ファシリティ・マネジメントについて
庁舎・学校・公民館など全ての公共施設の建物、その建物の中にある各種設備(什器、水道管、ガス管、電気配線なども含む)、道路・橋などの交通インフラを一元管理して最適化しようという方法論のことです。
「一元管理」というのがポイントです。
通常は、行政に限らず組織と言うのもは、縦割りで権限と責任の範囲が決まっています。
例えば、公民館施設なら公民館の担当部署、学校施設なら学校施設の担当部署があり、それぞれ部門最適を目指して仕事しています。公民館担当部署、学校担当部署それぞれに部門の目標設定が為されており、それを元に部門の成果評価が行われます。その部門のスタッフの人事評価も、部門の設定目標に対する成果達成の度合いに応じて為されることになります。当たり前ですね。
現在、少子高齢化の進展に伴い、急速に人口構成が変化しており、行政に求められる役割も同じように変化しています。また、公共施設の建物については、従来は、学校なら学校、公民館なら公民館というように単目的で供されていましたが、現在は、一つの建物をフレキシブルに複合目的利用していくことが一つのトレンドになっています。
そうすると、各部門における部門最適が、その自治体における全体最適にならない事態が発生してしまいます。
公民館担当部署は、現行の公民館施設維持管理コストを極小化して、利用者満足を極大化することを目的とします。学校担当部署は、現行の学校施設の維持管理コストを極小化して、教育成果の極大化を目指します。それぞれの部門からは、「学校施設の空き教室を、公民館として利用したらいいかも?」などという発想は出てきません。
そこで、その自治体全体を視る視点で、全体最適を目指していこう、というものがファシリティ・マネジメントです。
また、従来、公共施設の施設・設備類は、使えるまで使い潰して、寿命がきたら壊して作り直す、というのが一般的な考え方でした。
そこには、出来るだけ寿命を伸ばして、安上がりに済まそう、という発想はありませんでした。
「建物の解体」、「建物の新築」という公共事業そのものが、たとえそこに何らかのムダがあったとしても、資源の再配分であり、地域の景気対策として機能していたからです。
右肩上がりに経済が成長し続けている時代ならばそれでも良かったのですが、もはやそんな時代ではなく、今ある施設・設備類は、出来るだけ長く使い続けて、安上がりに済ませる、という発想が必要になってきました。
蕨市に限らず、日本全国、様々な公共施設、公共インフラは、昭和30-50年代の高度経済成長期に造られたものが多く、それらが一斉に寿命を迎えつつあります。
右肩上がりで景気が良く、人口も増え続けていた当時と異なり、現在そして将来は、経済は低成長で、人口も減少していくことが確実な状況です。
今ある全ての公共施設、公共インフラの質と量をそのまま維持することは出来ません。
何を削るか、何を優先して何を後回しにするか、身を切る意思決定が必要となります。
ファシリティ・マネジメントの定義は他にもいろいろあるのかもしれませんが、以上のように、私はざっくりと理解しております。
蕨市のファシリティ・マネジメントの今までの経緯
このファシリティ・マネジメントという言葉は比較的新しいものだと思いますが、概念は、言われてみれば当たり前で、別に真新しいものではありません。最近になって急に必要になったものではなく、本来は、景気が良かった高度経済成長期にも必要だったはずです。
あまり昔のことは調べきれませんでしたが、ざっくり議会の議事録の類を調べたところ、民主党が導入を唱えたようです。
私もそれに乗っかる形で、導入を唱えてきました。
だからといって「誰の成果」というものではありません。
当たり前に必要なことなので、別に反対派もおりませんでしたし、総務省が全国の自治体に計画策定を求めていることでもあります。
蕨市のファシリティ・マネジメントの導入推進の流れ
2015年度に、「蕨市公共施設等マネジメント白書」を作りました。
これは、一般社団法人 地方自治研究機構という公的シンクタンクと、1年間かけて共同で作ったものです。
これは、体系的に調べて現状を把握するフェーズです。
