個人的には、電子書籍はkoboが日本市場に参入した2012年から使い続けていて、かななりヘビーに使っている。
hoya_t blog 2012/7/23 : koboインプレ
hoya_t blog 2012/7/29 : koboインプレ2
1台の端末に何十冊分も入るので移動時は便利だし、防水なのでお風呂でも読めるし、バックライトがあるから減光した飛行機内などでも読める。
他方で、コンテンツを中古として売ったり、誰かに貸したりすることは出来ないといった不便な点もある。
一ヶ月前の日経で、楽天が自治体図書館向けの電子書籍プラットフォームビジネスをやっていることを初めて知った。
日経新聞 2018/7/14 : 自治体図書館で電子書籍 普及に向け特徴生かせるか
この記事は、神戸市立図書館が導入したことを書いているだけで、詳しいことは何も解説していない。
電子書籍アーリーアダプタとしては、個人的にはちょっと興味がある。
自治体図書館向け電子書籍プラットフォームビジネスの各プレーヤ
Overdriveは元々、米国の企業で、今は楽天の傘下にある。
米国ではトップシェアらしい。米国事情はよく知らないけど。
楽天 2015/3/19 : 楽天、図書館向け電子書籍配信サービス事業者
米OverDrive社の全株式を取得
当然、コンテンツはkoboプラットフォームから流用しているのかと思いきや、まったく別モノのようだ。
現状では、米Overdriveの英語コンテンツが中心で、図書館市場のニーズにまったくマッチしていない。
しかも、日本のブランチであるOverdrive Japan(?正確に言うと、法人格は無いようだ??単なる共同事業?)は、メディアドゥと組んでいる(出資比率は不明)。メディアドゥといえば、持っているのは漫画コンテンツが中心のはずで、自治体図書館が求めている種類のものではない。楽天的には、組む相手を間違えているのでは???メディアドゥ的には、おそらく漫画以外のプラットフォームビジネスにも横展開していきたいところなのだろうけど。また、楽天買収前の2014年から米Overdriveと提携していたという事情もあるようだ。
koboのコンテンツが使えないのも、おそらくライツの手続きに手間取っているためだろうけど、それにしても動きが遅過ぎる気がする。そもそもあまり力を入れていないのかもしれない。
コンテンツホルダの力が強い業界らしいので、本気で進めていくならそれらの出資を入れないとならないかもだけど、楽天的にはおそらく単体で覇権を取りたいところだろうと思料。
KADOKAWA、講談社、紀伊國屋書店、大日本印刷、TRC図書館流通センターとのJ/V。
2013年にKADOKAWA、講談社、紀伊國屋書店によって設立され、2016年に大日本印刷とTRC図書館流通センターの出資を入れている。
近場では、さいたま市がLibrariEを使って電子図書館サービスを提供していた(さいたま市の図書館会員カードは個人で作って持っているんだけど、まったく知らなかった)。
コンテンツの品揃えが・・・し○○い。
これは、○○いですね。
どうでもいいけど、ドメインのwhois見ると、システムは日本ユニシスが作ってますね。
TRCは、(2)LibrariEとは別に単体でもプラットフォーム展開しているのだが、LibrariEとTRC-DLはコンテンツを相互提供している。
おそらく、いずれTRC-DLをクローズしてLibrariEに統合してくのだろう。
細々とやっていたようだが、2017年にクローズしている。LibrariEに統合したということなのだろう。
まだまだ導入検討遥かに以前の段階
各社ともに頑張ってほしいです。
料金体系などは、調べていませんが、まあ、今の段階ではそこまで調べるまでもないでしょう。教育コスト、運用コストが膨大にかかるはずなので、タダでも要らないかなといったところだと思います。
掃いて捨てるほど粗製乱造されるくだらないマニュアル本の類ではなく、世代を越えて読み継がれるような古典的名作を電子書籍化して配信してくれれば、導入検討の可能性は出てくると思います。
ITmedia 2018/6/13 : 神戸市が楽天の「電子図書館サービス」試験導入 スマホ・PCで電子書籍を借りる
Rakuten OverDriveは、(中略)米国の90%以上の公共図書館が導入しており
それにしても、米国での電子図書館プラットフォームの普及率はかなり高いようですが、ライツ管理の仕組みが違うんですかね??