先週、2019年6月21日、お台場で開かれていた教育ITソリューションEXPOに行ってきました。
教育業界における、ITソリューション(ハードウェア、ソフトウェアとそれらの組み合わせ)の大規模な展示会で、IT業界ではこの種のイベントは毎年いくつもお台場や幕張でやっており、諸々の最新の流れを把握するのに手っ取り早くて効率がいいのです。
校務システム(学校・教員間のコミュニケーション)、学務システム(学校側と学生・生徒側との間のコミュニケーション)、大量高速な採点マシン、英語教材の類などが多かったのですが、最も関心があったのは、プログラミング教育の教材・仕組みでありました。
いわゆる「プログラミング教育」には、
(1)狭義の、プログラミングそのものの技術を身につけるための教育
(2)広義の、プログラミング思考を身につけるための教育
の2種類があり、これは似て非なるものです。
私個人的には、最近のプログラミング教育がやたらともてはやされている風潮には否定的です。
定義(1)プログラミング技術教育は、そもそも小中学校でやるようなものではなく不要であり、定義(2)プログラミング思考を身につける教育は、算数・数学をしっかり学べば十分ではないかという疑問を常々抱いています。
しかしながら、
↑上の2014年のエントリで書いたように、教育の領域においては、素人の主観的な考えは危険であり、排さなくてはならないことも理解しているつもりなので、最新の流れについては関心を持っております。
ということで、プログラミング教育の教材、仕組み類を一通り見てきました。
これからの小中学校が導入しようとしている「プログラミング教育」は、上記の定義(1)ではなく、定義(2)を指しています。
プログラミング言語を用いて、コンピュータの画面に向かってコーディングするわけではありません。
既存の国語・算数(数学)・理科・社会といった科目の中で、プログラミング思考を身につけさせよう、というものです。
いくつもの企業グループが展示していましたが、どれもこれも概ね同じ仕組みで、
・キットを組み立てて簡易なロボットを作り、
・PCやタブレットの画面上でビジュアルプログラミング言語を用いて、そのロボットを動かす
というものでした。
コレ以外の仕組みは無し。
これらの企業グループが販売している商品は、
・ロボットの制作キット
・PC、タブレットなどのハードウェア
・ビジュアルプログラミング用のwebアプリケーション、AndroidあるいはiOSアプリ
・テキスト類
これらのセット、ということになります。
ビジュアルプログラミング言語とは、上記の写真のタブレットの画面内で表示されているように、あたかもブロックを並べてフローチャートを作るかのように組み立てていき、ロボットへの指示を作る、というものです。
例えば、
・IF 壁にぶつかったら THEN 止まる
・前へ2秒進む
・赤いライトを1秒点灯する
・右に旋回する
・前へ1秒進む
・ブザーを2秒鳴らす
みたいな感じです。
まあ、何というか、楽しそうではあります。
ところで、あるブースの説明スタッフに、「ロボットは、男子は興味を持つだろうけど、女子はどうなんですか?」と尋ねたところ、「女子もリボンを付けたりして楽しんでやってますよ」とのことでした。
うーん。やはり、何か違う気がする。これじゃない感を感じる。
引き続きこの分野については注視していきます。