昔の建物については、設計図がないとか、新築当時の担当者は全員退職しているので様子が分からない、というものが多々あるので。
2016年度に、白書をもとに、「公共施設等総合管理計画」を作る予定です。
このたびの2016年3月定例議会に上程された2016年度予算案に、そのための予算が盛り込まれ、可決されました。
具体的な内容は分かりませんが、1年間かけて、具体的な計画を立てることになります。
なお、白書は、この度の一般質問の時点では、まだ公開されていませんでしたので、内容はこの私の一般質問の内容には反映されていません。
蕨市のファシリティ・マネジメントについての、不満と問題点
・成果物として何が出てくるのか、よく分からない。
・どのように作るのか、プロセスが、よく分からない。
・途中経過が、市民に対してあるいは議会に対して、まったく公開されていない。
・市民があるいは議会が、作成プロセスにおいて、意見を表明する機会がない。
以上の4点が、私の不満でした。
要するに、
「行政当局の内部で、外部のコンサルを使って、ちょこちょこと作っているようにしか見えない」
ということです。
市長は、予算編成権を持っている行政トップなので、手続き的には、必ず議会に諮らなくてはならないわけではなく、審議会などの諮問機関に掛ける必要もなく、独断で決めることも可能ではあります。
しかしながら、私としては、そういうやり方ではなくて、もっと情報公開をしつつ、広く会議を興して、多様な意見を反映させて、作るべきと考えました。
ファシリティマネジメントというのは、
・今だけではなく、数十年後の将来に渡って、財政上の大きな影響を及ぼす、重要な案件だからです。
今の段階でどんな意思決定をしたとしても、将来の蕨市民の取り得る選択肢の範囲を狭めてしまうからです。
本市は、バブル期に高値掴みして買った土地がたくさんあり、その処理に、私達は未だに苦しんでおります。同じように、ファシリティマネジメントも、数十年後の蕨市の財政に大きな影響を及ぼすものです。
蕨市のファシリティ・マネジメントを進めるに当たっての大方針の必要性
そもそも計画策定に当たっては、グランドデザイン・大方針が必要なはずです。
優先順位をどう付けるか、複数ある施設をどうやって統廃合していくのか、様々な選択肢があります。そのようなパズルを組み立てていくかのような複雑な組み合わせを考えていくにあたっては、答えは機械的に自動的に決まるものではなく、何となく場当たり的に判断していくべきものでもなく、将来を見通した上でのグランドデザイン・大方針に基づいて考えていくべきもののはずです。
このような、蕨市ファシリティ・マネジメントのグランドデザイン、大方針は、今までに公の場で話し合われたことはありません。
市長の頭のなかにある、ファシリティマネジメントのグランドデザイン・大方針も、体系的・網羅的に明らかにするべきです。
蕨市のファシリティ・マネジメントを進めるに当たっての大方針の保谷私案
ということで、一般質問の場で市長に対して、もっと情報公開をしつつ、広く会議を興して、多様な意見を反映させて進めていくことを求めつつ、市長自身の大方針を開陳することを求めました。
同時に、私なりの、「存在感大きな街 ビッグシティ蕨を目指すための、ファシリティ・マネジメント大方針 保谷私案」として11項目を発表致しました。
- 財政負担と便益の平準化
- 財政負担の長期的な極小化
- 防災面の強化
- 民間への移行を進める
- 施設の複合化・他用途への転用を進める
- 受益者負担の原則の拡大
- 子ども関連の優先
- 他市町村との競争において、ハードで張り合わない、ソフトで勝負する
- 強力に情報公開すべし、広く会議を興し公論に決すべし、適宜見直すべし
- 資産を極力持たずに減らす、最適化を図る
- 将来の近隣市との合併論議再発の可能性を視野に入れておく
一つ一つを以下に詳述します。
「平準化」とは、要するに、時系列的に現在も未来も、等しく均してしていこう、ということです。
「財政負担の平準化」は、例えば、建物を1億円で建てたとして、20年間使うならば、(金利の概念を除いて説明すると、)1億円/20年間 = 500万円/年 となりますので、20年間毎年500万円ずつ払っていこう、ということです。
