海外で最近、よく見かけるようになった、電動キックボードのシェアリングサービス。
楽しそう。
お手軽だし、シェアリング自転車と比べると、駐車するのに場所を取らないし、運転免許返納後の高齢者のモビリティとして、道路運送車両法・道路交通法の制度変更を前提として、アリじゃあるまいか?と思っていた。
今日、初めて乗ってみたのだが、結論として、無理です。無理、無理。
怖くて、とてもではないが、高齢者に乗りこなせるものではありません。
海外で最近よく見かけるシェアリング電動キックボード
どこの国でも、あちこちの歩道上に乗り捨てられております。
シェアリング自転車と同じように、車両に貼ってあるQRコードを、アプリで撮影してロック解除する仕組みです。
概ね、ヘルメットは要らないし、ナンバーも登録されていないし、ウインカーも付いていません。歩道を走っても問題ないようです。
2019年冬、ペルーのリマにて。
米国のLime社のLime-Sですね。
2019年秋、オーストリアのウィーンにて。
歩道のど真ん中に、乗り捨てられています。
ウィーンでは、市内のあちこちに自転車専用レーンがあります。歩道や車道ではなく、自転車専用レーンを走っているケースが多いようでした。
2019年秋、スロベニアのリュブリャナにて。
自転車置き場に乗り捨てられていました。
2018年秋、チェコのプラハにて。
地下鉄駅の、いかにも旧東側チックな入口を撮影したものですが、奥のスーパーBILLAの前に、よく見ると一台乗り捨てられているのが写っていました。
我が国における、電動キックボードの道路運送車両法・道路交通法上の扱い
原動機付自転車、すなわち、50ccのスクーター、カブなどと同じ扱いとなります。
従って、運転者は、運転免許証を携帯して、ヘルメットを被る必要があります。
車両は、ナンバー登録して、軽自動車税を払い、自賠責保険に加入し、ウインカー、警笛などの保安部品を装備する必要があります。
歩道は走れず、車道を走ることになります。3車線以上の交差点では原付なので2段階右折をしなくてはなりません。
これはかなりハードルが高い。
しかし、道路運送車両法・道路交通法を変えて、歩道を走れるようにすれば、運転免許返納後の高齢者のクルマ代替モビリティとして、アリなのではないか?と思っていました。
https://www.blaze-evscooter.jp/
我が国の道路運送車両法・道路交通法に合わせて、保安部品をつけた電動キックボードは、幾つかの会社が製造していますが、だいたい15万円前後(+軽自動車税+自賠責保険)なので、試験的にオモチャとして買うには高く、躊躇していました。
我が国にも、電動キックボードのシェアリングサービスがあった!
Wind Mobility Japanは、電動キックボードの最新機種「WIND3.0」を2月19日から浦和美園駅(さいたま市)のステーションに追加配置すると発表した。 …
昨日たまたま目にしたニュースで、シェアリング電動キックボードの新車種が埼玉高速鉄道浦和美園駅に配備されたとのこと。
実は、昨年2019年から営業していたらしい。全然知らなかった。
Wind Mobilityという、ドイツの会社の日本法人ですね。
浦和美園ならば蕨からは30分で行けるし、これは試しに乗ってみるしかない!
天気もいいし、本日、乗りに行ってみました。
Androidアプリをインストールして、運転免許情報を入力して写真を送るなどして会員登録し、1,000円分をクレジットカードでプリチャージしました。
アプリ内の地図で、キックボードが置いてある場所を探す。
浦和美園駅の構内にありました。
橋上駅の2階。
左3台の黄色が、今日から新配備されたWIND3.0という新車種で、右の青色が旧車種のようです。
車両に貼られたQRコードを読み取って、ロック解除。
駅のエレベーターに乗って、1階まで下ろすところ。
ライトは常時点灯式ですね。
(確か、90年代後半以降に製造された二輪車両は、常時点灯にしないとならなかったはず)
ミラーは、右側のみ。
(確か、道路運送車両法・道路交通法上は、右側ミラーだけが必須で、左側は不要だったはず。オフロードバイクだと、昔はよく左側だけ外している人がいました。)
ステーの黒い部分には、デジタルでスピード表示されます。
ブレーキは、左右それぞれのハンドルに付いています。
右側ハンドルの手前についているレバーがアクセルとなっています。
静止状態でアクセルを回しても動きません。足で蹴って動き出した状態でアクセルを回して初めて、モーターが動き出す仕組みです。
もちろんナンバー登録されていて、自賠責保険のシールが貼ってあります。
しかし、ウインカーが付いていない!
これって、道路運送車両法・道路交通法的にアリなのか???
しばらく乗ってみました。
おおぅ、これは楽しい。面白い。
しかし、怖い。
最高速度は、メータ読みで24km/h。
ホイルが小さいので、道路のギャップやヒビを拾いまくり、足が取られてふらふらします。
曲がるときは、なお怖い。
さらに、ウインカーが付いていないため、曲がるときは手サイン(手信号)をやらなくてはならない。手をまっすぐ横に伸ばしたり、Lの字型にしたりする、アレです。
手サインは、ウインカーの代替なので、曲がり始める前から予告をして、曲がり終えるまで、表示し続けている必要があります。
右手はアクセルレバーを押し続けていなくてはならないので、左手で手サインをするわけですが、ふらついてしまって、片手運転で曲がるのはほとんど不可能。
楽しいけど、汗びっしょりになりました。
駅構内のポートに車両を戻し、アプリ上で「ライド終了」ボタンを押す。
ということで、かなり運動神経、体力が必要です。
道路運送車両法・道路交通法を変えて、歩道をゆっくり走れるようにしたとしても、高齢者が乗りこなすのは無理でしょう。ちょっとした段差やギャップに車輪を取られて転ぶ人が続出すると思います。
埼玉高速鉄道は、モビリティの実験が好きらしく、電動キックボードの横では、電動車いすの無料貸し出しサービスをやっていました。
さらに駅の外では、スクーターのシェアリングサービスHello Scooterのポートがありました。
こちらは、個人的にはあまり興味なし。
シェアリング自転車は、日本の道路事情には合っていないと思料
歩道に自転車を止めてもOKというルールがある国じゃないと無理でしょうね。
シェアリング自転車と言えば、中共が先進国ですが、そもそもビジネスモデル的に成り立つのだろうか?
旅行者としては便利なので、行ったら使いますけど。
2018年2月、深センにて。
中共にはここ1年間くらい行っていませんが、美団点評に買収されたmobikeってどうなったんでしょうか?
私のAndroid版のmobikeアプリ、だいぶ前のアップデートから、さっぱりアプリそのものが起動できなくなりました。
先月くらいには、プリチャージ分の残額が、クレジットカードに返金されていました。
同じく深セン。
これはひどい。
この状況が法的、社会的に許される環境でないと、シェアリング自転車は成り立たないと思います。