例会が始まりました。

市議会の定例会は、年に4回、3,6,9,12月に開かれます。

3月定例会は予算審議、9月定例会は決算認定が行われるのでボリューミーです。
6月定例会は、予算は決まったばかりで補正を組むべきところはほとんどないし、比較的あまり忙しくありません。

今日から気を引き締めて全力で取り組んでまいります。

蕨市議会 平成28年6月定例議会 議案説明資料

6月定例会に行政側から上程される議案の説明資料デース。


核廃絶をする方法

先日2016年5月27日、米国のオバマ大統領が初めて広島を訪問し、歴史上画期的なスピーチを行いました。

ハフポスト 2016/5/27 : オバマ大統領の広島スピーチ全文 「核保有国は、恐怖の論理から逃れるべきだ」

広島、長崎への原爆投下は、紛れも無く、国際法に反し、人道に反し、(彼らが信ずるところの)神をも恐れぬ邪悪な所業であって、米国はいずれ真摯に歴史と向き合って反省することになろうかと思いますが、今回の訪問とスピーチは、その一里塚として意義深いものであったと思います。

DSCN9270

広島の原爆ドーム(2014年10月)

 

 

冷戦において、西側は東側に対して、核兵器を中心とする軍拡競争に競り勝ったため、邪悪な共産主義は滅びました。

PC305744

ルーマニア革命(1989年)の中心地、ルーマニア旧共産党本部と慰霊碑(2015年12月)

 

 

今後も再び、人類文明の破壊を目論む邪悪な共産主義のような政治思想・体制が伸張してくる可能性は否定出来ないため、現下の情勢では、覇権国家たる米国が核戦力・核戦略を放棄することは、あり得ません。

 

冷戦終結後、1992年にフランシス・フクヤマが『歴史の終わりと最後の人間』を発表しました。

米国が「核廃絶を目指す」と言った場合、それは、「歴史の終わり The end of history」の実現、すなわち、「人類文明の破壊を目論む邪悪な共産主義のような政治思想・体制が伸張してくる可能性がゼロになった状態」の実現を前提条件とすることを、暗黙のうちに含意します。

邪悪な共産主義が滅びてから四半世紀が経った2016年の今日に至るも「歴史の終わり」は実現していませんし、その可能性も全く見えてきていません。

理想は理想として掲げて実現を目指すのは悪いことではありませんが、リアリスティックに考えれば、個人的には、ちょっとそのような状態になることは到底考えられませんね。

 

とうことで、「歴史の終わり」の実現はなかなか難しいものと思いますが、核廃絶そのものは、テクニカルには可能です。

 

核兵器を超えてこれを無効化する、次代の戦略兵器が実用化されれば、一気に核兵器は存在意義を失って、保有国は放棄するでしょう。

人類の歴史は、兵器の発展の歴史でした。
新たな戦略兵器の実用化に伴って、新たな戦略論が生まれてきました。
そして、新たな戦略兵器・戦略論へのパラダイム・シフトとともに、新たな哲学・宗教的解釈・芸術が派生的に誕生しました。

 

 

1941年から1945年までのわずか4年間の大東亜戦争中に、2度も戦略兵器・戦略論は世代交代しています。

1度目は、1941年12月10日のマレー沖海戦です。帝国海軍航空部隊が、英国東洋艦隊の戦艦プリンス・オブ・ウェールズと戦艦レパルスを撃沈しました。
戦略兵器:巨大戦艦 → 航空機
戦略理論:艦隊決戦主義(大艦巨砲主義) → 航空決戦主義
この瞬間に、巨大な艦砲を持つ戦艦(実は、更には重巡クラスも含む)が全て無効化し、戦略兵器と戦略理論は世代交代しました。

2度目は、言うまでもなく広島・長崎への原爆投下で、
戦略兵器: → 核戦力(核爆弾と大陸間弾道ミサイル・原子力潜水艦などの運搬手段からなる一連のシステム)
戦略理論:→核戦略論(相互確証破壊理論)
という世代交代が行われ、引き続き戦術レベルで有用であったため航空機が廃止されたわけではないものの、東西両陣営は、相互確証破壊を保つ規模の核戦力を維持することに汲々とするようになりました。

DSCN1903

真珠湾ヒストリックサイトのSLBM(2012年2月)
本物かモックかは不明。

 

余談だが、巨大戦艦大和や武蔵のような軍艦や、ゼロ戦のような航空機には、ロマンチシズムが在りました。いまだに多くの文学、映画のテーマになっています。

核戦力(核爆弾と大陸間弾道ミサイル・原子力潜水艦などの運搬手段からなる一連のシステム)には、ロマンチシズムは感じにくいものです。冷戦期にヒットしたハリウッド映画の中でも、核戦力を肯定的にテーマとしたものはほとんど無いと思います。強いて言うなら、強烈な心理的プレッシャーに晒されながら、本国にもその所在地点を知らせずに数ヶ月間も海の中を漂い続け、ひたすら政策決定者からのSLBM発射の合図を、来ないことを祈りつつも待ち受け続ける、戦略原潜にはロマンチシズムを感じる人は多いでしょう。だからこそ、映画『レッドオクトーバーを追え』があれほどまでにヒットしたのだと思います。

 

 

 

ということで、今のところその萌芽は見えませんが、核戦力を超克し、これを無効化する、何らかの戦略兵器が実用化されれば、自ずと核廃絶は達成されるものと思います。

破壊力においては、核戦力は、既に数百万都市レベルを壊滅可能なレベルに達しているので、次代の戦略兵器は、核戦力を上回る破壊力を目指す方向性のものにはならないと思います。
次代の戦略兵器の方向性は全く私には分かりませんが、あり得るとしたら、サイバー戦分野かロボットになるのではないかと個人的には推測します。