まあ、当たり前といえば、当たり前ですね。
具体的には、借り入れを起こし、その借入金を20年間かけて払っていこう、ということです(当然、利息が発生します)。たとえ、手元に余ったお金があったとしても、それを使わずに、敢えて借り入れを起こして20年間かけて払っていこう、ということを、「財政負担の平準化」といいます。
その建物は、20年間使うのであれば、それぞれの年の納税者が等しく負担するべきだ、という考え方が根底にあります。今、一括して支払ってしまう(負担してしまうと)、来年以降の未来の納税者は、負担ゼロでその建物を利用できることになり、世代間の不公平が発生する、ということになります。
通常の企業会計であれば、資産計上した上で、定額法なり定率法なりで、法定償却期間(事務所用RC造なら50年間)をかけて減価償却していくわけです。
しかしながら、自治体会計では、資産計上と減価償却という概念がありません。
歳出として、建てた年に1億円全額が計上されます。
従って、「財政負担の平準化」というのが、会計上極めて分かりにくいのです。
何でこんな分かりにくい仕組みになっているのか、未だに私はよく理解できていないのですが、そういうものです。歳出と歳入という2つの項目がある小遣い帳みたいなイメージです。
まあ、この「財政負担の平準化」というのは、当たり前の話で、あまり反対する人もいないと思います。
もう一つの「便益の平準化」、これは、ちょっと別の概念です。
私が見たところ、頼高市長は、自らの公約の重点項目である「市の借金総額の縮減」を優先するあまり、現在と将来に対する、本来必要な投資を怠っています。つまり、現在世代と近い将来世代の便益・ベネフィットは、他の世代と比べると、大きく削られてしまっています。
現在の蕨市財政には、バブル期に高値掴みして塩漬けになっている土地の借金という、失政による借金があります。「子どもにツケを回さない」というとカッコいいですが、これらは、言わば「過去から現在に付け回されてきたツケ」です。既に在るものは仕方がないので、この借金の返済は、現在世代だけが便益を我慢して負担するのではなく、広く薄く現在世代から将来世代に渡って負担していくべきと思います。
ゼロ金利時代ですから、支払いを先延ばししても、追加的な利息はたいしてかかりません。
積極的に借り入れを起こして、必要な投資を行い、便益を平準化して、世代間の公平性を確保するべきと考えます。
各ファシリティ単体での部分最適ではなく、全体最適を目指すべきです。
そのためには、公共施設・サービスの統廃合を厭わずに進めなくてはなりません。
サービスの統廃合というのは、嫌なものです。
サービスレベルが低下するわけですから。
では、どこまでサービスレベルが下がることを許容するのか?
何を持って、「無駄」と「やむを得ない負担」とを識別するのか?
全市民が100%納得する基準を作ることは難しいのですが、市全体での議論が必要かと思います。
市内各公共施設の耐震化は順次進められておりますが、まだ完成してはいません。
引き続き、高い優先順位を与えて取り組むべきですが、財政負担の平準化・財政負担の長期的な極小化を前提とするべきと思います。
耐震化に○×円かかるので、それならばこの建物の維持は諦めて統廃合する、というものも出てくるかもしれません。
官がやる必要がないもの かつ 民で出来るもの は、どんどん民間セクタに移していくべきだと考えます。
時代によっても環境、条件、が変わってくるので、意外と対象は多いはずです。
昔は民で出来なかったので、官でやる必要があったものの、今はそうではなく、民で出来る、というものは、たくさんあるはずです。
そのような領域の公共施設・サービスは、
・民間への売却、
・段階的に廃止して、その穴を順次民間セクタに埋めてもらう
・既に民間セクタの豊富な供給がある領域であれば、即時廃止
といったアプローチを検討するべきです。
例えば、
・2箇所ある市営プール
おそらく昔は民間のプール付きスポーツクラブは市内に存在しなかったので、学校以外で泳ぎたければ、市営プールに行くしかなかったのだと思います。今日では民間のプール付きスポーツクラブが市内だけでも2箇所、自転車で通える範囲の市外でもさらに複数箇所ありますので、もはや市が公共プールを提供していく意味はない、と言えるかもしれません。
