蕨市新庁舎の落成式がございました

昨日、令和5年(2023年)9月18日、蕨市新庁舎の落成式、合わせて建物内部・設備の内覧会がございました。

 

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テープ切断をさせていただきました。

 

 

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1階ホールにて式典が行われました。

1階中央部は、広々としたホールのようになっており、ガラス張りの5階天井まで吹き抜けとなっています。

 

 

こちらの埼玉新聞の記事内の写真にある通り、外壁には、木材のようなものが巻き付けられています。

建築業界では、テラコッタ・ルーバーと呼ぶそうですが、要するに、

テラコッタ = 素焼き

ルーバー = 目隠し板

です。

本物の木ではなく、素焼きの陶器なのです。

年月が経つうちに黒ずんできて味が出てくるのはないでしょうか。

 

 

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いざ災害発生時には、災害対応の拠点となります。

地震に強い、免震構造です。

蕨市内は外水氾濫の折には、市内全域が浸水・冠水することになりますが、床上浸水しても機能し続けるように、受電設備、非常用電源設備は、屋上に設けられています。

非常用電源設備の燃料は軽油で、72時間分を備蓄しているとのこと。

尚、地下階はありません。
(地下には免震設備があり、人が入ることはできる)
地上5階建てです。

 

 

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市内公共施設への公衆無線LAN設置については要望し続けてきたところです。

ようやくフリーWi-Fiが導入されていました。

 

 

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執務フロア。

大部屋形式です。
最新の建物のわりには、何だか天井が低めな感じがしますね。
白色ベースで、虚飾を排した質実剛健な印象。

 

 

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市議会の議場。

 

最上階である5階が議会フロアとなっています。

どこの都道府県庁、市町村の役所でも、一般的には、(別棟になっていない場合は、)議会フロアは最上階です。最上階の一つ下のフロアが、市長室などの幹部フロアとなります。

 

議員は市民の代表であり、議会は市民の代表が市政について話し合う場です。
行政は市民に仕える存在であり、行政 対 市民という構図で考えた場合、行政よりも市民が上位に位置しているべき、という考え方に基づいています。

 

 

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議会事務局の部屋より、南方面を望む。

天気が良く、スカイツリーが見えました。

 

 

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新庁舎開庁に合わせて、幾つかの組織名が変更になります。

組織変更(分離統合・改変、業務内容の変更など)ではなく、あくまでも組織の名称のみの変更ですね。

組織名は、組織の進むべき方向性、仕事に取り組む姿勢を示しています。
たかが組織名、されど組織名ですね。

 

 

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待合スペース脇の子供の遊び場。

 

 

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相談室。

旧庁舎では、このような個室形式の相談室はありませんでした。
プライバシに配慮して話し合いができる部屋です。

 

 

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内側から鍵がかけられる個室の、赤ちゃん世話室。

「mamaro」と書いてあるのは、この据え置き型個室ボックスの商品名です。

https://mamaro.greatestday.co.jp/

導入価格300万円とのこと。

 

 

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内部はこんな感じ。

 

 

このように、子育て支援系の設備は、充実しておりました。

 

 

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銀行ATM設置ブース。

これは珍しいですね。

 

 

駐車場の広さは、80台分です。

たったのこれだけ?少ないのでは?狭いのでは?というご意見をいただきました。

私もメンバとして出席していた、平成30年度に開かれた蕨市新庁舎建設基本構想・基本計画審議会でも、そのような意見を出しました。コンサル業者曰く、蕨市の行政規模からすると、公共施設建設業界の経験から編み出した公式に当てはめて算出すると、この台数が適正であるとのことでした。


拉致問題を考える埼玉県民の集いに参加しました。

昨日、令和5年(2023年)9月16日、浦和にて拉致問題を考える埼玉県民の集いがあり、参加致しました。

 

20230916 拉致問題を考える埼玉県民の集い

 

 

このイベント、毎年行われているものですが、私が参加したのは、2014年以来ですね。

市議会議員の時代は、特にこの会の案内などが回覧されてくるわけでもないので、開催日を把握しておらず、ふと気がつくといつの間にかその年の会が終わってしまっていたりすることも多々ありました。

 

 

埼玉県議会には、北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を図る埼玉県議会議員連盟というものがあり、私はここに所属しております。