・市営住宅
全国各地に同じような公営住宅がありますが、民間の住宅ストックが圧倒的に不足している時代に作られたものだと思います。今はキレイな空き家が市内にたくさんあり、今後ますます増えていく状況で、もはや市が直営で住宅を提供していく意味はない、と言えるかもしれません。低所得者層への社会保障という視点では、他の制度でカバーすることが可能なはずです。
・市立病院
昔は、市内に医療機関が少なくて、交通機関も未発達で市外に行くのも不便なので、市内に市立病院を作る必要があったのかもしれません。今日では既に市内に民間の医療機関が多々あり、交通機関が発達して気軽に市外の医療機関に通えるようになったので、市が直営で医療サービスを提供する意義は薄れている、と言えるかもしれません。
産科における分娩施設のように、市内唯一の機能もありますが、これは逆に言うと、市立病院の供給が民間の新規参入を妨げている、とも言えるかもしれません。
以上3つはあくまでも例であり、結論を急ぐべきではありませんが、このような議論を深めた方がいいと思います。
市内公共施設で、大きな需給ギャップがあるのは、
中期的には、
・保育園の不足
・特養老人ホームの不足
です。
他方で、長期的には、少子高齢化の流れは止まりませんので、
・人口減少
・子どもが減り、高齢者が増えるという人口構成の変化
が起こるので、
・保育園は供給過剰
に転じる可能性があります。
このような、本市を取り巻く環境を踏まえると、
公共施設は、単目的ではなく、複合目的利用するべきで、フレキシブルに部屋ごとに他用途に転用できるようにするべきだと考えます。
今後、新築・改築の際も、複合目的利用・他用途への転用を前提とした造りにするべきだと考えます。
これは、世の中全般的な公共施設の流行りでもありまして、お隣りの戸田市に目を転じてみると、
・芦原小学校
・あいパル上戸田地域交流センター
は、この考えに基づいて造られています。
少子高齢化の進展により、人口構成が大きく変わりつつあります。
「世代間の助け合い」を原則とする年金制度は人口構成の変化にうまく対応出来ておらず、多くの国民が不信感を抱いています。
団塊世代は逃げ切り世代とも呼ばれ、右肩上がりで景気がいい時代に家を買って一資産築いて、年金もしっかり受け取って豊かな老後を過ごしています。私が属する団塊ジュニア世代は、年金については払い込んだ分+利息分は、返ってこないと言われています。住宅ローンを組んで家を買ったとしても、右肩上がりに確実に値上がりすることは見込めず、逆に負債になるリスクに怯えながら暮らしていくことになります。今の子どもたち、更に将来の子どもたちの世代はもっと大変です。
また、高齢者層は、数が多い上に投票率も高いので、この世代の意思が政治に反映されやすく、シルバー民主主義とも揶揄されています。
少子高齢化による人口構成の急激な変化によって、世代間の不公平感は拡大しつつあり、これは社会の分裂を招きかねない危機的状況です。
(蛇足ですが、選挙権18歳引き下げは、この危機を小さくするための一つのアプローチです)
これらの危機に対処するためには、
・もっと社会保障を厚くして、世代間の資源の再配分を進めなくてはならない
という考え方もあるのかもしれませんが、そもそも今現在の、そしてこれからの問題は、
・世代間の資源の再配分が、うまく機能していない
あるいは、それどころか
・世代間の資源の再配分が、逆進的に機能してしまっている
ということです。
貧しい現役世代、将来世代の稼ぎが、豊かなリタイア世代に再配分されてしまっていて、シルバー民主主義が覆らない以上は、この流れを止めることは出来ない、というのが、現役世代・将来世代の不満の元です。
これらは一朝一夕には解決できませんが、、一つの考え方として、私は、過度の社会保障、肥大化した民生費を適正化して、かつ、受益者負担の原則を拡大するべきだと考えます。
私は、小さな政府を好みます。
政府の役割は、出来るだけ小さくあるべきです。
コミュニティバスとか市営プールとかは嫌いですね。