議員連盟、略して議連というのは、超党派で、何らかのテーマについて取り組む議員が集まる団体のことです。
様々な種類のものがあります。
蕨市議会では、議員数規模が小さいこともあり、議員連盟は一つもありませんでしたが、埼玉県議会には多種多様な議員連盟があります。

この拉致議員連盟を通じて案内が回ってきて、多くの県議会議員が参加しておりました。

 

 

20230916_拉致問題を考える埼玉県民の集い 配布資料

主催団体は、

・救う会埼玉
・埼玉県

です。

県が主催団体の一つですので、県の職員も運営に携わっていました。

 

県内の市のうち、

・さいたま市
・熊谷市
・川口市
・行田市
・上尾市
・桶川市
・久喜市
・蓮田市
・白岡市
・吉川市

が後援しています。

 

 

このイベントが、来年は開催せずに済むことを祈ります。

しかしながら、来年開催することになった場合は、特定失踪者が2名いる蕨市にも後援してもらいたいですね。
(政府認定拉致被害者の田口八重子さんは、蕨市内の喫茶店で働いていたことがある、という情報もあります)

 

 

拉致問題は、人権問題のみにあらず、我が国の国家主権が侵害されたという問題

拉致被害者の本人の意思に反して身柄が拘束され、北朝鮮に連れ去られているという点で、人権の侵害であることには間違いがないのですが、

我が国の国家主権が侵害された、という問題でもあります。

つまり、安全保障問題です。

我が国政府としては、最高度の優先順位で取り組むべき課題です。

 

 

蕨市一般会計予算 :外国人園児・児童生徒保護者補助金を廃止しよう

蕨市一般会計予算の中には、外国人園児・児童生徒保護者補助金というナゾの補助金制度があります。

朝鮮学校にに通う子供の親だけを対象としたものであり、間接的な朝鮮総連への補助金にほかなりません。

経緯も根拠も不明で、我が国の国益に反する、極めて邪悪な補助金制度であるとして、市議会でも度々取り上げて問題視し、廃止を求めてきました。

 

 

10月21日、拉致被害者・特定失踪者家族の集いのご案内

拉致被害者・特定失踪者家族の集い 案内資料

令和5年(2023年)10月21日(土)、新宿でこのイベントが開催されるとのことです。

主催は、特定失踪者問題調査会です。


蕨市敬老会がございました

本日、令和5年(2023年)9月16日、蕨市民会館において、蕨市お年寄りを敬う会がございました。

ご長寿をお祝い申し上げます。

 

 

昨年度よりも、参加者は多かったとのことです。

また、参加者多数のため、地域ごとに分けて2部制として行われました。

 

20230916 蕨市敬老会

会場全景

 

20230916 蕨市敬老会

お祝い申し上げます。

 

20230916 蕨市敬老会

式典の後は、蕨市PR大使の演歌歌手、美月優さんの歌。

アンコールの声が鳴り止まず、会場は大いに盛り上がっておりました。

 

会場を後にする参加者の方々からは「すごく楽しかった」、「最高の体験だった」という意見を多数いただきました。

関係者の皆様、お疲れ様でした。

 

 

尚、前回 令和4年度(2022年度)は、本年令和5年(2023年)1月に開催されたところです。


蕨市内中学校の体育祭

本日、令和5年(2023年)9月16日(土)、蕨市内3中学校において、晴天の下、体育祭が行われました。

まだまだ残暑が続きますが、8月のピークの暑さよりはだいぶ気温も下がっているのを肌で感じます。日もだいぶ短くなったし、秋が近付いてきていますね。

 

 

蕨一中

20230916 蕨一中体育祭

開会式にて、選手宣誓。

 

 

蕨二中

20230916 蕨二中体育祭

学年別、クラス対抗全員リレー。

これはアツい。

クラス全員参加なので、当然ながら、速い子もいれば遅い子もいます。
順位が目まぐるしく入れ替わります。

 

 

蕨東中

インフルエンザによる学年閉鎖が行われたため、学年ごとの変則的な開催となり、来賓受け入れも中止されました。

 

インフルエンザ、コロナ感染が学校で広まっており、学級閉鎖が相次いでいるようです。


蕨市子ども会スポーツ中央親善大会がございました。

先日、令和5年(2023年)9月10日、塚越グラウンドにおきまして、蕨市子ども会スポーツ中央親善大会がございました。

ソフトボール大会は5チーム、フットベースボールは3チームが市内各地から集結し、日頃のトレーニングの成果を発揮して全力を尽くして戦いつつ、お互いの健闘を称え合いました。

本大会は、蕨市子ども会育成連合会 — いわゆる市子連(しこれん)主催のイベントであります。

台風一過、晴天の下で開催出来てよかったですね。

R50910蕨市子ども会育成連合会スポーツ中央親善大会(2)

開会式の様子

 

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来賓としてご挨拶させていただきました。

すべての選手の皆様、大会会長である比企孝司 市子連会長 をはじめとするスタッフの皆様、お疲れ様でした。


茨城県・福島県沿岸部の豪雨災害被災地を訪問

本年、令和5年(2023年)9月8日から9日にかけて、茨城県・福島県沿岸の大雨は、大規模な被害をもたらしました。
お亡くなりになった方のご冥福をお祈り申し上げます。
被災した方々を衷心よりお見舞い申し上げます。

 

マスメディアの報道によると「台風13号による大雨」あるいは「線状降水帯による大雨」と、表記の揺れが見られます。

私の理解によると、台風と線状降水帯は、気象学的にはまったく別個の現象のはずです。
このあたりは、これから詳しく分析されていくものと思います。

 

9月10日、現地の被災状況を視察して参りました。

 

 

日立市河原小地区

沿岸に近い地域です。
海には、小さな漁港と海水浴場がありますが、漁業や観光の街という感じではないですね。住宅が密集した、住宅街です。

 

20230910 日立市河原小町

地域全域が水没したわけではなさそうです。

川の近くの、ごく一部の地域が水没したようで、道路は土砂が堆積していました。

 

20230910 日立市河原小町

橋のたもと部分の車道、川に沿った歩道のアスファルトが激しく削られてしまっています。

 

20230910 日立市河原小町

同じ位置から、カメラを右側(川側)にパンして撮影したもの。

氾濫したのは、こんな川です。

堤防もありませんし、川の敷地にすぐ隣接して民家が立ち並んでいます。

 

20230910 日立市河原小町

泥水を被った畳が、路上に山積みになっていました。

泥水に浸水すると、基本的には乾かしてももう使えません。

 

20230910 日立市河原小町

災害ゴミが野積みになっています。

 

20230910 日立市河原小町

エアコンの室外機が冠水したようです。
家屋の壁面には、泥の後がついていません。

この地域は、全体的に、泥の量がそれほど多くないのですよ。

つまり、川が氾濫して流れ出た水は、それほど土砂を含んでいなかったのではないかと予想します。

上流部で土砂崩れが起きたわけではなく、純粋に、河川が氾濫しただけ、ということのようです。

 

20230910 日立市河原小町

この川のちょっと上流部。

せいぜいこんな川。

 

水害は、
・内水氾濫(都市型水害、マンホールやドブが溢れるなど)
・外水氾濫(河川の氾濫、いわゆる洪水)

の2種類に分類されるのですが、これは河川の氾濫なので、外水氾濫ですね。

 

日立市河原子町ハザードマップ外水

日立市ハザードマップ 洪水浸水想定区域(2023年9月時点)

河川の氾濫はまったく想定されていなかったことが分かります。

 

日立市河原子町ハザードマップ内水

日立市ハザードマップ 内水浸水想定区域(2023年9月時点)

川の氾濫と言うよりも、川に沿ったごく一部の雨水排水機能がキャパオーバになることが想定されていました。

注意書きには、以下のように書いてあります。

想定最大規模降雨(1000年に1度の雨)により、既存の排水施設で処理しきれない内水が氾濫した場合に、想定される浸水区域及び水深を表示しています。
※「水防法」に基づくものではありません。

上の、橋のたもとのアスファルトがえぐれた部分は、黄色(0.5m-1.0m未満)になっています。

今回の雨量は、千年に一度クラスだったということですね。

 

 

 

日立市役所

TV報道では、呆然とした表情の市職員達がバケツリレーをして泥水をかき出す映像が流れていました。

日立市では、東日本大震災によって被災した市庁舎を、災害に強い建物に建て直したはずなのに、その新庁舎が被災してしまった、ということです。

災害に強い新庁舎をまさに今建設中で、竣工間近に控えている蕨市民としては、ショッキングでしたね。

 