ついでに言うと、個人的には公民館も嫌いです。あんなものは、大東亜戦争敗戦後にGHQが勝手に作ったものです。そもそも「公民」などという言葉は、日本語にはありません。何だ公民て?現在の公民館が担っている地域コミュニティ機能は、かつてはお寺や神社が果たしていたはずです。蛇足ですけど。
首都圏内の他市町村と競争して、子育て世帯をぶん取ってきて、人口増・税収増を実現していくためには、限られた市の経営資源を、教育・子育て支援関連に重点的に優先配分するべきだと考えます。
子どもに「重点的に優先配分」する、ということは、「相対的に非優先される」領域が出てくるということですね。大人の事情で、敢えて詳しくは書きませんけど。
- 他市町村との競争において、ハードで張り合わない、ソフトで勝負する
蕨市は決して貧乏な市ではないのですが、周りの市が相対的に豊か過ぎるのです。
人口たったの7万3千、一般会計予算233億の蕨市が、ハード面で競り合っていくのは厳しいです。
ソフト面、コンテンツで勝負していくべきだと考えます。
小中学校で言うならば、ピカピカな校舎、最新式の設備ではなく、教師の質・教育の中身に投資していくべきだと考えます。
コレはとても難しいことです。
ハードへの投資は、楽チンです。
ハコを作るだけ、整えるだけです。
お金を出して、然るべき時間をかければ、必ず出来上がるんです。
だからこそ、安易なハコモノ行政が未だに蔓延しているわけです。楽チンだから。
他方、ソフトへの投資は、茨の道です。
お金だけではなくて、知恵を絞って注ぎ込まなくてはならないわけですし、結果が出るのに時間がかかります。
教育分野であれば、場合によっては、子どもたちが大人になって、10年後、20年後にようやく結果が出てくる、というものもあるかもしれません。
- 強力に情報公開すべし、広く会議を興し公論に決すべし、適宜見直すべし
繰り返しになりますが、未来に大きな影響がある以上、強力に情報公開し、広く議論をすべきです。
適宜見直すというのは、技術の革新、法制度の改正、人口動態の予測と実態のズレを適宜反映させていく必要があるだろうということで、当たり前のことなのですが、これは組織においては、時に前任者の否定になってしまうので、なかなか難しいことです。
だからこそ、3年毎とか5年毎とか、定期的に評価して見直すことを仕組み化しておくべきと考えます。
土地を持っていればいずれは必ず値上がりするという時代ではなく、今後、人口減少時代を迎える中で、ハコモノの新設・拡充を迫られることはほぼあり得ません。
今は利用目的がないが、将来もしかしたら何かに使うかもしれない、ということもあり得ません。
将来に渡っても有効活用の見込みが無い、遊休土地・施設は、どんどん売却するべきと考えます。
昔は存在意義があったもの、今は無く、何となく他用途転用しているような、例えば西口連絡所のような施設も同様です。
蕨市北町1丁目26番地の日本車輌社宅跡地について、社宅取り壊し後にしばらく空地になっており、市が買い取ってはどうか?という話がありました。私の会派は、買い取り賛成派で、私自身も何となく賛成していたのですが、今は間違っていたと思いますね。
何か利用計画があって、そのためにその土地を買う、というのならいいのですが、
取り敢えず売りに出ているまとまった広さの土地だから買い取って、然る後に使い道を考える、
というのは、本末転倒です。
かつてバブル期に使い道もないのに高値掴みして土地を買いまくった失政の二の舞いですよ。
利用目的もないのに取り敢えず借金して土地を買うことは、将来への投資とはいいません。
- 将来の近隣市との合併論議再発の可能性を視野に入れておく
2000年から2004年にかけて川口市、戸田市、鳩ヶ谷市との合併交渉が進められて、破談になりました。
将来、再び他自治体との合併交渉を行う事態が出来する可能性があります。
為念、私が望んでいるわけではありません。あくまでも可能性の話です。
その時の、後輩たち、子供世代、孫世代、ひ孫世代の意思決定の足枷になるようなことは出来るだけ避けるべきだろうと考えます。
ファシリティマネジメントにおいては、何をやっても、あるいはやらなくても、いずれにしても将来に影響を及ぼすものなのですが、将来世代の取り得る選択肢の範囲は出来るだけ幅広く残しておくべきと考えます。