20230910 日立市役所

日立市役所の全景。

上流部(山側)から望む。

建物手前の駐車場から道路にかけて、一面が水没したようで、土砂が堆積しています。

 

20230910 日立市役所

拡大したところ。

小さな2つの川が、市庁舎敷地の上部(山側)にて合流しています。

 

20230910 日立市役所

ここが氾濫した地点のようです。

2つの川が合流した後、この川は、上記写真の左端に写っているように、暗渠に流れていきます。

川の水面から、天端までは2-3mくらいありますが、堤防はありません。
人やクルマの落下防止のフェンスが設けられていたのみです。

 

20230910 日立市役所

上記の位置から、カメラを上流部(山側)にパンさせて撮影した写真。

数沢川。

写真左側(川の右岸)の建物は、日立メディカルセンター看護専門学校の校舎。
写真右側(川の左岸)の建物は、google mapには情報が載っていないのですが、校舎か寮か何かのような造りです。

さらに川の上流は、街区が整った住宅街です。

市庁舎の上流部には、氾濫した形跡はありませんでした。

氾濫したのは、あくまでも、市庁舎の真上地点のみだったようです。

 

20230910 日立市役所

市職員が泥をかき出したり、濡れたものを干したりしていました。

 

20230910 日立市役所

移動式ポンプで排水している。

まだ地下フロアの浸水は続いていたようです。

 

市庁舎が冠水した後、日立市の災害対策本部は、消防本部に移されたそうです。

この地域で停電が発生したわけではないようですが、地下に配置された受電設備、非常用発電装置が浸水し、市庁舎は停電したそうです。

地下に電気関係の設備を置いてはいけない、ということですね。

 

日立市役所ハザードマップ内水

日立市ハザードマップ 内水浸水想定区域(2023年9月時点)

浸水がまったくの想定外ではなかった、ということが分かります。

今回の電源喪失は、想定外ではなく、想定内の出来事だった、ということですね。

 

20230910 日立市役所

市庁舎近くの、国道6号の歩道。
歩いて、消防本部へ。

 

20230910 日立市消防本部

市庁舎から、国道6号を挟んで斜め向かいに位置する、日立市消防本部。

かなりゆったりした造りの建物です。
敷地は広く、公園を兼ねた芝生が市民の憩いの場となっており、昼寝すると気持ちよさそうでした。

 

20230910 日立市消防本部

日立市消防本部の近く。

宮田川。

川がカーブする箇所で、外側が削れてしまったようです。

 

 

日立市白銀町地区

上記の、消防本部のすぐ脇を流れる宮田川を遡り、白銀町地区へ。

 

20230910 日立市白銀町

宮田川は、この白銀町地区では、局地的に氾濫したようです。

 

20230910 日立市白銀町 日立武道館

日立武道館。

大正6年、日立鉱山の福利厚生施設として建てられ、後に日立市に寄贈され、今は武道館として用いられています。

駐車場が災害ゴミ置き場となっていました。

 

 

いわき市 内郷白水町

再び常磐自動車道に乗って更に北上し、福島県いわき市へ。

 

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新川にかかる橋。

 

水没したクルマをレッカー移動していました。

川には、大量の木々が引っかかっています。

 

20230910 いわき市内郷白水町

この川は、堤防はありません。

川に沿った人家は全面的に床上浸水したようで、泥をかき出したり、家財道具を干したりしていました。

 

20230910 いわき市内郷白水町

折り重なったクルマ。

 

20230910 いわき市内郷白水町

橋に引っかかった木々。

 

20230910 いわき市内郷白水町

道路上を覆い尽くした土砂はまだ濡れており、ぬるぬるして滑ります。

 

20230910 いわき市内郷白水町

路面が乾いた箇所では、土埃が凄まじく、クルマが通るたびにもうもうと巻き上げられます。

 

それでは、この新川にかかる橋を中心とした、いわき市内郷白水町のハザードマップを見てみましょう。

いわき市内郷白水町ハザードマップ土砂災害

国土交通省 重ねるハザードマップ いわき市内郷白水町 土砂災害(2023年9月時点)

川に沿った谷筋の集落だけに、土砂災害の危険性は指摘されていました。

 

いわき市内郷白水町ハザードマップ洪水

国土交通省 重ねるハザードマップ いわき市内郷白水町 洪水(2023年9月時点)

しかしながら、新川が氾濫する可能性は、まったくの想定外だったようです。

堤防もないし、まさかこの川が氾濫するはずがない、と近隣住民は安心していたのではないでしょうか。

 

20230910 いわき市内郷白水町

同じ川の、少し下流部に移動したところ。

この辺りは、氾濫していません。

 

しかしながら、クルマから降りると、すさまじい異臭がしました。

腐敗臭と違う。
どちらかと言うと、排泄物の臭いに近い。
しかし、おそらく、排泄物そのものではない。

よく、土砂崩れの前触れ現象の一つとして「異臭がすることがある」と言われるが、その類だったのではないでしょうか。

 

 

水没した白水阿弥陀堂

以前に行ったことはなく、初めて訪れました。

平安末期に建てられた、国宝指定の建物です。
池水浄土庭園の奥に阿弥陀堂があります。

 

20230910 いわき市 水没した白水阿弥陀堂

浄土庭園は泥水で濁っていました。

 

20230910 いわき市 水没した白水阿弥陀堂

阿弥陀堂は水没しています。

 

いわき市白水阿弥陀堂ハザードマップ洪水

国土交通省 重ねるハザードマップ 白水阿弥陀堂 洪水(2023年9月時点)

5.0-10mの浸水が想定されていました。

標高が低いようですね。

 

 

いわき市 内郷宮町

少し北上して、内郷宮町地区へ。

内郷第二中学校では午後11時頃に体育館の床上が浸水したため、避難者の受け入れを停止した。4世帯6人がステージ上に移ったという。

避難所が床上浸水って、やばいですね。

 

20230910 いわき市立内郷第二中学校

内郷第二中学校

敷地内に入るのは遠慮しました。

 

20230910 いわき市立内郷第二中学校

敷地内は災害ゴミ置き場になっていました。

床上浸水した体育館。
決して、川に隣接しているわけでも、この集落の中で特別に低い位置にあるわけでもありません。

 

20230910 いわき市内郷宮町

避難所である中学校体育館が床上浸水したくらいですから、この地域一帯が全面的に床上浸水したようです。

 

20230910 いわき市立宮小学校

いわき市立宮小学校。

川から溢れた水・浮遊物が道路上を流れ、フェンスを押し倒したようです。

 

20230910 いわき市立宮小学校

同じく、宮小学校。

流れてきたクルマが、フェンスを乗り上げる形で押し倒しています。

 

20230910 いわき市内郷宮町

この地域に床上浸水をもたらした、宮川。

川の水面から天端までは、2-3mくらい。
堤防はありません。
川にすぐ隣接して、民家が建てられています。

 

 

それでは、この地域のハザードマップを見てみましょう。

いわき市内郷宮町ハザードマップ土砂災害

国土交通省 重ねるハザードマップ いわき市内郷宮町 土砂災害(2023年9月時点)

上記画像内で、
川は左から右に流れています。
2つある学校マーク【文】のうち、
右側が、内郷第二中学校
左側が、宮小学校。

 

集落の後背には里山があり、土砂崩れの危険性が示されています。

 

いわき市内郷宮町ハザードマップ洪水

国土交通省 重ねるハザードマップ いわき市内郷宮町 洪水(2023年9月時点)

なんと、宮川の洪水の可能性は、ハザードマップ上では示されていません。

 

 

ハザードマップは不完全

ということで、上記で見てきたように、河川が氾濫した箇所は、

ハザードマップ上で氾濫可能性が指摘され、想定浸水深の範囲内だったところもあれば、

ハザードマップ上では氾濫可能性は指摘されていなかったところもありました。

 

 

「ハザードマップがおかしい!」ということでは決してありません。

 

ハザードマップは、ある一定の前提条件の下での被害シミュレーションを示したものに過ぎません。

雨の降り方が一様ではないように、前提条件を決める要素には多くのものがあり、ありとあらゆる前提条件を想定して、ありとあらゆる全てのパターンのシミュレーションを行うことは、現実的ではありません。

 

しかしながら、分かってはいるのですが、ハザードマップが示すレベルを超えた被害が生じた、という事実は、猛烈にショッキングーであります。


広島市豪雨災害伝承館を訪問

2つ前のエントリ「平成26年広島市豪雨土砂災害現場を9年ぶりに訪問」で述べたように、広島市豪雨土砂災害の現場を9年ぶりに訪問した後、

 

広島市豪雨災害伝承館へ。

展示物は、テキスト+写真のパネル、動画がメインで、これらの情報のほとんどは、ネットで調べれば見ることが出来る。

唯一面白かったのは、災害現場の写真集の冊子で、撮影した場所の地図や解説も付け加えられていた。これは見ごたえがあった。

 

 

この施設は、ちょうどこの訪問日に開設されたばかりで、記念講演会があるので、これを聴講するのも、今回の訪問の目的の一つだった。

広島大学の防災・減災研究センター長の海堀正博特任教授
広島地方気象台の中村浩二台長

 

幾つか面白い話を聞けたので、以下にメモ。

 

  • 防災対策のパラドクス

津波に備えた防潮堤、川の氾濫に備えた堤防、土砂崩れに備えた砂防ダムといったように、防災対策を強化すればするほど、避難の必要がなくなったと思われ、居住エリアが広がり、新たな人家が建てられてしまう。
防災施設は、それぞれ一定の条件の下に造られており、限界がある。ある程度までしか守れない。
土砂災害防止のために、自然的な素因を変えることは不可能。社会的な素因をいかにして減少させるか。


所見:だからこそ、レッドゾーンのみならずイエローゾーンについても、新規居住を制限した上で、既存の住居の居住者に対しても政策的な移転誘導が必要なのではあるまいか。

 

  • 避難指示を出すタイミングの判断は困難

平成26年広島豪雨災害においては、避難勧告(2021年にこの用語は廃止され、避難指示に一本化されている)が遅かったために犠牲者が多くなったと言われていた。
しかしながら、豪雨の夜中に避難することで、別種の被害が生じた可能性もある。
そして、避難指示が早過ぎても、空振りの印象を残しがちになり、オオカミ少年効果を生んでしまう。


所見:行政に対して、完璧な避難指示を求めるのは無理。各家庭毎に、自分たちでリスクを背負った上で判断するしかない。行政の避難指示は、一つの判断材料程度と考えるべき。

 

  • 住民の災害に対する危機感の向上は難しい

今までの経験から、
ハザードマップの公開だけでは、だめだった。
過去の災害を示す石碑も、だめだった。


所見:まあその通りなのですが、頑張るしか無いですね。地方政治家として肝に銘じます。

 

  • 線状降水帯は現状では予測困難

発生メカニズムは未解明。従って、予報モデルが確立していない。
我が国においては観測体制も不十分。
「前線が居座っている」という表現が用いられことが多いが、風は常に吹いており、積乱雲は移動している。積乱雲は、誕生→発達→縮小→消滅のサイクルを繰り返している。たまたま同一地域において、発達した状態の積乱雲が線状に並んで居座っているように見える状態が、線状降水帯。


所見:スーパーコンピュータをたくさん買えばいいんじゃね?と思っていたのですが、モデルが確立しておらず、観測体制が不十分ということであれば、そんな単純ではないのですね。

 

  • 広島地方気象台は、県内市町村の首長とホットラインを築いている

台長が、年に1回ずつ、すべての首長を訪問している。台長と首長がトップレベルで直接電話で話せる人的関係を築き上げている。


所見:へー、これはすごいですね。広島地方気象台だけの体制なのか、この台長が個人的に力を入れていることなのかは分かりませんが、埼玉県でもやって欲しいですね。
地方気象台というのは、概ね都道府県に一つずつあり、埼玉県の場合は、熊谷市に熊谷地方気象台があります。
熊谷地方気象台の台長と、蕨市長が直接会ったり電話で話したりしているのかは、存じませんが、そのような話は聞いたことはないですね。この種の他の行政機関との連携については、市長が日共だとほぼ不可能に近いくらい極めて困難であり、日共党員の市長を抱える蕨市における大いなるディスアドバンテージです。共産主義者は、既存の秩序を破壊して社会を転覆し革命を起こすことを第一義に考えていますので、他の行政機関からは、連携・コミュニケーションは根本的に不可能だと見なされています。

 

 

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講演会の様子。

 

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講演会の後は、地元の梅林小学校の生徒によって、自分たちが考えたの防災対策の発表会が行われました。

 

 

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県営緑ヶ丘住宅の片隅に立つ慰霊碑。